事業報告(2022年4月1日から2023年3月31日まで)

会社の現況

事業の経過及び成果

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症と社会経済活動の両立や、原材料や物価高等への対応が課題となる中で、内需の回復や日本政府による水際対策の緩和、円安の影響等によるインバウンド需要の回復等により、持ち直しの動きが見られました。
当社の属する情報サービス産業においては、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)やクラウドサービス利活用に対する注目度は依然として高く、これらに貢献するサービス提供に強い期待が寄せられております。
このような状況の中、当社は「顧客第一主義」を念頭に置き、「業務にイノベーションを お客様に感動を」をミッションとして掲げ、広く顧客及びパートナー企業に、今まで以上に利便性や信頼性を備え、高い満足をいただけるクラウドシステムや業務サービスの企画・開発、サポート&サービスを提供することに努め、企業のDX化を後押しする活動を行ってまいりました。
主な施策といたしまして、上期には、企業の経営者とバックオフィス部門がDXの価値やメリットを理解し、安心してDX化を進めることができるよう、全国のパートナー企業とともにDX化推進を支援する活動母体「バックオフィスからDX化プロジェクト」を始動しました。また、企業のバックオフィス業務のDX化に貢献する「奉行クラウド DX Suite」の発売や、あらゆる販売管理システムと連携でき、請求書の電子化・ペーパーレス化を実現するDXサービスとして、「奉行Edge 請求管理電子化クラウド」をリニューアルいたしました。
下期には、政府・各地方自治体の方針に従い、テレワークやリモート会議を活用するとともに、行動制限の緩和に合わせて対面でお客様、パートナー様にお会いする機会を増やし、コミュニケーションをより強化した営業活動を行ってまいりました。2022年11月には、あらゆるサービス・データとつながり、業務の生産性向上と経営力強化を実現する中堅・成長企業のための即戦力型SaaS ERP「奉行V ERPクラウド」を発売しました。
当事業年度末の当企業集団は、関連会社1社、その他の関係会社1社及びその他の関係会社の子会社1社で構成されており、当企業集団における主な取引内容等は、以下のとおりであります。

関連会社ユニオンソフト株式会社(当社出資比率20.1%)は、ビジネスソフトウェア(手形の達人等)の開発・販売を行っており、当社は当該ソフトウェアの仕入・販売を行っております。その他の関係会社株式会社オービックにおいては、コンピュータのシステムインテグレーション事業、システムサポート事業を行っており、当社ソフトウェアプロダクトの一部を販売しております。また、その他の関係会社の子会社である株式会社オービックオフィスオートメーションにおいては、OA関連機器の販売及び消耗品の販売を行っており、当社ソフトウェアプロダクトの販売も行っております。
現時点では子会社がありませんので、連結計算書類は作成しておりません。
このような施策の結果、売上高337億4百万円(前期比3.0%減)、営業利益147億9百万円(同10.1%減)、経常利益158億34百万円(同7.7%減)、当期純利益110億33百万円(同6.6%減)となりました。
売上高が同3.0%、営業利益が同10.1%、経常利益が同7.7%、当期純利益が同6.6%それぞれ減少した主な要因は、オンプレミス売上の減少とサブスクリプション型(継続収益)へのシフトによる収益構造の変化によるものであります。

<ご参考> 業績サマリー

品目別の売上状況

当社はソフトウェア事業の単一セグメントとし、品目別に「プロダクト」(ソリューションテクノロジー及び関連製品)と「サービス」で区分し、販売実績の品目別に開示することにしております。当事業年度の品目別の売上状況は次のとおりです。

品目別の状況

ソリューションテクノロジー及び関連製品

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当事業年度のプロダクト(ソリューションテクノロジー及び関連製品)の売上高は前期比1.1%減少し、182億66百万円(売上高構成比54.2%)となりました。
当事業年度は、昨年は製品サポート終了に伴う製品バージョンアップ等が好調であったことの反動を受け、ソリューションテクノロジー売上高は150億56百万円(前期比1.7%減)、関連製品売上高は32億9百万円(前期比1.7%増)となりました。なお、新規のお客様の需要がほぼクラウドサービスに移行していることなどを背景に、クラウドサービス売上は好調に推移しています。

サービス

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当事業年度におけるサービスの売上高は154億38百万円(売上高構成比45.8%)となりました。これは、安定的な保守契約及びウェブなどを使用した手法による操作指導等の売上が寄与したことによるものです。

設備投資の状況

当事業年度における設備投資額は、3億92百万円であります。
その主なものは、建物61百万円、工具器具備品74百万円及びソフトウェア2億56百万円の設備投資であります。

資金調達の状況

該当事項はありません。

対処すべき課題

当社は「業務にイノベーションを お客様に感動を」をミッションとして掲げております。
DX(デジタルトランスフォーメーション)で変革する時代の流れの中で、「業務のデジタル化」をキーワードに、クラウドサービスで、業務の効率化・生産性の向上を支援し、さらにUX(ユーザーエクスペリエンス)に磨きをかけ、顧客の期待を超えるサービスと感動をお届けすることこそが、当社の存在意義だと考えております。その達成のためには、社員やパートナー企業の満足度を追求し、組織力・チーム力を高め、新しいビジネスとの共創をはかり続けることが重要となります。また、SDGs等の社会課題への解決を実現するため、企業としての社会的責任を果たすことに努めてまいります。
そのために対処すべき課題として、以下の内容を推進してまいります。

(コアコンピタンスの強化)

当社は、以下の「コアコンピタンスの強化」を実現することで、引き続きクラウドを活用した新たなビジネスモデルを創出し、イノベーションを起こしてまいります。

  • ①企業業務(会計・人事・給与)の業務サービス及びEdgeサービスにフォーカスする
  • ②中堅及び中規模・小規模企業にフォーカスする
  • ③MicrosoftAzureにフォーカスする
  • ④パートナー戦略にフォーカスする
  • ⑤ブランド戦略にフォーカスする
(クラウド製品の進化・充実)

当社は、「業務のデジタル化」をキーワードに『奉行クラウド』『奉行クラウドEdge』を主力とするクラウドサービスのさらなる充実を図るとともに、基幹業務の枠を超えた連携を実現し、顧客に利便性と信頼性、新しい付加価値をご提供することで、良好で長期的な取引関係と、安定した収益基盤を築いてまいります。さらにUXに磨きをかけ、パートナー企業と共に顧客に見て、触って、感動していただける環境やサービスを提供することで、数多ある基幹業務系クラウドサービスから選択していただけるシステムを目指し、進化・充実させることに注力してまいります。

(人財戦略と健康経営)

当社は、ミッションである「業務にイノベーションをお客様に感動を」を推進するために人財戦略を策定し、OBCで働くすべての人を「人財」という財産として捉え、戦略に基づく人財投資を強化しています。「採用と教育」を最重要方針として位置付け、組織や社会への貢献力を高めるために、社員が自らの専門性や強みを伸ばすための教育の仕組みづくりと支援を最大限に行い、常に成長し続けることのできる組織づくりを行うことで、「お客様貢献度」の高い人財を育成してまいります。
また、健康経営に関する取り組みを強化してまいります。社員が心身ともに健康な状態で能力を最大限に発揮し働き続ける環境づくりを目指し、労働安全衛生的な観点から適正な労働時間の管理やメンタルヘルスへの対応等の健康管理施策を充実させ実施してまいります。

(SDGsへの取り組み)

当社は、私たちが暮らす社会を将来にわたり持続可能なものにするためには、国連の「SDGs(持続可能な開発目標)」への取り組みをはじめとした社会課題の解決が重要な課題であると考えております。当社は、全社一丸となってその課題に取り組むために、経営目標の一つとして「社会貢献」を位置づけ、長期的かつ継続的にその解決に取り組むべき4つの重要テーマを設定いたしました。

  • ITによるイノベーションの推進
  • ダイバーシティ経営の推進
  • 環境に配慮した事業活動の推進
  • 責任ある企業活動の実行

(当社の価値創造・マテリアリティ  https://corp.obc.co.jp/sustainability/value/

今後も社会環境や解決すべき課題は変化しますが、当社はその中においても普遍的な経営理念を軸に、ミッションである「業務にイノベーションを お客様に感動を」を達成し、サステナブルな社会の実現に貢献するよう取り組んでまいります。

計算書類