株主の皆様へ

株主の皆様には、日頃より、帝人グループの企業活動に格別のご理解、ご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。また、新型コロナウイルス感染症に罹患された方とそのご家族の皆様に対して、心よりお見舞い申し上げるとともに、日々ご尽力されている関係者の皆様に敬意を表し、深く感謝を申し上げます。

さて、当社第156回定時株主総会を開催いたしますので、ご案内申し上げます。

帝人グループは、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」の実現に向け、中期経営計画2020-2022「ALWAYS EVOLVING」に基づき、成長基盤の確立を目指して、「環境価値」「安心・安全・防災」「少子高齢化・健康志向」の3つのソリューション領域への積極的な資源投入や、イノベーション創出基盤の強化などへの取り組みを進めています。マテリアル事業領域では、モビリティにおける高機能・軽量化をはじめとし、お客様へソリューションを提供するビジネスモデルへの転換に取り組むとともに、カーボンニュートラルの実現に向けた投資を先行して実施しています。ヘルスケア事業領域では、糖尿病治療薬の販売権を取得し、生活習慣病の予防や重症化予防に貢献するサービス拡大に向けた基盤を確保するとともに、当社グループが持つヘルスケア/マテリアル/エンジニアリングの技術基盤の融合による事業として、再生医療事業分野に着手しています。

その一方で、2020年に端を発した新型コロナウイルス感染症の拡大はグローバルレベルで未だ収束が見通せず、世界的な半導体不足、原材料価格やエネルギー価格の高騰、物流網の混乱、国際的な政治・地政学的なリスクなどが発現しており、マテリアル事業領域を中心として影響を受けています。中期経営計画の最終年度である2022年度は目標として掲げた「成長基盤確立」に全力で取り組むとともに、次期中期経営計画を構想し、スピード感を持って、将来像を描く重要な時期でもあります。これまでの成果・結果について、できていることとできていないことをファクトベースで総括するとともに、社会の大きな変化や不確実性の中で、あらためて当社のパーパス(存在意義)を見つめ、社会やお客様が抱える真のイシュー(課題)やペイン(痛み)に正面から向き合うことで、ソリューション提供型のビジネスモデルへの変革を追求したいと考えています。そのためには、イノベーションが起こりやすい組織変革や企業文化の醸成、帝人グループ全体が一体化した強いチーム作りも重要だと考えています。全てのステークホルダーの皆様の幸せのために、当社のパーパスを起点として全社が一丸となり、マテリアリティ(重要課題)の解決に向け、持続的に価値を提供できる企業を目指してまいります。

株主の皆様には変わらぬご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。

2022年5月31日
大阪市北区中之島三丁目2番4号

代表取締役社長執行役員