事業報告(2019年4月1日から2020年3月31日まで)

企業集団の現況に関する事項

事業の経過及びその成果

当連結会計年度におけるわが国経済は、景気は緩やかな回復基調で推移しておりましたが、2019年10月の消費税増税に加えて、今般の新型コロナウイルス感染症の国内及び世界的な蔓延による影響により、経済活動の停滞が懸念されることとなり、景気の先行きが不透明な状況が一段と強まりました。

不動産業界におきましては、良質な分譲用地の取得競争の激化、それに伴う地価の上昇や人手不足を背景とした建築コストの高止まり等により、新築分譲マンションを中心に分譲事業は厳しい事業環境となりました。更に、新型コロナウイルス感染症の拡大が不動産業界に大きな影響を与えることとなり、事業への警戒感が高まってまいりました。

また、当社は、当連結会計年度において、雄健建設株式会社、関西電設工業株式会社及び日建設備工業株式会社の3社を株式取得の方法により100%連結子会社化いたしましたが、みなし取得日を2020年3月31日に設定しているため、同連結子会社3社の当事業年度の損益計算書は連結損益計算書に含めずに、当事業年度末の貸借対照表のみを連結貸借対照表に含めております。

当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度の経営成績は、期初の連結業績予想に比べて売上高は上回りましたが、各段階利益は若干下回る結果となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

分譲住宅セグメント

分譲住宅セグメントにおいては、当連結会計年度の自由設計住宅の引渡戸数は前連結会計年度に比べ169戸減少し736戸(前期は905戸)となり、分譲マンションの引渡戸数は前連結会計年度に比べ73戸減少し14戸(前期は87戸)となりました。その結果、当セグメントの売上高は28,926百万円(前期比29.3%減)となり、セグメント利益は1,313百万円(前期比64.8%減)となりました。

住宅流通セグメント

住宅流通セグメントにおいては、当連結会計年度の中古住宅の引渡戸数は前連結会計年度に比べ237戸増加し1,707戸(前期は1,470戸)となり、前連結会計年度に比べ大幅に増加いたしました。その結果、当セグメントの売上高は38,176百万円(前期比15.4%増)となり、セグメント利益は713百万円(前期比40.6%増)となりました。

土地有効活用セグメント

土地有効活用セグメントにおいては、当連結会計年度の賃貸住宅等建築請負の引渡件数が48件(前期は39件)となり、前連結会計年度に比べ増加しましたが、個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡棟数が110棟(前期は143棟)となり、前連結会計年度に比べ大幅に減少いたしました。その結果、当セグメントの売上高は23,298百万円(前期比2.3%減)となり、セグメント利益は2,171百万円(前期比8.8%減)となりました。

賃貸及び管理セグメント

賃貸及び管理セグメントにおいては、主として土地有効活用事業にリンクしたサービス付き高齢者向け賃貸住宅等の賃貸物件及び分譲マンションの引渡しに伴い管理物件の取扱い件数が増加したことに加えて、前連結会計年度に比べ稼働率が上昇したことにより、当セグメントの売上高は20,042百万円(前期比12.3%増)となり、セグメント利益は2,430百万円(前期比39.1%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高110,444百万円(前期比4.6%減)を計上し、営業利益5,002百万円(前期比24.6%減)、経常利益4,611百万円(前期比28.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益3,088百万円(前期比28.1%減)となりました。

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対処すべき課題

今後の見通しにつきましては、わが国経済は、長期間続いた好景気に陰りが見え始める中、不動産業界は地価の上昇傾向や建築コストの増加が著しく、経営環境が厳しくなってきております。また、2019年10月の消費税増税に加えて、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延が国内外の経済に大きな影響を及ぼしつつあり、更には、感染者数が増加の一途をたどっていることから、先行きが見通せない状況となってきており、経営環境がより一層厳しくなる可能性があります。

当社グループにおきましては、今後も不透明な経済状況が予想される中、営業力の一層の強化と顧客ニーズにマッチした立地選定・商品企画を図り、原価の削減及び高品質の商品供給に注力いたします。また、安定した収益を獲得できる収益基盤として、賃貸収入を生む自社所有物件を積極的に増やし、ストックビジネスを中核事業として強化することで、市場環境の変化に対応できるよう努めてまいります。

当社グループは、2019年5月に、2019年度(2020年3月期)を初年度とし2021年度(2022年3月期)を最終年度とする3ヶ年の中期利益計画を策定しており、初年度となる当連結会計年度における実績と計画は以下のとおりとなっております。

今後につきましても株主重視の経営という観点から、企業価値の向上と継続的・安定的な成長を図り、企業の経営効率を判断する指標であるROEを重要な経営指標として意識し、財務体質の強化及び安定した収益の確保に努めてまいります。

当社は、従業員の健康管理に積極的に取り組む企業として、経済産業省が東京証券取引所と共同で選定を行う「健康経営銘柄」に2016年、2018年、2019年の3回選定されました。また、2020年3月2日付で経済産業省が日本健康会議と共同で認定を行う「健康経営優良法人2020 大規模法人部門(ホワイト500)」にも認定されました。こちらは初年度より4年連続での認定となっております。経営トップが先頭に立ち、全ての社員が健康への意識を高め、心身の健康を維持できるよう、枠にとらわれず柔軟性を活かし様々な環境を整えていることを評価いただいたものと認識しております。

さらに、2018年度には総務省が表彰する「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」を受賞しております。総務省は、テレワークの導入・活用を進めている企業・団体の中から十分な実績を持つ企業等を「テレワーク先駆者百選」として公表し、特に優れた企業・団体が「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」として表彰されております。内勤者以外のモバイルワーク化を進めている点、通勤不可能な遠方に在住の身障者の方を在宅勤務にて採用し、地方にいる優良な人財の雇用を実現している点をご評価いただくとともに、総務大臣賞を受賞した企業の共通項として、「雇ってよし・働いてよし・社会によし」の三方よしを実現していることが選定の理由であると選評いただきました。

社会貢献活動におきましては、2018年度に創業45周年記念事業の一環として、和歌山県の「企業の森」による、森林保全・管理活動に係る協定の調印を行いました。和歌山県日高郡日高川町の森林を「フジ住宅の森」と名付け、当社及びフジ住宅グループ社員・家族のボランティアによる植林並びに育林活動を通じて、地域との交流を深め、森林保全を進めております。

また、安全で住みよい街づくりへ貢献するため、「フジ住宅青色防犯パトロール隊」を発足し、2019年3月1日より岸和田市内の小学校区を中心に、週1回、下校時間帯に当社の社有車でパトロール活動を行い地域防犯に取り組むなど、様々な活動を行いました。

今後も引き続き、社員の健康管理を経営的な視点で考え、社員が幸せに働ける環境整備に取り組むことにより業績・企業価値の向上を実現し、全てのステークホルダーへの社会的責任を果たすべく、これからも邁進してまいります。

株主の皆様におかれましては、今後ともなお一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申しあげます。

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財産及び損益の状況

連結計算書類