事業報告(2023年4月1日から2024年3月31日まで)

事業の概要について動画をご視聴いただけます

https://www.daidan.co.jp/ir/shareholder/video-202406/

企業集団の現況に関する事項

事業の経過及びその成果

当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍の収束により社会経済活動の正常化が進み、内需・外需とも回復がみられました。企業業績の向上、それに伴い雇用・所得の改善もみられることから、景気は回復基調で推移しました。好調な企業収益により、設備投資は増加しており、今後もその基調が続く見通しであります。

建設業界におきましては、企業の旺盛な設備投資に支えられ、受注環境は良好ではありますが、建設資機材価格の高止まり、人材の不足や人件費の高騰など課題も多くあり、コストの改善や生産性の向上が求められています。

このような状況のもと、当社グループは、2024年3月期を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画「整えるステージ」に基づき、国内外事業の基盤整備と強化を図ってまいりました。

この結果、当社グループの受注工事高は、前連結会計年度比22.7%増(467億9千6百万円増)の2,531億3千4百万円となりました。

完成工事高につきましては、前連結会計年度比6.2%増(114億6千9百万円増)の1,974億3千1百万円となりました。この結果、次期への繰越工事高は、前連結会計年度比30.2%増(557億2百万円増)の2,398億6千1百万円となりました。

利益面につきましては、営業利益は前連結会計年度比29.1%増(24億4千9百万円増)の108億7千7百万円となりました。経常利益は前連結会計年度比28.3%増(26億3千万円増)の119億1千8百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比37.1%増(24億6千万円増)の90億8千7百万円となりました。

また、昨年度に判明した、当社元従業員らによる不正行為につきまして、2023年5月11日に公表した再発防止策を着実に実施し、コンプライアンス経営の徹底を推進しております。

FY2021 – 2023 中期経営計画
Stage2030 / Phase1整えるステージ
《整えるステージ》数値目標

■当社グループの業績ハイライト

主な受注工事、完成工事は次のとおりであります。

対処すべき課題

中期経営計画 Phase2

長期ビジョンで示す3つのフェーズのうち、2番目にあたる2025年3月期から2027年3月期までの3年間を、中期経営計画「磨くステージ」としております。「磨くステージ」の方針は、「人材戦略を基盤とした人づくりの実現により企業価値を高める」とし、長期ビジョンの3つの基本方針はそのままに人材戦略・事業戦略・サステナビリティへの取り組みをより強力に推進してまいります。

「磨くステージ」の数値目標は、最終期の2027年3月期において連結売上高2,600億円・連結営業利益160億円とし、資本効率性を重視しROE10%以上を目標といたします。

FY2024 – 2026 中期経営計画
Stage2030 / Phase2磨くステージ
《磨くステージ》数値目標
財務戦略
キャピタルアロケーション
ESG経営の推進

当社の事業における社会や環境への影響度を評価して設定したマテリアリティ(重要課題)を、今回の中期経営計画策定に合わせて更新いたしました。

マテリアリティ(重要課題)
サステナビリティ推進体制

「サステナビリティ委員会」を設置し、取締役会の監督のもと、マテリアリティの進捗管理や、部門横断的に組成した「タスクフォース」を通じたサステナビリティ課題に取り組んでおります。

気候変動をはじめとするサステナビリティ課題は、事業上の重要なリスクであると認識し、事業リスク全般を管理している「リスクマネジメント委員会」と「サステナビリティ委員会」が相互に情報共有を行っております。

※2024年4月1日の機構改革により、品質環境・サプライチェーン本部長を委員から削除するとともに、国際事業本部長を委員として新たに追加しております。

長時間労働是正に向けた「SMILE2024 Project」

「サステナビリティ委員会」傘下に「働き方改革タスクフォース」を立ち上げ、「SMILE2024 Project」の活動を進めております。

全社を挙げて長時間労働の是正のために「現場サポート部の充実」「アウトソーシングの拡大」「コミュニケーション活性化」をテーマに、取り組みを実施しております。

■主な取り組み内容

「Try4・8!」運動

「SMILE2024 Project」の一環として、「Try4・8!」運動を進めております。

「Try4・8!」は、残業時間40時間以内を6ヵ月以上、80時間以内を6ヵ月以内、4週8休からトライしよう、という運動のスローガンであります。

「Try4・8!」運動のシンボルとして従業員は缶バッジを身につけ、運動を推進する上での意識づけとしております。

現代版「OMOYA」(母屋)ダイダン新潟支店が完成

『3つの脱とレジリエンスを「DX」で実現し、新しい働き方を推進するオフィス』をコンセプトとしたダイダン新潟支店が完成いたしました。

新潟支店は、拠点となる店社(OMOYA)と現場との新しいあり方を構築していることに加え、建築物省エネルギー性能表示においてBELS 5☆ Nearly ZEBに認定されるなど高い評価を受けております。

新潟支店の建設と運用を通じ、DX技術の深化によるさらなる生産性向上と新しい働き方を推進してまいります。

※脱ルーチン、脱ストレス、脱カーボン

超臨界CO₂によるエアフィルタ再生サービス

超臨界CO₂によりエアフィルタを洗浄再生し、再使用を可能とするクリーニングサービスを提供しております。このサービスで使用される超臨界CO₂フィルタ再生技術は、当社の独自技術であり、お客さまのコストダウンや環境負荷の低減に貢献しております。

さらなる再生効率の向上のために、再生プラントを増強しており、エアフィルタの対象範囲とサービス事業の拡大を目指してまいります。

最適な医療環境の実現に向けて

再生医療分野への貢献を掲げ、質の高い医療のための安全な環境の実現を推進しております。子会社のセラボヘルスケアサービス株式会社と連携し、設備のノウハウだけでなく、施工後の運用方法もあわせて利用者が長期的かつ安全に維持管理できる施設を提案しております。

また、施設の提供だけでなく、細胞加工による医薬品の受託製造まで事業を拡げております。

連結計算書類