
第120回定時株主総会
招集ご通知
開催概要
議案
会社提案
- 第1号議案
- 第2号議案
- (ご参考)
- 第3号議案
株主提案
- 第5号議案
- 第6号議案
議案
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会社提案
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1.提案の理由
当社は、「成長投資」「事業運営資金」「株主還元」にバランスよく資金配分を行い、中長期的な企業価値の向上及び株主共同の利益の実現のため、「株主還元」について株主からの提案がある場合には株主総会の決議によっ て定めることができるよう、現行定款第35条(剰余金の配当等の決定機関)につきまして変更するものでありま す。
2.変更の内容
変更の内容は次のとおりであります。
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取締役全員(8名)は、本定時株主総会終結の時をもって任期満了となりますので、取締役8名の選任をお願いするものであります。
取締役候補者は、次のとおりであります。
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候補者番号1
江崎勝久
えざきかつひさ
- 再任
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候補者番号2
江崎悦朗
えざきえつろう
- 再任
-
候補者番号3
栗木隆
くりきたかし
- 再任
-
候補者番号4
本澤豊
ほんざわゆたか
- 再任
-
候補者番号5
大石佳能子
おおいしかのこ
- 再任
- 社外
- 独立役員
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候補者番号6
原丈人
はらじょうじ
- 再任
- 社外
-
候補者番号7
滝口広子
たきぐちひろこ
- 新任
- 社外
- 独立役員
-
候補者番号8
武藤華子
むとうはなこ
- 新任
- 社外
- 独立役員
候補者番号1
江崎勝久 えざきかつひさ
1941年8月27日生
- 再任
所有する当社株式の数
260,131株
略歴、地位、担当及び重要な兼職の状況
1966年6月 当社入社 1972年11月 同 取締役秘書室長 1973年11月 同 代表取締役副社長 1982年6月 同 代表取締役社長 2022年3月 同 代表取締役会長、現在に至る 取締役候補者とした理由
江崎勝久氏は、1982年6月に代表取締役に就任して以来、当社グループの事業拡大、グローバル化、構造改革等を推進してまいりました。また、長期計画を策定し、事業の強化・拡大に努めております。今後も、当社の経営理念を実現し事業戦略を遂行できると判断して、引き続き取締役として選任をお願いするものであります。
候補者番号2
江崎悦朗 えざきえつろう
1972年10月31日生
- 再任
所有する当社株式の数
32,829株
略歴、地位、担当及び重要な兼職の状況
2004年4月 当社入社 2008年6月 同 取締役執行役員コミュニケーション本部長兼事業統括本部副本部長 2010年4月 同 取締役常務執行役員コミュニケーション本部長兼事業統括本部副本部長兼マーケティング部長 2012年4月 同 取締役専務執行役員マーケティング本部長兼マーケティング部長、広報担当 2016年6月 同 代表取締役専務執行役員マーケティング本部長、広報・情報システム担当 2017年4月 同 代表取締役専務執行役員マーケティング本部長、海外事業、広報・情報システム担当 2017年10月 同 代表取締役専務執行役員経営企画本部長、グローバルマーケティング、海外事業、情報システム担当、Glico Asia Pacific Pte. Ltd.CEO 2018年10月 同 代表取締役専務執行役員経営企画本部長兼経営企画部長、グローバルマーケティング、海外事業、情報システム担当、Glico Asia Pacific Pte. Ltd. CEO 2022年1月 同 代表取締役専務執行役員経営企画本部長兼経営企画部長、グローバルマーケティング、海外事業、情報システム、サステナビリティ、人事担当、Glico Asia Pacific Pte. Ltd. CEO 2022年3月 同 代表取締役社長、現在に至る 取締役候補者とした理由
江崎悦朗氏は、当社入社以来、広告・開発業務に携わり、2008年6月に取締役に就任し、その後も情報システム、経営企画部門や海外部門の総責任者等を務めるなど幅広い分野の経験を積み重ね、現在は代表取締役社長を務めております。今後も、当社の経営理念を実現し事業戦略を遂行できると判断して、引き続き取締役として選任をお願いするものであります。
候補者番号3
栗木隆 くりきたかし
1957年11月13日生
- 再任
所有する当社株式の数
14,251株
略歴、地位、担当及び重要な兼職の状況
1981年3月 当社入社 2006年6月 同 取締役生物化学研究所長 2008年6月 同 取締役常務執行役員研究本部長兼生物化学研究所長兼新素材営業グループ長 2015年7月 同 取締役常務執行役員、研究部門統括健康科学研究所長 2018年4月 同 取締役常務執行役員、健康科学研究所長 2021年1月 同 取締役、研究フェロー、現在に至る 取締役候補者とした理由
栗木隆氏は、当社入社以来、研究関連業務に携わり、2006年6月に取締役に就任後も研究部門を統括しております。今後も、当社の経営理念を実現し事業戦略を遂行できると判断して、引き続き取締役として選任をお願いするものであります。
候補者番号4
本澤豊 ほんざわゆたか
1960年3月5日生
- 再任
所有する当社株式の数
3,300株
略歴、地位、担当及び重要な兼職の状況
1986年4月 ソニー株式会社(現 ソニーグループ株式会社)入社 2008年8月 同 連結経理部統括部長 2010年4月 同 経営管理部ジェネラルマネージャー 2012年12月 国際会計基準審議会(IASB)・世界作成者フォーラム(GPF)日本代表委員 2015年1月 ソニー株式会社(現 ソニーグループ株式会社) 北米エレクトロニクス事業会社 CFO 2018年9月 同 米国統括会社 Senior Vice President(CFO) 2020年3月 当社 取締役、コーポレートガバナンス担当、現在に至る 2020年6月 SREホールディングス株式会社 社外取締役(監査等委員) 取締役候補者とした理由
本澤豊氏は、グローバル企業での長年にわたる経理・財務領域の経験や、国際会計基準に関する深い見識を有しているほか、コーポレートガバナンス経営並びに組織経営に関する見識と実務実績があることから、今後も、当社の経営理念を実現し事業戦略を遂行できると判断して、引き続き取締役として選任をお願いするものであります。
候補者番号5
大石佳能子 おおいしかのこ
1961年3月24日生
- 再任
- 社外
- 独立役員
所有する当社株式の数
0株
取締役会の出席状況
94%
略歴、地位、担当及び重要な兼職の状況
1983年4月 日本生命保険相互会社入社 1988年11月 マッキンゼー・アンド・カンパニー入社 1993年1月 同 パートナー 1997年7月 同 顧問 2000年6月 株式会社メディヴァ設立
同 代表取締役、現在に至る2000年7月 株式会社西南メディヴァ(現 株式会社シーズ・ワン)設立
同 代表取締役、現在に至る2004年8月 医療法人社団プラタナス設立
同 総事務長、現在に至る2015年6月 参天製薬株式会社 社外取締役 2015年6月 当社 社外取締役、現在に至る 2016年3月 株式会社資生堂 社外取締役、現在に至る [重要な兼職の状況] ・株式会社メディヴァ 代表取締役 ・株式会社シーズ・ワン 代表取締役 ・株式会社資生堂 社外取締役 社外取締役候補者とした理由及び期待される役割の概要
大石佳能子氏は、企業経営等の豊富な経験や実績、幅広い知識と見識をもとに、独立した立場から経営全般に助言をいただけることを期待しており、取締役会の機能をさらに強化できるものと判断し、引き続き社外取締役として選任をお願いするものであります。
候補者番号6
原丈人 はらじょうじ
1952年10月10日生
- 再任
- 社外
所有する当社株式の数
2,158株
取締役会の出席状況
100%
略歴、地位、担当及び重要な兼職の状況
1984年6月 デフタ パートナーズ グループ会長、現在に至る 1985年4月 アライアンス・フォーラム財団 会長・代表理事、現在に至る 2006年10月 財務省 参与 2007年1月 国際連合 政府間機関特命全権大使 2009年9月 ザンビア共和国 大統領顧問 2013年4月 経済財政諮問会議専門調査会 会長代理 2013年8月 内閣府 本府参与 2015年6月 ニッコー株式会社 社外取締役、現在に至る 2019年2月 当社 顧問 2019年6月 同 社外取締役、現在に至る 2020年7月 法務省 危機管理会議 委員 2020年9月 同 危機管理会社法制会議 議長 2021年3月 株式会社バッカス・バイオイノベーション 取締役会長、現在に至る 2021年12月 香港中文大学医学部 栄誉教授、現在に至る 2022年7月 大阪公立大学医学部 特別客員教授、現在に至る 2023年10月 香港理工大学工学部 栄誉教授、現在に至る 2024年4月 大阪大学医学部 招聘教授、現在に至る [重要な兼職の状況] ・デフタ パートナーズ グループ会長 ・株式会社バッカス・バイオイノベーション 取締役会長 ・アライアンス・フォーラム財団 会長・代表理事 ・ニッコー株式会社 社外取締役 ・香港中文大学医学部 栄誉教授 ・大阪公立大学医学部 特別客員教授 ・香港理工大学工学部 栄誉教授 ・大阪大学医学部 招聘教授 社外取締役候補者とした理由及び期待される役割の概要
原丈人氏は、企業経営及び政府機関における豊富な経験や実績、幅広い知識と見識をもとに、経営全般に助言をいただくことを期待しており、取締役会の機能をさらに強化できるものと判断し、引き続き社外取締役として選任をお願いするものであります。
候補者番号7
滝口広子 たきぐちひろこ
1963年12月24日生
- 新任
- 社外
- 独立役員
所有する当社株式の数
0株
略歴、地位、担当及び重要な兼職の状況
1992年4月 弁護士会登録(大阪弁護士会)
北浜法律事務所(現 北浜法律事務所・外国法共同事業)入所2003年1月 同 パートナー、現在に至る 2005年5月 株式会社メディカル一光(現 株式会社メディカル一光グルー プ)社外取締役 2018年4月 大阪大学大学院高等司法研究科 特任教授 2020年9月 京都工芸繊維大学 監事 2021年4月 大阪弁護士会 副会長 2022年3月 株式会社千趣会 社外監査役、現在に至る 2022年6月 三ツ星ベルト株式会社 社外監査役、現在に至る [重要な兼職の状況] ・北浜法律事務所・外国法共同事業 パートナー ・株式会社千趣会 社外監査役 ・三ツ星ベルト株式会社 社外監査役 社外取締役候補者とした理由及び期待される役割の概要
滝口広子氏は、過去に社外役員となること以外の方法で会社の経営に関与された経験はありませんが、弁護士としての幅広い知識や豊富な経験をもとに、また、法律の専門家として独立した立場から当社の経営に対する助言をいただけることを期待しており、取締役会の機能をさらに強化できるものと判断し、社外取締役として選任をお願いするものであります。
候補者番号8
武藤華子 むとうはなこ
1965年4月16日生
- 新任
- 社外
- 独立役員
所有する当社株式の数
0株
略歴、地位、担当及び重要な兼職の状況
1986年8月 株式会社三井銀行(現 株式会社三井住友銀行) 入行 1999年10月 ソニー株式会社(現 ソニーグループ株式会社) 入社 2008年5月 三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社(現 株式会社KJR マネジメント)入社 2012年4月 株式会社ネクソン 入社 2013年5月 マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社 入社 2018年11月 日本エア・リキード株式会社(現 日本エア・リキード合同会社)入社 2022年7月 コーン・フェリー・ジャパン株式会社 パートナー 2023年6月 CYBERDYNE株式会社 社外取締役、現在に至る 2023年12月 株式会社FPG 社外取締役、現在に至る [重要な兼職の状況] ・CYBERDYNE株式会社 社外取締役 ・株式会社FPG 社外取締役 社外取締役候補者とした理由及び期待される役割の概要
武藤華子氏は、企業経営等の豊富な経験や実績、幅広い知識と見識をもとに、独立した立場から経営全般に助言をいただけることを期待しており、取締役会の機能をさらに強化できるものと判断し、社外取締役として選任をお願いするものであります。
(注)
1.原丈人氏は、デフタ パートナーズグループ会長であり、当社はデフタ パートナーズがジェネラルパートナーもしくは無限責任組合員として運営するDEFTA Healthcare Technologies, L.P.に10百万ドル出資し、Coba1号投資事業有限責任組合に306百万円出資しております。またDEFTA Healthcare Technologies, L.P.及びCoba1号投資事業有限責任組合が出資する株式会社バッカス・バイオイノベーションに300百万円を出資しております。
2.江崎勝久、江崎悦朗、栗木隆、本澤豊、大石佳能子、滝口広子及び武藤華子の7氏の取締役候補者と当社との間には、特別の利害関係はありません。
3.大石佳能子、原丈人、滝口広子及び武藤華子の4氏は、社外取締役候補者であります。
4.大石佳能子氏は、現に当社の社外取締役であります。その就任してからの期間は、本定時株主総会終結の時をもって9年9ヶ月となります。また、金融商品取引所が定める独立役員として届け出ております。
5.原丈人氏は、現に当社の社外取締役であります。その就任してからの期間は、本定時株主総会終結の時をもって5年9ヶ月となります。
6.滝口広子氏は、新任の社外取締役候補者であります。また、同氏は金融商品取引所の定めに基づく独立役員の要件を満たしておりますので、当社は同氏を独立役員として指定する予定であります。
7.武藤華子氏は、新任の社外取締役候補者であります。また、同氏は金融商品取引所の定めに基づく独立役員の要件を満たしておりますので、当社は同氏を独立役員として指定する予定であります。
8.滝口広子氏の戸籍上の氏名は玉泉広子であります。
9.当社は、大石佳能子及び原丈人の両氏との間で、損害賠償責任の限度額を法令が定める限度額とする責任限定契約を締結しております。また両氏の再選が承認された場合、当社は両氏との間で当該責任限定契約を継続する予定であります。また、滝口広子氏及び武藤華子氏の選任が承認された場合は、両氏との間で同様の責任限定契約を締結する予定であります。
10.当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、被保険者が負担することになる法律上の損害賠償金及び争訟費用の損害を当該保険契約により填補することとしております。各候補者が選任され就任した場合は、当該保険契約の被保険者に含められることとなります。また、次回更新時には同内容での更新を予定しております。
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第2号議案が原案どおり承認可決された場合、取締役会の構成は以下のとおりです。
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当社の取締役の金銭報酬の額は、2020年3月24日開催の第115回定時株主総会において、「取締役の金銭報酬の額を年額3億9,000万円以内(うち社外取締役分3,500万円以内)」としてご承認いただいております。
ガバナンス体制の一層の強化と昨今の経営環境の変化に対応するため、「取締役の金銭報酬の額を年額3億9,500万円以内(うち社外取締役分4,000万円以内)」と改定することをお願いするものであります。なお、取締役の金銭報酬の額には、従来どおり使用人兼務取締役の使用人分給与は含まないものといたします。
本議案は、当社の事業規模や現在の取締役会の構成及び報酬体系、今後の経営環境の変化等を総合的に勘案して取締役会で決定しており、相当であるものと判断しております。
また、当社の取締役の個人別の報酬等の内容にかかる決定方針は事業報告「役員報酬等の内容の決定に関する方針等」に記載のとおりであります。
なお、現在の取締役は8名(うち社外取締役4名)であり、第2号議案「取締役8名選任の件」が原案どおり承認可決されましても、取締役の員数(社外取締役含む)に変更はありません。
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株主提案
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第4号議案から第6号議案までは、株主様1名からご提案いただいたものです。なお、以下の議案の要領及び提案の理由は、議案ごとに整理し、提案株主様から提出されたものを原文のまま記載しております。
1.議案の要領
現行の定款に「第 7 章 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を新設し、第38条として、以下の条文を新設する。なお、本株主総会における他の議案(会社提案に掛かる議案を含む。)の可決により、本議案として記載した条文に形式的な調整(条文番号のずれの修正を含むが、これらに限られない)が必要となる場合は、本議案に掛かる条文を、必要な調整を行った後の条文に読み替えるものとする。
(資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応)
第38条 当会社は、上場会社である限り、東京証券取引所が要請する「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の精神に則り、下記を実践する。
1. 株主・投資家の視点から資本コストを捉え、開示する
2. 株主・投資家の視点を踏まえて自社の株価を多面的に分析・評価する
3. バランスシートが資本コストや資本収益性の観点から効率的な状態となっているか点検し、改善が必要と考えられる場合にはその計画を開示・実践する
4. 資本コストや資本収益性を意識した上で、事業ポートフォリオの見直しを含む経営資源の適切な配分を意識した抜本的な取り組みを行い、適切な経営資源の配分に基づくキャピタルアロケーション方針を開示する
5. 資本コストを低減させるという意識を持ち、改善が可能と考えられる場合にはその計画を開示・実践する
6. 中長期的な企業価値向上のインセンティブとなる役員報酬制度の設計を行う
7. 中長期的に目指す姿の実現に向けて、どのような意図で各取り組みを実施するのか、各取り組みがどのように課題解決につながるのか、分かりやすく開示する
8. 経営陣や取締役会が、株主・投資家との対話に主体的に関与する
2.提案の理由
弊社は 2023年3月31日に東京証券取引所がプライム市場及びスタンダード市場の全上場会社を対象として要請している「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」(以下、「東証要請」)の主旨に賛同しております。また、その対応が形式面にとどまらず、実効性の高いものであるために、2024年2月1日に東京証券取引所が発表した「投資者の視点を踏まえた『資本コストや株価を意識した経営』のポイントと事例」(以下、「ポイントと事例」)に基づく、取り組みの継続的な検証が有効であると考えます。
現状、プライム市場上場企業の約8割が東証要請に関する対応を開示済みという状況を踏まえれば、本東証要請はすでにその役割を終えていると思われるかもしれません。しかし、弊社の最大の問題意識は企業によってその開示・取り組みの質の差が著しいことです。優れた開示に基づき、対応を推進し、企業価値向上に向けた取り組みと実効性の高い連携を行っている企業もある一方、残念ながら東証要請の趣旨を理解していない、あるいは意欲がないまま形式だけ整えたと思われる企業も存在します。
当社は、東証要請に基づく開示状況は開示済となっておりますが、ポイントと事例に基づく項目に従った具体的な開示が不十分であり、当社が ROE8%目標を達成し中長期的な企業価値向上のためには、利益の継続的な成長だけではなく、バランスシートをベースとする資本コストや資本収益性を意識した経営を実践すべきです。弊社はポイントと事例に記載の項目において、3.バランスシートが効率的な状態になっているか点検しその改善計画の開示と実践、4.事業ポートフォリオの見直しを含む経営資源の適切な配分を意識した抜本的な取り組みとキャピタルアロケーション方針の開示、7.中長期的に目指す姿の実現に向けた分かりやすい開示は、当社にとって特に改善の必要性が高い項目であると考えます。当社がこの具体的な内容を開示することによって、東証要請の趣旨である中長期的な目線を持つ株主・投資者の期待に応えることができると考えます。
3.当社取締役会の意見
当社取締役会としては、本株主提案議案に反対いたします。
本株主提案は、東京証券取引所が要請する「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の取組みに関して、定款に条文を新設することを求めるものですが、会社の根本規則である定款に定める事項として適切ではないと考えております。
当社グループは、企業の存在意義(パーパス:すこやかな毎日、ゆたかな人生)及びありたい会社の姿(ビジョン:Glicoグループは人々の良質なくらしのため、高品質な素材を創意工夫することにより、「おいしさと健康」を価値として提供し続けます。)の実現に向けた長期経営構想の第2ステップとして、2025年2月13日に公表いたしました、加速フェーズと位置付ける新中期経営計画(2025年度~2027年度)を策定し、パーパス実現を通じて、グローバル10億人のウェルビーイングに貢献してまいります。
新中期経営計画では、当社の市場価値や資本収益性に関する分析及び現状認識を示すとともに、「価値創造による利益創出を加速、ROE6~8%の達成を目指す」ことを目標に掲げ、価値創造・価値向上案件の増加による売上成長及び利益向上を目指すだけでなく、ROE目標の達成に向けて成長投資枠の活用と株主還元を機動的に実施してまいります。
また、当社グループにおける現在の資本コストは4~6%と推定しております。今後も株式市場との対話を重ねながら、新中期経営計画で計画中の各施策を実行することで、資本コストを上回る収益性の達成により、中長期的な企業価値向上及び株主共同の利益に資する経営を目指してまいります。
上記のとおり、当社グループは「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関して鋭意取組みを推進しており、また市場環境や事業戦略の変化に迅速かつ柔軟に対応するためにも、本株主提案が求める会社の根本規則である定款に記載すべき事項ではないと考えます。
よって、当社取締役会は、本株主提案に反対いたします。
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1.議案の要領
会社法第 156条第1項の規定に基づき、本定時株主総会終結の時から1年以内に、当社普通株式を、株式総数 6,360,000 株、取得価額の総額 27,000,000,000 円を限度として、金銭の交付をもって取得することとする。
2.提案の理由
当社の保有する現金及び預金と有価証券、投資有価証券の合計から借入金を差し引いた金額である当社の純財務資産は 2024年9月末時点で 1,018 億円と計算され、2024年9月末時点の時価総額の約40%の規模となっております。必要資金を超えた現金資産の積み上げは資本効率の低下・企業価値の毀損につながります。当社はROE8%達成を目指しておりますが、当社の過去5年間平均のROEは5%台と過大な現金資産の保有が ROE低下の要因となっており、ROE向上のためには継続的な利益成長のみではなく、株主還元をさらに拡充し資本効率を改善することが必要です。割安な状態での自己株式取得は、一株当たり利益と純資産の改善を通じた企業価値向上や発行済株式総数の減少を通じた将来的な配当負担を減らす効果があり、短期的な株価上昇ではなく、中長期的な企業価値向上を図ることができます。
そして、弊社の提案による270億円を限度とする自己株式取得は当期純利益の規模を超えるものとなりますが、当社の純財務資産が 1,018億円であることを考えれば、将来の M&A・設備投資・研究開発資金、さらには予期せぬリスクへ備えるための必要な資金を十分に確保することが可能であり、当社の成長投資、事業運営資金、株主還元のバランスが損なわれることはありません。よって、株主還元の拡充および資本効率の向上を図り中長期的な企業価値向上のため、当社が発行済株式総数(自己株式を除く)の約10%を自己株式として取得する施策を採用すべきと考えます。
3.当社取締役会の意見
当社取締役会としては、本株主提案議案に反対いたします。
当社グループは、存在意義(パーパス)である『すこやかな毎日、ゆたかな人生』の実現に向けて、価値創造による利益創出を加速させ、中長期的な企業価値向上を実現するための成長投資や株主還元に対し、資金をバランスよく配分することが極めて重要であると考えております。
新中期経営計画における資本政策では、海外を中心に成長を見据えた事業投資に加えて、株主還元の強化を計画しており、中長期視点で株主の皆様とともに成長するグリコを目指しております。
手元資金及び3カ年で創出する営業キャッシュ・フローを原資とし、事業継続に必要な「通常投資」に300億円、海外生産能力の増強や中長期の成長に向けた「成長投資」に450~500億円、配当性向45%以上の「株主還元」に250億円(前中期経営計画期間の株主還元は配当性向35%以上)を計画し、成長のための投資と安定的な株主還元の両立を主眼としております。
当社グループは、上記方針に基づき、中長期的な経営戦略や経営環境を踏まえ、年間配当金を決定し、安定的な配当を含めた株主還元の強化を図っております。なお、これまでの株主還元実績は下表のとおりであり、2024年度については1株当たり年間配当金90円(連結配当性向70%)としております。
一方で、本株主提案は、1年以内に株式総数6,360,000株、取得価額の総額270億円の自己株式取得を求めるものであり、当社の2024年度の親会社株主に帰属する当期純利益が81億円であることを踏まえると、自己株式の取得価額総額は約3.3倍と過大な水準であり、かつ本定時株主総会終結の時から1年以内という短期間での実施を求めるものであることから、短期的な視点に立脚しているものと考えざるを得ません。本株主提案は当社グループの中長期的な企業価値向上及び株主共同の利益を毀損するおそれがあり、当社の経営方針とは馴染まないものと考えます。
よって、当社取締役会は、本株主提案に反対いたします。
(参考)過去6年間の株主還元実績及び当年度の予定
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1.議案の要領
当社の取締役の報酬限度額は、2020年3月24日開催の定時株主総会において年額390百万円以内(うち、社外取締役年額35百万円以内)とすること、これとは別枠で、2018年6月28日開催の定時株主総会において、株式報酬の額として年額150百万円以内、株式数の上限を年27,000株以内(社外取締役は付与対象外。当社と委任契約を締結している執行役員への報酬を含む)とすることが承認されているが、今般、譲渡制限付株式報酬制度の対象となる当社の取締役と執行役員に対し、年額390百万円以内、付与株式数の上限92,000 株の譲渡制限付株式付与のための金銭報酬債権を付与することとする。
具体的な支給時期及び配分については、取締役会において決定するが、ROEとTSR(株主総利回り)を含む業績連動型のインセンティブ制度として設計し、かつ、業績基準を満たす場合には累計で固定報酬の3倍相当の譲渡制限付株式を今後3年間で付与するよう設計するものとする。
2.提案の理由
弊社は日本の取締役会の最大の弱点が各取締役による株式保有の少なさ、それによる株主目線の欠如にあると考えます。当社においても創業家出身者を除き各取締役の株式保有が少なく、取締役の経済的利益の大半は固定報酬としての基本報酬であり、一部業績の達成に紐づく報酬があるものの、譲渡制限付株式報酬の目的である株主との価値共有が不十分と考えます。取締役に当社の企業価値の持続的向上を図る経済的インセンティブを持たせ、株主と利益を一体化することで企業価値向上の成果を株主とともに享受することが必要です。
取締役と株主との価値共有を図るための効果的な株式報酬の目安は、固定報酬の3倍相当とされております。当社は譲渡制限付株式報酬制度を導入しているものの、第119期(2023年1月1日から2023年12月31日まで)では当社の取締役(社外取締役を除く)に年額約209百万円の固定報酬が支払われているのに対し、株式報酬は33百万円となっており、固定報酬の約16%しかありません。このペースでは、取締役と株主との価値共有を図るために効果的な株式報酬の目安とされる固定報酬の3倍相当の株式保有に到達するまで、約19年かかることになります。譲渡制限付株式報酬は取締役の在任中に付与されなければ意味がありませんので、より短期間で一定規模の付与がなされる必要があります。
また、欧米においてはほぼすべての主要上場企業において、株主との価値共有に必要と考えられる一定量の株式について一定期間の継続保有要件を定める株式保有ガイドラインが採択されています。数年間の猶予期間を経て、トップマネジメントであれば基本報酬の 3~5 倍、社外取締役でも報酬の 1 倍とするケースが大半です。弊社は当社の取締役その他の経営陣にも、過去の常識にとらわれず、世界水準に劣らないオーナーシップのレベルを目指すこと、適切な開示を通じてそのコミットメントを示すことを提案し、株式保有ガイドラインを制定すべきと考えます。
3.当社取締役会の意見
当社取締役会としては、本株主提案議案に反対いたします。
当社の取締役の報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして十分に機能するよう株主利益と連動した報酬体系とし、個々の取締役の報酬の決定に際しては各職責を踏まえた適正な水準とすることを基本方針としております。
また、当社は社外取締役を除く取締役及び当社と委任契約を締結している執行役員に対し、株主の皆様との一層の価値共有を進め、中長期的な企業価値の持続的な向上を目的として、2018年6月28日開催の第113回定時株主総会決議にて事後交付型譲渡制限付株式報酬制度(年額150百万円以内、株式数の上限年27,000株以内)を導入しております。なお、当社はグループ従業員を対象とした譲渡制限付株式報酬制度を2024年度に導入しました。経営層だけでなく、グループ従業員もパーパスの実現や企業価値向上に向けて一致団結し、株価に対する意識付けや株主の皆様との一層の価値共有を図ることを目的としております。
取締役の株式報酬は、本制度の目的に照らして相当な額として、固定基本報酬とのバランスや従業員との報酬格差、会社規模、営業利益水準等を考慮の上で慎重な審議を経て決定しております。現状の報酬体系において株式報酬が最大額付与された場合、対象取締役等の報酬総額の約3割が株式報酬になります。
なお、取締役の報酬等の決定方針については、企業経営に関する豊富な経験や専門性の高い知識等を持つ社外取締役4名及び社外監査役3名より、独立・客観的な立場からの適切な意見、助言及び指摘等を得た上で、取締役会にて決定しております。
本株主提案は対象取締役等に対して年額390百万円以内、付与株式数の上限92,000株の譲渡制限付株式付与のための金銭報酬債権を付与することとし、業績基準を満たす場合には累計で固定報酬の3倍相当の譲渡制限付株式を今後3年間で付与するよう設計されたものであり、現在の業績水準からも乖離していると考えます。
よって、当社取締役会は、本株主提案に反対いたします。
なお、当社取締役会は、本株主提案に反対いたしますが、今後も引き続き報酬構成のバランスや報酬水準、中長期におけるインセンティブの付与等、企業価値向上のため報酬制度を継続的に見直す必要があると認識しております。
当社グループの存在意義(パーパス)『すこやかな毎日、ゆたかな人生』の実現に向けた価値創造を強化し、中長期的な企業価値の向上及び株主共同の利益に資するコーポレートガバナンスの構築のため、今後も社外取締役を含めた当社取締役会の適切な報酬体系について積極的に検討してまいります。