事業報告(2022年4月1日から2023年3月31日まで)

企業集団の現況

当事業年度の事業の状況

事業の経過及び成果

業績の概況

当連結会計年度における事業環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が収束に向かい、生活習慣の変化やワクチンの普及に伴い、経済活動正常化に向けた動きが進み個人消費においても回復の兆しがみられました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化による資源価格の上昇、急激な円安による為替相場の変動、世界的なインフレ局面から景気後退局面への転換懸念により、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

このような環境のなか、当社グループにおきましては、感染再拡大防止に向けて、引き続き従業員のマスク着用、アルコール消毒、こまめな換気を実施し、お客様・従業員の安全に十分に配慮しながら商品・サービスの提供を行い、「豊かで楽しい日常の暮らしを提供する」ことを目指し、様々な取り組みを続けております。

リユース系リユース商材の動向といたしましては、高級時計の世界的相場下落の影響により、リユースラグジュアリー商材を扱うOKURA TOKYOは厳しい状況となりましたが、リユース衣料・服飾雑貨は、物価高による生活防衛手段としてリユースへの需要が高まり、また、リユース購入に対する抵抗感が薄くなる意識変化もあり、2nd STREETは好調に推移したことにより、リユース系リユース商材全体の売上は増加いたしました。

メディア系リユース商材の動向といたしましては、旧作ゲームソフトの購入においてもダウンロード版の普及が浸透してきており、リユースゲームソフトの売上は減少しましたが、ゲームソフトのタイトルには恵まれ、リユースゲーム機器本体は売上が増加しました。また、スマートフォンやタブレット端末等のリユース通信機器につきましては、端末SIMロック販売の原則禁止により市場の活性化に加え、新品価格の高騰による節約志向が、リユース通信機器の販売に好影響としてあらわれ、メディア系リユース商材全体の売上は増加いたしました。

新品商材の動向といたしましては、家庭用ゲーム機「PlayStation 5」本体の供給改善と、ヒットタイトルにも恵まれ、売上は増加いたしました。
レンタル商材の動向といたしましては、配信サービスの普及とレンタル市場の縮小に伴い、想定の範囲内で売上は減少いたしました。

なお、2nd STREET USAにつきましては、米国会計基準の対応により使用権資産・リース債務を11,193百万円計上いたしました。また、営業損益が継続してマイナスとなる国内店舗については減損損失を1,250百万円計上いたしました。

この結果、当連結会計年度における売上高は377,300百万円(前期比12.7%増)、営業利益は10,620百万円(前期比29.9%増)、経常利益は11,926百万円(前期比23.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,681百万円(前期比5.1%減)となりました。

主要商材の売上高は以下のとおりとなりました。

また、当連結会計年度末における当社グループの店舗数の状況は以下のとおりとなりました。
( )内は、前連結会計年度末からの増減数であります。

(注)

  • 屋号毎の店舗数をカウントしています。
  • GEOは家庭用ゲーム・スマートフォンの買取販売、DVDレンタル等を行う店舗(屋号:GEO、GEO mobile)をカウントしています。
  • 2nd STREETは衣料品や家電製品等の買取販売を行う店舗(屋号:2nd STREET、Super2nd STREET、2nd OUTDOOR、JUMBLE STORE等)をカウントしています。
  • 前連結会計年度まで表示しておりました2nd STREET(海外)は国別表示に変更しています。
  • 前連結会計年度まで表示しておりましたウェアハウスはその他に含めることに変更しています。
  • 当連結会計年度より連結子会社となりました農機具・骨董品等の買取販売を行う株式会社rockの店舗をその他に含めてカウントしています。
設備投資の状況

当連結会計年度の設備投資の主な内容は、有形固定資産9,819百万円の投資を行いました。

資金調達の状況

当社グループは、取引金融機関より長期運転資金として9,900百万円を調達しております。

事業の譲渡、吸収分割又は新設分割の状況

該当事実はありません。

他の会社の事業の譲受けの状況

該当事実はありません。

吸収合併又は吸収分割による他の法人等の事業に関する権利義務の承継の状況

該当事実はありません。

他の会社の株式その他の持分又は新株予約権等の取得又は処分の状況

該当事実はありません。

対処すべき課題

当社グループを取り巻く事業環境は、フリマアプリやインターネットオークションの普及や環境問題への関心の高まりなどにより、循環型社会形成が志向され、リユース市場はこれからも成長を期待されております。

このような環境のもと、当社グループにおきましては、「豊かで楽しい日常の暮らしを提供する」を企業理念とし、お客様の消費行動を理解し、オンライン・オフラインの境目をなくした双方で、商品・サービスを自在に選択してご利用いただける“ネットワークリテイラー”の体制を構築し、リユースとレンタルの循環型流通やリテールを通して、世界の方々に豊かで楽しい「日常」を届け続ける“グローバルプラットフォーマー” でなければならないという課題意識のもとに、以下の項目について取り組んでまいります。

①リユース市場の深耕

リユース市場の伸長が見込まれる中、お客様との直接接点となる多店舗展開を加速させるとともに買取サービスの拡充といった利便性の向上を図り、リユース市場におけるポジションを高めてまいります。

地域特性に合わせた専門店などの店舗開発や海外出店を含めた販売網の構築を行い、仕入れの強化として買取専門店・出張買取を充実させることによりお客様にリユース商品を身近に感じて頂ける環境づくりを展開してまいります。

②寡占市場でのメディア商材の最大利益化

全国に1,000店舗以上を有するゲオショップの店舗網を活かし、実店舗だからこそ体験できる価値の提供を行うことで店舗の魅力向上を図ってまいります。

寡占市場においても店舗網を展開することで顧客接点を重視したプロモーション活動等により商材の市場占有率を高め、メディア商材の最大利益化に努めます。

③新規フォーマット・商材の育成と獲得

「買う」「借りる」「売る」「場の提供」というグループの各事業が持つ機能に多種多様な商材を掛け合わせることにより、新規フォーマットを提案してまいります。

オフプライスストア業態やラグジュアリー商材の取組み以外にも、新たなる店舗・業態の開発を行い、お客様のニーズに即した商材を提供するために、グループの有する店舗網を活かしたマーケティング活動と商材の育成・獲得を図ります。

また新たな柱となる事業領域の獲得については、M&A手法等も有効な手段の1つとして積極的に模索してまいります。

④ITの積極活用とオンラインの強化

スマートフォン使用等オンラインでの情報認知と検索行動がますます一般化する中で、商品情報の検索性を高めることや決済方法の多様化対応により、ECサイトと店舗との併売等お客様への利便性を高め、よりシームレスな購買環境整備を物流体制及びIT・電子商取引対応への投資を行うことにより推進強化してまいります。

⑤グローバルマネジメントの構築

リユース企業の世界的リーディングカンパニーを目指す上で、これまで以上にグローバル情報の把握と、迅速でフレキシブルな経営判断を行い、海外企業に対する競争力を高めるマネジメント体制を構築してまいります。

特にグローバルを見据えたグループ分業体制、管理会計、在庫コントロールについて強化してまいります。

⑥人材の獲得と教育投資

各項目で述べてきた戦略を実現するため、人材獲得と教育投資による人材の活用を引き続き推進してまいります。

また、企業の持続的な成長・発展を実現するためには、従業員一人ひとりの個性や価値観を尊重し、その個性や能力を最大限に発揮することが必要となることから、多様な働き手を支援する環境の整備、グローバル教育・資格制度の再構築をしてまいります。

連結計算書類