事業報告(2023年12月1日から2024年11月30日まで)
事業の経過およびその成果
2024年度は、インバウンド消費の増加や鶏卵相場の落ち着きなどにより、緩やかな回復基調にある一方で、不安定な国際情勢による景気減速リスクに加え、原材料およびエネルギー価格の高止まりや物流コスト・人件費の上昇、為替の動向など先行き不透明な状況が続きました。このような環境において、海外への資源投下を進め、中国・東南アジア・北米を中心に、KEWPIEブランドの認知拡大を加速させてきました。国内では引き続きお客様の多様化するニーズに対応するとともに、収益性・生産性の向上にも取り組みました。また、持続的な成長を実現するために、未来に向けた投資を拡大しました。
売上高については、海外の持続的な成長に加え、国内の基幹商品を中心とした調味料・惣菜の販売回復および価格改定による単価上昇などにより増収となりました。
営業利益については、タマゴ商品の販売増加および主原料高騰影響の緩和、海外での成長に伴う利益拡大などにより増益となりました。経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の増加により増益となりました。
主な業績指標

財産および損益の状況
セグメントの概要

セグメント別売上高・営業利益

- 前年度比増減および2024年度の構成比については、百万円未満を切り捨てた金額で計算しています。
市販用
主な変動要因
売上高は、調味料の価格改定による単価上昇や惣菜の販売回復などにより増収となりました。
利益については、主原料高騰影響の緩和や販売増加により増益となりました。

業務用
主な変動要因
売上高は、調味料およびタマゴ商品の付加価値化による販売増加により、増収となりました。
利益については、主原料影響の緩和や販売増加により増益となりました。

海外
主な変動要因
売上高は、中国・東南アジア・北米が堅調に推移し増収となりました。
利益については、中国の新型コロナウイルス感染症影響が前年度から回復したことや、北米のキユーピーブランド商品の拡大により増益となりました。

フルーツ ソリューション
主な変動要因
家庭用のジャム・スプレッドが好調に推移したものの、原材料等の高騰影響を受け増収減益となりました。

ファインケミカル
主な変動要因
原料販売の販売増加があったものの、通信販売のコスト増加により増収減益となりました。

共通
主な変動要因
食品メーカー向け製造機械の販売増加により増収増益となりました。

剰余金の配当等の決定に関する方針
当社では、配当金を最優先とした株主還元を基本に、中期経営計画ごとに設定する方針に基づいた株主還元を行っています。
2024年度までの中期経営計画の配当金の決定に際しては、1株当たり年間配当金45円以上を前提に、連結配当性向35%以上を基準とするとともに、4年間累計の総還元性向50%以上を目安としています。
2024年11月期の配当金は、1株当たり年間54円(中間配当金23円、期末配当金31円、連結配当性向35.0%)、その結果、4年間累計の総還元性向は55%となります。
なお、2025-2028年度 中期経営計画における株主還元の考え方は、1株当たり年間配当金54円を下限とし、段階的に引き上げるとともに、4年間累計の総還元性向で50%以上を目安とします。2025年11月期の配当金は、1株当たり中間配当金32円(キユーピー マヨネーズ発売100周年記念配当5円含む)、期末配当金32円(同記念配当5円含む)、年間配当金64円(同記念配当10円含む)、連結配当性向30.5%を予想しています。
なお、当社は連結配当規制適用会社です。
1株当たり配当金の推移

- ※2025年度は、キユーピー マヨネーズ発売100周年記念配当10円(中間配当5円、期末配当5円)を予定しています。

対処すべき課題
中期経営計画
当社グループは、人が生きていく上で欠かすことのできない食の分野を受け持つ企業グループとして、「おいしさ・やさしさ・ユニークさ」をもって、世界の食と健康に貢献することをめざし、長期ビジョン「キユーピーグループ 2030ビジョン」を掲げています。
2025-2028年度 中期経営計画では、「~Change&Challenge~ 成熟市場での経営効率化と成長領域への投資加速」をテーマに取り組みます。「国内事業の構造改革」と「グローバル展開の加速」とともに、「食と健康への貢献」「環境への配慮」「人的資本の価値拡大」を推進することで、社会価値と経済価値を創出し、世界のお客様に貢献していきます。

2025-2028年度 中期経営計画 指標

2025-2028年度 中期経営計画 キャッシュアロケーション

2025年度 連結業績計画

- ※固定資産の譲渡に伴い、2025年11月期第1四半期決算において、約120億円を固定資産売却益として特別利益に計上する見込みです。

- 2025年度より、各セグメントの損益の実態をより適正に反映させるため全社費用の配賦基準を変更しています。