事業報告(自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)
企業集団の現況に関する事項
事業の経過及び成果
当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復しております。企業収益は、総じてみれば改善し、雇用情勢は改善の動きがみられ、個人消費は一部に足踏みが残るものの、このところ持ち直しの動きがみられます。
当家電小売業界における売上は、ゲーム等が低調に推移いたしましたが、スマートフォン、理美容家電等が好調、調理家電等が堅調であったため、総じて堅調に推移いたしました。
こうした状況下にあって、「専門性と先進性で、より豊かな生活を提案する、進化し続けるこだわりの専門店の集合体」と定めた企業理念のもと、経営戦略として「ビックカメラらしい強い店舗を取り戻す」を掲げ、その実現に向け、「人を成長の原動力とする」を筆頭に、「強い店舗の再構築」、「収益構造の抜本的見直し」及び「中長期の成長戦略」を4大施策として取り組んでおります。
新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んでいた免税売上は、円安要因に加え、海外向け当社公式SNSでの発信や、現地インフルエンサーとの連携強化、航空会社とのクーポン配布施策拡大などの取り組み効果もあり、多様な国々からの集客が進んだ結果、当連結会計年度ではコロナ前を超え過去最高を記録しました。
店舗展開におきましては、グループ会社の株式会社コジマが、2023年11月23日に「コジマ×ビックカメラ 新さっぽろデュオ店」(北海道札幌市)を開店いたしました。また、当社と日本空港ビルデング株式会社との合弁会社のAir BIC株式会社が、臨時休業していた「Air BicCamera 那覇空港店」(沖縄県那覇市)を2024年4月1日より、「Air BicCamera 中部国際空港第1ターミナル1号店」(愛知県常滑市)を同年9月27日より営業再開しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は 9,225億72百万円(前年同期比 13.1%増)、営業利益は 243億88百万円(前年同期比 71.6%増)、経常利益は 266億74百万円(前年同期比 61.0%増)、税金等調整前当期純利益は 232億49百万円(前年同期比 130.8%増)となりました。法人税等合計が 67億39百万円、非支配株主に帰属する当期純利益が 26億1百万円となったため、親会社株主に帰属する当期純利益は 139億8百万円(前年同期比 373.6%増)となり、ROE(自己資本当期純利益率)は 9.6%となりました。
企業集団の品目別売上高、同構成比
対処すべき課題
当社グループは、「“お客様喜ばせ業”をつなぎ、期待を超える」と定めたパーパスのもと、経営戦略として「顧客基盤の拡充と経営基盤の強化」を掲げ、その実現に向け、「信頼とワクワク感のあるビックカメラらしい店舗の確立によるリピート率の向上」、「グループアセットを活用した新たな顧客囲い込みの実現」、「成長領域への取組強化」及び「経営インフラの強靭化」等を主な施策として取り組んでまいります。
- ①
- 信頼とワクワク感のあるビックカメラらしい店舗の確立によるリピート率の向上
お客様を起点にした店舗運営の深化と品揃え強化を継続することにより、ビックカメラらしい強い店舗を確立いたします。更に、お客様の深層心理・視点に基づき、快適な買い物体験を提案するスキル・ノウハウを持ち合わせた販売員の育成や、お客様の潜在ニーズを捉えた、ワクワク感のある売り場の演出等を通じてリピート率の向上を図り、売上と利益の拡大を目指します。
- ②
- グループアセットを活用した新たな顧客囲い込みの実現
ポイントカード会員向けサービス体系化をはじめとする、グループでの店舗間連携を推進することにより、顧客囲い込みを実現いたします。また、従来から取り組んでいる、リユース事業、デジタル機器のサービスサポート事業を一層強化することに加え、新たに訪問サポート等のアウトバウンドビジネスに取り組むことにより、買替需要を促し、人口減少等による市場規模の縮小が予想されるなかでも、新たな顧客層を取り込みつつ、シェアの維持・拡大を図ってまいります。
- ③
- 成長領域への取組強化
品揃え強化、検索性の向上など集客力改善に向けた継続的な取組によるEC事業の持続的な成長軌道への復帰、グループ各社との連携をはじめとした成長戦略の策定と実践による法人事業の拡大等に徹底的に取り組むことで、両事業の成長・拡大を目指してまいります。
- ④
- 経営インフラの強靭化
事業部門起点での予算策定と週次PDCAによる予算達成に向けた取組を深化するとともに、経営管理指標の見える化と、その全社的運用体制の確立により、経営管理体制の強化を図ります。また、IT ・物流システムをはじめ事業推進を支える経営インフラの構築と最適運用等に徹底的に取り組むことで、経営インフラの強靭化に努めてまいります。
店舗展開につきましては、当社において年1店舗程度、株式会社コジマにおいて年数店舗の新規出店に取り組むことにより、都市型と郊外型の補完関係を強化してまいります。
株主の皆様におかれましては、何卒倍旧のご支援とご鞭撻を賜りますよう重ねてお願い申しあげます。