事業報告(2024年1月1日から2024年12月31日まで)

企業集団の現況

当事業年度の事業の状況

① 事業の経過及び成果

当連結会計年度の我が国経済は、年末年始の帰省、春休みやゴールデンウィーク、秋のシルバーウィークの旅行も増えるなど、消費動向が全体的に回復し、外食産業全体としても順調な回復が見られました。春闘では満額回答や組合要求以上の支給など、各社の賃上げに前向きな姿勢が見られ、消費者にも賃上げムードが広がりました。一方、円安の想定以上の長期化、ロシア・ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ情勢などを背景とした地政学上のリスクなどの影響による原材料費・物流費・光熱費の高騰などコスト高の状況が継続しており、外食産業にとって厳しい経営環境が続いております。

このような状況下で、当社グループの当連結会計年度の既存店売上高は前年比111.6%となりました。2023年11月にファミリーダイニングブランドにおいて、直近の顧客動向の分析により幅広い利用動機を獲得できるグランドメニューを導入しました。これにより、低単価のサイドメニュー拡充やアルコール商品の値下げ、割安な価格でのセットメニューの提供などでお客様の「選ぶ楽しみ」を演出するとともに、「もう一品」の注文を喚起し、注文皿数増により客単価も上昇しています。小皿商品の充実により、幅広いオケージョンでの使い勝手が向上し、来店頻度増にも貢献しています。

売上総利益率は、値上げによる各メニューの粗利益率の改善や店舗での食材ロスの低減、部門横断の原価低減プロジェクトで講じた対策などにより、鶏卵などの価格高騰の影響を一定程度抑制しました。結果、当連結会計年度の売上総利益率は67.4%と前年比で0.3%の悪化となりましたが、依然として業界の最高水準を維持しています。

販売費及び一般管理費は前年比で増加したものの、全社レベルのプロジェクトである収益改善プロジェクトの取り組みにより、実質的には大幅な経費抑制を実現しています。全店舗の経費執行のムリ、ムダ、ムラを徹底的に排除した結果、売上の安定的な回復に伴い店舗の労働時間も適正に管理できるようになっています。結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,459億25百万円で、前年比で224億60百万円増加しました。

また、その他の営業費用は、当連結会計年度に閉店店舗に係るのれんの除却損を6億72百万円計上しました。これは当連結会計年度に22店舗が閉店したことによるものであり、これらは主に前期において閉店の意思決定をした店舗となります。ただし、業績回復により閉店を撤回した店舗も出てきており、のれんの除却損の計上金額は想定よりも減少しています。

当連結会計年度の新規出店は43店舗、業態転換は64店舗でした。新規出店43店舗のうち12店舗は海外での出店で、台湾で「しゃぶ葉」「横濱牛排(ステーキ)」「むさしの森珈琲」を、マレーシアで「しゃぶ葉」をオープンしました。店舗改装(リモデル)も継続して行っており、当連結会計年度では87店舗の店舗改装を実施しました。

以上の結果、当連結会計年度の売上収益は4,011億30百万円(前年比462億99百万円増)、事業利益(注2)は242億50百万円(前年比78億30百万円増)、営業利益は241億84百万円(前年比124億96百万円増)、税引前利益は214億70百万円(前年比127億79百万円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は139億65百万円(前年比91億84百万円増)となりました。

EBITDA(注3)は721億16百万円(前年比116億62百万円増)、調整後EBITDA(注4)は738億88百万円(前年比74億14百万円増)、調整後当期利益(注5)は139億65百万円(前年比91億84百万円増)となりました。当連結会計年度末時点での店舗数は3,068店舗(転換準備の為の未開店店舗1店舗。期首時点は2,976店舗)となりました。

  • (注1)(注2)から(注5)の指標は、IFRSで定義されている指標ではありません。
  • (注2)事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
  • (注3)EBITDA=税引前利益(損失)+支払利息+期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益+その他の金融関連費用(期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益を除く)-受取利息-その他の金融関連収益+減価償却費及び償却費+長期前払費用償却費+長期前払費用(保証金)償却費
    • ・その他の金融関連費用は、連結純損益計算書上はその他の費用として記載しています。
    • ・その他の金融関連収益は、連結純損益計算書上はその他の収益として記載しています。
  • (注4)調整後EBITDA=EBITDA+固定資産除却損+非金融資産の減損損失-非金融資産の減損損失の戻入れ+株式発行関連費用等(注6)
  • (注5)調整後当期利益(損失)=当期利益(損失)+株式発行関連費用等+期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益+IFRS第9号「金融商品」(2014)適用に伴う金融負債の条件変更に係る関連損益(会計方針変更による遡及適用に伴う影響額の再調整含む)+調整項目の税効果調整
  • (注6)株式発行関連費用等とは、当社の株式発行並びに株式の上場及び売出し時に発生したアドバイザリー報酬額等の一時的な費用であります。
② 設備投資の状況

当連結会計年度の設備投資は総額170億46百万円であります(使用権資産の取得を除く)。

その主なものは、新規出店(43店舗)とブランド転換工事(64店舗)、リモデル(87店舗)を含む店舗設備、DX推進のための店舗PCの刷新、すかいらーくアプリ開発などのITデジタル投資等であります。

所要資金については自己資金及び2024年7月の普通社債発行により調達した資金の一部を充当いたしました。

③ 資金調達の状況

当社は当連結会計年度に当期の設備投資資金および債務返済資金等の調達を目的として2024年5月に100億円の借入を実行するとともに、7月に普通社債の発行により200億円の資金調達を実行しております。

財産及び損益の状況

① 企業集団の財産及び損益の状況
  • (注1)第4期より、会社計算規則第120条第1項の規定により国際会計基準に基づいて連結計算書類を作成しております。
  • (注2)基本的1株当たり当期利益(△損失)は、期中平均発行済株式数により、また、1株当たり親会社所有者帰属持分は期末発行済株式数により算出しております。
  • (注3)第8期より、国際財務報告基準(以下、「IFRS」という)第9号「金融商品」(2014) を適用しております。
  • (注4)第9期より、IFRS第16号「リース」を適用しております。
② 当社の財産及び損益の状況
  • (注)1株当たり当期純利益(△損失)は期中平均発行済株式数により、また、1株当たり純資産額は期末発行済株式数により算出しております。

重要な親会社及び子会社の状況

① 親会社の状況

該当事項はありません。

② 重要な子会社の状況
  • (注1)当社は、2024年10月4日付で株式会社資さんの全株式を取得し、同社を当社の連結対象子会社といたしました。
  • (注2)当社の当連結会計年度の連結子会社は、上記の重要な子会社4社を含む計11社であります。

対処すべき課題

当社グループを取り巻く経営環境は、物価高騰のため、消費に対してよりシビアな消費者が増加しているとともに、円安の想定以上の長期化、ロシア・ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ情勢などを背景とした地政学上のリスクなどの影響による原材料費・物流費・光熱費の高騰などのコスト高の状況が継続しています。ただ、今後は賃金の上昇を伴うよいインフレ環境への転換が期待されており、当社もそのような市場環境の中、さらなる顧客支持の拡大に向けて取り組んでまいります。

当社グループが描く経営戦略としては、消費行動の変容や物価高騰の継続を踏まえた厳しい事業環境の中で当社経営資産を最大限活用し、収益を拡大することを目的として①既存店成長、②国内新規出店、③海外展開、④M&Aの4つを、⑤その他の収益拡大策と並行して着実に実行していくとともに、⑥ESGへの取組み、⑦食の安全・安心への取組みにも継続的に取り組んでまいります。

① 既存店成長

収益の源泉である店舗を中心とした経営を実行し店舗の収益力を向上させるとともに、マーケットに合わせた業態転換と設備が老朽化した店舗の店舗改装(リモデル)を推進することで客数増による成長を、また、小皿メニューを充実させた使い勝手のよい商品ラインナップと物価上昇局面に適応した適切な商品価格改定(プライシング)の実施やメニューミックスの改善で客単価増による成長を達成します。

・業態転換

当社が成長を続けるために、直近の伸び率が低下しているような地域では当社グループの多彩なブランドポートフォリオを活かし、その地域の最新の消費動向や人口動態などを分析した上で、より適したブランドに転換することで売上を再び最大化する業態転換を積極的に実施してまいります。

各地域のマーケットポテンシャルを引き上げて売上拡大に寄与するブランドとして、しゃぶ葉(しゃぶしゃぶ、カレー、デザートの食べ放題レストラン)やむさしの森珈琲(高原リゾートをイメージしたゆとりと癒し空間のカフェ)など、お客様から高い支持をいただいている専門店ブランドへの業態転換を継続して実施してまいります。

自社競合の解消を目的とした業態転換も推進しており、同業態が複数ある地域においては、そのうち1店舗を業態転換することで、新たな需要の喚起と自社競合の解消をし、地域全体としての売上拡大を狙います。2025年度は約60~70店舗の業態転換を実施予定です。

・店舗改装(リモデル)

店舗の内外装を修復し、店内居住性や利便性を改善する店舗改装の実施数も増やしてまいります。2025年度は約230~240店舗の店舗改装を実施予定です。

・商品及び価格戦略

商品戦略については、2023年10月以降はコロナ明けの新しい消費動向を踏まえ、ガスト、バーミヤン、などファミリーダイニングカテゴリーの各ブランドでグランドメニューを抜本的に見直しました。一部商品の値下げも実施するとともに、安価な小ポーションメニューやセットメニューを導入し、お客様にメニューを選ぶ楽しさをご提供するとともに併売率向上にも繋げることができています。注文皿数の増加による客単価上昇と、手頃な価格で多様な商品ラインナップから選べることで来店頻度増も追求してまいります。

価格戦略では、2024年年始から各社で賃上げに関する合意がなされる中、日本経済全体においてよいインフレが進むことを想定し、2024年4月、11月と主要ブランドでプライシングを実施しました。

当社がプライシングを実施可能と判断した背景は3つあります。1.当社が賃上げ要求への満額回答したことで従業員のやる気が上がり、商品・サービス品質が向上し、お客様満足度が上がる好循環があること、2.店舗労働時間を投資しており、店舗の商品・サービス力が向上し、お客様満足度が高い状況であること、3.食材原価高騰分も一部転嫁しているものの、単純値上げではなく、基幹商品も含めて品質向上、バリューアップを伴う価格改定としたことでお客様が納得してプライシング後の価格をお支払いくださること、です。

商品やサービスの品質向上を伴う形で価格改定としたこともあり、大きな客数減は起きておらず、結果、客単価の上昇に加え、人件費率の低下と売上総利益率の維持を実現しています。

さらに、米の価格高騰を受け、2024年9月には主要5ブランドでライスおよびライス関連セット商品についてプライシングを実施しました。

② 国内新規出店

コロナ禍で抑制していた新規出店も本格的に再開しました。2024年度は31店舗の新規出店を実施しましたが、2025年度は約65~75店舗の出店を計画しております。

しゃぶ葉やむさしの森珈琲など好調な専門店ブランドで出店するほか、当社がまだ十分に出店できていない駅前や都心部の商業地区を中心に、ガストやバーミヤンなど日常使いのブランドでの出店も積極的に検討してまいります。

③ 海外展開

海外ビジネスでは、現在78店舗を展開する台湾は、コロナ前の売上を上回る水準まで回復しています。2023年4月に1号店をオープンした「むさしの森珈琲」も好調で、2024年末で4号店まで、マレーシアでは「しゃぶ葉」が5号店までオープンしております。米国でも「しゃぶ葉」1号店の売上が順調で、2号店もオープンしております。

④ M&A

2024年10月に株式会社資さんの全株式を取得し、全国展開を狙う資さんうどん、地方ロードサイドの自社カニバリ解消のために集客力のある低価格帯の業態転換候補が必要であった当社ともにメリットのあるM&Aが実現しました。また、2024年12月にはムスリムのお客様から大人気のすき焼き・しゃぶしゃぶ店のCreateries Consultancyの株式取得を決議し、2025年1月に株式取得を完了しました。今後も国内外問わず、当社グループの事業基盤を活用したシナジー効果を生み出すことのできるM&Aは積極的に検討し、事業規模拡大を目指します。

⑤ その他の収益拡大策

上記4点を重点施策として実行してきた以外にも以下の項目に継続的に取り組み、収益拡大に繋げました。

・週末のピークタイム売上最大化

既存店の収益力改善のため、週末のピークタイムに積極的に従業員を配置することにより、お客様の入り口でのお待たせ時間や料理提供時間が短縮し、お客様の満足度を高めるとともに回転率も向上し、売上増に繋げています。デジタルメニューブック導入店舗ではクリーンアップタイム(お会計後、テーブルの片付けが完了して次のお客様がご案内可能な状態になるまでの時間)が計測可能になったため、次のお客様を素早くご案内できるよう、このクリーンアップタイムの短縮に努め、回転率の向上を図っています。

・リードサイン(誘導看板)の設置と駐車場入り口のIN看板のデザイン変更

売上拡大の手立てとして、車や自転車などを含めた通りがかりのお客様に向けた店舗視認性の向上があり、そのための戦術としてリードサイン(店舗敷地よりも手前に設置する、店舗の存在を伝える誘導看板)の追加設置と、駐車場の入り口を示すIN看板のデザイン変更を実施しました。

店舗周辺へのリードサインの設置はこれまでも実施してきましたが、2024年度はすべてのリードサインについて最適な場所に設置されているかを再確認し、より効果の高い場所に追加設置いたしました。2023年度後半に実施したリードサイン追加設置の実験では売上改善効果が平均2%あり、2025年度も追加設置を約300店舗分、実施予定です。

車を運転中の方に店舗駐車場の入り口がどこにあるのかを明示することはご来店を確実なものにする上で大変重要です。駐車場入り口のIN看板についても再確認し、駐車場入り口の場所を示すデザインに修正することにより、入店確率を上げ、売上拡大に繋げます。

2023年度後半にいくつかの実験店において駐車場入り口のIN看板のデザイン変更を実施したところ、売上改善効果が平均1.5%ありました。2024年度は駐車場入り口のIN看板のデザイン変更を約1,200店舗分、実施しました。

・店舗生産性向上

これまで積極的に実施してきた店舗へのDX投資も実を結び始めています。店舗のDX投資を当社は積極的に実施してきており、2023年度は8月に約2,400店舗でバーコード決済経由のテーブル決済を導入しました。さらに2024年12月に約2,100店舗でクレジットカード決済経由で自社アプリを通したテーブル決済にも対応し、お客様の利便性が向上しました。2023年10月からは既存レジへのセルフ機能の追加も順次展開しており、2024年4月末までに2,400店のレジにセルフ機能が実装されました。既に導入済みのフロアサービスロボットや独立型キャッシュレスセルフレジ、刷新したPOSレジシステムなども活用し、お客様の利便性向上とともに従業員の接客作業の簡略化と効率化を進めてまいりました。

店舗内の調理作業についてもメニュー数の絞り込みや付け合わせ食材の統一、調理手順の共通化などにより簡略化するとともに、多言語対応の動画マニュアル作成などを通じて、新人トレーニングも含め、調理スタッフの習熟度を短期間で向上させる環境を整備し、店舗生産性向上に貢献しています。

・店舗収益力の改善

高収益体質への変革に向けて、既存店1店1店の収益力改善に努めています。2022年度に実施した収益改善実験の検証結果を踏まえ、利益増大に効果的に寄与する取り組みや成功事例をマニュアル化して全店へ展開し、店舗収益構造の底上げを進めました。2024年も継続して店舗営業経費の削減を進めると同時に、土日祝日のピークタイムの売上を最大化するため、従業員の採用強化やトレーニングの充実、クリーンアップタイムの短縮などを進めました。

・原価低減

高騰する食材価格の打ち返しにも真摯に取り組んでいます。購買・生産・メニュー開発の3部門横断の原価低減プロジェクトで大量購買や長期契約による調達価格のコントロール、外注品の内製化や製造工程の見直し、レシピの見直しなどの取り組みを進めた結果、2024年度は年間で約20億円分の利益改善を達成しました。価格高騰は今後も継続する見込みのため、2025年度も引き続きこのような原価低減策を部門横断で進めてまいります。

・プロモーション戦略

コロナ禍で抑制していたプロモーションも2023年に本格的に再開しました。年金や児童手当の支給日にあわせたチラシ配布やクーポン配信、母の日やハロウィーンにあわせたキャンペーンの実施、人気キャラクターを活用したファミリー向け施策など、オウンドメディアと外部メディア、デジタルとアナログ施策をバランスよく組み合わせて戦略的なプロモーションを展開し、客数回復を加速させました。

2024年も消費が活発化するタイミングにあわせて、人気アニメやキャラクター、有名シェフとのコラボや、すかいらーくポイント(2024年5月導入)を活用したプロモーションなどを展開し、当社店舗にお客様を誘引する施策を実行しております。割引クーポン付きのチラシ販促も、紙での配布に加えてチラシ画像を自社SNS(インスタグラム、X、フェイスブック)でも配信することで紙媒体とは異なるターゲット層にアプローチし、クーポン利用率を高めることができています。店舗運営状況の改善ができた8月以降はプロモーションを強化し、店舗送客を強化しました。

・外販通販ビジネス

外販通販ビジネスも事業規模を拡大しています。外販は現在、100以上のスーパーや量販店ですかいらーくの人気メニューを商品化して販売しております。通販は楽天とアマゾンでの販売に加え、自社サイトでの販売も強化しているほか、ふるさと納税返礼品としての販売や、Yahoo!ショッピングやauPAYマーケットでの販売も開始しており、売上拡大に力を入れています。外販通販合計で2024年度は売上前年比が約2倍になりました。

⑥ ESGへの取り組み

持続可能な社会の実現に向けて当社が果たすべき責務をグループ横断で推進するために、2020年12月に「グループサステナビリティ委員会」を設置しました。

2021年にはパーパス、2030年長期ビジョンを定め、マテリアリティを特定しホームページに開示しております。

https://corp.skylark.co.jp/sustainability/management/materiality/

ESGへの取り組みは、企業活動を通じて持続可能な社会と企業価値の向上を同時に実現するものです。

・脱炭素対策として、CO2排出量を2030年までに2018年比50.4%削減し、2050年実質ゼロを目標としています。この達成のため、省エネ、物流の最適化等を進めるとともに、2023年8月には当社で初めてCO2排出量実質ゼロで運営するガストの店舗をオープンし、2024年末までに太陽光発電を累計で158施設に導入しました。今後、再生可能エネルギーへの移行を加速させていきます。

・食品ロス対策として、工場では必要な分だけを生産し店舗に配送しています。店舗ではご飯の量を選択可能にし、小さなおかずを提供するなど、残さず召し上がっていただける工夫をしています。しゃぶ葉では、食べる分だけこまめに具材を取って食べ残さない「こまめどりプロジェクト」をスタートしました。食べ残しがなかったお客様にはドリンクバー券をプレゼントするなど環境にやさしい食べ方の普及に努めています。また、持ち帰り専用容器「すかいらーくもったいないパック」®によるお持ち帰りを推奨し、食品ロス削減に取り組んでいます。

・プラスチック対策としては、宅配・テイクアウトの包装容器やレジ袋などで使用する石油由来プラスチック使用量を削減するため、使用量全体の抑制とともに、バイオマス素材や紙原料などへの切り替えを進めています。

・原材料の調達にあたっては、サプライヤーの従業員管理、人権配慮、環境への配慮などのESG基準により、社会的責任を果たしているサプライヤーを優先して選定しています。また、サプライヤースタッフに対して、当社環境方針に関する情報提供や当社とのコミュニケーション、トレーニング等への理解と協力を求め、共に企業活動と社会・環境の共存共栄を目指しています。現在調達先は世界40カ国におよびますが、各地の法律・習慣・現状で判断するのではなく、該当する日本国法に照らして著しい乖離があるか否かで判断しています。問題のある場合は取引を開始しない、という厳格なポリシーを実行することで責任ある調達に努めています。

・原材料の選択にあたっては、認証取得製品を積極的に採用しております。また、企業や組織が調達活動を通じて社会、環境、経済の持続可能性を追求するための持続可能な調達に関する国際規格*ISO20400認証を取得し、品質・コスト・納期だけではなく、環境、人権、カントリーリスクなどの幅広いリスクに対応した調達を可能としています。*ISO20400認証は(一財)日本科学技術連盟のプライベート認証となります。

・お客様に安心してお食事を楽しんで頂けるよう、塩分値やカロリー、アレルギー物質の表示、主要食材原産地情報の開示などに取り組んでいます。また、アレルギー反応の重篤性を鑑み、アレルギー一覧表だけでなく、アレルゲンを指定した情報も検索いただけるアレルギー情報サイトをご提供しております。

・ダイバーシティを推進し、すべての従業員にとって働きがいのある職場環境を整備します。

・健康経営宣言のとおり、社員の健康診断受診100%、禁煙運動の継続実施、BMIコントロール対策を中心に健康経営の推進を行なっております。

※当社のESGに関する各種取り組みは、ホームページに開示しています。

https://corp.skylark.co.jp/sustainability/

※健康経営については、以下のサイトに開示しています。

https://corp.skylark.co.jp/sustainability/basic_policy/health/

⑦ 食の安全・安心に向けた取り組み

すかいらーくグループで提供する食材は、調達から加工・流通・調理・提供に至るすべての工程で予見されるさまざまなリスクに対して、品質・衛生管理に関する基準を設け、徹底した管理を行うことを基本方針とすることを「品質憲章」に定めています。

国内の自社セントラルキッチン(10工場)、購買部門、メニュー開発部門、品質管理部門、内部監査部門を対象に、国際的な食品安全マネジメント規格であるISO22000の認証を取得し、店舗ではHACCPの考え方を取り入れた衛生管理手法を取り入れることで、サプライチェーン全体の食品安全管理体制を構築しています。

財務面では、こうした諸施策に対応するための安定的・機動的な資金調達が課題と考えており、2024年度におきましては新たに信用格付を取得し、公募普通社債200億円を発行する等資金調達手段の多様化を進めてまいりました。

当社グループは、経営理念に「価値ある豊かさの創造」を掲げ、時代に即した「お値打ち」と店舗で楽しい時間を過ごしていただくという真の豊かさを他に先駆けて創り出していくことをめざしています。

「ひとりでも多くのお客様に 安くておいしい料理を 気持ちのよいサービスで 快適な空間で味わっていただく」という私たちが果たすべきミッション(役割)を実現し、お客様の生活がより豊かになり、より快適に過ごしていただけるような店舗づくりとサービスを目指し、企業価値の向上に努めてまいります。その実現のため、当社は「すかいらーくグループ企業行動憲章」を制定して全役職員で共有し、法律、国際ルール及びその精神を遵守するとともに、社会的良識をもった行動に努めております。また、経営の健全性、効率性及び透明性を確保するためのさまざまな取り組みを実施し、コーポレート・ガバナンスの充実を図っています。

連結計算書類