
第157回定時株主総会
招集ご通知
開催概要
議案
会社提案
- 第1号議案
- 第2号議案
- 第3号議案
株主提案
- 第4号議案
- 第5号議案
- 第6号議案
議案
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会社提案
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当社は、株主の皆様への利益還元を重要な課題のひとつと考え、1株当たりの連結純利益の増加に努めております。剰余金の配当につきましては、DOE(連結純資産配当率)3.5%を目安とし、配当水準の向上と安定化を目指すことを基本方針としております。
この配当方針に基づき、当期の期末配当につきましては、金銭によることとし、1株につき37円(総額832,454,342円)の配当金を当期末における株主様に対してお支払いさせていただきたいと存じます。これにより中間配当金(1株につき37円)を含めました当期の年間配当金は、1株につき74円となります。
なお、期末配当の効力発生日(期末配当金の支払開始日)は2025年6月25日(水曜日)であります。
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取締役全員(5名)は、本総会の終結の時をもって任期満了となりますので、取締役5名(うち社外取締役2名)の選任をお願い致したいと存じます。
取締役候補者は次の通りであります。
なお、取締役候補者の指名にあたりましては、独立社外取締役の知見及び助言を活かすとともに、手続きの公正性・透明性・客観性を確保する為、独立社外取締役を委員の過半数とする指名報酬委員会において審議しております。
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候補者番号1
矢野浩史
やのひろし
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候補者番号2
川林正信
かわばやしまさのぶ
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候補者番号3
大橋幸浩
おおはしゆきひろ
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候補者番号4
太田進
おおたすすむ
- 社外
- 独立
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候補者番号5
松若恵理子
まつわかえりこ
- 社外
- 独立
候補者番号1
矢野浩史 やのひろし
1964年6月29日
所有する当社の株式数
44,068株
略歴、地位、担当及び重要な兼職の状況
1989年4月 当社入社 2006年9月 当社企画室長 2010年6月 当社執行役員 2011年4月 当社経営企画室長 2015年6月 当社取締役
当社精密化学品事業本部長2017年4月 当社リピッド事業部長 2020年6月 当社代表取締役執行役員社長 現在に至る 2021年10月 当社リピッド事業本部長 選任理由
矢野浩史氏は、2010年に執行役員就任後、取締役執行役員を経て、2020年から代表取締役執行役員社長に就任し、当社の経営全般の指揮及び監督を通じて当社のガバナンス体制の強化に取り組んでいます。これらの豊富な経験と事業全般に関する高度な見識をもとに、当社の持続的な企業価値向上に寄与することが期待できると判断し、引き続き取締役候補者と致しました。
候補者番号2
川林正信 かわばやしまさのぶ
1955年9月5日
所有する当社の株式数
36,859株
略歴、地位、担当及び重要な兼職の状況
1974年4月 当社入社 2005年3月 当社高砂工場長 2008年6月 当社執行役員 2008年10月 当社生産技術本部長 2010年6月 当社取締役 現在に至る 2015年6月 当社常務執行役員 現在に至る 2017年6月 当社グループ生産統括 現在に至る 2024年4月 当社プラントエンジニアリング部管掌 現在に至る 選任理由
川林正信氏は、2008年に執行役員就任後、取締役執行役員を経て、2015年から取締役常務執行役員に就任し、生産技術部門を統括するとともに、取締役として、これまで培った知識や経験を当社の経営全般に反映させてきました。これらの豊富な経験と事業全般に関する高度な見識をもとに、当社の持続的な企業価値向上に寄与することが期待できると判断し、引き続き取締役候補者と致しました。
候補者番号3
大橋幸浩 おおはしゆきひろ
1960年7月26日
所有する当社の株式数
70,207株
略歴、地位、担当及び重要な兼職の状況
2000年9月 当社入社 2005年9月 当社香粧品研究室長 2006年6月 当社香粧品研究開発部長 2008年6月 当社執行役員 2009年4月 当社研究開発本部副本部長 2011年4月 当社香粧品事業本部長 2011年6月 当社取締役 現在に至る 2013年5月 当社研究所長 2021年6月 当社上席執行役員 2023年4月 当社研究開発本部長 現在に至る 2024年6月 当社常務執行役員 現在に至る
グループ研究開発統括 現在に至る選任理由
大橋幸浩氏は、2008年に執行役員就任後、取締役執行役員、取締役上席執行役員を経て、2024年に取締役常務執行役員に就任し、研究開発部門を統括するとともに、取締役としてこれまで培った知識や経験を当社の経営全般に反映させてきました。これらの豊富な経験と事業全般に関する高度な見識をもとに、当社の持続的な企業価値向上に寄与することが期待できると判断し、引き続き取締役候補者と致しました。
候補者番号4
太田進 おおたすすむ
1952年10月13日
- 社外
- 独立
所有する当社の株式数
0株
略歴、地位、担当及び重要な兼職の状況
1975年4月 東レ株式会社 入社 2006年6月 Toray Industries (Malaysia) Sdn. Bhd. 取締役 兼 Penfibre Sdn. Bhd. 社長 2013年6月 関西ティーイーケィ株式会社(現 東レエンジニアリング西日本株式会社) 代表取締役社長 2015年1月 東レエンジニアリング株式会社 代表取締役社長 2019年6月 同社相談役 2021年6月 当社取締役 現在に至る 重要な兼職の状況
株式会社ワイエムシィ 社外監査役
選任理由及び期待される役割の概要
太田進氏は、企業経営について豊富な知識と経験を有しており、当社の経営について長期的な展望や当社の従前の発想とは異なった視点から適切な意見をいただけるとともに、高い独立性をもって取締役会の監督機能の強化に努めていただくことを期待役割として引き続き社外取締役候補者と致しました。
候補者番号5
松若恵理子 まつわかえりこ
1978年7月25日
- 社外
- 独立
所有する当社の株式数
0株
略歴、地位、担当及び重要な兼職の状況
2000年10月 中央青山監査法人(現 PwC Japan有限責任監査法人) 入所 2004年4月 公認会計士 登録 2005年11月 日本郵船株式会社 入社 2017年1月 株式会社Stand by C Woman設立 代表取締役社長 現在に至る 2020年3月 ダイナパック株式会社 社外取締役監査等委員 現在に至る 2024年6月 当社取締役 現在に至る 重要な兼職の状況
株式会社Stand by C Woman 代表取締役社長
ダイナパック株式会社 社外取締役監査等委員選任理由及び期待される役割の概要
松若恵理子氏は、公認会計士として企業会計に精通するとともに、企業経営について豊富な知識と経験を有しており、当社の経営について長期的な展望や当社の従前の発想とは異なった視点から適切な意見をいただけるとともに、高い独立性をもって取締役会の監督機能の強化に努めていただくことを期待役割として引き続き社外取締役候補者と致しました。
(注)
1.各候補者と当社との間には、特別の利害関係はありません。
2.候補者太田進、松若恵理子の両氏は、社外取締役候補者であります。
3.候補者太田進、松若恵理子の両氏は、東京証券取引所の定める独立役員として届け出ており、両氏が再任された場合は引き続き独立役員となる予定です。
4.候補者太田進、松若恵理子の両氏の当社における社外取締役としての在任期間は、本総会終結の時をもって太田進氏が4年、松若恵理子氏が1年になります。
5.社外取締役との責任限定契約について
当社は社外取締役が期待される職務を適切に行えるよう、その責任を会社法に定める範囲内で免除できる旨を定めるとともに、社外取締役にふさわしい優秀な人材の招聘を容易にする為現行定款において、社外取締役との間で、社外取締役が任務を怠ったことによる当社に対する損害賠償責任を一定の範囲内に限定できる契約を締結できる旨を定めております。社外取締役候補者である太田進氏及び松若恵理子氏につきましては、当社との間で責任限定契約を締結しており、両氏の再任が承認された場合、当社は両氏との間で当該責任限定契約を継続する予定であります。
その契約内容の概要は次の通りであります。①会社法第423条第1項に定める責任について、会社法第425条第1項各号に定める金額の合計額を限度とする契約であります。
②上記の責任限定が認められるのは、社外取締役がその責任の原因となった職務の遂行について善意かつ重大な過失がないときに限るものと致します。
6.当社は会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険(D&O保険)契約を保険会社との間で締結し、当該保険契約により被保険者が負担することになる法律上の損害賠償金、争訟費用の損害を填補しております。
当該保険契約の被保険者は当社及び子会社(海外子会社を除く。)の取締役及び監査役であり、本議案において各取締役候補者の選任が承認可決された場合には、再任候補者の各氏は引き続き被保険者となります。なお、当該保険契約は2025年11月に更新する予定です。7.松若恵理子氏の戸籍上の氏名は、松本恵理子であります。
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監査役4名のうち三築正典氏、益田哲生氏及び鈴木一史氏の3名は、本総会の終結の時をもって任期満了となりますので、監査役3名の選任をお願い致したいと存じます。
本議案に関しましては、監査役会の同意を得ております。
監査役候補者は次の通りであります。
なお、監査役候補者の指名にあたりましては、独立社外取締役を委員の過半数とする指名報酬委員会において、監査役会の同意した監査役候補者の指名について審議しております。
候補者番号1
三築正典 みつきまさのり
1958年1月20日
所有する当社の株式数
9,490株
略歴、地位及び重要な兼職の状況
1982年4月 当社入社 2007年6月 当社環境安全・品質保証部長 2017年6月 当社常勤監査役 現在に至る 選任理由
三築正典氏は、2017年に常勤監査役就任後、当社業務に対する豊富な知識と経験を活かし、現場実査に基づく的確な提言を行うなど、監査の実効性向上に努めてきました。これらの豊富な経験と幅広い見識を当社のガバナンス強化に活かすことが期待できると判断し、引き続き監査役候補者と致しました。
候補者番号2
益田哲生 ますだてつお
1945年10月29日
- 社外
- 独立
所有する当社の株式数
0株
略歴、地位及び重要な兼職の状況
1970年4月 大阪弁護士会登録 1992年4月 大阪弁護士会副会長 2004年4月 日本弁護士連合会常務理事 2005年4月 大阪弁護士会会長
日本弁護士連合会副会長2007年1月 中之島中央法律事務所代表パートナー 現在に至る 2007年4月 近畿弁護士会連合会理事長
日本弁護士連合会理事2017年6月 当社監査役 現在に至る 重要な兼職の状況
中之島中央法律事務所代表パートナー
選任理由
益田哲生氏は、弁護士として独立性・中立性を持った立場から取締役の監督及び的確な助言、提言を行っていただいており、これまで培われた豊富な経験と幅広い見識を当社のガバナンス強化に活かしていただくことを期待役割として、引き続き社外監査役候補者と致しました。
候補者番号3
鈴木一史 すずきかずふみ
1976年2月11日
- 社外
所有する当社の株式数
0株
略歴、地位及び重要な兼職の状況
1998年4月 日商岩井株式会社(現 双日株式会社)入社 2013年10月 太陽鉱工株式会社入社 開発部部長 2014年6月 同社取締役開発部長 2015年6月 同社常務取締役営業部長兼東京支店長兼開発部長 2017年6月 同社取締役副社長 2018年6月 同社代表取締役社長 現在に至る 2021年6月 当社監査役 現在に至る 重要な兼職の状況
太陽鉱工株式会社代表取締役社長
東邦金属株式会社社外取締役
株式会社ニチリン社外取締役選任理由
鈴木一史氏は、経営者としての立場から取締役の監督及び的確な助言、提言を行っていただいており、これまで培われた豊富な経験と幅広い見識を当社のガバナンス強化に活かしていただくことを期待役割として、引き続き社外監査役候補者と致しました。
(注)
1.各候補者と当社との間には、特別の利害関係はありません。
2.候補者益田哲生、鈴木一史の両氏は、社外監査役候補者であります。
3.候補者益田哲生氏が再任された場合は、東京証券取引所の定める独立役員となる予定です。
4.候補者益田哲生、鈴木一史の両氏の当社における監査役としての在任期間は、本総会終結の時をもって、益田哲生氏が8年、鈴木一史氏が4年になります。
5.監査役との責任限定契約について
当社は社外監査役が期待される職務を適切に行えるよう、その責任を会社法に定める範囲内で免除できる旨を定めるとともに、社外監査役にふさわしい優秀な人材の招聘を容易にするため現行定款において、社外監査役との間で、社外監査役が任務を怠ったことによる当社に対する損害賠償責任を一定の範囲内に限定できる契約を締結できる旨を定めております。社外監査役候補者である益田哲生氏及び鈴木一史氏につきましては、当社との間で責任限定契約を締結しており、両氏の再任が承認された場合、当社は両氏との間で当該責任限定契約を継続する予定であります。また、三築正典氏の選任が承認された場合、同氏との間で同様の責任限定契約を締結する予定であります。
その契約内容の概要は次の通りであります。①会社法第423条第1項に定める責任について、会社法第425条第1項各号に定める金額の合計額を限度とする契約であります。
②上記の責任限定が認められるのは、社外監査役がその責任の原因となった職務の遂行について善意かつ重大な過失がないときに限るものと致します。
6.当社は会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険(D&O保険)契約を保険会社との間で締結し、当該保険契約により被保険者が負担することになる法律上の損害賠償金、争訟費用の損害を填補しております。当該保険契約の被保険者は当社及び子会社(海外子会社を除く。)の取締役及び監査役であり、本議案において監査役候補者各氏の選任が承認可決された場合には、再任候補者の各氏は引き続き被保険者となります。なお、当該保険契約は2025年11月に更新する予定です。
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株主提案
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株主提案に係る各議案については、提案株主様から提出された株主提案書面の該当記載を原文のまま記載したものであります。
(1)議案の要領
会社法第156条第1項の規定に基づき、本定時株主総会終結の時から1年以内に、当社普通株式を、株式総数2,537,000株、取得価額の総額金6,342,000,000円を限度として、金銭の交付をもって取得することとする。
(2)提案の理由
当社の株価は昨年来低迷しており、市場は当社の対策がまだ不十分であると評価しているものと言えます。そこで、更なる当社の株主還元の拡充及び資本効率の向上を図るため、当社が発行済株式総数の約10%を自己株式として取得し、会社法第178条に基づき消却する施策を採用すべきと考えます。
第4号議案に対する当社取締役会の意見
(1)当社取締役会の意見
当社取締役会としては、本株主提案に反対致します。
(2)反対の理由
当社は、自己株式の取得は、資本効率及び株主還元の向上を図るとともに経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行の為に有効であると認識しております。直近では、2025年4月30日に開催した取締役会決議に基づき、2025年5月7日~2026年4月28日の期間に20億円を上限とする自己株式の取得を進めております。また、以下の通り株主還元の向上に継続的に取り組んでおります。
株主還元の状況
当社では、サステナブル社会創造に貢献し続けることを最重要課題に掲げ、2023年4月からの中期経営計画最終年度(2026年度)の目標指標として、ROIC(投下資本利益率)8.0%(2022年度:7.9%)を設定しております。中期経営計画では、更なる成長に向けて人的資本投資・設備投資・研究開発投資をより積極的に実施し、ROIC目標の設定を通じて資本効率も重視した成長を目指します。2025年4月30日に公表した「中期経営計画の見直しに関するお知らせ」にて示したように、設備投資では、今後も海外市場で更なる需要増が見込まれる「化粧品用機能性油剤」に対して、約86億円の新プラントを建設する計画へ見直しを行いました。これにより、中期経営計画期間(2023年度~2026年度)の設備投資総額の見通しを当初計画の120億円から160億円へ変更しております。DOEについても、当初計画の「3.5%を目安」から「4.3%を目安」に変更することにより、株主還元を更に強化しております。また、政策保有株式比率を、2026年度末までに17%以下(2022年度:約25%)に引き下げるという目標を掲げており、政策保有株式の売却によって得た資金は、財務の安定性を維持する為に必要な資金として確保しつつ、成長に向けた投資や株主還元にバランスよく配分し、当社のステークホルダーの期待に応えてまいります。
1年間で6,342,000,000円の自己株式を市場にて取得するという本株主提案は、当社株式の流動性を考慮すると現実的ではなく、また、このような提案が可決されれば成長投資の財源が損なわれ、当社の中長期的成長と企業価値の向上が停滞するおそれがあるばかりか財務の安定性を損なうおそれもあり、結果として株主の皆様の利益を毀損するおそれがあるものと考えております。自己株式の取得については、当社株式の取引状況及び株価を踏まえながら、将来の成長に向けた人的資本投資・設備投資・研究開発投資等とのバランスを考慮した上で、適切な時期に実施するべきであると当社は考えております。
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(1)議案の要領
当社の社外取締役を過半数とするため、当社の定款第19条を下記の通り変更する。
(2)提案の理由
コーポレートガバナンス・コード原則4-8は、「独立社外取締役は会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与するように役割・責務を果たすべきであり、プライム市場上場会社はそのような資質を十分に備えた独立社外取締役を少なくとも3分の1以上選任すべきである。また、上記にかかわらず、業種・規模・事業特性・機関設計・会社をとりまく環境等を総合的に勘案して、過半数の独立社外取締役を選任することが必要と考えるプライム市場上場会社は、十分な人数の独立社外取締役を選任すべきである。」と規定しています。また、コーポレートガバナンス・コード原則4-7は、独立社外取締役の役割・責務の一つとして、「経営陣・支配株主から独立した立場で、少数株主をはじめとするステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映させること」を挙げています。
当社は、取締役5名のうち社外取締役は2名となっており、3分の1以上の要件は充たしているものの、より積極的に取締役の過半数を社外取締役とすることで、資本効率を上げ、株主還元を図り、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に寄与するガバナンス体制を整えることができると考えます。
また、社外取締役の人数のみならず、社外取締役の資質についても、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に寄与することができる人材が必要であり、この点、高度の経験とスキルを有するアナリストの登用を検討すべきと考えます。
「アナリストとして高い経験とスキルを持つ人材」の登用は、外部投資家・株主の目線を取締役会にもたらすと同時に、健全なリスクテイクを通じた企業価値向上に資する効果的な手段と考えます。本来、上場企業の取締役会と投資家・株主は企業価値の長期的な向上という同じ目標を共有しながら、不幸にも日本においては両者が対立的な構図でとらえられることも少なくありません。上述の経験・スキルを持つ取締役が取締役会の議論・意思決定に参画することは、健全なリスクテイクと資本配分、そして市場とのより良いコミュニケーションを通じて取締役会と株式市場の関係を本来の建設的なものにすると考えます。しばしば銀行出身者や会計士が取締役のスキルマトリックスのファイナンス部分を担うと説明されますが、「健全なリスクテイク」を促す観点からは会計や負債市場の専門性だけでは不十分であり、そこにエクイティ市場の専門家を登用する意義があるものと考えます。
第5号議案に対する当社取締役会の意見
(1)当社取締役会の意見
当社取締役会としては、本株主提案に反対致します。
(2)反対の理由
当社は、経営陣幹部の選定・解任及び取締役候補者並びに監査役候補者の指名等について会社の意思決定の透明性や公平性を確保する為、取締役会の諮問機関として独立社外取締役が過半数を構成する指名報酬委員会を設置しております。取締役の指名にあたっては、当社の経営環境、事業特性に照らして重視すべきスキル、経験に基づいて適正と考える人数・人物を指名報酬委員会で審議し、取締役会へ答申、決定の上、株主総会へ付議しております。
社外取締役には、当社の事業領域について豊富な知見及び経験を有する方に就任いただいており、幅広い視点で経営全般にわたり的確な助言を行っていただいております。また、当社との利害関係において高い独立性を有し、一般株主保護の観点から監督機能の強化を図っております。
当社が提案する取締役候補者から構成される取締役会は、当社の経営環境や事業特性等に応じた専門性を持つ最適な構成であると考えております。
一方で、本株主提案のような規定を定款に設けることは、却って取締役候補者の選択範囲を制限し、最適な取締役会を構成する上での妨げとなる可能性もあると考えます。
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(1)議案の要領
当社の取締役の報酬限度額は、2022年6月23日開催の株主総会において取締役の報酬を年額250百万円以内とすることが決議されている。これとは別枠で、2022年6月23日開催の株主総会において、社外取締役を除く取締役に対して、譲渡制限付株式報酬として支給する金銭債権の総額は年50百万円以内、当社が新たに発行又は処分する普通株式の総数は年100,000株以内とすることが決議されている。
今般、社外取締役を含む当社の取締役に対し、上記株式報酬に代えて、年額250百万円以内、付与株式数の上限100,000株の譲渡制限付株式付与のための金銭報酬債権を付与することとする。
具体的な支給時期及び配分については、取締役会において決定するが、ROEとTSR(株主総利回り)を含む業績連動型のインセンティブ制度として設計し、かつ、業績基準を満たす場合には累計で固定報酬の3倍相当の譲渡制限付株式を今後3年間で付与するよう設計するものとする。
(2)提案の理由
弊社は日本の取締役会の最大の弱点が各取締役による株式保有の少なさ、それによる株主目線の欠如にあると考えます。当社においても各取締役の株式保有が少なく、取締役の経済的利益の大半は固定報酬としての基本報酬であり、一部業績の達成に紐づく報酬があるものの、株式報酬の目的である株主との価値共有が不十分と考えます。取締役に当社の企業価値の持続的向上を図る経済的インセンティブを持たせ、株主と利益を一体化することで企業価値向上の成果を株主とともに享受することが必要です。
取締役と株主との価値共有を図るための効果的な株式報酬の目安は、固定報酬の3倍相当とされております。当社は株式報酬制度を導入しているものの、第156期(2023年4月1日から2024年3月31日)では当社の取締役(社外取締役を除く。)に年額88百万円の固定報酬が支払われているのに対し、株式報酬は24百万円となっており、固定報酬の27%しかありません。このペースでは、取締役と株主との価値共有を図るために効果的な株式報酬の目安とされる固定報酬の3倍相当の株式保有に到達するまで、約11年かかることになります。株式報酬は取締役の在任中に付与されなければ意味がありませんので、より短期間で一定規模の付与がなされる必要があります。
また、欧米においてはほぼすべての主要上場企業において、株主との価値共有に必要と考えられる一定量の株式について一定期間の継続保有要件を定める株式保有ガイドラインが採択されています。数年間の猶予期間を経て、トップマネジメントであれば基本報酬の3~5倍、社外取締役でも報酬の1倍とするケースが大半です。弊社は当社の取締役その他の経営陣にも、過去の常識にとらわれず、世界水準に劣らないオーナーシップのレベルを目指すこと、適切な開示を通じてそのコミットメントを示すことを提案し、株式保有ガイドラインを制定すべきと考えます。
第6号議案に対する当社取締役会の意見
(1)当社取締役会の意見
当社取締役会としては、本株主提案に反対致します。
(2)反対の理由
当社は、取締役の報酬額決定に関して、経営陣幹部・取締役の業績向上への意欲を高め、中長期的な企業価値の増大に資する体系とする方針のもと、独立社外取締役が過半数を構成する指名報酬委員会で議論を進め、新たに企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを付与するとともに、株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的とした譲渡制限付株式を用いた株式報酬制度の導入を取締役会で決議の上で2022年6月の定時株主総会に諮り、承認をいただいております。同制度の導入にあたりましては、外部調査機関の役員報酬調査データを参考に、全体の報酬水準及び報酬の種類ごとの比率等を分析し、導入の妥当性を検討致しました。
当社取締役(社外取締役を除く。)の報酬は、役位・職責に応じて決定される基本報酬と、事業年度ごとの業績向上に対する意識を高めることを目的とした業績連動賞与、及び企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与える譲渡制限付株式報酬から構成されています。
基本報酬は、求められる役割及び責任等を勘案した上で算定しております。業績連動賞与は、連結EBITDA(償却前営業利益)及び連結純利益の目標値に対する達成度合及び前年度実績に対する成長率、DOE(連結純資産配当率)の実績値、管掌部門の業績及びESG目標の進捗度合など総合的な会社貢献に関する評価をもとに算定しております。また、譲渡制限付株式の付与の為に対象取締役に対して支給する金銭債権の総額は、年額5千万円以内、当社が新たに発行又は処分する普通株式の総数は、年100,000株以内とし、2022年6月開催の定時株主総会にて承認をいただいております。
本株主提案による株式報酬制度は、譲渡制限付株式報酬制度の対象となる取締役に対する報酬額を年額総額250百万円以内としており、また3年間かけて固定報酬の3倍相当の譲渡制限付株式を付与するよう設計するものとされております。
当社が導入しております報酬制度においては、評価指標等を100%達成した場合、「基本報酬:業績連動賞与:株式報酬=55:35:10」を目安としております。当該目安は、当社の実情を踏まえて、短期的インセンティブ及び中長期的インセンティブをバランス良く取り入れるよう慎重に検討した結果であり、相当であると考えております。
一方で、本株主提案は、基本報酬及び業績連動賞与とのバランスを欠き、当社の取締役報酬の基本方針から大きく乖離するものであり、過大な報酬枠であると考えます。
また、本株主提案では社外取締役を含む全取締役に譲渡制限付株式報酬制度を導入することが示されておりますが、当社は取締役会の管理監督機能を強化することを目的として独立社外取締役を選任している観点から、譲渡制限付株式報酬制度の対象には含めない方針としております。