事業報告(2024年4月1日から2025年3月31日まで)
企業集団の現況に関する事項
当事業年度の事業の状況
事業の経過及び成果
当連結会計年度の収益は38,306百万円(前期比453百万円増、同1.2%増)、税引前損失は10,216百万円(前期は6,298百万円の利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は7,190百万円(前期は5,806百万円の利益)、当期包括利益は△7,981百万円(前期比14,167百万円減)となりました。
当連結会計年度において、プラットフォームソリューション・セグメントでは、対面決済領域におけるアライアンス戦略が奏功したほか、非対面決済領域ではサービス分野が牽引したこと等から、決済取扱高は前期比21%増の7.5兆円に拡大し、税引前利益も前期比22%増となりました。ロングタームインキュベーション・セグメントでは、㈱カカクコムの業績が堅調に推移し、持分法による投資利益が前期を上回りました。グローバル投資インキュベーション・セグメントでは、当社の投資先であるBlockstream Corporation Inc.の公正価値評価額が大幅に減少し「営業投資有価証券に関する損失」及び「金融費用」として評価損を計上しました。一方で、保有する営業投資有価証券の売却が着実に進捗しました。
プラットフォームソリューション
プラットフォームソリューション・セグメントでは、当社グループの事業基盤である決済プラットフォームを軸とした事業を展開しております。Eコマース(EC)及び対面店舗等のBtoC商取引に必要不可欠なクレジットカード決済をはじめ、QRコード決済、コンビニ決済等のあらゆる電子決済手段を提供する決済代行サービスのほか、決済に関連する周辺サービス及びEC事業者向け機能の拡充等を通じて、決済プラットフォームの持続的な拡大に取り組んでおります。また、決済領域の事業パートナーであるクレジットカード会社をはじめとした金融事業者向けデジタルマーケティング及びCRMソリューションとの連携を強化し、金融フィンテック領域に特化したエコシステムの構築に注力しております。
当連結会計年度は、対面決済領域においてアライアンス戦略が奏功し、決済の新規加盟店獲得が進捗したほか、訪日外国人数の増加に伴い、百貨店をはじめとした総合小売業において決済取扱高が伸長しました。加えて、サービス、公金等の非物販分野を中心に非対面決済領域が堅調に推移したこと等から、決済取扱高は前期比21%増の7.5兆円となりました。また、マーケティング事業では、決済事業との連携を企図した事業の最適化やサービス開発等を推進しました。
これらの結果、収益は22,644百万円(前期比5,049百万円増、同28.7%増)、税引前利益は8,757百万円(前期比1,589百万円増、同22.2%増)となりました。
ロングタームインキュベーション
ロングタームインキュベーション・セグメントでは、当社グループ独自の事業基盤及び日本最大級のメディアを運営する㈱カカクコムの顧客資産等を活用し、決済プラットフォームの拡大を加速することを目的とした戦略事業を展開しております。企業間取引(BtoB)決済領域におけるサービスのほか、各産業のDX化を支援するプロダクト開発による事業者の業務効率化及びキャッシュレス化の促進、データマーケティングによる小売事業者等への集客による決済機会の拡大、新たなテクノロジーの社会実装を目指した事業開発等を行うことにより、プラットフォームソリューション・セグメントの更なる高付加価値化及び成長加速を図るとともに、中長期的に企業価値を牽引する次世代の事業創出に取り組んでおります。
当連結会計年度は、グループ会社である㈱カカクコムの業績が堅調に推移したこと等により、持分法による投資利益が増加しました。また、一部の新規事業において固定資産に係る減損損失を計上したものの、先行投資を継続する戦略事業は事業規模の拡大に伴い収益が増加しました。
これらの結果、収益は13,570百万円(前期比796百万円増、同6.2%増)、税引前利益は969百万円(前期比468百万円減、同32.5%減)となりました。
グローバル投資インキュベーション
グローバル投資インキュベーション・セグメントでは、国内外のスタートアップ企業等への投資及び当社グループ内の事業との連携による投資先の育成等を行っております。創業以来、北米・日本・アジア・欧州を中心に築き上げてきた独自のディールソースである「グローバルインキュベーションストリーム」や、当社グループが運営する日本初のシードアクセラレータープログラム「Open Network Lab」等を通じて、世界中の有望なスタートアップ企業へリーチするとともに、当社グループの事業との連携を一層深めることにより、当社グループ及び投資先の企業価値の最大化を目指しております。
当連結会計年度は、投資先の1社であるBlockstream Corporation Inc.の評価額が大幅に減少したこと等により、営業投資有価証券の公正価値が減少しました。一方で、営業投資有価証券の売却が着実に進捗したことにより、投資事業収入は81億円となりました。
これらの結果、収益は582百万円(前期比5,294百万円減、同90.1%減)、税引前損失は8,946百万円(前期は1,372百万円の利益)となりました。