株主のみなさまへ

平素より株主のみなさまには多大なるご支援を賜り、心より御礼申し上げます。

資生堂グループにとって、2025年は成長に向けた基盤構築を完了させた重要な1年となりました。業績と財務の健全性が大きく改善する明確な転換点を迎え、積み上げてきた取り組みが実を結び、事業の質そのものが変わりつつあると実感しています。今後は、昨年11月に発表した「2030 中期経営戦略」を実行することで、ブランド価値最大化による新たな成長軌道へと舵を切ってまいります。

2025年の成果と課題

世界経済の先行き不透明感が続く中、当社は、変化の激しい市場でも安定的な利益拡大を実現する事業構造を目指した改革「アクションプラン 2025-2026」に取り組んできました。その結果、コア営業利益は445億円(前期比+22.4%)と、期初計画365億円を大きく上回り達成しました。運転資本の改善や設備投資の見直しにより、フリーキャッシュフローも665億円と大きく改善しました。「SHISEIDO」「クレ・ド・ポー ボーテ」「NARS」をはじめとする注力ブランドへの集中投資による収益性向上、構造改革効果やコスト管理の徹底と資本効率の改善により、当社の「稼ぐ力」が着実に回復している表れと捉えています。

一方で、親会社の所有者に帰属する当期利益は、407億円の損失となりました。これは、米州事業の減損損失や、構造改革に伴う費用の計上によるものです。2期連続の最終赤字という結果を、経営陣一同、大変重く受け止めておりますが、中長期的な成長・企業価値向上のために必要な施策を覚悟をもって進めており、筋肉質でより強い会社へと着実に進化しています。

「2030 中期経営戦略」 新たな成長軌道へ

当社は、強みである価値創造力と価値伝達力をもとに企業価値の最大化を目指す「2030 中期経営戦略」を策定し、Vision「ひととの繋がりの中で新しい美を探求・創造・共有し、一人ひとりの人生を豊かにする」を定めました。このVisionを体現するスローガンとして、当社が大切にしてきた「一瞬も 一生も 美しく」を改めて掲げました。「ひと」のために、新しい美を心動かす形にして届ける会社であり続けたい、との思いを込めています。

戦略策定にあたっては、事業環境の変化や、ステークホルダーへの調査や対話を踏まえてマテリアリティ(重要課題)を更新し、3つの戦略の柱を「ブランド力の向上を通じた成長加速」「グローバルオペレーションの進化」「サステナブルな価値創造」と定めました。当社の技術力・研究開発力の強みや競争優位性を最も発揮でき、市場規模・成長性の観点から魅力の高いカテゴリーに注力します。イノベーションによる新製品の発売・ヒーロー商品の育成を成長の軸とし、展開国の拡大や新領域への挑戦で成長を上乗せします。そして、強化するカテゴリー・ブランドの優先順位を明確にし、グループレベルでの全体最適化を進めることで、投資の最適化とコスト削減をねらいます。さらに、人財戦略やDE&I(多様性・公平性・包括性)による社会価値創出、適切な環境対応による社会課題解決を進化させます。これらの戦略を推し進めることで、2030年にはコア営業利益率10%以上の達成と資本効率の大幅な改善を目指します。

2026年の展望と株主還元

2026年は、外部環境の不透明感が高まる中だからこそ、柔軟性とスピードを重視し、イノベーションによる売上・利益成長と資本効率の向上を進めます。リターンを着実に生み出す体質へ転換し、コア営業利益率7%、フリーキャッシュフロー500億円の達成を目指します。高めたキャッシュ創出力と財務規律の進展を踏まえ、2026年の年間配当は1株当たり60円へと20円の増配を予定しています。

常に人と向き合い、新たな価値を発見し、革新的な創造に挑戦し続けること。それこそが1872年の創業から変わらない、私たち独自の強みであり、本質的な成長への道です。新しい美の価値の発見と創出に挑戦し続けることで、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」の実現を目指します。

今後とも、株主・投資家のみなさまの一層のご理解・ご支援をお願いいたします。