事業報告(2022年1月1日から2022年12月31日まで)
当社グループの現況に関する事項
1.直前3事業年度の損益および財産の状況
<ご参考> 事業報告サマリー
2.事業の経過およびその成果
当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限等が緩和される中、個人消費や企業収益の改善が続くなど、全体としては緩やかな回復基調で推移しました。
当社グループが主に事業を展開する国内一般用消費財業界では、資源価格の高騰や為替変動の影響を大きく受けましたが、市場全体は堅調に推移しました。
このような環境の中、当社グループは3ヵ年の中期経営計画「Vision2030 1st STAGE」をスタートし、3つの成長戦略である、「4つの提供価値領域における成長加速」、「成長に向けた事業基盤への変革」、「変革を実現するダイナミズムの創出」にもとづく施策を推進しました。
国内事業では、ハミガキ、ハブラシ、住居用洗剤、解熱鎮痛薬等において高付加価値品の育成に重点的に取り組むとともに、海外事業では、オーラルケア、ビューティケア等のパーソナルケア分野の拡大、洗濯用洗剤等のホームケア分野の競争力強化に注力しました。併せて、国内外において販売促進の効率化やコストダウンの一層の推進など収益性の確保に努めました。
以上の結果、当期の連結業績は、売上高3,898億6千9百万円(前期比6.5%増、為替変動の影響を除いた実質前期比3.4%増)、事業利益235億5千9百万円(前期比23.8%減)、営業利益288億4千3百万円(同7.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益219億3千9百万円(同7.7%減)となりました。
部門別の状況
当事業は、「オーラルケア分野」、「ビューティケア分野」、「ファブリックケア分野」、「リビングケア分野」、「薬品分野」、「その他の分野」で構成されています。全体の売上高は、前期比3.0%の増加となりました。事業利益は、前期比39.6%の減少となりました。
オーラルケア分野
取扱品目ハミガキ、ハブラシ、デンタルリンス等
売上高722億99百万円(前期比 4.2%増)
ハミガキは、「クリニカアドバンテージ ハミガキ」が好調に推移するとともに、新製品「システマハグキプラス プレミアムハミガキ よくばりな美白」や「クリニカPRO ハミガキ」がお客様のご好評をいただき、全体の売上は前期を上回りました。
ハブラシは、「クリニカアドバンテージ ハブラシ」や「NONIOハブラシ」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
デンタルリンスは、「NONIOプラスホワイトニング デンタルリンス」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
ビューティケア分野
取扱品目ハンドソープ、ボディソープ等
売上高264億82百万円(前期比 7.1%増)
ハンドソープは、「キレイキレイ薬用泡ハンドソープ」が好調に推移し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
ボディソープは、「hadakara ボディソープ」が堅調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
ファブリックケア分野
取扱品目柔軟剤、洗濯用洗剤、漂白剤等
売上高601億20百万円(前期比 0.9%減)
柔軟剤は、「ソフラン プレミアム消臭」が前期を下回りましたが、「ソフラン アロマリッチ」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
洗濯用洗剤は、液体高濃度洗剤「トップ スーパーNANOX ニオイ専用」が前期を上回りましたが、液体洗剤「香りつづくトップ」や「トップ クリアリキッド」が前期を下回り、全体の売上は前期比微減となりました。
リビングケア分野
取扱品目台所用洗剤、住居用洗剤、調理関連品
売上高236億30百万円(前期比 6.1%減)
台所用洗剤は、「CHARMY Magica」が前期を下回り、全体の売上も前期を下回りました。
住居用洗剤は、浴室用洗剤「ルックプラス バスタブクレンジング」や「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」が前期を上回りましたが、トイレ用洗剤が前期を下回り、全体の売上は前期比微減となりました。
薬品分野
取扱品目解熱鎮痛薬、点眼剤、ニキビ薬等
売上高251億44百万円(前期比 0.9%減)
解熱鎮痛薬は、市場が好調に推移する中、「バファリン プレミアムDX」が好調に推移するとともに「バファリンA」が前期を上回り、全体の売上も前期を上回りました。
点眼剤は、新製品が加わった「スマイル40ゴールド」シリーズが前期を上回り、全体の売上も前期を上回りました。
ニキビ薬は、「ペアアクネクリームW」が前期を下回り、全体の売上も前期を下回りました。
その他の分野
取扱品目ペット用品、通信販売商品等
売上高578億77百万円(前期比 10.1%増)
ペット用品は、猫用トイレの砂「ニオイをとる砂」が順調に推移するとともに、オーラルケア用品が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
通信販売商品は、「腸まで届けるナイスリムエッセンス ラクトフェリン」が前期を下回り、全体の売上も前期を下回りました。
上記の他、製造子会社のグループ内部売上高が大幅に増加しました。
当事業は、タイヤの防着剤等を取り扱う「モビリティ分野」、二次電池用導電性カーボン等の「エレクトロニクス分野」、施設・厨房向け洗浄剤等の「業務用洗浄剤分野」等で構成されており、全体の売上高は、前期比15.2%の増加となりました。事業利益は、前期比15.3%の増加となりました。
モビリティ分野では、タイヤの防着剤が好調に推移し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
エレクトロニクス分野では、二次電池用導電性カーボンが好調に推移し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。
業務用洗浄剤分野では、ハンドソープが前期を下回りましたが、厨房向け消毒用アルコールが好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。
海外は、タイ、マレーシア等の東南アジア、韓国、中国等の北東アジアにおいて事業を展開しております。全体の売上高は、前期比18.4%の増加(為替変動の影響を除いた実質前期比は7.1%の増加)となりました。事業利益は、東南アジアで原材料価格上昇の影響を大きく受けたこともあり、前期比14.8%の減少となりました。
東南アジア
売上高812億49百万円(前期比 18.1%増)
事業利益23億78百万円(前期比 37.0%減)
東南アジア全体の売上高は、前期比18.1%の増加(為替変動の影響を除いた実質前期比は7.0%の増加)、事業利益は37.0%の減少となりました。
タイでは、洗濯用洗剤が前期を下回りましたが、ボディソープが好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を上回りました。
また、マレーシアでは洗濯用洗剤「トップ」が好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。
北東アジア
売上高480億93百万円(前期比 18.9%増)
事業利益27億37百万円(前期比 22.8%増)
北東アジア全体の売上高は、前期比18.9%の増加(為替変動の影響を除いた実質前期比は7.2%の増加)、事業利益は22.8%の増加となりました。
韓国では、洗濯用洗剤が好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。
また、中国では、ハミガキ「ホワイト&ホワイト」が好調に推移するとともに、ハブラシ「システマ」が堅調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。
建設請負事業等を含むその他では、全体の売上高は、前期比44.8%の減少、事業利益は、前期比44.0%の減少となりました。
剰余金の配当等の決定に関する方針
当社は、連結収益力の向上により、株主の皆さまへの継続的かつ安定的な利益還元を行うことを経営の最重要課題と考え、配当は連結配当性向30%を目安として継続的かつ安定的に実施し、自己株式の取得は中長期的な成長のための内部留保を総合的に判断して実施を検討してまいります。内部留保は、企業成長力の強化、永続的な事業基盤の整備を行うことを目的として、研究開発・生産設備等への投資や外部資源獲得に充当してまいります。
当期の剰余金の配当につきましては、過去の支払実績および配当性向を勘案して、取締役会決議により、1株につき、中間12円(支払開始日:2022年9月5日)、期末13円(支払開始日:2023年3月2日)とさせていただきました。