事業報告(2024年4月1日から2025年3月31日まで)

企業集団の現況

当事業年度の事業の状況

事業の経過および成果

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善、インバウンド需要の復調などを背景に緩やかな回復基調が続いたものの、物価高による実質賃金が低迷し、個人消費が伸び悩みました。一方海外においては、ウクライナ、中東情勢を巡る地政学的リスクや中国経済の減速に加え、関税をはじめとする米国外交・通商政策の不確実性など、依然として先行きに対する不透明感は継続しています。
こうした状況の中、当社グループは、パーパスを軸とした全員経営の下、持続的成長を可能にするために、「成長けん引事業に注力」「主力事業の回復」「原価高騰対策の取組み」「ESG時代を生き抜くための基盤作り」に注力しました。
当連結会計年度の売上高は、2024年6月3日に花王株式会社より「ニャンとも清潔トイレ」事業を譲り受け、事業拡大したペットケアが大きく貢献した他、主要カテゴリーであるエアケアが伸長し、481億14百万円(前期比8.2%増)となりました。

利益面では、いくつかの品目の値上げをしたものの、円安による仕入価格の上昇に伴うコストアップや、売上控除のリベート等の増加、賃金引き上げ等による人件費の増加、成長戦略を支える経営基盤強化のための費用やのれんの減価償却費など販売費及び一般管理費の増加により営業利益は16億58百万円(同23.6%増)、受取保険金がなくなったことにより営業外収益が減少し経常利益は20億84百万円(同8.0%増)、負ののれん発生益の増加や営業オフィスの見直しに伴う近畿支店の固定資産売却等により特別利益が増加し、親会社株主に帰属する当期純利益は28億34百万円(同122.4%増)となりました。

事業のカテゴリー別の営業概要は次のとおりです。

カテゴリー別営業概要

売上高
前期比
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売上高
構成比
%

(単位:

エアケア(消臭芳香剤)は、高付加価値品の強化に向けた取組みを進めました。「消臭力 Premium Aroma」シリーズが伸長した他、前期発売した心地よい空間づくりをサポートする寝室用フレグランス「消臭力 Premium Aroma For Sleep 寝室用」や「消臭力 コンパクト トイレ用」の貢献や、化学的消臭によって悪臭をしっかりと消臭する無香タイプの「消臭力 クリアビーズ イオン消臭プラス」が好調に推移し、売上高は211億9百万円(前期比4.2%増)となりました。

売上高
前期比
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売上高
構成比
%

(単位:

ペットケア(猫用トイレ用品)は、「ニャンとも清潔トイレ」事業を譲り受けたことにより全体に占めるペットケア事業の重要性が増したため、前期ペット事業が含まれていたホームケア(フードケア・クリーナー他)のカテゴリーから独立して表示しています。「ニャンとも清潔トイレ」ブランドを活用したペットケア事業のさらなる強化に取り組んだ結果、売上高は35億96百万円(前期の売上高は1億65百万円)となりました。

売上高
前期比
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売上高
構成比
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(単位:

衣類ケア(防虫剤)は、停滞気味の市場を活性化する取組みを進めました。“清潔感”と“シンプル”がテーマの「ムシューダ NOTE」に新たに「引き出し・衣装ケース用」を追加、「ムシューダ Premium Aroma」シリーズでは上質で可憐な金木犀の香りを新たに発売し、市場活性化に努めたものの、店頭露出低下により「ムシューダ クローゼット用」「ムシューダ ウォークインクローゼット専用」といった既存の主力品が低迷し、売上高は68億34百万円(前期比4.3%減)となりました。

売上高
前期比
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売上高
構成比
%

(単位:

ホームケア(フードケア・クリーナー他)は、フードケア商品やクリーナーを中心に新規顧客拡大への取組みを進めました。米価格高騰から備蓄に対する関心が増え、虫からお米を守る「米唐番」が堅調に推移した他、気になる汚れを簡単・きれいに“泡”でふき取り、手軽に使えるスニーカー専用洗剤「洗浄力 水のいらない スニーカークリーナー」が貢献し、売上高は43億30百万円(同4.3%増)となりました。

売上高
前期比
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売上高
構成比
%

(単位:

湿気ケア(除湿剤)は、収納形態の変化に対応した取組みを進めました。ムシューダとの売場同時展開で衣類の収納ケア対策を提案し、つめかえできる省ゴミタイプの「ドライペット コンパクト」が伸長した一方、原材料価格の上昇に応じた販売価格の見直しにより販売数量が減少した他、前期から継続して高付加価値品へシフトを進めましたが、構成比の高い使い捨てのタンクタイプが減少し、売上高は27億63百万円(同4.1%減)となりました。

売上高
前期比
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売上高
構成比
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(単位:

サーモケア(カイロ)は、今冬の気温の影響によりシーズン後半にかけて市場が回復したものの、前シーズンの返品が見込みより多かった影響や、他社との差別化ができず既存のカイロがメインになり、需要の掘り起こしができなかった結果、売上高は40億95百万円(同3.0%減)となりました。

売上高
前期比
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売上高
構成比
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(単位:

ハンドケア(手袋)は、他社と差別化を図ったデザイン性や環境対応への提案で市場を活性化する取組みを進めました。一方で、衛生意識の高まりによる需要が落ち着いたことや、海外向けの手袋の売上が落ち込んだことにより、売上高は53億84百万円(同4.8%減)となりました。

<カテゴリー別売上高>

カテゴリー 金額
(百万円)
構成比
(%)
増減率
(%)
エアケア
(消臭芳香剤)
21,109 43.9 4.2
ペットケア
(猫用トイレ用品)
3,596 7.5 -
衣類ケア
(防虫剤)
6,834 14.2 △4.3
ホームケア
(フードケア・クリーナー他)
4,330 9.0 4.3
湿気ケア
(除湿剤)
2,763 5.7 △4.1
サーモケア
(カイロ)
4,095 8.5 △3.0
ハンドケア
(手袋)
5,384 11.2 △4.8
合計 48,114 100.0 8.2
  • (注) 対前期増減率はペットケア(猫用トイレ用品)組替後の数値と比較しています。ペットケア(猫用トイレ用品)の対前期増減率は1,000%を超えているため「 - 」と表記しています。

連結計算書類