ご挨拶

株主のみなさまへ

平素より格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
第16期定時株主総会招集ご通知の送付にあたり、ご挨拶申し上げます。

当社の貴金属リサイクル事業は回復を続けており、当期はすべての回収分野において前期を上回る業績を達成しました。AI関連半導体などが牽引する電子産業分野がとりわけ伸びました。金のリサイクル生産量は年間39トン(北米精錬事業の寄与を除く)に達し、国内最大の金鉱山の年間産出量の5倍を超えます。また、昨年10月にタイに現地法人を設立し、本年6月にはインドにも現地法人の設立を予定しており、アジア全域における戦略を着実に実践しています。このような国内外の貴金属リサイクル事業の発展を支えるため、新たにアサヒプリテック坂東工場を完工し、稼働を開始しました。

当期の後半から主要国の通商政策が動揺し、世界各国から原材料を預かる北米精錬事業への影響を心配しましたが、結果として当期の北米精錬事業は商機を拡大して前期を上回る業績を達成しました。なお、北米精錬事業の成長に伴って連結負債合計は増加していますが、本年1月、当社は株式会社格付投資情報センターより「A-」という格付を取得しました。北米精錬事業における借入金が換金性ある貴金属の現物で裏付けされていることから、リスク耐久力が高いという評価を得たものと認識しています。

第16期は、売上収益5,062億円、営業利益199億円となりました。期末配当金は1株当たり40円と決定しました。昨年、当社内で年齢・性別・職種に関して多様性を備えたチームが旧来の「アサヒウェイ」を刷新し、「AREグループウェイ」をつくりあげました。ただし、当社のパーパスは不変です。自然資本の保全が存在意義であり、人類が将来に期待するものを守り抜くことが使命です。地球や社会の問題の解決につながる当社の活動の価値に相応しい利益を得て、その利益を持続的に増進するために社員とともに一層努力いたします。今後ともご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

代表取締役社長 東浦 知哉