事業報告2023年4月1日から2024年3月31日まで
企業集団の現況
当事業年度の事業の状況
事業の経過および成果
当連結会計年度におけるわが国経済はゆるやかに拡大を続けたものの、急激な物価上昇や深刻な自然災害の影響により、その後半において景気回復が足踏みの状態にあり、世界的な金融引き締めや中国経済の先行き懸念により、さらに国内外の景気を下押しする懸念が生じています。
このような状況の下、当社グループの各事業セグメントの状況は以下のとおりでした。
第15期 セグメント別売上収益

(注)ジャパンウェイスト株式会社と株式会社レナタスとの株式交換に伴い、環境保全事業は非継続事業の区分で表示しております。

貴金属事業に関しては、金の販売量及び販売価格が前期を上回り、北米精錬事業が伸長したため、売上収益は前期比で増加しました。一方、電子・触媒分野の貴金属リサイクル事業の回復が遅れ、パラジウムおよびロジウムの価格が前期比で下落したため、営業利益は前期比で減少しました。また、電子・触媒分野における中長期的な競争力強化のため、茨城県坂東市に建設中の最新工場に関連工程を集約することに伴い、愛媛県西条市の事業所閉鎖を決定し、同事業所の固定資産等の減損損失を計上しました。




環境保全事業に関しては、当期において、当社の連結子会社であったジャパンウェイスト株式会社を株式交換完全子会社、株式会社レナタスを株式交換完全親会社とする株式交換を行ったため、ジャパンウェイストの事業は当期及び前期において非継続事業の区分で表示しております。なお、当期における産業廃棄物の取扱量や処理施設の稼働率は安定的に推移しました。
また、株式交換に伴いレナタスの株式の公正価値を評価した結果を「非継続事業からの当期利益」に計上しました。



これらの結果、当事業年度の実績は、売上収益322,253百万円(前期比48,044百万円増、17.5%増)、営業利益12,367百万円(前期比3,914百万円減、24.0%減)、税引前利益12,426百万円(前期比222百万円減、1.8%減)、当期利益24,490百万円(前期比13,560百万円増、124.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益24,490百万円(前期比13,560百万円増、124.1%増)となりました。セグメント別の売上収益は、貴金属事業が322,218百万円(前期比48,012百万円増、17.5%増)となりました。
なお、売上収益および営業利益の状況は次のとおりであります。

財産および損益の状況

- 第15期については、ジャパンウェイスト株式会社の事業を非継続事業に分類しております。これにより非継続事業からの利益は、連結損益計算書上、継続事業と区分して表示しております。これに伴い、売上収益および営業利益は、継続事業の金額を表示しております。なお、対応する第14期の金額についても同様に組み替えて表示しております。
- 当社は、2021年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第12期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、基本的1株当たり当期利益および1株当たり親会社所有者帰属持分を算定しております。






対処すべき課題
貴金属事業セグメント
当社グループの中核的事業であり、以下の施策をもって収益の拡大を図ります。
○貴金属リサイクルの拡大やリサイクル工程の改善などにより、カーボンニュートラル戦略を推進する。
○製薬領域や水素製造などの工業分野における貴金属需要を開拓し、新分野への事業拡大を推進する。
○人権・環境に配慮した貴金属製品の製造・販売事業を通して、付加価値の高い製品などを国内外のお客様に提供し、グローバルレベルのブランディングの確立を目指す。
○「責任ある貴金属管理」を徹底し、リスク管理を強化する。
○ITを活用して効率的な営業活動体制や技術プロセスを確立し、競争力を高める。
環境保全事業セグメント
当社グループの安定成長事業として、成長とともに収益性を重視した経営を行います。
また、以下の施策をもって収益の拡大を図ります。
○ジャパンウェイストとレナタスとの株式交換を、日本における静脈産業のメジャー形成の足掛かりとし、動静脈連携による循環型社会を推進する。
○DX事業を拡大し、デジタルプラットフォームの構築により効率的・効果的な事業体制を確立する。
○水素事業など新規事業を創出し、カーボンニュートラル戦略を推進する。
2030年に向けた中長期ビジョンについて
