株主の皆さまへ

株主の皆さまには、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長の増田寬也でございます。

はじめに、2024年度は日本郵政グループにおいて不祥事が相次いで判明いたしました。お客さまから事前に同意をいただかないまま非公開金融情報等を保険募集や投資信託等の販売を目的とした来局のご案内に不適切に利用した事案、集配業務を行うにあたり乗務の前後に実施する点呼業務の未実施事案、協力会社との集配関係委託契約における不当な違約金請求事案などです。株主の皆さまをはじめ関係の皆さまに多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。

2019年に発覚したかんぽ生命保険商品の不適正募集の問題を受け、グループ全体でお客さま本位を第一とした信頼回復に向け取り組んでまいりました。しかしながら今般、先の教訓が活かされず、これらの法令等に違反する事案が発生したことを厳粛に受け止めております。あらためて原点に立ち返り、グループの総力をあげて再発防止策の実効性を不断に検証しながら改革を継続し、法令等遵守の徹底、お客さま本位のサービス提供に全力で取り組んでまいります。

2024年度は、5月に公表した見直し中期経営計画である「JP ビジョン2025(プラス)」に基づき、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」の実現に向けた取組を進めてまいりました。全国24,000局の郵便局ネットワークを活用し、地方自治体等と連携して地域の課題を解決するための「コミュニティ・ハブ」としての郵便局の活用や、グループプラットフォームアプリ「郵便局アプリ」に金融機能を新たに追加したほか、グループ独自のポイントサービス「ゆうゆうポイント」を開始し、郵便局ならではの限定商品との交換などの施策がその一例です。このほか2025年4月、日本郵便等によるトナミホールディングス株式会社の株式に対する公開買付けが成立し、協業による更なる付加価値向上を目指しております。

また、2025年3月には、ゆうちょ銀行普通株式の売出しを実施いたしました。2023年の売出し及び本売出しによって得た資金については、物流領域の能力増強や郵便局等の施設の高度化・DX化等の成長投資に充当するとともに、自己株式取得にも活用することで、当社グループの企業価値の向上を図っていきます。

「JP ビジョン2025+」の最終年度となる2025年度は、日本郵政グループが、真にお客さまに選ばれる会社として、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」の実現・成長ステージへの転換を果たすことができるよう、改めてグループ一丸となってお客さま本位を第一とした態勢を確立し、お客さまと社員の幸せに寄り添う存在となることを目指してまいります。

株主の皆さまにおかれましては、今後とも日本郵政グループへのご支援・ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

日本郵政株式会社
取締役兼代表執行役社長