事業報告 (2024年4月1日から2025年3月31日まで)
ソニーグループ㈱及びソニーグループ㈱の連結子会社を「ソニー」又は「ソニーグループ」と記載しています。
ソニーグループの現況
財産及び損益の状況の推移
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | ||
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米国会計原則 | IFRS | IFRS | IFRS | IFRS | IFRS | |
百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | |
売上高及び 金融ビジネス収入 |
8,999,360 | 8,998,661 | 9,921,513 | 10,974,373 | 13,020,768 | 12,957,064 |
営業利益 | 971,865 | 955,255 | 1,202,339 | 1,302,389 | 1,208,831 | 1,407,163 |
税引前利益 | 1,192,370 | 997,965 | 1,117,503 | 1,274,496 | 1,268,662 | 1,473,726 |
当社株主に帰属する当期純利益 | 1,171,776 | 1,029,610 | 882,178 | 1,005,277 | 970,573 | 1,141,600 |
1株当たり当社株主に 帰属する当期純利益: |
||||||
基本的(円) | 190.46 | 167.35 | 142.37 | 162.71 | 157.66 | 188.71 |
希薄化後(円) | 187.38 | 164.75 | 141.03 | 161.97 | 157.14 | 187.92 |
研究開発費 | 525,175 | 545,357 | 618,368 | 735,698 | 742,772 | 734,578 |
総資産 | 26,354,840 | 27,507,843 | 30,480,967 | 31,154,095 | 34,107,490 | 35,293,173 |
当社株主に帰属する資本 | 5,621,476 | 6,680,343 | 7,144,471 | 6,598,537 | 7,587,177 | 8,179,745 |
1株当たり当社株主に 帰属する資本(円) |
899.89 | 1,078.15 | 1,155.13 | 1,069.02 | 1,242.32 | 1,357.63 |
1株当たり配当金(円) | 11.00 | 13.00 | 15.00 | 17.00 | 20.00 | |
従業員数(名) | 109,700 | 108,900 | 113,000 | 113,000 | 112,300 |
【 連結業績に関する注記 】
- 1. ソニーグループの連結計算書類は、2020年度まで米国において一般に公正妥当と認められた会計基準による用語、様式及び作成方法(以下「米国会計原則」)、2021年度より国際財務報告基準(以下「IFRS」)によって作成されています。2020年度はIFRSベースの数値を併記しています。
- 2. 財産及び損益の状況の推移については、IFRSに準拠した科目で表示しています。
- 3. 当社は、2024年9月30日を基準日、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行いました。上記の基本的1株当たり当社株主に帰属する当期純利益、希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益、1株当たり当社株主に帰属する資本及び1株当たり配当金は、2020年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定しています。
- 4. 当年度末の連結子会社(ストラクチャード・エンティティを含む)は1,546社、持分法適用会社(共同支配企業を含む)は132社です。
売上高構成比(2024年度 ビジネス別)
(注)ビジネス別の売上高構成比は、外部顧客に対する売上高にもとづいて算出したものです。
ビジネス別営業の概況
以下の説明における各分野の売上高はセグメント間取引消去前のものであり、また各分野の営業利益はセグメント間取引消去前のもので配賦不能費用は含まれていません。
ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野
売上高
前年度比4,023億円(9%)増加し、4兆6,700億円となりました(為替影響:+1,700億円)。主な要因は以下の通りです。
- (+)アドオンコンテンツを含む自社制作以外のゲームソフトウェア販売増加
- (+)為替の影響
- (+)ネットワークサービスの増収
- (-)販売台数減少によるハードウェアの減収
- (-)自社制作のゲームソフトウェア販売減少
営業利益
前年度比1,246億円増加し、4,148億円となりました。主な要因は以下の通りです。
- (+)ネットワークサービスの増収の影響
- (+)自社制作以外のゲームソフトウェア販売増加の影響
- (-)自社制作のゲームソフトウェア販売減少の影響
音楽分野
音楽分野の業績には、日本の㈱ソニー・ミュージックエンタテインメントの円ベースでの業績、ならびにその他全世界にある子会社の業績を米ドルベースで連結している、Sony Music Entertainment(以下「SME」)及びSony Music Publishing LLC(以下「SMP」)の円換算後の業績が含まれています。
売上高
前年度比2,236億円(14%)増加し、1兆8,426億円となりました(為替影響:+738億円)。主な要因は以下の通りです。
- (+)音楽制作及び音楽出版におけるストリーミングサービスからの収入増加
- (+)為替の影響
- (+)映像メディア・プラットフォームにおける㈱イープラスの連結子会社化の影響
- (+)音楽制作における興行・物販及びライセンスからの収入増加
営業利益
前年度比556億円増加し、3,573億円となりました。主な要因は以下の通りです。
- (+)増収の影響
- (+)為替の好影響
- (-)販売費及び一般管理費の増加
映画分野
映画分野の業績は、全世界にある子会社の業績を米ドルベースで連結しているSony Pictures Entertainment Inc.(以下「SPE」)の円換算後の業績です。ソニーはSPEの業績を米ドルで分析しているため、一部の記述については「米ドルベース」と特記してあります。
売上高
前年度比ほぼ横ばいの1兆5,059億円となりました(為替影響:+712億円)。主な要因は以下の通りです(米ドルベース)。
- (-)2023年度のハリウッドのストライキによる作品制作の遅れなどによるテレビ番組制作における納入作品数の減少
- (-)メディアネットワークにおけるインド事業の視聴料及び広告料収入減少
- (+)有料会員数増加等によるCrunchyrollの増収
- (+)Alamo Drafthouse Cinemaの買収の影響
営業利益
前年度比ほぼ横ばいの1,173億円となりました。主な要因は以下の通りです(米ドルベース)。
- (-)映画製作におけるカタログ作品の貢献の減少
- (-)減収の影響
- (+)劇場公開に係る広告宣伝費の減少
エンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)分野
売上高
前年度比444億円(2%)減少し、2兆4,093億円となりました(為替影響:+789億円)。主な要因は以下の通りです。
- (-)販売台数減少によるテレビ及びスマートフォンの減収
- (+)為替の影響
営業利益
前年度比35億円増加し、1,909億円となりました。主な要因は以下の通りです。
- (+)オペレーション費用の削減
- (+)為替の好影響
- (-)テレビの減収の影響
- (-)構造改革費用の増加
イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野
売上高
前年度比1,963億円(12%)増加し、1兆7,990億円となりました(為替影響:+959億円)。主な要因は以下の通りです。
- (+)為替の影響
- (+)モバイル機器向けイメージセンサーの増収
- (+)製品ミックスの改善
- (+)販売数量の増加
営業利益
前年度比676億円増加し、2,611億円となりました。主な要因は以下の通りです。
- (+)為替の好影響
- (+)増収の影響
- (+)モバイル機器向けイメージセンサーの新製品量産立上げにおける費用の減少
- (-)製造経費の増加
- (-)減価償却費の増加
金融分野
金融分野には、ソニーフィナンシャルグループ㈱(以下「SFGI」)及びSFGIの連結子会社であるソニー生命保険㈱(以下「ソニー生命」)、ソニー損害保険㈱、ソニー銀行㈱等の業績が含まれています。金融分野に記載されている業績は、SFGI及びその連結子会社が日本の会計基準に則って個別に開示している業績とは異なります。
金融ビジネス収入
前年度比8,386億円(47%)減少し、9,314億円となりました。主な要因は以下の通りです。
- (-)ソニー生命の減収(△8,638億円)、2024年度収入:6,601億円
- (-)市況変動による特別勘定における資産運用益の減少
営業利益
前年度比430億円減少し、1,305億円となりました。主な要因は以下の通りです。
- (-)2023年度における、ソニーペイメントサービス株式の一部譲渡にともなう売却益及び再評価益の計上(△198億円)
- (-)ソニー生命の減益(△131億円)、2024年度営業利益: 1,134億円
- (-)変額保険の最低保証等に係る市況変動による利益の減少
※ビジネス別の売上高構成比は、外部顧客に対する売上高にもとづいて算出したものです。
対処すべき課題
ソニーでは、感動を軸としたPurposeと、人に近づくという経営の方向性のもと、グループ全体のさらなる成長をめざしています。2024年度から始まった第5次中期経営計画では、「境界を超える〜グループ全体のシナジー最大化〜」をテーマに、持続的な成長を通じた企業価値向上に取り組んでいます。
今後も先行きが不透明で変化の大きい事業環境が続くことが想定されますが、第5次中期経営計画の達成と、その先にある10年後のソニーのありたい姿を描いた「Creative Entertainment Vision」(以下「CEV」)の実現に向けて、以下の施策に取り組んでまいります。
- ゲーム&ネットワークサービス分野:アクティブユーザー数の伸長などをベースとした、PS5™プラットフォームの持続的かつ収益性の高い成長を推進するとともに、「FUTURE OF PLAY(遊びの未来)」の創造に向けた投資を実行していきます。また、ファースト・パーティーの幅広いタイトルポートフォリオの強化により、スタジオビジネスのさらなる成長に期待するとともに、強力かつ収益性の高い周辺機器にも注力していきます。
- 音楽分野:音楽カタログへの戦略的投資機会の探索の継続に加え、所属アーティストのドキュメンタリーやライブイベントなどを通じた収益機会の拡大と資産価値の向上を追求します。また、新興市場におけるインディーズレーベル・アーティストとの関係構築・強化によるプレゼンス拡大をめざします。
- 映画分野:コロナ禍やストライキの影響からの立て直しを継続し、大型新作タイトルのラインナップを強化します。また、アニメ配信サービス「Crunchyroll」の成長を加速するため、コンテンツの開発強化を図るとともに、海外でのアニメ映画作品の配給やゲーム配信、グッズ販売など、アニメファン向けサービスを強化していきます。
- エンタテインメント・テクノロジー&サービス分野:カメラなどのイメージング事業を中心に製品やサービスの軸足をコンテンツクリエイションにシフトしていきます。また、スポーツエンタテインメントなどの成長領域でのテクノロジー開発やコンテンツクリエイション技術のイノベーションへの注力も継続します。
- イメージング&センシング・ソリューション分野:モバイル機器向けイメージセンサー領域ではセンサーの性能進化の継続と安定供給による顧客とのさらなる信頼関係の構築により事業成長を推進します。また、車載向けセンサー事業を含む成長領域においては、市場成長のスピードや事業性を見極めながら、最適化された体制のもとでの中長期的な事業成長を目指します。
CEVのもと、事業間連携がもたらす価値や可能性は、この数年でより顕在化しています。ソニーが保有するゲームIPの映画・テレビ作品化や体験型施設への展開など、IP価値の最大化のためのノウハウを蓄積するとともに、パートナーとの連携・協業を通じた機会拡大・相乗効果の実現をめざします。また、アニメをソニーの成長を牽引する主要な領域と位置付け、ファンとクリエイターがつながるファンエンゲージメント特化型のプラットフォームの構築をめざします。
CEVの実現に向け、クリエイターやファン、パートナーとともに、既存の枠組みを超えたIP価値最大化を着実に進めるとともに、事業と人材の多様性を継続的に進化させ、さらなる成長を実現していきます。
グループ全体の持続的な成長に向けた方針については、以下のウェブサイトよりご覧いただけます。
経営方針および業績に関する説明会(2025年5月14日開催)

金融 Investor Day(2025年5月29日開催)

剰余金の配当等の決定に関する方針
当社は、株主の皆様への利益還元は、継続的な企業価値の増大及び配当を通じて実施していくことを基本と考えています。安定的な配当の継続に努めたうえで、内部留保資金については、成長力の維持及び競争力強化など、企業価値向上に資する様々な投資に活用していく方針です。なお、配当金額については、連結業績の動向、財務状況ならびに今後の事業展開等を総合的に勘案し、決定していきます。
当年度の期末配当金については、2025年5月14日開催の取締役会において、1株につき10円とすることを決定しました。2024年12月に1株につき10円(2024年10月1日を効力発生日として実施した株式分割考慮後)の中間配当金をお支払いしておりますので、年間配当金は20円となります。
また、2025年度につきましては、2025年5月14日開催の取締役会において、中間配当金予定額を1株につき12.5円、期末配当金予定額を1株につき12.5円とすることを決定しております。なお、年間配当金予定額合計は1株につき25円となります。
サステナビリティ
ソニーは、クリエイティビティとテクノロジー、そしてダイバーシティを源泉として、価値創造に挑み続けています。人・社会・地球に対する取り組みを通じ、感動に満ちた世界を創り、次世代へつないでいくことを目指します。

ソニーグループポータル サステナビリティ

サステナビリティレポート

Sony's Sustainability Vision(音声解説付き動画)

2024年9月開催 サステナビリティに関するスモールミーティング
https://www.sony.com/ja/SonyInfo/IR/library/presen/esg/archive.html

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