事業報告(2025年1月1日から2025年12月31日まで)
企業集団の現況に関する事項
事業の経過及びその成果
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策により緩やかな回復傾向で推移しました。設備投資は「機械受注統計調査報告」による製造業において、7-9月期まで4四半期連続で前年同期を上回り持ち直しの動きがみられ、10月も前年同月比プラスとなったものの11月はマイナスに転じました。生産は「鉱工業生産指数」において、10-12月期まで4四半期連続で前年同期を上回りました。建設は「建築着工統計調査」において、建築着工床面積は4-6月期以降前年同期を下回る状態が続いており、新設住宅着工戸数も同様の動きとなっています。
先行きについては、米国の通商政策による自動車産業を中心とした影響や、物価上昇による個人消費の冷え込み、中国との地政学リスクの顕在化など、景気を下押しするリスクには引き続き注意が必要です。
また、海外経済においては、米国では景気の緩やかな拡大が続き設備投資は増加傾向がみられるものの、関税率引き上げに伴う不透明感が続いています。中国では景気は足踏み状態が続いており、東南アジアでは持ち直しの兆しがみられます。
このような状況の下、実現したい未来としてのVISIONに『「叶えたい」が、あふれる社会へ。』を掲げ、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、経済的価値と社会・環境的価値それぞれの向上を目指した取り組みを進めております。また、シナジーの早期極大化に向け、機械・工具セグメントの中核会社として、ユニソル株式会社を2026年1月に発足させました。これら10年後のありたい姿を目指した取り組みにより中長期的な企業価値向上を実現してまいります。
これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は159,036百万円と前期比2,679百万円減(1.7%減)、営業利益は3,380百万円と前年同期比479百万円減(12.4%減)、経常利益は4,179百万円と前年同期比480百万円減(10.3%減)となりました。前年の政策保有株式売却による特別利益計上等により、親会社株主に帰属する当期純利益は1,906百万円と前年同期比2,706百万円減(58.7%減)となりました。
セグメントの経営成績
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
機械分野における関連指標となる工作機械内需受注は、前年同期比で1-3月2.3%プラス、4-6月4.2%マイナス、7-9月1.4%プラス、10-12月0.1%マイナスとなりました。
このような環境下、当セグメントにおける国内機械分野の売上高は前年同期比10.4%減となりました。これは、国内直需事業にて一部の好調な自動車メーカーとそのサプライヤーを中心とした省人化・省力化投資などにより受注は前年を上回ったものの期中に売上計上した案件数が少なかったため同14.2%減となり、国内卸売事業でも受注は前年比プラスとなりましたが大口案件の計上が翌連結会計年度にずれ込むなどの要因により売上高が同5.3%減となったためです。
海外機械分野の売上高は同14.4%増となりました。北米においては自動車および一般産業向け設備投資などにより受注とともに売上は好調に推移し同28.1%増となり、中国においてはインド向け設備案件などにより受注は前年を上回ったものの日系ユーザーの不振などにより売上高は同42.7%減、東南アジアにおいてはインドネシアやタイにおける大口案件の計上などにより売上高は同8.2%増となりました。
工具分野における関連指標となる鉱工業生産指数は、前年同期比で自動車工業では1-3月11.0%プラス、4-6月1.3%プラス、7-9月1.8%マイナス、10-12月2.6%マイナスとなり、生産用機械工業では1-3月0.1%マイナス、4-6月0.3%マイナス、7-9月1.6%プラス、10-12月0.5%プラスとなりました。
このような環境下、工具分野の売上高は前年比0.9%増となりました。これは直需事業において一部の好調な自動車メーカーの安定的な生産を背景に売上高は同1.2%減に留まり、卸売事業において環境・省エネ設備が堅調に推移したことなどにより売上高は同1.4%増となったためです。
以上の結果、売上高は104,904百万円、営業利益は2,104百万円となりました。
鉄構資材分野における関連指標となる鉄骨系構造物の建築着工床面積は、前年同期比で1-3月8.8%マイナス、4-6月5.9%マイナス、7-9月9.2%マイナス、10-12月11.7%マイナスとなりました。
このような環境下、鉄構資材分野の売上高は前期比10.3%減となりました。機械販売や基礎施工の拡大などに注力したものの、建設業の働き方改革による工期延長の影響は続いており、期間内の施工件数の減少による資材販売の減少分を補うことができませんでした。
配管資材分野の売上高は同1.6%減となりました。プラント配管において大型案件の延期等の影響により西日本を中心に受注が減少しました。
住宅設備分野の売上高は前期比7.5%増となりました。卸を中心に主力メーカー品の販売増や施工店向け販売の強化などにより増収を維持しました。
以上の結果、売上高は42,070百万円、営業利益は953百万円となりました。
建設機械分野における関連指標となるクローラークレーンの国内出荷台数は、前年同期比で1-3月10.6%プラス、4-6月15.3%マイナス、7-9月23.9%プラス、10-12月13.4%マイナスとなりました。
このような環境下、基礎工事向け機械など受注は堅調であったものの、値上前需要が一巡したことによる反動減の影響で後半売上は失速し減収となりました。
その結果、売上高は8,165百万円、営業利益は147百万円となりました。
セキュリティカメラ市場は、防犯意識の高まりに加えてエッジAIの活用による自動監視技術の実現などにより拡大傾向にあります。
このような環境下、データセンターを中心とする大小プロジェクト案件の確実な受注と、機器販売の堅調な推移などにより増収を確保しました。
その結果、売上高は3,896百万円、営業利益は246百万円となりました。
対処すべき課題
当社グループは、グループ共通の理念として“「その手があったか」を、次々と。”をスローガンに掲げ、果たすべき使命として「感動提案で今を拓き、変化の先まで伴走する。」をミッションに、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指しております。足元の景気は緩やかな回復が続きましたが、地政学リスクや円安などの要因が継続しており、依然として不透明な経営環境が続くものと予想されます。そのような状況下、グループとして優先的に対処すべき課題を設定し、それらの取り組みを通じて、持続可能な社会の構築と当社グループの企業価値向上につなげてまいります。
- ①
- 法令及び社会規範の遵守
当社グループは、グループ理念の7STANDARDS(7つの判断基準)の中で、「関係法令・社会のルールを守り、高い倫理観を持ちます」とうたっています。同基準に記されている「人権の尊重」、「公平・公正の履行」とともに、社会で活動する私たちの思考及び行動における重要な判断の基準として遵守してまいります。
- ②
- 生産性の向上
構造的なエネルギー不足や、少子高齢化の進行による今後の労働力不足等が予測される中で、競争力を維持し収益を拡大していくために、生産性の向上に取り組んでまいります。製造現場における自動化だけでなく、RPAをはじめとする様々なデジタルテクノロジーを活用した広範な業務の自動化を推進し、当社グループ全ての部署において労働生産性を向上させることにより、収益性のみならず、省エネルギーの推進や働き方改革にもつながるものと考えております。
- ③
- 人材の確保と育成
変動の激しい経営環境の下、柔軟な発想でビジネスを構築し、事業領域を拡大していくために、多様かつ優秀な人材の確保、発掘、育成が不可欠となっており、重要な経営課題であると認識しております。「オーナーシップマインドを備えたユニークな人財の育成」を人財育成方針に掲げ、「多様性を活かす」組織づくり、「挑戦を促す」意識の醸成、「自律性を育む」人財開発に取り組んでまいります。
- ④
- プラットフォーム戦略の推進
それぞれの事業におけるユーザーに最適な価値を提供するための仕組みをプラットフォームと定義し、各々のビジネス領域で不足しているピース(機能、スケール等)を補完することにより、ソリューション力の強化を図る、プラットフォーム戦略を推進しております。今後も多様な企業との柔軟な協力体制の構築(資本・業務提携等)により、最適な価値の創出に努めてまいります。
- ⑤
- グループガバナンスの強化
当社グループは、M&Aや業務提携等による事業領域の拡大を永続的な成長戦略と位置付け、それに伴うグループ経営における実効的なガバナンスの強化を、重要な経営課題であると認識しております。その課題への対処として、グループ各社のコーポレート機能の統合や内部統制システムの強化など、経営資源の集中投資を効率的かつ戦略的に実施し、グループガバナンスの強化を図ってまいります。
- ⑥
- サステナビリティへの取り組み
今や地球環境や社会が抱える課題の解決は世界共通のものであり、多くの国が将来的なカーボンニュートラルの実現を表明しています。そのような中にあって、企業の果たす役割への期待も高まっております。当社グループにおいては、サステナビリティ推進課が中心となり、ESGの幅広いテーマに体系的に取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。