財務ハイライト(連結)






(注)財務ハイライト(連結)に記載の金額は、表示単位未満を四捨五入しております。
事業報告(2024年4月1日から2025年3月31日まで)
企業集団の現況
当期の事業の状況
事業の経過および成果
当期における当社グループの経営成績は、売上高は7,668億5千9百万円(前期対比2.2%の増収)、営業利益は372億6千4百万円(前期対比62.6%の増益)、経常利益は480億5千7百万円(前期対比19.3%の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は303億2千万円(前期対比4.1%の減益)となりました。
前期対比で、シール事業の売上高は横ばい、電子部品事業は増収となりました。営業利益は、シール事業、電子部品事業ともに増益となりました。
当社グループにおける事業別の状況は次のとおりです。

事業別の状況
(単位:)
売上高は3,627億4千2百万円(前期対比0.0%の増収)、営業利益は262億1千4百万円(前期対比12.4%の増益)となりました。
自動車向けは、日系自動車の国内での生産台数減や中国での販売不振、タイで継続している自動車ローンの厳格化等の影響を受け、販売は減少しました。一般産業機械向けは、欧米のインフレーションや中国の不動産不況等により、消費や設備投資が影響を受けたものの、建設機械向けの補修用部品の増加や農業機械向けの需要回復等により、販売は増加しました。セグメント全体の売上高は、為替による押し上げ効果があったこともあり、横ばいとなりました。
一方、売価転嫁等の価格改定活動の推進に加え、原材料価格等の変動費の良化により、営業利益は増加しました。
(単位:)
売上高は為替による押し上げ効果があり、3,709億5千2百万円(前期対比3.1%の増収)となりました。営業利益は、前期の10億2千3百万円の営業損失から大幅に増加し、89億2千7百万円となりました。
為替影響を除くと減収となりますが、売上に含まれる外部購入部品代が減少しており、それを除く実質的な売上は増加しました。用途別の状況は次のとおりです。
スマートフォン向けは、外部購入部品代の減少により、販売が減少しましたが、実質的な販売は増加しました。自動車向けは、グローバルの自動車メーカーに対する電動自動車のバッテリー用途向けの販売が増加したものの、他の用途向けが減少しました。ハードディスクドライブ向けは、データセンター向けの需要回復等により、販売は増加しました。
売上高の増加ならびに品目構成の変化等により、営業利益は大幅に増加しました。
(単位:)
売上高は331億6千4百万円(前期対比18.2%の増収)、営業利益は前期の6億2千6百万円から大幅に増加し、21億2千7百万円となりました。
対処すべき課題
今後の当社グループを取り巻く経営環境につきましては、米国の外交政策動向およびそれを受けたサプライチェーンの混乱、欧米での金融政策動向、中東・東欧での地政学リスク等、先行き不透明な状況が続いております。国内では、物価高を受けた賃上げの動きが広がり、人件費の上昇も継続して見込まれております。このような環境の中、各事業の見通しは以下のとおりです。
シール事業では、自動車向けについては、日系自動車メーカーによる自動車生産は減産が見込まれ、中国においては電気自動車の販売シェア拡大、ASEANでは主要市場のタイにおける新車需要の鈍化および中華系自動車メーカーによる進出本格化等の影響が予想されます。また、一般産業機械向けについても、景気低迷等の影響を受けております。事業全体を通じて依然として厳しい外部環境が続くと見込まれる中、電気自動車等の新領域向けの製品や、非日系自動車メーカーへの拡販による販売拡大、適正価格に向けた価格改定活動等による収益性向上に取り組んでまいります。
電子部品事業では、自動車向けについては、電気自動車市場は長期的な成長トレンドに変わりはないものの、短期的な成長は想定よりも鈍化しております。電気自動車に留まらず、ハイブリッド車・プラグインハイブリッド車等を含む新エネルギー車市場に対しても継続して拡販に取り組んでまいります。スマートフォン向けは、買い替えサイクルの長期化により市場全体の需要は横ばいとなる見込みです。現在の生産能力を有効に活用し、生産性の向上を図ります。ハードディスクドライブ向けについては、データセンター向けの需要増加に対し、その動向を注視しながら対応してまいります。領域毎に需要動向は様々であるため、事業全体を通じて、比較的需要変動の少ない自動車向け等の事業領域の拡大等により生産の平準化を図り、需要変動の影響を受けにくい体質作りを推進してまいります。
上記のとおり、各事業において収益拡大の取り組みを推進する一方で、今後ますます社会的な要請が高まることが見込まれる脱炭素をはじめとする環境課題への対応や、持続的な成長基盤構築に向けた人財への投資およびDE&Iへの対応等、事業の持続可能性を確保するための投資も進めてまいります。
また、経営環境が今後もスピードを増して大きく変化していくことが見込まれる中、自らも変革することにより、中長期にわたる持続的な成長と企業価値の向上を実現できる事業基盤の構築を目指します。2025年度を最終年度とする3カ年の中期経営計画(2023年4月1日~2026年3月31日)において、「変革基盤の構築」を基本方針として重点項目に取り組んでおります。
中期経営計画の概要は以下のとおりです。
4つの重点取り組み項目
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1.新たな成長ドライバーの創出
電動自動車(EV)向け製品の機能別開発・拡販、グリーンエネルギー関連の製品開発・拡販、半導体装置向け製品の拡販
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2.グローバル成長への事業運営体制の整備
監査等委員会設置会社への移行検討、取締役会のダイバーシティ拡充等、データ利活用の拡大・迅速化、ESG項目への着実な取り組み
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3.多様な人財を活かす基盤の構築
新人事制度導入、人材育成への投資、DE&Iへの取り組み
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4.経営資源の最適運用
適正価格による受注の徹底、資本政策の実行(①自己株式取得、②DOE(株主資本配当率)2.5%以上に基づく配当、③政策保有株式の売却)
