事業報告(2024年4月1日から2025年3月31日まで)

企業集団の現況

当事業年度の事業の状況

事業の経過および成果

当事業年度は、国内において雇用や所得が改善する一方、原材料価格や燃料価格の上昇、為替の変動による物価上昇などが個人消費に影響しました。また、世界情勢における様々な動きにより、国内外とも景気の先行きについては不透明な状況が継続しました。

このような環境の中、バンダイナムコグループは2022年4月からグループの最上位概念となる「パーパス“Fun for All into the Future”」と新ロゴマークの導入を行うとともに、3ヵ年の中期計画をスタートしました。中期計画においては、「パーパス“Fun for All into the Future”」のもと、バンダイナムコグループが中長期で目指す姿に向け、世界中のIPファン、あらゆるパートナー、株主の皆さま、グループ社員、そして社会と常に向き合い、広く、深く、複雑につながる存在を目指し「Connect with Fans」を中期ビジョンに掲げ、重点戦略として「IP軸戦略」「人材戦略」「サステナビリティ」を推進しました。重点戦略の推進を通じ、IPの世界観や特性を活かし、最適なタイミングで、最適な商品・サービスとして提供することでIP価値の最大化をはかる「IP軸戦略」をさらに進化させるとともに、「IP軸戦略」のグローバル展開を強化し、ALL BANDAI NAMCOでの一体感と総合力を高めるための取り組みを推進しました。

当事業年度につきましては、IP軸戦略を核に各地域や事業を横断・連携しALL BANDAI NAMCOで一体となった取り組みを強化しました。事業面では、デジタル事業およびトイホビー事業の業績が、利益率の高い商品・サービスのヒットなどにより大きく伸長したほか、IPプロデュース事業とアミューズメント事業も好調に推移し、全ての事業が前事業年度比で増収増益となりました。

この結果、当事業年度の経営成績は、売上高1,241,513百万円(前事業年度比18.2%増)、営業利益180,229百万円(前事業年度比98.7%増)、経常利益186,470百万円(前事業年度比79.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益129,301百万円(前事業年度比27.4%増)となりました。

事業別の営業概況

売上高
前事業年度比 %増
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(単位:

デジタル事業では、ネットワークコンテンツにおいて、「DRAGON BALL」シリーズや「ONE PIECE」などの主力アプリタイトルがユーザーに向けた継続的な施策により国内外で引き続き安定的に推移したほか、新作アプリタイトル「学園アイドルマスター」が好調に推移しました。家庭用ゲームにおいては、「ELDEN RING」の大型ダウンロードコンテンツ「ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE」や新作タイトル「ドラゴンボール Sparking! ZERO」がワールドワイドでヒットしたほか、「ELDEN RING」のリピート販売が好調に推移しました。また、2025年4月からの中期計画に向けて、クオリティを重視したファンの期待に応えるタイトル開発を目指し、バランスの取れた最適なタイトルポートフォリオの構築、開発体制の強化に取り組みました。

この結果、デジタル事業における売上高は455,633百万円(前事業年度比22.3%増)、営業利益は68,527百万円(前事業年度比995.1%増)となりました。

「ドラゴンボールZドッカンバトル」
「ONE PIECE バウンティラッシュ」
「学園アイドルマスター」
「ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE」
開発・国内販売:フロム・ソフトウェア
「ドラゴンボール Sparking! ZERO」
主要な事業内容

ネットワークコンテンツの企画・開発・配信、家庭用ゲームなどの企画・開発・販売

©バードスタジオ/集英社・東映アニメーション ©Bandai Namco Entertainment Inc.
©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション ©Bandai Namco Entertainment Inc.
THE IDOLM@STER™& ©Bandai Namco Entertainment Inc.
©Bandai Namco Entertainment Inc. / ©2024 FromSoftware, Inc.

売上高
前事業年度比 %増
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(単位:

トイホビー事業では、映像配信の普及などによってグローバル市場における日本IPの人気が拡大していることを受け、国内外で展開カテゴリーの拡大、リアルイベントや店舗によるタッチポイントの拡大、生産体制の強化などをはかったことにより、引き続き好調に推移しました。具体的には、ガンプラ(ガンダムシリーズのプラモデル)やコレクターズフィギュア、一番くじ(キャラクターくじ)などのハイターゲット(大人)層向けの商品が、販売・マーケティングや商品ラインナップの強化により好調に推移しました。また、「ONE PIECE」や「DRAGON BALL」シリーズのトレーディングカードゲームなどのカード商材、ガシャポン(カプセルトイ)、菓子・食品などが商品ラインナップやターゲット層、展開地域の拡大に加え、顧客とのタッチポイントの強化などにより業績に貢献しました。今後もトイホビー事業においては、引き続きグローバル展開の拡大と、拡大を支える生産体制や販売網などの強化を推進します。

この結果、トイホビー事業における売上高は596,933百万円(前事業年度比17.1%増)、営業利益は102,202百万円(前事業年度比29.9%増)となりました。

「超合金」シリーズ
「ガンダムシリーズ」
プラモデル(ガンプラ)
「一番くじ」シリーズ
「キャラパキ」シリーズ
トレーディングカードゲーム
「ONE PIECE カードゲーム」
「ガシャポン」
主要な事業内容

玩具、カプセルトイ、カード、菓子・食品、アパレル、生活用品、プラモデル、景品、文具などの企画・開発・製造・販売

©創通・サンライズ ©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション ©BANDAI
©尾田栄一郎/集英社 ©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

売上高
前事業年度比 %増
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(単位:

IPプロデュース事業では、ガンダムシリーズ劇場公開作品の中で歴代No.1となった「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」や、「ブルーロック」の新作劇場作品の興行収入が業績に貢献しました。また、ガンダムシリーズや「ブルーロック」シリーズをはじめ、ラブライブ!シリーズ、「転生したらスライムだった件」シリーズなどのグローバル展開や映像配信、ライセンスビジネスが好調に推移しました。さらに、リアルなエンターテインメント需要の高まりにともない、ライブイベントやパッケージの販売などが好調に推移しました。IPプロデュース事業は、2025年4月より映像音楽事業と名称を変更し、今後も映像や音楽を通じIP軸戦略の核となる良質なIPの創出を強化します。

この結果、IPプロデュース事業における売上高は90,738百万円(前事業年度比10.0%増)、営業利益は11,778百万円(前事業年度比17.2%増)となりました。

ガンダムシリーズ
「ブルーロック」シリーズ
ラブライブ!シリーズ
「転生したらスライムだった件」シリーズ
「アイドリッシュセブン」
シリーズ
主要な事業内容

アニメーションなどの映像・音楽コンテンツの企画・製作・運用、著作権・版権の管理・運用、アーティストの発掘・育成、ライブエンターテインメント事業

©創通・サンライズ ©金城宗幸・三宮宏太・ノ村優介・講談社/「劇場版ブルーロック」製作委員会
©2024 プロジェクトラブライブ!スーパースター!! ©川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会 ©BNOI/劇場版アイナナ製作委員会

売上高
前事業年度比 %増
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(単位:

アミューズメント事業では、国内アミューズメント施設の既存店売上高が前事業年度比で105.3%となりました。また、「バンダイナムコ Cross Store」や「ガシャポンのデパート」のようなグループの商品・サービスと連携したバンダイナムコならではの施設やアクティビティ施設が好調に推移しました。アミューズメント機器においては、新製品や定番機器の販売などが安定的に推移しました。アミューズメント事業においては、グループの商品・サービスの認知を拡大するためのファンとのタッチポイントの役割をさらに強化するとともに、原材料や燃料の価格上昇などの外部環境の変化も踏まえ、引き続き効率化に取り組みます。この結果、アミューズメント事業における売上高は141,485百万円(前事業年度比18.2%増)、営業利益は8,438百万円(前事業年度比23.3%増)となりました。

「バンダイナムコ Cross Store」
「ガシャポンのデパート」
「湾岸ミッドナイト
マキシマムチューン 6RR PLUS」
主要な事業内容

アミューズメント機器の企画・開発・生産・販売・アフターサービス、テーマパークやインドアプレイグラウンドを含むアミューズメント施設の企画・運営など

PAC-MAN™& ©Bandai Namco Entertainment Inc.  ©Bandai Namco Amusement Inc.  ©Michiharu Kusunoki/Kodansha Ltd. All rights reserved. GAME ©Bandai Namco Amusement Inc.All trademarks and copyrights associated with the manufacturers, vehicles, models, trade names, brands and visual images depicted in this game are the property of their respective owners, and used with such permissions.

売上高
前事業年度比 %増
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(単位:

その他事業では、グループ各社へ向けた物流事業、その他管理業務などを行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでおります。

その他事業における売上高は36,224百万円(前事業年度比11.9%増)、営業利益は1,671百万円(前事業年度比69.2%増)となりました。

主要な事業内容

流通・物流、管理業務など各ユニットをサポートする事業

直前3事業年度の財産および損益の状況

(注)
当社は、2023年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。第17期(2022年3月期)の期首に当該株式分割が行われたものと仮定して、1株当たり当期純利益および1株当たり純資産額を算定しております。

対処すべき課題

当社グループでは、中長期での持続的な成長に向け取り組むべき様々な課題に対しては、2025年4月より推進している中期計画において、中長期ビジョン「Connect with Fans」のもと、3つの共通テーマ(「さらなる事業規模の拡大」「あらたな事業の柱の獲得」「長期利益を生み出す体制構築」)と、共通テーマに基づいた4つのキーテーマ(「いいものつくる」「もっとひろげる」「そだてつづける」「みがきふかめる」)ならびに「アライアンス強化」「多彩な人材の活用」による様々な取り組みを推進することで対応してまいります。

① グループ横断で取り組むべき課題

企業の社会的責任を果たすために

<「パーパス“Fun for All into the Future”」の実践>

当社グループは、“社会における存在意義”や“なぜその事業や企業活動を行うのか” “私たちがバンダイナムコで働く意味”を表す「パーパス“Fun for All into the Future”」をグループの最上位概念としています。バンダイナムコが世界中のIPファン、あらゆるパートナー、株主の皆さま、グループ社員、そして社会などあらゆるステークホルダーと「夢・遊び・感動」を通じて心の豊かさでつながる未来をともに創造することを目指してまいります。今後も、様々な機会を通じ経営者自身がパーパスについて発信を行うことで、グループ社員の理解の深化をはかり、事業や行動を通じたパーパスの実践につなげてまいります。

<安定した収益基盤構築に向けて>

当社グループでは、変化の激しい市場において安定した収益基盤を強固にするため、多様なIPや幅広い事業カテゴリー、展開地域によるポートフォリオバランスを重視した経営を推進しております。安定した収益基盤を強固にすることで、環境変化による影響を軽減するとともに、中長期での成長に向けた投資やチャレンジを行い、あらたなIPや事業などの創出・育成をはかってまいります。

<サステナビリティへの取り組み>

当社グループではエンターテインメントを通じた「夢・遊び・感動」を世界中のファンへ提供し続けるため、「バンダイナムコグループサステナビリティ方針」を掲げ、グループが向き合うべき社会課題として特定したマテリアリティのもと、ファンとともに持続可能な社会の実現に向けた活動を推進しております。

また、「バンダイナムコグループ行動規範」「バンダイナムコグループ取引先ガイドライン」を制定し、グループ社員はもちろんのこと、事業活動に関わるすべてのステークホルダーの人権を尊重することを企業としての責任と考え、「バンダイナムコグループ人権方針」を定めています。これらのもと、「グループサステナビリティ委員会」とサステナブル活動を推進する「グループサステナビリティ部会」、さらには、コンプライアンスや情報セキュリティ、内部統制の強化を推進する各種委員会を開催するとともに、様々な課題への対応や体制の強化をはかるほか、社内への啓発活動など各種施策に取り組むことでグループにおけるサステナビリティ文化醸成、社内意識の向上に継続的に取り組んでまいります。

IP軸戦略のもと、IPの創出・育成、展開強化に向けて

当社グループでは、流通・メディア環境の変化やネットワークの普及、プラットフォームの多様化や技術進化、グローバル市場での競争激化などの様々な環境変化に対応するため、IP軸戦略のさらなる進化に取り組んでおります。

IP軸戦略の核となるIPの創出にあたっては、映像音楽ユニットにおいて映像・音楽作品発のIP創出力を強化するとともに、商品・サービス発の取り組み、グループの連携による取り組み、全体最適の視点で投資を行う「バンダイナムココンテンツファンド」の活用を推進します。さらには、外部のクリエイターやスタジオ、IPホルダーとの協業・連携などによるIPの共創を強化してまいります。

また、創出・共創したIPは、様々なメディアを活用し発信を行うほか、グループの幅広い商品・サービスによる展開、外部ライセンスやグローバル展開の強化などにより、中長期でIP価値を最大化することを目指してまいります。

このほか、IP軸戦略の推進にあたっては、IPを適切に活用・保護するため、社外パートナー企業や行政と連携し、様々な啓発活動や知的財産権侵害対策の推進などの活動を行ってまいります。

カテゴリー・エリア拡大に向けて

当社グループが、中長期で持続的な成長を続けるためには、グローバル市場での事業拡大が不可欠と考えております。世界の各地域において事業拡大に向けた連携を推進するため、組織再編や各地域における事業拠点の集約、ガバナンス機能の強化などを行っております。中期計画においては特に北米と中国内地を重点地域とし、強力に事業間連動を実施するほか、ワールドワイド展開をはかるIPについてはグループ横断プロジェクトにより取り組んでいます。また、日本発IPの商品・サービスの海外展開に加え、各地域発のIP展開に取り組むなど、IPポートフォリオの強化をはかります。このほか、事業カテゴリーの拡大やEC含めた販路の拡大、IPや商品ブランド認知向上のためのプロモーションやマーケティングを強化しています。さらには、グローバル市場での需要拡大に対応するため、新工場の建設など生産体制の拡充をはかっています。そして、グローバル人材の育成に向けて、各地域での採用活動を強化するとともに、地域や事業を横断した人事交流や研修などにより育成を推進してまいります。

協業・アライアンスの強化に向けて

当社グループは、グループ内に閉じることなく、様々な才能やノウハウを持つ外部人材や外部パートナーとつながる開かれた企業集団でありたいと考えています。中期計画においては、成長投資を含めた外部パートナーとの協業・アライアンスをさらに推進するため、“360度全方位のFans(IPファン、あらゆるパートナー、株主の皆さま、グループ社員、社会)とつながっていきたい”という想いをこめて当社内に「CW360」を新設しました。「CW360」においては、グループ全体の視点で、外部パートナーとあらたな領域への挑戦を通じ様々な形でつながり、さらにあらたな領域と各事業がつながることで各事業の成長を後押し、グループの長期的な成長につなげていくことを目指してまいります。

多彩な人材が活躍できるグループに向けて

当社グループの最大の財産であり強みは人材です。「パーパス“Fun for All into the Future”」のもと、様々な才能、個性、価値観を持つ多様な人材が生き生きと活躍することができる「同魂異才」の企業集団でありたいと考えます。従来より新卒・キャリア、性別、年齢、国籍、人種、宗教や性的指向などにこだわらず多様な人材の確保・登用を行うとともに、多彩な人材が活躍することができ、心身ともに健康に働くことができる様々な制度や環境の整備に取り組んでおります。また、外部パートナーとのアライアンス強化によるプロジェクトや協業を、人材活躍のあらたな場としても活用し、次世代経営人材の育成の機会につなげてまいります。

技術の進化と変化への対応に向けて

技術の進化により、エンターテインメントにおける選択肢が多様化し、顧客の嗜好やライフスタイルの変化のスピードが速くなるとともに、グローバル規模での競争が激化しています。当社グループでは、従来のビジネスモデルにこだわることなく、顧客の嗜好やライフスタイルに対応したあらたな価値創造やプラットフォームへの対応、ビジネスモデルの変革に積極的に取り組んでまいります。これらの推進にあたっては、外部パートナー企業やクリエイターなどと密接な連携をはかり新技術の研究や活用を進めています。また、データユニバース構想で集約したグループのデータを分析し、商品・サービスのマーケティングや需要予測の精度向上に活用してまいります。

② 各ユニットにおける課題

トイホビーユニット

当業界においては、「国内における少子化の進行」「顧客ニーズの多様化」「グローバル展開の拡大に伴う対応」「生産地域の集中と品質管理」「原材料や燃料の価格上昇」「輸出入取引に係る法令変更や環境変化」などの課題があります。これらの課題に対応するため、国内において圧倒的No.1の地位確立を目指し、ターゲット層の拡大や新規事業の創出に取り組んでおります。海外においては、ハイ ターゲット層(大人層)向け商品やカード商材などの事業カテゴリー拡大やIPポートフォリオの拡充、販路の拡大、EC販売強化などの取り組みを行い、中長期的な成長を目指してまいります。また、開発生産面においては、バリューチェーンの改革により、生産の効率化をはかるとともに、スピードやクオリティ、価格面でも競争力のある開発生産を進めているほか、各地域の顧客嗜好にあわせた商品展開を行っています。このほか、該当する法規制や業界が定める品質・安全基準などを踏まえた独自の品質基準の設定、品質監査とCоC(Code of Conduct:行動規範)監査を一元化した監査を海外最終梱包工場に対して定期的に実施するなどにより、品質・安全の徹底および労働環境の適正化をはかってまいります。さらには、グローバル市場での需要拡大、各国の法令変更や原材料上昇による影響を軽減するため、自社の生産拠点の増強や生産地域の分散をはかってまいります。

デジタルユニット

当業界においては、「開発期間の長期化と投資額の上昇」「プラットフォームの多様化」「技術の進化」「顧客ニーズの多様化」などの課題があります。これらの課題に対応するため、商品・サービスの開発にあたっては厳選したタイトルの開発を行うとともに、開発タイトルの審査体制やクオリティ、開発コスト、スケジュールの管理を強化することにより、最適なタイトルポートフォリオ構築を目指しています。また、日米拠点が連携しワールドワイドのマーケティング施策を推進し、リリース後においてもアップデートや追加コンテンツの提供、イベントの開催などの顧客とつながり続けるための継続的な施策により長期展開をはかっております。また、あらたなプラットフォームの登場は顧客獲得の機会ととらえ、各プラットフォームの特性にあわせたタイトル提供を行っています。このほか、既存の事業や商品・サービスの枠を超え、顧客ニーズの多様化や技術進化に対応したエンターテインメントやビジネスモデルの創出に取り組んでまいります。さらには、技術進化や環境変化、あらたなプラットフォームに迅速に対応するため、外部パートナーとの協業・連携による技術研究をさらに強化してまいります。

映像音楽ユニット

当業界においては、「IP創出における競争激化」「作品制作における人材の育成、確保」「制作期間の長期化と投資額の上昇」などの課題があります。これら課題に対応するため、より多彩でユニット内のみならずグループの各事業や外部パートナーとの協業・連携によりIP創出機能の強化をはかっております。また、映像制作や制作技術向上のための投資を積極的に行うほか、制作現場の環境や体制の整備、クリエイターの育成、外部パートナーやクリエイターとの連携強化に取り組んでまいります。さらには、日本発IPのグローバル市場での人気拡大を受け、グローバル展開を視野に入れたIPの創出や展開地域の拡大をはかっています。また、創出したIPについては、メディア展開やライセンスの強化、グローバル市場への展開拡大などによってIP価値の最大化を目指してまいります。

アミューズメントユニット

当業界においては、「人材の確保、人件費の上昇」「顧客ニーズの多様化」「環境変化の激化」「原材料や燃料の価格上昇」などの課題があります。これらの課題に対応するため、ユニット内の組織再編により、企画開発力と施設運営に長けた人材の獲得・育成を強化します。また、施設事業やアミューズメント機器事業において、IPやグループの商品・サービスを活用するなど、バンダイナムコならではの展開を行い、グループの各事業とより一体となった展開を推進しております。さらに効率化に取り組むことで、安定して収益をあげることができる基盤の構築を目指してまいります。同ユニットにおいては、IP軸戦略におけるグループの重要な顧客接点として、グループの商品・サービスの販売、IPの訴求や顧客ニーズを収集する役割も果たしてまいります。

株主の皆さまにおかれましては、今後とも一層のご支援とご指導を賜わりますよう、よろしくお願い申しあげます。

(注)
対処すべき課題は2025年4月1日付の新しい事業区分や会議体名などで記載しております。

連結計算書類