事業報告(2022年4月1日から2023年3月31日まで)

企業集団の現況

当事業年度の事業の状況

事業の経過および成果

当事業年度における国内外の経済環境は、新型コロナウイルス感染症による行動制限などの緩和が推進される一方で、変異ウイルスの感染拡大や社会情勢の変化、原材料価格や為替の変動、燃料価格の上昇などが、社会や経済、顧客のライフスタイルや嗜好に影響を与え、先行き不透明な状況が継続しました。
このような環境の中、2022年4月からはグループの最上位概念となる「パーパス」と新ロゴマークの導入を行うとともに、3カ年の中期計画をスタートしました。中期計画においては、「パーパス」のもと、バンダイナムコグループが目指す姿に向け、世界中のファン、あらゆるパートナー、グループ社員、そして社会と常に向き合い、広く、深く、複雑につながる存在を目指し「Connect with Fans」を中期ビジョンに掲げ、重点戦略として「IP軸戦略」「人材戦略」「サステナビリティ」を推進しています。重点戦略の推進を通じ、IPの世界観や特性を活かし、最適なタイミングで、最適な商品・サービスとして提供することでIP価値の最大化をはかる「IP軸戦略」をさらに進化させていきます。また、「IP軸戦略」のグローバル展開を強化し、ALL BANDAI NAMCOでの一体感と総合力を高め、持続的な成長を目指してまいります。
当事業年度につきましては、環境変化へのスピーディな対応に加え、主要IPのメディア展開と商品・サービスの連動を強力に行うなど、ファンと広く、深く、複雑につながるための様々な施策を推進しました。また、各地域や各事業が連携しALL BANDAI NAMCOで一体となった取り組みを強化しました。その結果、国内外において、デジタル事業におけるネットワークコンテンツの主力タイトルや家庭用ゲームのリピート販売、トイホビー事業のハイターゲット層(大人層)向け商品やカード商材などの利益率の高い商品・サービスの販売が業績に貢献しました。また、行動制限の緩和が進んだことにより、IPプロデュース事業におけるライブイベントやアミューズメント事業における施設の集客などが好調に推移しました。一方でデジタル事業においては、国内外で競争が激化するマーケット環境を踏まえ、クオリティを重視したタイトルの提供を目的とし、タイトルの開発状況やビジネスプランをより厳しく見直した結果、一部仕掛品の評価損などを計上しました。また、円安による外貨建取引に関わる為替差益を営業外収益に計上しました。
この結果、当事業年度の業績は、売上高990,089百万円(前事業年度比11.3%増)、営業利益116,472百万円(前事業年度比7.2%減)、経常利益128,006百万円(前事業年度比4.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益90,345百万円(前事業年度比2.6%減)となりました。

事業別の営業概況

(注) 2022年4月1日付で事業区分を変更したため、前事業年度の事業区分を当事業年度において用いた事業区分に組み替えて比較しております。

売上高
前事業年度比 %増
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(単位:

デジタル事業につきましては、家庭用ゲームにおいて、前事業年度に発売したワールドワイド向け大型タイトル「ELDEN RING(エルデンリング)」などの既存タイトルのリピート販売が海外を中心に好調に推移したほか、当事業年度に発売した複数の新作タイトルの販売が安定的に推移しました。ネットワークコンテンツにおいては、「DRAGON BALL」シリーズや「ONE PIECE」などの主力タイトルや前事業年度にサービスを開始したタイトルがIPのメディア展開との連動やユーザーに向けた継続的な施策により好調に推移しました。なお、利益面においては前事業年度と比較して、家庭用ゲームにおけるタイトル編成の違いに加え、プロダクトミックスの変化が影響しました。また、同事業においては、国内外で競争が激化するマーケット環境を踏まえ、クオリティを重視したタイトルの提供を目的とし、タイトルの開発状況やビジネスプランをより厳しく見直した結果、一部仕掛品の評価損など約130億円を計上しました。
この結果、デジタル事業における売上高は385,681百万円(前事業年度比2.0%増)、営業利益は49,339百万円(前事業年度比29.1%減)となりました。

「ELDEN RING」

「ドラゴンボールZ
ドッカンバトル」

「ONE PIECE バウンティラッシュ」

主要な事業内容

ネットワークコンテンツの企画・開発・配信、家庭用ゲームなどの企画・開発・販売

©Bandai Namco Entertainment Inc. / ©2023 FromSoftware, Inc.
ELDEN RING™ & © Bandai Namco Entertainment Inc. / ©2023 FromSoftware, Inc.
©バードスタジオ/集英社・東映アニメーション
©Bandai Namco Entertainment Inc.
©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
©Bandai Namco Entertainment Inc.

売上高
前事業年度比 %増
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(単位:

トイホビー事業につきましては、円安の進行にともなう原材料価格や燃料価格の上昇の影響を受けましたが、事業全体では好調カテゴリーやグローバル展開の拡大、生産体制の強化などをはかったことにより好調に推移しました。具体的には、「ガンダムシリーズ」のプラモデルやコレクターズフィギュア、キャラクターくじなどのハイターゲット層(大人層)向けの商品が、販売・マーケティングや商品ラインナップの強化などにより、国内外において引き続き好調に推移しました。また、それらに加え、「ONE PIECE」のトレーディングカードゲームや「ガンダムシリーズ」のデジタルカードなどのカード商材、「キャラパキ」などの菓子商材、カプセルトイなどが人気となりました。なお、同事業においては第4四半期に在庫の評価損などを計上しました。
この結果、トイホビー事業における売上高は447,491百万円(前事業年度比19.8%増)、営業利益は59,538百万円(前事業年度比13.8%増)となりました。

「ガンダムシリーズ」プラモデル
(ガンプラ)

「S.H.Figuarts
(真骨彫製法)」シリーズ

トレーディングカードゲーム「ONE PIECE カードゲーム」

「キャラパキ」シリーズ

主要な事業内容

玩具、カプセルトイ、カード、菓子・食品、アパレル、生活用品、プラモデル、
景品、文具などの企画・開発・製造・販売

©創通・サンライズ・MBS
©石森プロ・東映
©尾田栄一郎/集英社 ©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
©BANDAI

売上高
前事業年度比 %増
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(単位:

IPプロデュース事業につきましては、IP創出強化を目的に、組織体制の変更を行い、映像・音楽・ライブイベントなどに関するリソースやノウハウの集約を実施しました。この新体制のもと、IPに関する映像作品の製作、映像・音楽パッケージソフトの販売、映像配信、ライブイベントの開催やライセンスビジネスなどを行いました。その結果、「ガンダムシリーズ」や「ラブライブ!シリーズ」、「転生したらスライムだった件」、「ブルーロック」などの映像作品に関わる配信、ライセンスビジネスなどが好調に推移しました。また、国内における行動制限の緩和が進んだことにより、ライブイベントや「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」のビジネスが前事業年度を上回りました。
この結果、IPプロデュース事業における売上高は81,748百万円(前事業年度比2.2%増)、営業利益は10,645百万円(前事業年度比20.5%増)となりました。

「ガンダムシリーズ」

「ブルーロック」

TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』2期
Blu-ray第1巻

GUNDAM FACTORY YOKOHAMA
「動く実物大ガンダム」

主要な事業内容

アニメーションなどの映像・音楽コンテンツの企画・製作・運用、著作権・版権の管理・運用、アーティストの発掘・育成、ライブエンターテインメント事業

©創通・サンライズ・MBS
©金城宗幸・ノ村優介・講談社/「ブルーロック」製作委員会
©2022 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!
©創通・サンライズ

売上高
前事業年度比 %増
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(単位:

アミューズメント事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大による一部地域での施設休業や、燃料価格の上昇による光熱費上昇などの影響を受けたものの、国内アミューズメント施設の既存店売上高が前事業年度比で114.9%となりました。また、「バンダイナムコ Cross Store」や「ガシャポンのデパート」のようなグループの商品・サービスと連携した施設展開を積極的に行いました。さらには、新製品の「CLENA3」などアミューズメント機器の販売が好調に推移しました。今後もアミューズメント事業においては、グループの商品・サービスと連携した施設展開などのバンダイナムコならではの取り組みを推進するとともに、引き続き効率化にも取り組んでまいります。
この結果、アミューズメント事業における売上高は104,602百万円(前事業年度比27.0%増)、営業利益は6,038百万円(前事業年度比49.0%増)となりました。

「バンダイナムコ Cross Store」

「CLENA3」

主要な事業内容

アミューズメント機器の企画・開発・生産・販売、アミューズメント施設の企画・運営など

©Bandai Namco Amusement Inc.

売上高
前事業年度比 %増
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(単位:

その他事業につきましては、グループ各社へ向けた物流事業、その他管理業務などを行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでおります。
この結果、その他事業における売上高は31,313百万円(前事業年度比13.2%増)、営業利益は1,165百万円(前事業年度比235.9%増)となりました。

主要な事業内容

流通・物流、管理業務など各ユニットをサポートする事業

主なサステナブル活動

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ガンプラに関する取り組み

前事業年度より開始した「ガンプラリサイクルプロジェクト」は、全国の㈱バンダイナムコアミューズメントの対象店舗約200カ所に専用のボックスを設置し、ファンの皆さまにお持ちいただいた㈱BANDAI SPIRITSの「ガンプラ」のランナー(プラモデルの枠の部分)を、㈱バンダイロジパルのトラックで店舗から回収し、バンダイホビーセンターにてリサイクルするプロジェクトです。当事業年度は約20.0tの回収実績となりました。また石油由来のプラスチック使用削減を目的に代替素材を一部のプラモデルに採用し、CO2の排出削減にも貢献できる取り組みとして積極的にチャレンジしています。

卵殻プラスチックを使用した初の「ガンプラ」
※イベント限定品

フードロス削減に向けた取り組み

㈱バンダイでは、フードロスへの対応の一環として、「グミ」「ラムネ」「デザート」において各種検証実験を繰り返し行い、賞味期限の延長を実現しました。さらには、生産ラインの改良や設備の先進化による原材料のロス削減などに取り組み、従来比で合計10.5tのフードロスを削減しました。

フードロス削減の取り組みを推進した菓子商品

顧客満足向上に向けた取り組み

㈱バンダイナムコエンターテインメントおよび㈱バンダイナムコオンラインでは、ファンの皆さまに安心して遊んでいただけるよう、未成年者と保護者に向けた「オンラインゲームあんしんガイド」を公式サイトで公開しています。なお㈱バンダイナムコオンラインはHDI–Japanが主催する2022年格付けベンチマーク「問合せ窓口格付け」部門において、最高評価である「三つ星」を獲得しました。

「オンラインゲームあんしんガイド」

©創通・サンライズ
©BANDAI

直前3事業年度の財産および損益の状況

(注)
  • 当社は、2023年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。第15期(2020年3月期)の期首に当該株式分割が行われたものと仮定して、1株当たり当期純利益および1株当たり純資産額を算定しております。
  • 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第17期(2022年3月期)の期首から適用しており、第17期以降に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。

対処すべき課題

当社グループでは、中長期での持続的な成長に向け取り組むべき様々な課題に対しては、2022年4月よりスタートした中期計画において、中期ビジョン「Connect with Fans」のもと、重点戦略である「IP軸戦略」「人材戦略」「サステナビリティ」に、グループを横断しALL BANDAI NAMCOで一体となり取り組むことにより対応してまいります。

① グループ横断で取り組むべき課題

企業の社会的責任を果たすために

当社グループは、“社会における存在意義”や“なぜその事業や企業活動を行うのか”“私たちがバンダイナムコで働く意味”を表す「パーパス」をグループの最上位概念としています。バンダイナムコグループのパーパスで特に重要な要素は、“つながる”“ともに創る”という要素で、バンダイナムコとIPファンやパートナー、社会などあらゆるステークホルダーが「夢・遊び・感動」を通してつながることで“Fun for All into the Future”を実践してまいります。今後、様々な機会を通じ経営者自身がパーパスについて発信を行うことで、グループ社員の理解の深化をはかり、事業や行動を通じたパーパスの実践につなげてまいります。
当社グループではエンターテインメントを通じた「夢・遊び・感動」を世界中のファンへ提供し続けるため、「バンダイナムコグループのサステナビリティ方針」を掲げ、ファンとともに持続可能な社会の実現に向けた活動を推進してまいります。中期計画においては、重点戦略に「サステナビリティ」を設定し、グループが向き合うべき社会課題として特定したマテリアリティのもと、具体的なアクションプランを推進してまいります。また、グループ社員が遵守すべき行動規範となるバンダイナムコグループコンプライアンス憲章を制定しており、内容の周知徹底に努めております。これらのもと、「グループサステナビリティ委員会」とその推進組織である「グループサステナビリティ部会」、さらには、コンプライアンスや情報セキュリティ、内部統制の強化を推進する「グループリスクコンプライアンス委員会」、「グループ情報セキュリティ委員会」、「内部統制委員会」を開催するとともに、様々な課題への対応や体制の強化をはかるほか、社内への啓発活動など各種施策に取り組むことで社内意識の向上に継続的に取り組んでまいります。

IP軸戦略のさらなる強化に向けて

当社グループでは、流通・メディアの寡占化やネットワークの普及、プラットフォームの多様化や技術進化、グローバル市場での競争激化などの環境変化に対応するため、IP軸戦略のさらなる進化に取り組みます。
新規IP創出にあたっては、IPプロデュースユニットにおいて映像・音楽・ライブイベントに関するノウハウを集約しIP創出とプロデュース力を強化します。また、商品・サービスや映像作品発の取り組み、グループの連携による取り組み、全体最適の視点で投資を行う「バンダイナムココンテンツファンド」の活用、外部のパートナー企業やクリエイターとの連携など、あらゆる方向からIP創出を強化します。
そしてIP軸戦略において、ファンとより広く、深く、複雑につながるためのあらたな取り組みとして、IPごとのメタバースを開発します。この「IPメタバース」によって、バンダイナムコとファンが、さらにはファン同士が長期にわたって広く、深く、複雑につながる関係を構築し、つながり方の質を追求します。
IP価値最大化に向けては、より長期的な視点であらゆるパートナーとオープンに協業するほか、事業の最大化はもちろんのこと、IPの可能性を拡大するための取り組みを推進します。地域や事業を横断して展開するIPにおいては、グループ横断プロジェクトによりIP価値最大化を目指します。中期計画においては戦略的な投資も行い、IP価値最大化に向けた様々な取り組みを推進してまいります。
このほか、IP軸戦略の推進にあたっては、IPそのものやその世界観を尊重した活動を行うため、パートナー企業や行政と連携し、模倣品の排除や啓発活動などの知的財産保護のための活動を行ってまいります。

グローバル市場での事業拡大に向けて

当社グループが、中長期で持続的な成長を続けるためには、グローバル市場での事業拡大が不可欠と考えております。世界の各地域においてALL BANDAI NAMCOで一体となり戦略を推進するため、組織再編や各地域における事業拠点の集約などを行い、この体制のもと事業の構築に取り組みます。特に北米と中国内地を重点地域とし、IPを軸とした商品・サービスの開発やマーケティング面において強力に事業間連動を実施するほか、ワールドワイド展開をはかるIPについてはグループ横断プロジェクトにより取り組みます。また、日本発IPの商品・サービスの海外展開に加え、各地域発のIP展開に取り組むなどIPポートフォリオの強化をはかります。さらに、グローバル人材の育成に向けて、多様な人材の採用に加え、地域や事業を横断した人事交流や研修により育成を推進します。

技術の進化と変化への対応に向けて

デジタル化をはじめとする技術の進化により、エンターテインメントにおける選択肢が多様化し、顧客の嗜好やライフスタイルの変化のスピードが速くなるとともに、グローバル規模での競争が激化しています。当社グループでは、従来のビジネスモデルにこだわることなく、顧客の嗜好やライフスタイルに対応したあらたな価値創造やプラットフォームへの対応、ビジネスモデルの変革に積極的に取り組んでまいります。これらの推進にあたっては、グループに閉じることなく、国内外のパートナー企業やクリエイターなどと密接な連携をはかってまいります。

多様な人材が活躍できるグループに向けて

当社グループは、「パーパス」のもと、様々な才能、個性、価値観を持つ多様な人材が生き生きと活躍することができる「同魂異才」の企業集団でありたいと考えます。従来より新卒・キャリア、性別、年齢、国籍、人種、宗教や性的指向などにこだわらず多様な人材の確保・登用を行うとともに、多様な人材が活躍することができ、心身ともに健康に働くことができる様々な制度や環境の整備に取り組んでおります。また、外部人材との連携や協業も積極的に行ってまいります。

② 各ユニットにおける課題

エンターテインメントユニット

<デジタル事業>

当業界においては、「プラットフォームの多様化」、「ネットワークなどの技術進化」、「顧客ニーズの多様化」、「開発期間の長期化と投資額の上昇」などの課題があります。これらの課題に対応するため、商品・サービスの開発にあたってはクオリティを重視し絞り込んだタイトルの開発を行うとともに、リリース後においてもアップデートや追加コンテンツの提供、イベントの開催などの顧客とつながり続けるための継続的な施策により、商品・サービスの長期展開をはかっております。また、あらたなプラットフォームの登場は顧客獲得の機会ととらえ、各プラットフォームの特性にあわせたタイトル提供を行っています。このほか、既存の事業や商品・サービスの枠を超え、IPメタバースの開発など顧客ニーズの多様化や技術進化に対応したエンターテインメントやビジネスモデルの創出に取り組んでまいります。さらには、技術進化や環境変化、あらたなプラットフォームに迅速に対応するため、外部スタジオの子会社化やスタートアップとの協業を目的としたファンドの設立、技術研究をさらに強化してまいります。

<トイホビー事業>

当業界においては、「少子化による国内市場の縮小」、「顧客ニーズの多様化」、「商品生産地域の集中」、「原材料や燃料の価格上昇」などの課題があります。これらの課題に対応するため、国内において圧倒的No.1の地位確立を目指し、ターゲット層の拡大や新規事業の創出に取り組んでおります。海外においては、ハイターゲット層向け商品の事業拡大やIPポートフォリオの拡充、販路の拡大、EC販売強化などの取り組みを行い、中長期的な成長を目指してまいります。また、開発生産面においては、バリューチェーンの改革により、生産面での効率化をはかるとともに、スピードやクオリティ、価格面でも競争力のある商品展開を進めてまいります。このほか、該当する法規制や業界が定める品質・安全基準などを踏まえ、より厳しい自社品質基準の設定や生産委託先の定期的なCOC(Code of Conduct:行動規範)監査の実施などにより品質・安全の徹底および労働環境の適正化をはかってまいります。商品の生産においては、自社の生産拠点を日本、タイ、フィリピン、ベトナムに設けているほか、取引先工場においても品質基準の担保を大前提に生産拠点の分散をはかってまいります。

IPプロデュースユニット

当業界においては、「IP創出における競争激化」、「優秀な人材の育成、確保」などの課題があります。これら課題に対応するため、ユニット内の組織再編を行うことで映像・音楽・ライブイベントに関するノウハウや機能を集約し、より多彩でユニット内のみならずグループの各事業や外部パートナーとの協業により相乗効果を発揮できるIP創出機能の強化をはかっております。また、映像制作や制作技術向上のための投資を積極的に行うほか、制作現場の環境や体制の整備、クリエイターの育成、社内外のパートナーやクリエイターとの連携強化に取り組んでまいります。さらには、映像・音楽・ライブイベントとデジタル技術を融合させた新しいエンターテインメントの創出に取り組んでまいります。

アミューズメントユニット

当業界においては、「顧客ニーズの多様化」、「環境変化の激化」、「原材料や燃料の価格上昇」などの課題があります。これらの課題に対応するため、施設事業やアミューズメント機器事業において、IPやグループの商品・サービスを活用するなど、バンダイナムコならではの展開を行い、グループの各事業とより一体となった展開を推進しております。さらに効率化に取り組むことで、安定して収益をあげることができる強い基盤の構築を目指してまいります。同ユニットにおいては、IP軸戦略におけるグループの重要な顧客接点として、グループの商品・サービスの販売、IPの訴求や顧客ニーズを収集する役割も果たしてまいります。

株主の皆さまにおかれましては、今後とも一層のご支援とご指導を賜わりますよう、よろしくお願い申しあげます。

連結計算書類