事業報告(2022年4月1日から2023年3月31日まで)

企業集団の現況

事業の経過および成果

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスに対する行動制限や経済活動の制限が緩和されたことで、個人消費に持ち直しの動きがみられました。その結果、企業業績については、総じて改善傾向がみられました。一方、ロシアのウクライナ侵攻に伴う資源価格の高騰に加え、欧米中央銀行の利上げによる円相場の急落や物価の急速な上昇等、景気の先行きは依然不透明な状況が続いております。

当社事業と関連性が高い国内証券市場においては、急速な円安進行を背景に、日経平均株価が27,000円台前半を中心に推移いたしました。前期の日経平均株価は28,000円台前半を中心に推移しており、当連結会計年度は同株価水準を下回る結果となりました。

このような状況のもと、2022年4月に東京証券取引所の新市場区分がスタートいたしました。新市場区分のうちプライム市場では、改訂コーポレートガバナンス・コードについて、より高水準のガバナンスを求める原則が適用されました。そのため、特にプライム市場の上場会社による株主・投資家への情報提供をさらに強化する動きが高まり、関連製品である株主総会招集通知や英文翻訳サービス等の増収につながりました。一方で、欧米中央銀行の利上げや、それに伴う円相場の急落を背景に、J-REIT市場や外国債券が前期に比べて軟調であったことなどから、関連製品の受注が減少いたしました。これらの結果、当連結会計年度の連結売上収益は、前期比2.5%増の26,804百万円となりました。

売上原価は、受注増に対応するため労務費や外注費が増加したほか、開示書類作成支援システムのバージョンアップ費用や資源価格の高騰に伴う印刷用紙代の値上げ等により、1,057百万円増加いたしました。これにより売上原価率は、前期比2.4ポイント増の63.8%となりました。この結果、売上総利益は前期比3.9%減の9,692百万円となりました。また、販売費及び一般管理費は、業務効率化や経費削減に努めたことや新型コロナウイルス拡大に伴うDX投資等スポット費用の反動減により、前期比1.6%減の7,451百万円となりました。これらの結果、営業利益は前期比10.9%減の2,212百万円となりました。

また、金融収益を90百万円、金融費用を6百万円、持分法による投資利益を96百万円それぞれ計上し、税引前利益は前期比8.9%減の2,391百万円となりました。これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比8.2%減の1,618百万円となりました。

業績ハイライト

(注)IFRSに準拠して連結計算書類を作成しております。

製品区分別の概況

売上収益
前期比 %増
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構成比率 %

(単位:

取扱製品
  • 株主総会関連書類(招集通知等)
  • 決算関連書類(決算短信、有価証券報告書等)開示業務支援システム
  • IPO・ファイナンス関連書類(目論見書等)

主力製品である株主総会招集通知については、改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応がさらに拡大し、従来のカラー化・情報拡充が進展いたしました。また、株主総会資料の電子提供措置に対応するため、多くの上場会社が定款変更を実施したことによるページ数増加や、個人株主数の増加により受注単価が上昇いたしました。加えて、働き方改革による業務効率化ニーズが根強く、開示書類作成アウトソーシングサービスの受注が増加いたしました。これらの結果、上場会社ディスクロージャー関連の売上収益は、前期比4.1%増の11,733百万円となりました。

売上収益
前期比 %増
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構成比率 %

(単位:

取扱製品
  • IR関連書類(株主通信等)
  • IRサイト構築・更新サービス
  • 英文翻訳
  • 株主総会運営支援

昨年4月に東京証券取引所の新市場区分がスタートし、英文開示や非財務情報開示の拡充等を求めるプライム市場向けのコーポレートガバナンス・コードが適用されました。それに伴って、決算短信や株主総会招集通知等の英文翻訳サービスが順調に拡大したほか、非財務情報関連のコンサルティングの受注も増加いたしました。加えて、株主との対話促進のため、株主総会のビジュアル化サービス・バーチャル株主総会支援サービスの増収も寄与いたしました。これらの結果、上場会社IR関連等の売上収益は、前期比7.2%増の7,413百万円となりました。

売上収益
前期比 %減
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構成比率 %

(単位:

取扱製品
  • 目論見書、有価証券届出書、運用報告書
  • 投資信託書類作成システム
  • 販売用資料・Webコンテンツ制作

国内投資信託市場は、一部ファンドの新規設定が減速したものの、定期製品である運用報告書の受注が増加いたしました。一方、欧米中央銀行の利上げや、それに伴う円相場の急落を背景に、J-REIT市場は海外投資家の買い手控え等により軟調だったほか、外国債券の発行が前期に比べて減少したことから、関連製品の受注が減少いたしました。これらの結果、金融商品ディスクロージャー関連の売上収益は、前期比3.8%減の6,627百万円となりました。

売上収益
前期比 %減
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構成比率 %

(単位:

取扱製品
  • 企業情報データベース
  • 経済統計データベース
  • ファイナンスデータベース

新規顧客の受注に努めたものの、既存顧客との契約更改に際し、一部解約や単価ダウンがありました。その結果、データベース関連の売上収益は、前期比3.7%減の1,031百万円となりました。

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