事業報告(2024年4月1日から2025年3月31日まで)

企業集団の現況に関する事項

事業の経過及びその成果

当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇の影響などから個人消費に力強さを欠く一方で、雇用・所得環境の改善により緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、長期化する国際情勢や金融資本市場の変動など、依然として先行き不透明な状況が続いています。

このような中、当社グループは中期3カ年経営計画「MOVE 70」の最終年度を迎え、4つの「3年後のあるべき姿」の実現に向けて、経営体質の強化に取り組んできました。

  • ・強みを活かした国内事業の収益基盤拡充
  • ・将来の成長をけん引する海外事業の収益基盤確立
  • ・国内・海外の成長を加速する経営基盤の強化
  • ・ESG経営の推進

しかしながら、金利上昇による金融環境の変化やDXの進展など、当社グループを取り巻く環境は急激に変化しました。これらの環境変化に対応するため、当社は2025年3月に株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」という。)との間で新たに資本業務提携契約を締結し、三菱UFJ銀行を割当予定先とする第三者割当増資を行うことを決定しました。

当連結会計年度の経営成績は、国内事業では外部環境の変化を踏まえ、事業構造改革を行い、各事業戦略に基づいた施策を実施しました。クレジット事業では、収益基盤強化に向けた利上げの実施によりシェアが低下し、クレジット申し込みが減速したことで取扱高が減少しました。ペイメント事業及びファイナンス事業においては、施策の実施により取扱高が堅調に推移しました。海外事業では、ベトナムにおける二輪シェアの回復や、カンボジア及びフィリピンにおける営業人員の強化と営業エリアの拡大に取り組みましたが、インドネシアの低迷が響き取扱高が減少しました。

この結果、連結取扱高は5兆7,010億77百万円(前期比2.6%減)となりました。

連結営業収益は、債権流動化による金融収益が減少したものの、割賦利益繰延残高の戻し入れ及び信用保証残高の積み上げにより1,909億78百万円(前期比3.4%増)となりました。

連結営業費用は、営業債権残高の増加を主因とした貸倒関連費用や、調達金利の上昇に伴い金融費用などが増加し、1,652億46百万円(前期比9.0%増)となりました。

以上の結果、連結経常利益は257億65百万円(前期比22.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は186億20百万円(前期比21.7%減)となりました。

当連結会計年度の業績

セグメント別の業績の概況

セグメント別の業績の概況は、次のとおりであります。

なお、「カード・ペイメント事業」の名称を「ペイメント事業」に変更しております。

国内事業

クレジット事業

取扱高 1 3,709 13 百万円
前期比 16.6 %減
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ショッピングクレジットは、営業体制を強化し、金利変動型商品の推進を行った住宅リフォームの取扱高が増加しました。しかしながら、収益性の低い一部商品の取り扱い中止や利上げの実施などにより、取扱高及び営業収益が減少しました。

オートローンは、車両価格の高騰などにより輸入車の新車販売台数が厳しい状況で推移する中、各インポーターの販売戦略と連動した施策を継続しました。また、需要が底堅く推移する中古車市場においては、地域の中古車販売店への施策に注力しました。しかしながら、利上げの影響などにより取扱高が減少しました。営業収益は、割賦利益繰延残高の戻し入れにより増加しました。

この結果、当事業の取扱高は1兆3,709億13百万円(前期比16.6%減)、営業収益は662億98百万円(前期比4.7%増)となりました。

ペイメント事業

取扱高 2 9,806 67 百万円
前期比 3.9 %増
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カードショッピングは、大型提携先や新規提携先での利用やインバウンドの拡大に伴うコード決済が堅調に推移し、取扱高が増加しました。営業収益は、取扱高の増加に加え、リボショッピングの手数料率引き上げなどにより増加しました。

カードキャッシングは、会員数の拡大によりローンカードの取扱高が増加しましたが、プロパーカードの利用会員数低迷により取扱高及び営業収益が減少しました。

家賃保証は、新規提携先の拡大や主要提携先を中心とした安定的な取引により、取扱高及び営業収益が増加しました。

集金代行は、既存提携先の新規申込の増加に加え、インサイドセールスの強化による新規提携先の拡大や、一部既存商品を集金代行へ切り替えたことにより、取扱高及び営業収益が増加しました。

この結果、当事業の取扱高は2兆9,806億67百万円(前期比3.9%増)、営業収益は445億64百万円(前期比3.2%増)となりました。

ファイナンス事業

取扱高 8,472 8 百万円
前期比 14.2 %増
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投資用マンション向け住宅ローン保証は、市場が堅調に推移する中、提携金融機関と連携した施策を継続し、取扱高及び営業収益が増加しました。

銀行個人ローン保証は、三菱UFJ銀行を中心とした提携金融機関でマイカーローンや教育ローンの利用がけん引し、取扱高及び営業収益が増加しました。

この結果、当事業の取扱高は8,472億8百万円(前期比14.2%増)、営業収益は382億7百万円(前期比7.8%増)となりました。

その他の事業

取扱高 4,227 36 百万円
前期比 17.2 %減
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オートリースは、市場が拡大傾向にある中、サポート体制や推進体制を強化し、保有台数を拡大したことにより、取扱高及び営業収益が増加しました。

事業資金融資は、資金需要の低迷により取扱高は減少しましたが、営業債権残高の積み上げにより営業収益が増加しました。

この結果、当事業の取扱高は4,227億36百万円(前期比17.2%減)、営業収益は141億77百万円(前期比5.0%増)となりました。

海外事業

クレジット事業

取扱高 728 62 百万円
前期比 3.8 %減
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ベトナムでは、二輪販売の回復を受け施策の展開が奏功し、取扱高が増加しました。営業収益は、営業債権残高の積み上げ不足により減少しました。

インドネシアでは、二輪の取扱高が堅調に推移しましたが、事業構造改革の一環で、未収債権が高止まりにある四輪の取り扱いを中止したことにより、取扱高及び営業収益が減少しました。

カンボジアとフィリピンでは、支店開設による営業エリアの拡大、営業人員の強化及び加盟店開拓に注力したことにより、取扱高及び営業収益が増加しました。

この結果、当事業の取扱高は728億62百万円(前期比3.8%減)、営業収益は200億48百万円(前期比6.3%増)となりました。

ペイメント事業

取扱高 9 65 百万円
前期比 30.9 %減
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ベトナムで展開するクレジットカードは、事業構造改革の一環で新規受付の中止や未稼働会員の整理に加え、既存会員の利用を停止しました。

この結果、当事業の取扱高は9億65百万円(前期比30.9%減)、営業収益は2億29百万円(前期比7.8%減)となりました。

その他の事業

取扱高 57 22 百万円
前期比 52.8 %減
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ベトナムやカンボジアで展開する個人向け無担保ローンは、未収債権の抑制を図るため審査基準の見直しを行ったことにより、ベトナムでは取扱高及び営業収益が減少しました。カンボジアでは取扱高は減少しましたが、営業債権残高の積み上げにより営業収益が増加しました。

インドネシアで展開するリースは、事業構造改革の一環で新規受付を中止しており、取扱高及び営業収益が減少しました。

この結果、当事業の取扱高は、57億22百万円(前期比52.8%減)、営業収益は53億19百万円(前期比20.9%減)となりました。

連結計算書類