事業報告(2025年4月1日から2026年3月31日まで)
企業集団の現況に関する事項
事業の経過及びその成果
当連結会計年度におけるわが国経済は、賃上げの継続及びインバウンド需要の拡大を背景に、緩やかな回復基調を維持いたしました。物価面ではエネルギー価格の動向や円安の影響もあり、サービス価格を含めた広範な価格上昇が定着し、企業の価格転嫁も進展するなどインフレ環境への移行が一段と進みました。金融政策においては、日本銀行による政策正常化の流れが継続し、金利には上昇圧力が見られたものの、その水準は依然として低位にとどまっております。一方で、海外においては、欧米の金融引き締めの長期化や中国経済の減速に加え、地政学的リスクの高まりなどにより、先行き不透明な状況が続いております。
不動産業界におきましては、地価は引き続き上昇基調を維持し、建築資材価格や人件費の上昇による建築コストの高止まりが継続しており、新築住宅価格は引き続き高水準で推移いたしました。また、金利上昇の影響が懸念される局面も見られましたが、雇用・所得環境の改善を背景に実需は堅調に推移し、新築物件価格の高止まりを背景に中古流通市場は活況を呈し、賃貸住宅を中心とした投資用不動産市場も安定的に推移いたしました。
このような環境下におきまして、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高については、安定的な収益基盤である賃貸及び管理事業に加え、大型分譲マンションの竣工引渡しがあった分譲住宅事業及び住宅流通事業が伸長したことで全体を牽引し、主要な4つの事業全て増収となりました。利益面におきましては、賃貸及び管理事業等において増収に伴って限界利益が上昇し、人件費を中心とした販売費及び一般管理費の増加や政策金利引き上げに伴う金融コストを一定程度吸収することができました。その結果、売上高・各段階利益ともに期初予想を上回り、前連結会計年度実績に対しても当期純利益は微減となりましたが、売上高・売上総利益・営業利益・経常利益ともに上回る結果となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
分譲住宅セグメント
分譲住宅セグメントにおいては、当連結会計年度の自由設計住宅の引渡戸数が515戸(前期は486戸)と前連結会計年度に比べ増加となり、分譲マンションにおいても引渡戸数が新規竣工物件3棟分を含め334戸(前期は284戸)と前連結会計年度に比べ大幅な増加となった結果、当セグメントの売上高(セグメント間の内部売上高を含む。)は36,737百万円(前期比5.8%増)となりましたが、売上総利益率が低下したこと及び前連結会計年度に収益性の高い素地販売があったことにより、セグメント利益は1,595百万円(前期比29.1%減)となりました。
住宅流通セグメント
住宅流通セグメントにおいては、当連結会計年度の中古住宅の引渡戸数は1,272戸(前期は1,081戸)と前連結会計年度に比べ大幅に増加した結果、当セグメントの売上高(セグメント間の内部売上高を含む。)は35,122百万円(前期比31.7%増)となり、セグメント利益は1,236百万円(前期比41.0%増)となりました。
土地有効活用セグメント
土地有効活用セグメントにおいては、当連結会計年度の個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡棟数が129棟(前期は135棟)と微減となった一方で、賃貸住宅等建築請負及びサービス付き高齢者向け住宅の引渡件数は65件(前期は51件)と増加することとなり、建築請負工事が順調に進行した結果、当セグメントの売上高(セグメント間の内部売上高を含む。)は32,042百万円(前期比0.1%増)となり、セグメント利益は3,101百万円(前期比12.2%増)となりました。
賃貸及び管理セグメント
賃貸及び管理セグメントにおいては、主として土地有効活用事業にリンクした賃貸物件の引渡しに伴い管理物件の取扱い件数が増加したこと及び前連結会計年度において自社保有のサービス付き高齢者向け住宅が増加したことにより、当セグメントの売上高(セグメント間の内部売上高を含む。)は33,864百万円(前期比9.3%増)となり、セグメント利益は4,452百万円(前期比13.4%増)となりました。
建設関連セグメント
建設関連セグメントにおいては、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度並みとなりました。その結果、当セグメントの売上高(セグメント間の内部売上高を含む。)は2,527百万円(前期比2.8%減)となり、セグメント利益は10百万円(前期比89.0%減)となりました。
また、報告セグメントに含まれないその他セグメントにおいては、保険代理店事業に係る収益を計上しており、当連結会計年度の当セグメントの売上高(セグメント間の内部売上高を含む。)は221百万円(前期比24.3%増)となり、セグメント利益は163百万円(前期比23.1%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高138,332百万円(前期比11.6%増)を計上し、営業利益8,294百万円(前期比5.1%増)、経常利益6,995百万円(前期比0.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,757百万円(前期比0.1%減)となりました。
対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、わが国経済は賃上げの継続や雇用環境の改善を背景に緩やかな回復が期待されるものの、インフレの定着や金利上昇、海外経済の不確実性により先行き不透明な状況が続くものと予想されます。不動産業界におきましては、地価上昇が継続する一方で、建築コストの高止まりや金利動向による需要への影響に留意が必要な状況にあります。
当社グループにおきましては、増収を確保する一方で収益性の向上を重要課題と認識し、顧客ニーズに応じた立地選定・商品企画と価格適正化により競争力の強化に努めるとともに、顧客満足度における高い評価を背景とした価値提供を推進してまいります。あわせて、コスト構造の見直しや在庫水準の適正化により資金効率の向上を図り、ストックビジネスの強化を通じて、金利動向を含む市場環境変化への耐性強化に努めてまいります。
当社グループは、2025年5月に、2025年度(2026年3月期)を初年度とし2027年度(2028年3月期)を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を策定しており、初年度となる当連結会計年度における実績と計画は以下のとおりとなっております。
今後につきましても株主重視の経営という観点から、企業価値の向上と継続的・安定的な成長を図り、財務体質の強化及び安定した収益の確保に努めてまいります。
当社グループは「社員のため、社員の家族のため、顧客・取引先のため、株主のため、地域社会のため、ひいては国家のために当社を経営する」という経営理念のもと、創業以来、事業活動を通じて社会貢献活動に取り組んでまいりました。国連で採択された「SDGs」(持続可能な開発目標)など、社会課題に対する企業が果たす役割の重要性が一層高まっております。
ESG(環境・社会・企業統治)及びSDGsと地域密着型経営である当社の事業活動との関連を意識し、社会貢献・持続可能な社会の実現に取り組んでおります。
当社は、2026年3月1日付で厚生労働省「がん対策推進優良企業表彰制度」において、「がん対策推進優良企業」として4年連続の表彰を受け、2026年3月9日付で経済産業省が日本健康会議と共同で認定を行う「健康経営優良法人2026 大規模法人部門(ホワイト 500)」で9回目の認定を受けました。経営トップが先頭に立ち、全ての社員が健康への意識を高め、心身の健康を維持できるよう、枠にとらわれない様々な環境を整えていることを評価いただいたものと認識しております。2026年1月には、スポーツ庁が社員の健康増進のためにスポーツの実施に向け、積極的に取り組んでいる企業を認定する「スポーツエールカンパニー2026」にも7年連続で選ばれております。また、当社で働く社員が柔軟な働き方ができる環境で、仕事上もプライベート上も充実した人生を送ることが大切であると考え、遠隔地の身障者支援のほか、社員と社員の家族のためのテレワーク活用、住宅現場・管理マンション・お客様宅等へ外出する社員のためのモバイルワーク推進、BCP(事業継続計画)対策のためのテレワーク活用等多岐にわたり、社員や業務のニーズに応えてテレワークを実践的に導入してまいりました。結果、2018年には「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」に選定され、2020年、2022年には「テレワーク推進賞 優秀賞」を受賞、更に2024年には「第25回記念テレワーク推進賞」において「実践部門 特別賞」に表彰されました。
DX(デジタルトランスフォーメーション)については、次世代基幹情報システム構築プロジェクトを推進しております。次世代基幹情報システム構築プロジェクトでは、売上拡大やコスト最小化を目的とした全社及び部署ごとの業務改善、経営判断に必要な情報をタイムリーに提供できる仕組みの構築、並びに将来のシステム人財の不足を見据えた安定的な開発、運用、保守体制の実現を目指してまいります。
気候変動リスクへの対応については、脱炭素化社会の実現に向けて「OSAKAゼロカーボン・スマートシティ・ファウンデーション」の活動に参加しております。また、当社グループでの脱炭素の取組みとして、和歌山県の「企業の森」による森林保全・管理活動に係る協定を締結し、和歌山県日高郡日高川町の森林を「フジ住宅の森」と名付けて当社グループ社員・家族のボランティアによる植林並びに育林活動を行っており、二酸化炭素の削減に貢献しております。
今後も引き続き、社会貢献及び持続可能な社会の実現に取り組むことにより、社会とともに持続的に成長し、信頼される企業グループを目指してまいります。株主の皆様におかれましては、今後ともなお一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申しあげます。
設備投資の状況
当連結会計年度の設備投資の総額は12,385百万円であり、その主なものは自社保有のサービス付き高齢者向け住宅に係る土地・建物1,750百万円、中古住宅アセット事業に係る土地・建物10,162百万円、本社設備等並びに分譲住宅事業及び住宅流通事業に係る販売センター設備等であります。
資金調達の状況
中古住宅仕入資金のためのコミットメントライン型シンジケートローン契約2件(契約締結額合計10,000百万円、期末借入額合計3,500百万円)を金融機関と締結いたしました。また、社会課題の解決と企業価値向上の両立を目的としたポジティブ・インパクト・ファイナンス及びサステナブルオーダーローンを計2件(実行額合計2,000百万円)実行いたしました。
重要な企業再編等の状況
特記すべき事項はありません。
財産及び損益の状況