事業報告(2023年4月1日から2024年3月31日まで)

NTTグループの現況に関する事項

(注) 2023年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき25株の割合をもって株式分割を行っており、EPSは当該株式分割調整後の数値を記載しております。

事業報告の記載内容について

●本事業報告において、「NTTドコモ」は株式会社NTTドコモ、「NTTコミュニケーションズ」はエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社、「NTTコムウェア」はエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社、「NTT東日本」は東日本電信電話株式会社、「NTT西日本」は西日本電信電話株式会社、「NTTデータグループ」は株式会社NTTデータグループ、「NTTアーバンソリューションズ」はNTTアーバンソリューションズ株式会社、「NTTアノードエナジー」はNTTアノードエナジー株式会社を示しています。

●当社の連結計算書類は、国際財務報告基準(以下「IFRS」)を適用しています。

●本事業報告に記載している金額については、表示単位未満の端数を四捨五入して表示しています。

●文中において  が付されている用語について、「用語解説」にて解説を掲載しています。

●本事業報告に含まれる予想数値および将来の見通しに関する記述・言明は、現在当社の経営陣が入手している情報に基づいて行った判断・評価・事実認識・方針の策定などに基づいてなされもしくは算定されています。また、過去に確定し正確に認識された事実以外に、将来の予想およびその記述を行うために不可欠となる一定の前提(仮定)を用いてなされもしくは算定したものです。将来の予測および将来の見通しに関する記述・言明に本質的に内在する不確定性・不確実性および今後の事業運営や内外の経済、証券市場その他の状況変化などによる変動可能性に照らし、現実の業績の数値、結果、パフォーマンスおよび成果は、本事業報告に含まれる予想数値および将来の見通しに関する記述・言明と異なる可能性があります。

1.事業の経過およびその成果

(1) 事業環境

情報通信および関連する市場では、クラウドサービスや5Gサービスの拡大に加え、AI、デジタルツイン、量子コンピューティングなどの技術が急速に進展しています。これに伴い、さまざまなデータが蓄積され、その分析・活用が進むことで、人々の生活における利便性向上や、ビジネスにおける新たなモデル創出や生産性向上などの変革を実現するデジタルトランスフォーメーション(DX)が世界的に進みつつあり、この流れはリアルとオンラインが共存した働き方・ライフスタイルが定着し、データ流通量が増加する中で加速しています。一方で、高度化・複雑化するサイバー攻撃に対する情報セキュリティ強化、災害対策への取り組み強化や環境保護への貢献への取り組みも求められています。
こうしたさまざまな社会的課題を解決するうえでも、情報通信事業が担う役割はますます重要になっています。

(2) 事業の状況

このような事業環境のなか、NTTグループは、2023年5月に公表した新たな中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」に基づき、「新たな価値の創造とグローバルサステナブル社会を支えるNTTへ」、「お客さま体験(CX)の高度化」、「従業員体験(EX)の高度化」の3つを柱として、各事業セグメントにおいて、さまざまな取り組みを推進しました。
当事業年度の営業収益は13兆3,746億円(前年比1.8%増)、営業利益は1兆9,229億円(前年比5.1%増)、当社に帰属する当期利益は1兆2,795億円(前年比5.5%増)となりました。

新たな価値の創造とグローバルサステナブル社会を支えるNTTへ

IOWNによる新たな価値創造(構想から実現へ)

【光電融合デバイスの製造会社設立】

  • NTTイノベーティブデバイス株式会社を2023年6月に設立しました。同社を通じ、IOWN構想の要となる光電融合デバイスの製品開発ならびに市場投入と事業拡大の加速を図り、光電融合のメリットである圧倒的な低消費電力化を、通信領域だけでなくデータセンター等コンピューティング領域に導入・適用拡大することによって、社会全体の電力消費量増加の流れを克服し、カーボンニュートラルの実現に向けて貢献していきます。

光電融合技術の導入に向けたスケジュール

【実用化の加速】

  • 2023年3月に商用サービス APN IOWN1.0の提供を開始したほか、APNを活用した多拠点間の広域リモートプロダクションプラットホームの形成および発展の加速に向けた連携・協力に関する協定を、2023年11月にソニー株式会社と締結しました。これまで届けることのできなかった地方のスタジアムやライブ会場のコンテンツ配信など、利便性に優れたサービスの提供による顧客体験の向上をめざします。

データ・ドリブンによる新たな価値創造

【パーソナルビジネスの強化】

  • NTTドコモは、2023年10月に株式会社インテージホールディングス、2024年1月にマネックス証券株式会社、2024年3月にオリックス・クレジット株式会社を子会社化しました。NTTドコモの会員基盤と各社のノウハウの掛け合わせにより、新たなマーケティング価値の提供および顧客基盤の最大化に向けて取り組んでいきます。

【社会・産業のDX/データ利活用の強化】

  • AIを活用し、生活や社会を支えるさまざまな産業(自社業務を含む)のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。2024年3月にはNTT版大規模言語モデル「tsuzumi」を活用した商用サービスを開始しました。「tsuzumi」では、当社が保有する自然言語処理研究の蓄積、最先端のAI分野の研究力を活かし、軽量でありながら世界トップレベルの日本語処理性能を実現しました。
  • 2023年9月、NTTドコモは、海外通信事業者へ提供する「OREX®」のオープンRANサービスラインアップを発表しました。「OREX®」のオープンRANサービスの導入により、導入時の初期費用や維持管理費などの総保有コスト、ネットワーク設計稼働、基地局における消費電力の削減も期待でき、5Gネットワークの展開を加速していきます。
  • 日本における自動運転技術を活用したサービスの本格実用化を見据え、2023年11月にMay Mobility, Inc.(本社:アメリカ)へ出資するとともに、同社の自動運転システムの日本国内独占販売権を獲得しました。
    移動そのもののデジタルトランスフォーメーション(DX)である自動運転サービスとこれまで培ってきた地域密着の課題解決力を組み合わせて自治体や交通事業者と共に社会課題解決に向けたソリューションを提供していきます。この取り組みにより、ステークホルダーと連携し、交通課題の解決にとどまらず、健康・福祉などさまざまな社会課題の解決へ貢献していきます。

【データセンターの拡張・高度化】

  • 世界第3位*1のデータセンタープロバイダとして、ハイパースケーラーを中心とした旺盛な需要に加え、生成AIを背景とした更なる需要の高まりに対応し、事業拡大を進めました。2023年度には新たに10拠点13棟のデータセンターを新規開設し、累計で149拠点202棟まで拡大しました*2。(高度化の詳細は、35頁の (3)研究開発などの状況 「IOWN構想の具現化に向けた研究開発」をご覧ください。)
    • *1中華人民共和国の事業者を除く。
    • *2NTT Ltd.グループおよびNTTコミュニケーションズグループ(第三者とのJV含む)の情報(建設中の拠点も含む)。

循環型社会の実現

【グリーンソリューションの実現】

  • グリーントランスフォーメーション(GX)ソリューションブランド「NTT G×Inno(エヌティティ ジーノ)」を2023年12月に立ち上げました。
    カーボンニュートラルや温室効果ガス排出削減目標の達成を経済成長の機会と捉え、まずは自らの脱炭素化や自らが関連するバリューチェーンの脱炭素化の行動を起こし、そこから得られたノウハウや実績を活かしたグリーントランスフォーメーション(GX)ソリューションによって、社会全体のカーボンニュートラルの実現にも貢献していきます。「NTT G×Inno」の取り組みの1つとして、NTTコムウェアは、NTTアノードエナジーとともに、国内の再生可能エネルギー発電事業者などに対して、グリーントランスフォーメーション(GX)に向けたグリーン発電事業統合プラットフォーム(Smart Data Fusion®)の提供を開始しました。

【循環型ビジネスの創造】

  • NTTアノードエナジーと株式会社JERAは、2023年8月に株式会社グリーンパワーインベストメントの株式取得などを完了しました。それぞれが有する再生可能エネルギー事業のノウハウや知見、強みを効果的に活用し、日本国内の再生可能エネルギーの普及を通じ、日本の 2050 年カーボンニュートラル実現へ貢献するため、さらに取り組みを推進していきます。

国内最大規模の風力発電所「ウィンドファームつがる」

ネットゼロに向けて】

  • 2023年5月公表の新たな中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」において、2040年度ネットゼロに向けた目標を新たに設定しました。自らの脱炭素に加えて、サプライチェーン全体の脱炭素を推進していきます。
    (NTTグループの温室効果ガス排出量の2023年度実績値は統合報告書にて2024年9月下旬開示予定です。)

事業基盤の更なる強靭化

  • 想定外の事象は必ず起こることを前提に置き、ネットワーク故障情報の可視化や大量トラフィック流入への対処など、人的ミスや故障発生の未然防止策を講じるとともに、故障が起きた際の影響を最小化する取り組みを進めています。

令和6年能登半島地震における復旧・支援

2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震の影響により、固定通信および移動通信サービスをはじめ、NTTグループサービスの一部をご利用いただけない状況が発生しましたが、被災した通信設備やサービスの復旧にあたるとともに、ポータブル衛星を利用した災害時用公衆電話の設置、他事業者とも連携した船上基地局、移動基地局による通信環境の提供を実施しました。また、陸路での立ち入り困難な箇所へは自衛隊等との連携により、空路・海路から通信設備・衛星携帯電話等を搬送し、通信の確保を図りました。

お客さま体験(CX)の高度化
  • スマートフォンの普及やSNS・動画視聴などの利用に伴うデータトラフィックの増大により、スマートフォンがご利用しづらい状況にあったエリアについて、設備の増設・新設などにより、安心してご利用いただけるよう通信品質の改善に取り組みました。引き続き、お客さまに安心してご利用いただけるよう努めていきます。
従業員体験(EX)の高度化
  • 社員が年次年齢にとらわれることなく自らの専門性を意識してキャリアを描きチャレンジすることを目的として、2023年4月に一般社員の人事制度見直しを行いました。新制度趣旨の浸透・促進のため、4月から専門性に応じた研修メニューを拡張、7月にグループ横断の公募制度(NTT Group Job Board)やキャリアコンサルティング機能を導入し、社員の自律的なキャリア形成に向けた人的投資を拡大しました。
  • 国内グループ約100社(約18万人)に対して、従業員エンゲージメント調査を行いました。エンゲージメントの現状、維持・強化すべき点・改善すべき点を分析し、エンゲージメント向上にむけた施策などを組織ごと、グループ横断の両面から検討・実施しました。
  • 変化が激しく、将来の予測が困難な時代には、守るべきところとチャレンジすべきところを見極め、時には小さく失敗しながらも成功ルートを探索することが有効だという考えのもと、失敗を前向きに捉えるマインドセットを醸成する「失敗から学ぶカンファレンス」を社内開催し、約2千名が参加しました。
株主還元の充実
  • 継続的な増配および機動的な自己株式取得を実施し、資本効率の向上を図りました。
  • 投資単位当たりの金額を引き下げ、より投資しやすい環境を整え、投資家層の拡大を図ることを目的として、2023年7月に、普通株式1株につき25株の割合をもって株式分割を実施しました。
(3) 研究開発などの状況

IOWN構想の具現化やさまざまな産業への技術の展開・課題解決などの取り組みを推進しました。

IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想

社会活動や経済活動のデジタルシフトが加速する中、通信ネットワークの利用は大きく拡大しデータ量・遅延・消費電力などが限界を迎えようとしています。IOWN構想は、革新的な光技術によってこの限界を打破し、持続可能な世界の実現をめざすものです。

IOWN構想の具現化に向けた研究開発
  • 主要なデータセンター間をIOWN APNで接続し、離れたデータセンター間もリアルタイムで連携することで、あたかもひとつのデータセンターのように利用できる環境構築を進めました。従来、データセンターは都心部などに集中していましたが、この取り組みを地域のデータセンターへも拡大し、IOWN APNの特性(超高速・超低遅延)を活かした分散型データセンターを実現していきます。
APNとは?

現在のネットワークは、光信号と電気信号の変換を多数実施することにより電力を消費しているほか、通信トラフィックの制御処理により遅延が発生します。APNは、最終的にこれらをすべて光信号での処理にすることで、現在よりも低消費電力で、大容量かつ低遅延なネットワークを実現します。

  • 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が公募した「Beyond5G 研究開発促進事業」や「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業」、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」において、IOWNをはじめとした最先端技術を提案した当社および共同提案者が、実施企業に採択されました。共同提案者ならびにIOWN Global Forum参加のパートナーとともに、IOWNの研究開発を加速し、事業化に向けて取り組んでいきます。
IOWNのオープンイノベーション

世界のさまざまな企業・団体とユースケースを議論し、必要となる技術、フレームワーク、アーキテクチャの開発を進めることで、新たなコミュニケーション基盤としてのIOWNの実現をめざしており、世界の主要なICT企業などが参加するIOWN Global Forumのメンバー数は、139組織まで拡大しました。(2024年3月末時点)

さまざまな産業への技術の展開・課題解決
  • NTTグリーン&フード株式会社は、食料不足や環境問題の解決、地域産業の活性化をめざし、NTTグループ初の水産会社として、2023年7月より事業を開始しました。情報通信技術や、魚介類、藻類の品種改良技術などを活用したサステナブルな陸上養殖事業を軸に、地域の雇用創出や地場産業との連携、教育・文化振興などを進めていきます。
  • 2023年12月、株式会社Space Compass、NTTドコモ、当社およびスカパーJSAT株式会社の4社は、成層圏を飛行する高高度プラットフォームであるHAPS(High Altitude Platform Station)を介した携帯端末向け直接通信システムの早期実用化に向けた開発の加速と実用化後の利用拡大を見据えた高速大容量化技術の研究開発を開始しました。
    本開発を通じてHAPSにおける成層圏からの通信サービスの品質向上、および柔軟かつ効率的なHAPS通信サービスの運用を可能とする開発を推進し、Beyond 5G時代における空・海・宇宙などあらゆる場所への「超カバレッジ拡張」を実現する宇宙RANの開発に取り組んでいきます。
(4) セグメント別の状況
主要な事業内容

総合ICT事業

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概況

総合ICT事業では、法人事業の更なる拡大、スマートライフ事業のM&Aによる非連続な成長を含めた取り組み、コンシューマ通信事業の顧客ニーズに対応した料金プランの拡充による顧客基盤の強化を推進しました。

主な取り組み内容

  • 株式会社竹中工務店および清水建設株式会社と、デジタル化によって工程と作業をつなぐ施工管理業務全体の生産性向上に向けた協業を2023年7月より開始しました。
  • 感情やレビューをシェアすることでフォロワー同士がつながり、観たいコンテンツがすぐに見つかる映像配信メディア「Lemino(レミノ)」の提供を2023年4月より開始しました。
  • M&Aの推進(詳細は、31頁の(2)事業の状況 「データ・ドリブンによる新たな価値創造」 【パーソナルビジネスの強化】をご覧ください。)に加え、はなさく生命保険株式会社で提供中のインターネットでお申込みできる生命保険・医療保険を、「ドコモスマート保険ナビ®」サイトで2023年8月より取扱いを開始しました。イーデザイン損害保険株式会社と、「ドコモの自動車保険」の提供を2024年1月より開始しました。
  • 多様化するお客さまニーズに対し、データ利用量が少ないお客さま向けの低廉な料金プラン「irumo(イルモ)」、無制限のデータ利用まで応える「eximo(エクシモ)」の提供を2023年7月より開始しました。
主なサービスの契約数

〇「携帯電話サービス」:8,994万契約(対前年:+245万契約)

(再掲)「5G契約数」:2,974万契約(対前年:+914万契約)

地域通信事業

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概況

地域通信事業では、地域の社会課題解決に向け、企業・自治体・社会のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するソリューションビジネスの強化のほか、光アクセスサービスなどをさまざまな事業者に卸提供する「光コラボレーションモデル」の提供を推進しました。

主な取り組み内容

  • モバイル・ブロードバンドの進展によるコミュニケーション手段の多様化に伴う固定電話(加入電話・INSネット)の契約数などの減少に加え、電話サービスのために用いられている公衆交換電話網(PSTN)の設備(中継交換機・信号交換機)の維持限界(2025年頃)を見据え、2024年1月1日以降、地域ごとに段階的に固定電話(加入電話・INSネット)のIP網への設備切替を実施しました。
  • NTT東日本は、国内外の通信機器ベンダーなどと全18社で、ローカル5Gの更なる低廉化と利便性向上による普及・拡大を目的に、ローカル5G機器の相互接続および最適化の実証を行う新たな共創プロジェクトを立ち上げることを2023年11月に合意しました。
  • NTT西日本は、ugo(ユーゴー)株式会社と、人口減少によって加速する人材不足などの社会課題をロボットの活用で解決する共同事業の検討を行うことについて、2023年12月に合意しました。
主なサービスの契約数

〇「フレッツ光」:2,365万契約(対前年:+8万契約)

(再掲)「コラボ光」:1,712万契約(対前年:+31万契約)

グローバル・ソリューション事業

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概況

グローバル・ソリューション事業では、市場の変化に対応したデジタル化の提案、システムインテグレーションなどの多様なITサービスの拡大と安定的な提供のほか、データセンタービジネスやマネージドサービスといった成長分野でのサービス提供力の強化に取り組みました。

主な取り組み内容

  • 2023年8月、三菱UFJ信託銀行株式会社とデジタル社債向け標準化インフラの構築を進めることについて合意しました。同インフラを用いて株式会社三菱UFJ銀行はデジタル社債の発行支援を開始しております。
  • スペインのFerrovial Corp.と、空港・道路・鉄道などの交通分野、エネルギー供給網などの社会分野のインフラストラクチャー市場におけるデジタルビジネスの創出に向けた戦略的提携に関して2023年8月に合意しました。
  • NTTデータグループおよびNTTグローバルデータセンター株式会社は、東京電力パワーグリッド株式会社と、千葉県印西白井エリアにおいて、データセンターの共同開発および運用を目的とした新会社の設立に向けて2023年12月に合意しました。それぞれが有するノウハウなどを組み合わせ、デジタル化ならびにカーボンニュートラル化の実現に向けた社会的課題解決に貢献すべく、先進的なデータセンターモデルの実現をめざします。

その他(不動産、エネルギー等)

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  • (注) 一部費用科目の計上方法の変更に伴い、2022年度営業利益は修正再表示後の数値を記載しています。

概況

不動産事業、エネルギー事業などに係るサービスを提供しました。

主な取り組み内容

【不動産事業】
  • NTTグループの不動産事業を一元的に担うNTTアーバンソリューションズを中心に、オフィス・商業事業や住宅事業、グローバル事業を推進しました。2024年3月、仙台において、仙台駅西側エリア最大級で高機能なオフィスフロア、多様化する働き方に対応したワークプレイス、都心部の新たな賑わいや回遊促進にむけたオープンスペースやテラスを整備した、仙台市が進める「せんだい都心再構築プロジェクト」の第1号物件となる「アーバンネット仙台中央ビル」をオープンしました。
【エネルギー事業】
  • NTTグループのエネルギー事業を担うNTTアノードエナジーは、NTTグループ各社をはじめ、さまざまなパートナー企業とともに、再生可能エネルギーの活用による脱炭素化社会の実現やエネルギーの地産地消を推進しました。2023年12月、再生可能エネルギー導入促進や電力需給の安定化に向けたエネルギー流通プラットフォームの構築を開始しました。引き続き、安定的な再生可能エネルギーの提供に取り組んでいきます。

2.対処すべき課題

(1) 事業環境の変化

リアルとオンラインが共存した働き方・ライフスタイルが定着し、AI・ロボティクスの進化・活用の拡大、デジタルトランスフォーメーション(DX)が引き続き進展する一方で、消費電力の増大や監視社会などのデジタル化の負の側面が課題となっています。また、経済安全保障の重要性の増大や世界規模での自然災害の激甚化など、環境が大きく変化しています。

(2) NTTグループ中期経営戦略に基づく事業展開

NTTグループは、新中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」に基づき、お客さまと社会のために新たな価値を提供し、事業そのものをサステナブルな社会の実現へとシフトすることで、地球のサステナビリティを支える存在になるべく取り組みを推進してまいります。

新たな価値の創造とグローバルサステナブル社会を支えるNTTへ

AIの活用拡大などに伴う消費電力増大への解決策として、低消費電力を実現する光電融合デバイスの早期事業化を進めるとともに6Gなどを含むIOWN研究開発・実用化の加速に向けて、今後も継続的に資金を投下し、サーバー(DCI※1)やデジタルツインコンピューティングなどの実用化を推進していきます。

また、個人のお客さまを中心としたパーソナルビジネスの強化に向けては、スマートライフ事業の強化を図り、今後5年間で約1兆円以上の投資を実施します。例えば、金融やヘルスケア・メディカルといったさまざまな分野のサービスの拡充・高度化に取り組むとともに、サービスを通じて得たさまざまなデータを分析することで、よりパーソナライズされた最適なサービスの提供につなげていきます。
企業などのお客さまに対しては、AI・ロボット、IOWN・デジタルツインやセキュリティなどの技術を活用してソリューション・サービス、プラットフォーム・サービスをグローバルで展開し、生活や社会を支える産業を変革していきます。この分野には、今後5年間で約3兆円以上の投資を実施します。
データセンターについても、NTTグループのデータセンター基盤をさらに拡張するとともに、IOWN技術の導入により高度化を推進するために、今後5年間で約1.5兆円以上の投資を実施し、データセンターの容量も倍増してまいります。

さらに、グリーンエネルギーとICTの組み合わせにより実現するグリーンソリューションを推進し、再生可能エネルギー発電事業を拡大するとともに、蓄電池やEMS(※2)などを活用した地産地消型で最適化・効率化された電力の安定供給実現をめざします。また、循環型社会の実現にむけて、再生可能エネルギーに加え、さまざまな産業間で廃棄物の再利用などを進め、資源を循環させることで持続可能な社会を実現していきます。加えて、IOWN、5G/IoT、AI・ロボットの活用により、一次産業の効率化・付加価値化を進め、産業振興、地域創生に貢献します。

事業基盤の更なる強靭化については、これまでの通信故障などの反省や教訓を活かし、大規模故障やサイバー攻撃などの発生を踏まえた強靭なネットワーク/システムを実現し、社会インフラを強化するとともに、激甚化する自然災害などへの対策を強化します。
加えて、災害対策の更なる強化と世界標準のサイバーセキュリティ対策を進め、安心・安全なサービス提供に取り組みます。

  • ※1 Data Centric Infrastructure
  • ※2 Energy Management System(エネルギーマネジメントシステム)
お客さま体験(CX)の高度化

研究開発推進機能とマーケティング機能、アライアンス機能を融合した研究開発マーケティング本部を2023年6月に新設しました。プロダクトアウト型の研究開発の強化に加え、グローバルでお客さまやパートナーとコラボレートしながら、研究開発からプロダクト提供まで行っていきます。また、さまざまなパートナーとのアライアンスを推進し、あらゆるステークホルダーをお客さま・パートナーとして捉え、お客さま体験ファーストを推進していきます。
カスタマージャーニーに寄り添いながら、アジャイルでサービスを常に改善・アップデートしていくことで、お客さまの期待を超える新たな体験や感動を提供し、選ばれ続けるNTTグループをめざします。

従業員体験(EX)の高度化

世の中に価値あるものを生み出しサステナブルな社会を作る原動力として、NTTグループは従業員体験(EX)を重視し、人が価値を生む好循環を実現していきます。そのために社員の自律的なキャリア形成を支援し、新たな価値創造を通じて事業の成長を支える人的投資を拡大します。専門性を軸とした人事制度に基づき、18分野の専門性を高めるための社外資格取得支援や研修メニューの充実、社員のキャリアデザインのアドバイスを行うキャリアコンサルティング機能の充実などを図るとともに、出産、育児、介護などのライフイベントのサポートも含めたトータルなキャリア形成を支援していきます。また、「オープンで革新的な企業文化へ」のトライ&エラー、失敗を恐れず挑戦する文化の浸透を図っていきます。

(3) NTTグループとしての重要情報漏えいの防止策について

NTTビジネスソリューションズ株式会社に派遣された元派遣社員が、お客さま情報を不正に持ち出し、第三者に流出させていたことについて、NTT西日本グループでは、このような事案を発生させてしまったことを重く受け止め、外部専門家も交えて、各種の調査、原因分析、再発防止策の立案・実行に取り組んでまいりました。なお、この過程で明らかになった不備への暫定的な対処措置は既に完了しております。
当社も、持株会社としてグループ会社間の課題・対策・経験の共有、人材の育成・配置、IT共通化の加速、グループセキュリティポリシーの浸透、技術ソリューションの導入推進、内部監査機能の強化などのグループ横断の取り組みを進めて、グループ全体のセキュリティレベルを継続的に強化・向上させ、お客さまの信頼に応えてまいります。

3.設備投資の状況

NTTグループは、5Gや「フレッツ光コラボ光含む)」、データセンターなどの各種サービス需要への対応を中心に、2兆631億円(前年比10.8%増)の設備投資を行いました。

4.資金調達の状況

NTTグループは、設備投資などのため、社債発行や長期借入金により、1兆854億円の長期資金調達を実施しました。

なお、当社においては、長期借入金の借換資金などとして、NTTファイナンス株式会社からの長期借入金により、4,000億円の長期資金調達を実施しました。

5.主要な借入先および借入額

6.重要な子会社の状況

(注)
  • 1. 出資比率は各社の保有する自己株式を控除して計算しています。また、括弧内は当社の子会社による間接保有も含めた出資比率です。
  • 2. 当事業年度において、㈱NTTデータグループは持株会社体制への移行に伴い、㈱エヌ・ティ・ティ・データから商号を変更しました。
  • 3. 当事業年度において、グローバル事業の再編に伴い、NTT Ltd.は重要な子会社から除外しています。
  • 4. 当事業年度において、オリックス・クレジット㈱、㈱グリーンパワーインベストメントを新たに重要な子会社として記載しています。
  • 5. 当事業年度末日における特定完全子会社の状況は、次のとおりです。

株式に関する事項

1.発行可能株式総数

154,823,022,500株

2.発行済株式の総数

90,550,316,400株

3.当事業年度末の株主数

1,862,170名

4.大株主

(注)
  • 1. 持株数は、千株未満を切り捨てて表示しています。
  • 2. 当社は自己株式6,445,465,847株を保有していますが、上記大株主からは除外しています。
  • 3. 持株比率は自己株式を控除して計算しています。なお、自己株式には役員報酬BIP信託が保有する当社株式23,303,000株は含めておりません。

コーポレート・ガバナンスに関する事項

1.基本方針

当社は、株主や投資家の皆さまをはじめ、お客さまやお取引先、従業員などさまざまなステークホルダーの期待に応えつつ、企業価値の最大化を図るためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するよう東京証券取引所の定める「コーポレートガバナンス・コード」の各原則の趣旨を踏まえ、体制強化していくことが重要であると考えており、経営の健全性の確保、適正な意思決定と事業遂行の実現、アカウンタビリティ(説明責任)の明確化、コンプライアンスの徹底を基本方針として取り組んでおります。

コーポレート・ガバナンス体制

2024年3月31日時点

2.コーポレート・ガバナンス体制の概要

当社は、独立社外監査役を含めた監査役による監査体制が経営監視機能として有効であると判断し、監査役会設置会社形態を採用しております。

また、当社は、独立社外取締役を選任することにより、業務執行を適切に監督する機能を強化しております。

3.取締役会

取締役会は、独立社外取締役5名を含む取締役10名で構成され、社外取締役比率は50%となっております。また、執行役員制度を導入し、経営に関する決定・監督の機能と業務執行の機能を明確に分離することで、執行に対する監視機能と経営の機動力を担保しております。取締役会は、原則として毎月1回の定例取締役会を開催し、必要のある都度臨時取締役会を開催することで、グループ経営戦略に関する議論に加え、法令で定められた事項、および会社経営・グループ経営に関する重要事項を決定するとともに、取締役および執行役員から定期的に職務執行状況の報告を受けることなどにより、取締役および執行役員の職務執行を監督しております。
独立社外取締役については、それぞれ豊富な経験を有し、人格、見識ともに優れていることから、業務執行の監督機能強化への貢献および幅広い経営的視点からの助言を期待するものです。
なお、当社は、取締役会による役員等の指名・報酬の決定等における独立性、客観性および説明責任の更なる強化を目的に、取締役会の事前審議等機関として5名の取締役で構成(過半数である3名が独立社外取締役)される指名委員会、報酬委員会を任意に設置し、ガバナンスの有効性を高めております。
加えて、サステナビリティを巡る課題への対応が重要な経営課題であるとの認識のもと、サステナビリティ委員会を取締役会直下の機関として任意に設置し、重要な課題・指標の決定については、取締役会で決議することで、その取り組みの更なる推進を図っております。

取締役会の実効性評価

純粋持株会社である当社の取締役会は、グループ全体の中長期的な事業戦略に基づいたグループ各社の具体的な事業運営について、モニタリングする役割を担っています。

当社の取締役会は、執行役員などで構成する執行役員会議や、社長・副社長を委員長とし、関係する執行役員などが参加する各種の委員会の審議を経て、グループ経営に係る重要事項などを決定するとともに、各取締役および各執行役員の職務執行の状況をモニタリングしています。

取締役会においては、各取締役の所掌に基づき、現状のグループ経営などにおける課題とその解決に向けた取り組みや、出資や提携などの事業拡大に向けた取り組みについて報告・審議されております。当事業年度は、新中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」をはじめ、NTTグループがめざすべき事業の方向性と今後の重点的な取り組み等を中心に、活発な議論がなされました。また、独立社外取締役に対して、取締役会付議案件の事前説明に加え、代表取締役から当面の課題や検討状況を説明し、執行の注力内容と取り組み趣旨の明確化に努めることで、取締役会の監督機能が充分に発揮できるような環境を整えております。

さらには、独立社外取締役に当社の事業をより深く理解してもらえるように、独立社外取締役と代表取締役で当社の経営戦略について意見交換を実施するとともに、当社が力を入れている研究開発に関する展示会における、最先端の研究成果などの説明や、最新ICT技術を用いた講演の紹介なども実施しました。他にも、独立社外取締役と当社監査役との間で、NTTグループの経営課題について意見交換を行いました。

これらの意見交換会において、独立社外取締役および監査役から、当社の取締役会などに関し、十分な情報提供と活発な議論が行われており、実効性が確保できていると評価されています。

また、取締役会の継続的な実効性向上を通じた経営ガバナンスの強化を目的に、毎年1回、取締役会の実効性評価を実施しています。当事業年度においても第三者機関を起用し、全取締役・監査役を対象とした取締役会に関するアンケート調査を行い、取締役会としての実効性評価を実施しました。

取締役会の役割と責務、構成、運営、満足度といった観点での質問を行い、第三者機関にて取りまとめた結果、すべての設問において肯定的意見が多数を占めており、取締役会に期待される重要な役割・責務が十分に果たされていることを確認しました。

また、戦略的議論の活性化に向けて実施した意見交換会の開催や、NTTグループがめざすべき事業の方向性と今後の重点的な取り組みなど重要課題の議論の充実などにより、すべての役員から肯定的な意見を得ており、当社としては、取締役会の実効性は確保されていると評価しております。

4.監査役会

監査役会は、社内監査役2名と独立社外監査役3名(各1名ずつ女性2名を含む)の合計5名で構成されております。当事業年度は、期中に発表した新中期経営戦略のもと、引き続き経営が大きく変化するなか、監査計画に則り、法令に基づく監査に加え、新中期経営戦略の進捗状況や、子会社を含むコーポレート・ガバナンスの向上に向けた取り組み、コンプライアンスの徹底状況、通信ネットワークなどの事業基盤の更なる強靭化、サステナビリティを巡る課題への対応などに対し重点的に監査を実施しました。さらに、期中に生じた事象や変化に対応した監査の遂行や、執行側による投資家との対話を踏まえた実効的な監査に努めました。

独立社外監査役を含む監査役は、当事業年度に監査役会を25回開催し、取締役会などの重要な会議に出席したほか、代表取締役および独立社外取締役との意見交換や組織長などへのヒアリングを42回実施して経営課題について議論するとともに取締役などの職務執行を監査しました。また、会計監査人と監査状況の確認や監査上の主要な検討事項について協議したほか、内部監査部門から監査計画の説明や内部統制システムの状況などについて報告を受けるなど、緊密に連携しました。グループ各社に対しては、代表取締役や経営幹部との意見交換ならびに執行部への往査などを82回行い、取締役などの職務執行の実情を把握するとともに、必要に応じ提言を行いました。さらに、グループ会社監査役などとの間で重要なリスクに関する認識の統一を図り、各社監査役などを通じた監査を実施しました。このような活動を通じ、業務執行者とは異なる独立した立場から当社およびグループ各社に対し、健全かつ持続的な成長と発展を促すとともに、コーポレート・ガバナンスの体制強化やコンプライアンス意識の向上に寄与しました。

また、監査活動を振り返り、次年度の監査計画への反映、および監査品質の向上などを目的に、2018年度以降継続して監査役会の実効性を評価しています。当事業年度の実効性評価に際しては、全監査役に対するアンケートおよびインタビューに加え、新たにグループ会社監査役などに対するインタビューを実施しました。なお、匿名性を確保するとともに客観的な視点を導入するため、アンケートやインタビューの実施、集計結果の分析にあたり、第三者機関を活用しました。主な評価項目は、監査計画、経営幹部への提言・業務執行監査、グループ監査体制、不正対応、三様監査(監査役による監査、会計監査人による監査、内部監査部門による内部監査)連携、監査役会の運営などです。評価に際しては経年変化の状況に加え、重点的な監査項目などに対する監査状況を勘案し、監査役会で議論・検証した結果、監査役会の実効性は確保されていると評価しました。

毎事業年度、社内外の環境変化やグループの事業運営状況などを考慮し監査計画を策定しておりますが、必要に応じ期中に生じた事象や変化に対応した監査を実施することにより、取締役および執行役員の取り組み状況を一層注視し、積極的に提言を行ってまいります。また、引き続き、社外取締役や内部監査部門、グループ会社監査役などとの連携を強化することにより、今後もグループ監査体制の高度化、および当社監査役会の実効性の向上に努めてまいります。

なお、NTTグループ会社において元派遣社員がお客様情報を不正に持ち出し第三者に流出させた事案に関しては、調査などで明らかになった不備への暫定的な対処の完了について報告を確認しております。監査役会は、引き続きグループ横断の取り組みの進捗などを確認し、グループ全体のセキュリティレベルの継続的な強化・向上を注視してまいります。

5.指名委員会、報酬委員会

取締役会による役員等の指名・報酬の決定等における独立性、客観性および説明責任の更なる強化を目的に、取締役会の事前審議等機関として5名の取締役で構成(過半数である3名が独立社外取締役)される指名委員会、報酬委員会を任意に設置し、ガバナンスの有効性を高めております。当事業年度末時点において、両委員会を構成する委員は、島田明(代表取締役社長)、廣井孝史(代表取締役副社長)、坂村健(社外取締役)、内永ゆか子(社外取締役)および渡邉光一郎(社外取締役)とし、議事運営を統括する委員長は島田明(代表取締役社長)としております。両委員会の決議にあたっては、構成メンバーである委員の過半数が出席し、出席委員の過半数をもって行うこととしております。

2023年度は、指名委員会を6回、報酬委員会を1回開催し、役員等の選任、後継者計画、役員報酬体系の在り方などについて活発な議論を実施しております。

6.役員の選任

当社の取締役会の構成は、NTTグループ人事方針における経営陣の選任の方針に基づき、NTTグループの課題解決に資するスキルを有する人材をグループ内外から幅広く選任していきます。社外役員については、幅広い経営視点・専門家としての意見を期待するとともに、社内外の取締役については、ダイバーシティの推進も踏まえて選任することとしております。

NTTグループ人事方針
【基本的な考え方】

NTTグループは、新たな価値の創造を通じてグローバルサステナブル社会を支える存在となることをめざし、社会的課題の解決と安心・安全で豊かな社会の実現に寄与していきます。その価値観を共有できる人材をNTTグループ全体のトップマネジメント層にグループ内外から幅広く選任していくこととします。

【取締役候補の選任方針】

取締役候補は、NTTグループ全体の企業価値の向上のために、グループトータルの発展に寄与する幅広い視野と経験を有し、マネジメント能力とリーダーシップに優れ、経営センスと意欲のある人材を選任します。取締役会は、事業内容に応じた規模とし、専門分野などのバランスおよび多様性を考慮した構成とします。
なお、業務執行の監督機能を強化する観点から、一般株主と利益相反を生じるおそれのない人材を独立社外取締役とし、原則、複数名選任します。

【監査役候補の選任方針】

監査役候補は、専門的な経験、見識などからの視点に基づく監査が期待できる人材を選任することとします。
なお、取締役の業務執行を公正に監査する観点から、一般株主と利益相反を生じるおそれのない人材を社外監査役とし、会社法に則り監査役の半数以上を選任します。

取締役候補の選任にあたっては、独立社外取締役3名を含む5名の取締役で構成される指名委員会の審議を経て取締役会で決議し、株主総会に付議することとしています。また、監査役候補の選任にあたっては、監査役候補の選任方針に基づき取締役が提案する監査役候補について、社外監査役が半数以上を占める監査役会における審議・同意を経て取締役会で決議し、株主総会に付議することとしています。

後継者計画

最高経営責任者等の後継者候補については、技術革新、市場動向、経営環境の変化のスピードに対応できる後継者候補の確保が重要と捉え、幅広い職務経験、重要ポストへの配置などを通じ、候補者の多様性を担保し、人格、見識ともに優れ時世に合った人材を登用していけるよう育成を行っております。選任にあたっては、取締役会の事前審議等機関として独立社外取締役3名を含む5名の取締役で構成される指名委員会の審議を経て、取締役会で決定しております。

なお、将来の経営幹部候補については、年齢・性別・専門分野を問わずさまざまな人材を選抜し、経営幹部候補育成プログラムである”NTT University”における育成を通じて、変革をリードしていく意欲あふれる多様な人材を対象としてまいります。

社外役員の独立性

当社は、職務執行の監督機能を強化する観点、あるいは取締役の職務執行を適切に監査する観点から、一般株主と利益相反を生じるおそれのない人材を、社外取締役ないし社外監査役とする方針としております。さらに、東京証券取引所の定める独立性基準に加え、以下の要件を満たす社外取締役ないし社外監査役を、独立役員(独立社外取締役ないし独立社外監査役)に指定しております。

独立性判断基準

直近の3事業年度において以下に該当する者ではないこと。

  • (1) 当社の基準を超える取引先※1の業務執行者
  • (2) 当社の基準を超える借入先※2の業務執行者
  • (3) 当社および主要子会社※3から、直近の3事業年度のいずれかの事業年度において、役員報酬以外に年間1,000万円以上の金銭その他の財産上の利益を直接得ているコンサルタント、会計専門家、法律専門家などの専門的サービスを提供する個人
  • (4) 当社の基準を超える寄付を受けた団体※4の業務執行者
    なお、以上の(1)から(4)のいずれかに該当する場合であっても、当該人物が実質的に独立性を有すると判断した場合には、独立役員の指定時にその理由を説明、開示します。
  • ※1 当社の基準を超える取引先とは、直近の3事業年度のいずれかの事業年度における当社および主要子会社※3の取引合計額が、当該事業年度における当社および主要子会社の年間営業収益合計額の2%以上の取引先をいう。
  • ※2 当社の基準を超える借入先とは、直近の3事業年度のいずれかの事業年度における連結ベースでの借入額が、当該事業年度における当社の連結総資産の2%以上の借入先とする。
  • ※3 主要子会社とは、NTTドコモ、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTデータグループをいう。
  • ※4 当社の基準を超える寄付を受けた団体とは、直近の3事業年度のいずれかの事業年度における当社および主要子会社※3からの寄付の合計額が、年間1,000万円または当該事業年度における当該組織の年間総収入の2%のいずれか大きい額を超える団体をいう。

7.取締役・監査役に対する研修

NTTグループ会社役員に対しては、グローバルにわたる経済・社会問題、コンプライアンス、リスクマネジメントなど、さまざまな研修の機会を設けるとともに、新たな職務経験などを積ませることで、激変する経営環境に対応できるトップマネジメントに相応しい候補者の育成に努めています。また、独立社外役員に対しては、グループ会社の事業動向や当社研究所などにおける最新の研究開発成果への理解を深める機会を設けるなど、NTTグループ事業への理解をさらに深める取り組みも行っています。

8.政策保有株式

当社は、安定株主の形成を目的とした株式の保有をしておらず、また、今後も保有いたしません。

一方で、当社は、中長期的な企業価値の向上に向け、さまざまな業界のパートナーとのコラボレーションやオープンイノベーションの推進を事業の方針としております。こうした方針を踏まえ、当社は、投資戦略委員会などにおいて、当社の中長期的な業績への寄与、業務連携の進捗状況、業務連携に係る今後の検討課題、保有先の業績推移および今後の経営戦略など、総合的に勘案し、個別銘柄の保有適否に関して検証し、株式の保有・売却を行うこととしております。また、NTTグループ各社が保有する政策保有株式についても、個別銘柄の保有適否に関する検証などを毎年実施し、売却などに取り組んでおります。

政策保有株式に関する議決権行使については、投資先企業の持続的な成長と、当社および投資先企業の企業価値向上の観点から、中長期的な企業価値向上に向けた取り組み内容を検証のうえ、株主として適切に議決権を行使します。

9.資本政策

配当については継続的な増配の実施を基本的な考えとし、自己株式の取得についても機動的に実施することで、資本効率の向上を図ります。

10.業務の適正を確保するための体制などの整備についての決議の内容

当社は、NTTグループにおける内部統制システムの整備に関する基本方針を取締役会にて決議し、2024年4月1日付で改定しました。決議の内容は、以下のとおりです。

(2023年度の基本方針および運用状況の概要については、第39回定時株主総会 その他の電子提供措置事項(交付書面省略事項)に掲載しております。)

-内部統制システムの整備に関する基本方針-

NTTグループは、社会や産業を支えるパートナーとして、世界の人々の安心・安全を支えるサービスを提供するだけでなく、自ら変革を続けることで、人々の生活をより便利に、より豊かにするための新たな価値創造やグローバルサステナブル社会の実現に挑戦し続けます。

これらの挑戦にあたっては、国内外を問わず、法令、社会的規範及び社内規則を遵守することはもとより、高い倫理観を持って誠実かつ効率的に事業運営をすることが不可欠です。

上記を実現するため、内部統制システムの整備に関する基本方針を制定します。社長は、業務執行の最高責任者として、本基本方針に従い内部統制システムの整備及び運用について責任をもって実施します。

1. 取締役等及び社員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制

当社は、法令を遵守することはもとより、高い倫理観を持って事業を運営していくため、以下の取り組みを行う。

  • (1) 企業倫理・コンプライアンス
    • ①NTTグループ企業倫理規範を策定し、NTTグループ全ての取締役等及び社員を対象に、企業倫理に関する基本方針と具体的な行動指針を示す。
    • ②企業倫理の責任体制を明確化し、企業倫理の確立、コンプライアンス意識の醸成、綱紀の保持、申告に関する調査検討等を行うため、副社長を委員長とする企業倫理委員会を設置する。また、職場におけるハラスメントを防止するため、ハラスメント防止規程を制定し、講ずべき措置等について定める。
    • ③取締役等や社員に対し、企業倫理・コンプライアンスに関する継続的な啓発を行うため、企業倫理研修等を実施する。また、施策の実効性を測るため、意識調査等を行う。
    • ④社員就業規則等において、事業を適正かつ効率的に運営するため、誠実に法令、規程及び通達を遵守し、全力をあげてその職務の遂行に専念すべき義務を定める。
    • ⑤懲戒規程等を策定し、法令違反や規程違反が認められた場合は、これらに基づき対処する。
  • (2) 内部通報
    より風通しの良い企業風土の醸成に努め、グループ各社内の企業倫理ヘルプライン受付窓口及び弁護士を活用したグループ横断的な社外の企業倫理ヘルプライン受付窓口を設置し、匿名・記名を問わず申告を受け付ける。また、監査役への独立通報ルートも設置する。なお、企業倫理ヘルプライン受付窓口及び監査役に申告したことを理由として、申告者に対して不利益となる取り扱いは行わない。
  • (3) 内部監査
    • ①内部監査活動を効率的・効果的に推進するため、内部監査の実施に関する基本的事項を定めた内部監査規程を策定し、監査対象組織等から独立した社長直轄の組織として内部監査部門を設置する。内部監査部門はNTTグループの価値を高め、経営目標の達成に資することを使命とし、内部監査規程に基づき、独立・客観的な立場で、ガバナンス、リスクマネジメント及び内部統制の各プロセスの妥当性・有効性の評価、並びに提言を行う。
    • ②内部監査部門は、内部監査計画を取締役会及び監査役に報告するとともに、内部監査の結果を定期的に取締役会及び監査役に報告する。
  • (4) 情報開示
    • ①金融商品取引法その他法令に基づく報告の信頼性の確保について、適切な取り組みを実施する。
    • ②NTTグループに係る情報の適時、公正かつ公平な開示を図り、投資家等の適正な投資判断に資することを目的として、当社が保有する重要な経営情報の開示統制手続きを規定したディスクロージャー規程を策定する。また、投資家等への情報開示及びIR活動に関する基本方針としてディスクロージャーポリシーを策定・公表する。
    • ③当社は、国内外の関係法令および証券取引所規則等に則り、情報開示を行うとともに、NTTグループへの理解を促進するために有用と当社が考える情報については、積極的に開示するよう努める。
  • (5) サステナビリティ
    サステナビリティ委員会を設置し、NTTグループのサステナビリティに関する活動方針やその進捗状況を管理する。

2. リスクマネジメントに関する規程その他の体制

当社は、リスクについて適切にマネジメントするため、以下の取り組みを行う。

  • (1) リスクマネジメントの基本的事項を定め適正かつ効率的な業務運営を行うため、リスクマネジメント規程を策定する。
  • (2) リスクマネジメントを全社横断的かつ有効に機能させ、全社レベルで強化するため、副社長を委員長とするビジネスリスクマネジメント推進委員会を設置する。また、ビジネスリスクマネジメント推進委員会は、リスクマネジメント全般を統括し、全社リスクの特定及び管理方針を決定する。

3. 取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

当社は、取締役等の適切な責任分担と監督体制により効率的な事業運営を行うため、以下の取り組みを行う。

  • (1) 取締役会規則を定め、原則月1回開催される取締役会において、経営に関する重要事項について、関係法規、経営判断の原則及び善良なる管理者の注意義務等に基づき決定を行うとともに、取締役等は、定期的に職務の執行状況等について報告する。
  • (2) 職務執行の公正性を監督する機能を強化するため、取締役会に独立した立場の社外取締役を含める。
  • (3) 執行役員制度を導入し、取締役会が担う経営に関する決定・監督の機能と執行役員が担う業務執行の機能を明確に分離する体制を整え、経営の機動力の向上を図る。
  • (4) 取締役会から委譲された事業執行の円滑な遂行を図るため、執行役員会議や、執行役員会議の下に重要な業務執行に関する委員会を設置する。
  • (5) 組織の構成と各組織の所掌業務を定める組織規程及び権限の分掌を定める責任規程を策定する。

4. 取締役等の職務の執行に関する情報の保存及び管理に関する体制

当社は、取締役等の職務の執行に関する情報の管理を行い、適正かつ効率的な事業運営に資するため、以下の取り組みを行う。

  • (1) 文書(関連資料及び電磁媒体に記録されたものを含む。以下同じ。)その他の情報の管理について必要事項を定めるため、文書規程を策定する。なお、文書は、法令に定めるもののほか、業務に必要な期間保存する。
  • (2) 事業において取扱う情報の取得、管理等に関する全ての基本事項を定めるため、情報セキュリティマネジメント規程を策定し、リスクの把握・予防とリスク顕在化時の被害の最小化に向け、情報セキュリティ対策を実施する。

5. NTTグループにおける業務の適正を確保するための体制

当社は、当社及びNTTグループ会社が、関係法令を遵守し、相互に自主・自律性を十分に尊重しつつ、適正かつ効率的な事業運営を行い、グループとしての成長・発展に資するため、以下の取り組みを行う。

  • (1) 当社は、NTTグループを統括・調整し、効率的かつ効果的なグループ経営を推進するため、NTTグループの事業運営において必要な事項の各社からの報告に関する体制を整備する。
  • (2) 当社は、NTTグループにおける不祥事等の防止のための社員教育や研修等を実施する。
  • (3) 当社は、リスクの発生を予防し、事前準備するとともに、リスクが発生した場合に的確かつ迅速な対応を可能とするよう、ビジネスリスクマネジメントマニュアルを策定し、NTTグループが一体となってリスクマネジメントを行う。
  • (4) 当社は、NTTグループ情報セキュリティ規程を策定し、NTTグループが遵守すべき情報セキュリティに関する基本的な指針や対策の方向性及び具体的な対策を示す。
  • (5) 当社は、NTTグループ会社等の経営状況等を勘案し、リスクに応じた内部監査を実施する。

6. 監査役の職務を補助すべき社員に関する事項及びその社員の取締役等からの独立性に関する事項

当社は、監査役の監査が実効的に行われることを確保するため、監査役の職務を補助すべき社員について以下の取り組みを行う。

  • (1) 監査役の職務を補助すべき専任の社員を配置するため、会社法上の重要な組織として監査役室を設置する。
  • (2) 監査役室に所属する社員は、監査役の指揮命令に基づき業務を実施する。
  • (3) 監査役室に所属する社員の人事異動、評価等について、監査役会の意見を尊重し対処する。

7. 取締役等及び社員が監査役に報告をするための体制及びその他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制

当社は、監査役の監査が実効的に行われることを確保するため、取締役等及び社員が職務執行に関する重要な事項について監査役に報告するなど、以下の取り組みを行う。

  • (1) 取締役等から職務執行等の状況について以下の項目について報告する。
    • ①執行役員会議で決議された事項
    • ②会社に著しい損害を及ぼした事項および及ぼすおそれのある事項
    • ③月次決算報告
    • ④内部監査の状況
    • ⑤法令・定款等に違反するおそれのある事項
    • ⑥ヘルプラインへの通報状況
    • ⑦グループ会社から報告を受けた重要な事項
    • ⑧上記以外のコンプライアンス上重要な事項。
  • (2) 取締役等、会計監査人、内部監査部門等は、それぞれ定期的又は随時に監査役と意見交換を実施する。
  • (3) 監査役は取締役会のほか、重要な会議に出席することができる。
  • (4) 監査役は、独自に外部の専門家と契約し監査業務に関する助言を受けることができる。
  • (5) 監査役は、職務の執行に必要な費用について請求することができ、当社は当該請求に基づき支払いを行う。
  • (6) 監査役に報告した者は、報告したことを理由として不利益となる取り扱いを受けない。

注:本基本方針において、「取締役等」とは、取締役、執行役員及び研究開発担当役員のことをいう。

会社役員に関する事項

1. 取締役および監査役の状況

2.役員等賠償責任保険

当社は会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しており、これにより、被保険者が会社役員などの地位に基づいて行った行為(不作為を含む)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や争訟費用などを補償することとしています。ただし、被保険者自身が贈収賄などの犯罪行為や意図的に違法行為を行ったことに起因して被保険者が被る損害などについては補償対象外とすることにより、役員などの職務の執行の適正性が損なわれないように措置を講じています。

当該保険契約の被保険者は、当社および当社子会社であるNTT東日本、NTT西日本、NTTドコモ(一部、NTTドコモの子会社含む)、NTTコミュニケーションズ、NTTコムウェア(一部、NTTコムウェアの子会社含む)、NTTアーバンソリューションズ、エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社、NTTアノードエナジー、株式会社NTTファシリティーズの取締役、監査役、執行役員です。

3.取締役および監査役の報酬等に関する方針ならびにその総額

2021年5月12日開催の取締役会において、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針(以下「決定方針」という。)を決議しております(2021年11月10日開催の取締役会において、一部改訂を決議)。決定方針の概要は以下のとおりです。

当社の取締役の報酬の決定方針および構成・水準については、客観性・透明性を確保するために、独立社外取締役3名を含む5名の取締役で構成される報酬委員会を設置し、同委員会の審議を経て取締役会にて決定することとします。また、報酬の割合、算定方法および個人別の報酬の額については、取締役会から同委員会に委任し、決定することとしております。これらの権限を報酬委員会に委任している理由は、当該委員会が代表取締役2名と社外取締役3名で構成されており、当社全体の業績を俯瞰しつつ、社外の目線も取り入れて適切な判断が可能であると考えているためです。

取締役(社外取締役を除く)の個人別の報酬については、月額報酬(基本報酬)と賞与(短期の業績連動報酬)、ならびに役員持株会を通じた自社株式取得および業績連動型株式報酬(中長期の業績連動報酬)から構成することとしております。

月額報酬は、月例の固定報酬とし、役位ごとの役割の大きさや責任範囲に基づき、支給することとし、賞与は、当事業年度の業績を勘案し毎年6月に支給することとしております。賞与の業績指標については、当社の中期経営戦略で掲げた財務目標を選定しており、その理由は、取締役の報酬と当社の企業価値との連動性をより明確にし、中期経営戦略における財務目標達成に向けた意欲を高めるためであります。また、賞与の算定方法は、各財務目標の対前年改善度または計画達成度を各指標ごとに予め定めた方法により支給率に換算した上で、各指標のウェイトに基づき加重平均し、これに役位別の賞与基準額を乗じることにより算定しております。(次頁の「賞与の業績指標」をご参照ください)

さらに、中長期の業績を反映させる観点から、毎月支給する株式取得目的報酬により、役員持株会を通じて自社株式を購入することとし、購入した株式は在任期間中、そのすべてを保有することとしております。

業績連動型株式報酬は、当社が設定した信託を用いて、毎年6月に役位に応じたポイントを付与し、中期経営戦略の終了年度の翌年度6月に、業績指標の達成度に応じて業績連動係数を決定し、これに累積ポイント数を乗じて付与する株式数を算定することとしております。また、株式の付与は退任時に行うこととしております。

なお、新中期経営戦略発表に伴い、2024年度から信託期間の延長、および業績指標の変更(EPSから新中期経営戦略の財務目標指標であるEBITDAへ変更)を行っています。

報酬構成割合は、標準的な業績の場合、おおよそ「固定報酬:短期の業績連動報酬:中長期の業績連動報酬=50%:30%:20%」とします。

社外取締役の報酬については、高い独立性の確保の観点から、業績との連動は行わず、月例の固定報酬のみを支給することとしております。

取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針の概要は以上のとおりですが、取締役の個人別の報酬等の内容の決定にあたっては、報酬委員会による決定方針との整合性を含めた多角的な検討が行われているため、取締役会もその判断を尊重し、当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うものであると判断しております。

監査役の報酬については、監査役の協議にて決定しており、社外取締役と同様の観点から、月額報酬のみを支給することとしております。

また、取締役会からの委任を受けて当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容を決定した報酬委員会は、島田明(代表取締役社長)、廣井孝史(代表取締役副社長)、坂村健(社外取締役)、内永ゆか子(社外取締役)、渡邉光一郎(社外取締役)を構成メンバーとしております。

賞与の業績指標

中期経営戦略で掲げた財務目標などを業績指標として設定し、対前年改善度または計画達成度で評価しております。

(注)
  • 1. 当社は、2023年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき25株の割合をもって株式分割を行っています。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、EPSを算定しております。
  • 2. 従業員エンゲージメント率の集計範囲は、国内グループ約100社(今後、海外グループ会社含め拡大予定)です。
  • 3. 海外営業利益率の集計範囲は、NTTデータグループ連結です。また、買収に伴う無形資産の償却費など、一時的なコストを除いて算定しています。
  • 4. 既存分野は、NTTドコモのコンシューマ通信事業、NTT東日本、NTT西日本です。
  • 5. 温室効果ガス排出量の数値は速報値です。また、対象はGHGプロトコル:Scope1&2です。
  • 6. 女性の新任管理者登用率の集計範囲は、国内主要5社(当社、NTTドコモ*、NTT東日本、NTT西日本、NTTデータグループ*)です。
*NTTドコモにはNTTコミュニケーションズの数値が含まれます。また、NTTデータグループには株式会社NTTデータおよび株式会社NTT DATA,Inc.の数値が含まれます。
  • 7. B2B2X収益額の集計範囲は、総合ICT事業セグメント、地域通信事業セグメント、グローバル・ソリューション事業セグメントです。

2024年度の賞与の業績指標として、お客さま体験(CX)をより強化する観点から、B2B2X収益額を顧客エンゲージメント(NPI、NPS)に見直す予定です。

(注)
  • 1. 海外営業利益率の集計範囲は、NTTデータグループ連結です。また、買収に伴う無形資産の償却費など、一時的なコストを除いて算定しています。
  • 2. 既存分野は、NTTドコモのコンシューマ通信事業、NTT東日本、NTT西日本です。
  • 3. 温室効果ガス排出量の対象は、GHGプロトコル:Scope1&2です。
  • 4. 女性の新任管理者登用率の集計範囲は、国内主要5社(当社、NTTドコモ*、NTT東日本、NTT西日本、NTTデータグループ*)です。
*NTTドコモにはNTTコミュニケーションズの数値が含まれます。また、NTTデータグループには株式会社NTTデータおよび株式会社NTT DATA,Inc.の数値が含まれます。
  • 5. 従業員エンゲージメント率の集計範囲は、国内グループ約100社(今後、海外グループ会社含め拡大予定)です。
  • 6. 顧客エンゲージメント NPI(Next Purchase Intention)は継続利用意向、NPS®(Net Promoter Score®)*は他者への推奨度を測る指標です。顧客エンゲージメントの対象は、NTT東日本、NTT西日本ならびにNTTドコモ**の注力領域である中堅中小法人向けサービス、コンシューマ向けサービスです。(将来的には大規模法人向けサービスについての拡大を予定しています)。
*Net Promoter ScoreおよびNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc.)の登録商標です。
**NTTドコモにはNTTコミュニケーションズの数値が含まれます。
当事業年度に係る報酬等の総額等
(注)
  • 1. 上記には、2023年6月22日開催の第38回定時株主総会終結の時をもって退任した監査役1名を含んでおります。
  • 2. 取締役の報酬額については、2021年6月24日開催の第36回定時株主総会において、①金銭報酬の額:年額6億円以内、②役員持株会を通じた当社株式の取得の資金として取締役に支給する額など:年額5千万円以内かつ年間当たり600,000株*以内、③業績連動型株式報酬制度に拠出する金員など:年額1億円以内かつ年間当たり1,175,000株*以内の3種類の構成とする旨、決議いただいております。なお、当該株主総会終結時において取締役8名であります。
*2023年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき25株の割合をもって株式分割を行っており、当該株式分割調整後の株式数を記載しています。
  • 3. 上記のうち取締役の業績連動型株式報酬の額については、当事業年度中に係るポイント付与分として費用計上した額です。
  • 4. 監査役の報酬額については、2006年6月28日開催の第21回定時株主総会において、年額2億円以内と決議いただいております。なお、当該株主総会終結時において監査役5名であります。
  • 5. 取締役(社外取締役を除く)の報酬構成割合は、標準的な業績の場合、おおよそ「固定:短期:中長期=50%、30%、20%」です。

4.社外役員に関する事項

主な活動状況

連結計算書類