事業報告(2022年4月1日から2023年3月31日まで)

企業集団の現況に関する事項

事業の経過及びその成果

全般の状況

昨年7月2日に発生した通信障害では、当社の通信サービスをご利用の全国のお客さまに、多大なご不便とご迷惑をお掛けしましたことを、深くお詫び申し上げます。社会インフラを支え、安定したサービスを提供しなければならない通信事業者として、本件を重く受け止めております。

再発防止策の徹底を図り、サービスの安定的な運用に向けて全社をあげて取り組んでまいります。

わが国経済は、コロナ禍からの経済活動正常化が進み、景気停滞から緩やかに持ち直す動きがみられます。一方で欧米各国の金融引き締めによる海外景気の下振れに加え、エネルギー・食料価格の高騰により、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社業務区域である沖縄県の経済におきましても、物価上昇などによる景気下押しのリスクはあるものの、インバウンド再開の動きや観光支援策により、個人消費や観光産業は持ち直しており、コロナ禍以前の様相を取り戻しつつあります。

通信業界においては、人々の暮らしやビジネスの中で、デジタル化の流れは加速しており、通信の役割がますます重要になっています。また、競争促進政策の強化や異業種からの新規参入に伴い、通信各社のサービス・料金プランが多様化し、経営環境は大きく変化しております。

このような情勢のもと、当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)における当社のグループ会社を含めた経営成績は、以下のとおりであります。

当期における営業収益については、マルチブランド通信収入は減少したものの、auでんき売上や端末販売収入が増加したことなどにより、前期比3,873百万円増加(5.3%増)の77,299百万円となりました。

営業費用については、3G設備関連費用が減少したものの、auでんき原価や端末販売原価などが増加し、前期比3,163百万円増加(5.4%増)の61,367百万円となりました。

これらの結果、営業利益は前期比709百万円増加(4.7%増)の15,932百万円、経常利益は前期比809百万円増加(5.3%増)の16,130百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比191百万円増加(1.8%増)の10,852百万円となりました。

セグメント別の状況

当社グループは単一のセグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

なお、当社グループにおけるサービス別の実績は、次のとおりであります。

(注)
  • 純増数、総契約数及び端末販売台数は百契約未満を四捨五入しており、増減は端数処理後の数値を記載しております。
  • 純増数、総契約数、端末販売台数については、au、UQ、povo、3ブランドにおけるスマートフォン、フィーチャーフォンの合計(ハンドセット)に数値を変更しております。
    2022年3月期の数値は改定後に組替えて記載しております。
  • ARPU(Average Revenue Per Unit):1契約あたりの月間平均収入。
    マルチブランド通信ARPU :音声ARPU + データARPU + 割引適用額
    マルチブランド付加価値ARPU:自社・協業サービス + 決済手数料 + 広告 + 補償サービス
    マルチブランド総合ARPU、マルチブランド通信ARPU、マルチブランド付加価値ARPUはスマートフォン、フィーチャーフォンの合計(ハンドセット)に変更しております。
    2022年3月期の数値は改定後に組替えて記載しております。

当期におけるモバイルサービスの状況につきましては、マルチブランド戦略の推進や、ネットワーク品質の向上など、お客さま重視のサービスに取り組んだ結果、前期と比較して総契約数が12,700契約増加(2.0%増)の662,200契約となりました。

ARPUについては、マルチブランド総合ARPUは前期比93円減少(1.8%減)の5,109円となりました。このうち、マルチブランド通信ARPUについては、前期比157円減少(3.5%減)の4,283円となりました。マルチブランド付加価値ARPUについては、前期比64円増加(8.4%増)の826円となりました。

    (注)
  • 純増回線数及び累計回線数は、auひかりちゅら、auひかりちゅらビジネス及びひかりゆいまーるの合計を記載しております。
  • 純増回線数及び累計回線数は百回線未満を四捨五入して表示しており、増減は端数処理後の数値を記載しております。

当期におけるFTTHサービスの状況につきましては、純増回線数は前期比900回線減少するも、累計回線数は前期比4,300回線増加(3.7%増)の119,100回線となりました。

(注)
  • 純増件数及び契約件数は、auでんきの契約数を記載しております。
  • 純増件数及び契約件数は百契約未満を四捨五入して表示しており、増減は端数処理後の数値を記載しております。

当期におけるライフデザインサービスの状況につきましては、燃料費調整額の上限を撤廃した影響により解約が増加し、純増件数は前期比43,600契約減少の△17,500契約、契約件数は前期比17,500契約減少(21.8%減)の62,600契約となりました。

(注)
  • 第30期以前については収益認識基準の適用前、第31期より収益認識基準の適用後の実績となっております。
  • 2022年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。1株当たり当期純利益につきましては、第32期に行いました株式の分割が第32期の期首に行われたと仮定して算定しております。

企業集団が対処すべき課題

当社は、創業以来、沖縄県民の皆さまからの支えにより、持続的な成長を実現してまいりました。今後、更なる成長を目指すフェーズに入りましたが、不安定な世界情勢、資源価格の高騰やお客さまニーズの多様化など、事業を取り巻く環境は激しく変化しております。また、人々の暮らしやビジネスの中で、デジタル化の流れは加速しており、通信の役割がますます重要になっています。

このような市場環境の中、今後も持続的な成長を実現するため「中期経営計画2022年度-2024年度」を発表しました。中期経営計画では、事業戦略として「既存事業の深化」と「成長領域の拡大」の通信を核とした両利きの経営を掲げております。「既存事業の深化」では、5Gネットワーク戦略とマルチブランド推進による収益最大化を目指します。「成長領域の拡大」では、エネルギー事業の推進やソリューション事業の推進、そして事業創造による沖縄の社会課題解決によって売上規模を拡大し、サステナビリティ経営を実現してまいります。また、本業を通じてさまざまな社会の課題解決に貢献するため、当社が優先的に取り組むべき課題として6つの重要課題(マテリアリティ)を特定しています。持続可能な社会の成長に貢献し、中長期的な企業価値の向上と、今後も更なる発展と沖縄の経済を牽引する企業となれるよう取り組んでまいります。

企業集団の主要な事業内容(2023年3月31日現在)

当社グループは、当社及び連結子会社2社により構成されており、モバイルサービスや、国内・国際通信サービス、インターネットサービス等を提供する電気通信事業を主な事業内容としております。

事業区分の方法につきましては、「電気通信事業」の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

連結計算書類