事業報告(2025年4月1日から2026年3月31日まで)

企業集団の現況に関する事項

事業の経過およびその成果

当社グループは、中期経営計画の総仕上げの年として、グループの総力を挙げて「KX(Kanden Transformation)」に着実に取り組み、計画に掲げた財務目標についても概ね達成することができました。

当年度の連結収支の状況については、収入面では、販売電力料が減少したことなどから、売上高(営業収益)は4兆566億円となりました。これに営業外収益を加えた経常収益合計は前年度を2,346億円下回り、4兆2,198億円となりました。

支出面では、他社購入電力料や火力燃料費が減少したことなどから、経常費用合計は3兆7,012億円と、前年度に比べて2,214億円の減少となりました。この結果、経常利益は5,185億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は3,800億円となりました。

当年度の期末配当については、株主還元方針のもと、1株当たり45円といたしたいと存じます。

事業別の状況

エネルギー事業

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業績

総販売電力量(小売販売電力量と他社販売電力量の合計)は1,522億kWhと前年度に比べて2.5%減少しました。

ガス販売量(家庭用分野と法人用分野の合計)は139万トンとなり、前年度に比べて16.5%減少しました。

収入面では、販売電力料が減少したことなどから、売上高は3兆2,613億円と、前年度に比べて2,793億円の減収となりました。支出面では、他社購入電力料や火力燃料費が減少したことなどから、経常費用は減少しました。この結果、経常利益は3,773億円と、前年度に比べて339億円の減益となったものの、中期経営計画に掲げる当年度目標の2,750億円を上回りました。

当年度の取組み

<原子力>

原子力プラントについては、7基全てが運転を継続しており、高経年化対策についても、国の認可を受けた長期施設管理計画に基づき、安全性を確保しつつ適切に対応しております。

また、「ゼロカーボンビジョン2050」において掲げている新増設・リプレースの実現を推進していくため、美浜発電所後継機について、事業成立性検討の一環として、昨年11月に自主的な現地調査を開始いたしました。

今後とも、原子力プラントの安全・安定運転および安全性・信頼性のより一層の向上に取り組んでまいります。

<再生可能エネルギー>

水力発電事業については、設備更新によって最大出力を増加させた笠置発電所3号機が運転を開始し、また、奥多々良木発電所3、4号機に加えて奥吉野発電所1、2号機でも長期脱炭素電源オークションを活用した設備更新を進めてまいりました。

洋上風力発電事業については、山形県遊佐町沖において現地での各種調査等を進めているほか、本年1月に長崎県五島市沖の五島洋上ウィンドファームが運転を開始するなど着実に開発を推進しております。

また、さらなる再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、昨年12月に栃木県佐野市におけるバイオマス発電事業へ参画し、東京地下鉄株式会社とコーポレートPPA(電力購入契約)を締結するなどお客さまニーズを踏まえた取組みを進めているほか、昨年5月の大阪府泉南郡岬町における蓄電所事業への参画をはじめとした複数の蓄電所事業への参画に加え、蓄電所向けのワンストップソリューションサービス(カン-denchi)の提供開始やO&M事業における新会社(株式会社K2-BatOM)の設立等に取り組んでおります。加えて、系統用蓄電池をはじめとした分散型リソースの運用については、E-Flow合同会社がAIを活用したシステムを通じ、卸電力取引市場、需給調整市場および容量市場において最適な市場取引を行っております。

海外においては、ポートフォリオの適切な管理を通じて安定的に収益を確保しつつ、ドイツにおけるヴィンダンカー洋上風力発電事業等の推進に加えて、欧州を中心に複数の洋上風力開発プロジェクトを推進するアイルランドのシンプリー・ブルー・エナジー社に対して昨年10月に出資参画するなど、グローバルな事業拡大を着実に進めております。

<火力・水素>

火力発電事業については、最新の高効率コンバインドサイクル機への設備更新に向けた取組みとして、南港発電所において設備更新計画を進めるとともに、姫路第一発電所において事業性評価を行っております。

また、火力発電のゼロカーボン化に向けて、CCSやゼロカーボン燃料の導入に向けた検討に取り組んでおります。

なお、赤穂発電所、御坊発電所2号機および関西国際空港エネルギーセンターは、設備高経年化に加え、事業環境変化を総合的に勘案し廃止いたしました。

水素の利活用については、姫路第二発電所において水素混焼発電実証を実施し、昨年6月には事業用大型ガスタービンとして国内初となる混焼率30%(体積比)を達成いたしました。本実証で発電した電気の一部を大阪・関西万博へ供給し、次世代エネルギーの可能性を広く社会発信してまいりました。

シャインハット

<ソリューションサービスの提供>

ご家庭のお客さまへのサービスについては、従来のオール電化住宅向け等のメニューに加え、省エネ給湯機エコキュート、太陽光発電設備および蓄電池設備それぞれについて、リース料金と一定量までの電気料金がセットになった「はぴeセット」等の各種メニューの提供を推進いたしました。また、当社の電気とガスをセットにした提案活動を推進し、年度末時点での関電ガスの契約件数は約163万件となりました。

法人のお客さまへのサービスについては、脱炭素の計画策定から具体策の実行までをトータルサポートする「ゼロカーボンパッケージ」において、より一層サービス内容の充実を図っております。具体的には、分散型エネルギーリソースの最適制御等を行うエネルギーマネジメントシステム「SenaSon」や省エネ支援を行う「エネルーク」等のサービスをはじめ、太陽光発電・蓄電池オンサイトサービス、コーポレートPPAおよびFIP転提案等にも取り組んでおります。また、これらのサービスと電力販売の一体的な提供を推進し、お客さまのエネルギー利用の高度化・最適化を通じた生産性向上に貢献しております。加えて、海外においても東南アジアを中心に、最適なエネルギーシステムの構築・運用に関するソリューション提案を推進しております。

中核会社の株式会社関電エネルギーソリューションにおいては、お客さまの設備状況に応じた魅力あるメニューの開発により、全国でユーティリティサービスを採用いただいております。首都圏向け活動体制の強化等の事業拡大に努めており、お客さまの空調設備を自動で最適制御する「おまかSave-Air」が省エネ大賞を受賞するなど、エネルギーマネジメント技術が高く評価されております。

送配電事業

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業績

収入面では、需給調整取引に伴う地帯間・他社販売電力料が減少したことなどから、売上高は3,862億円と、前年度に比べて28億円の減収となりました。支出面では、需給調整取引に伴う費用が減少したことなどから、経常費用は減少しました。この結果、経常利益は630億円と、中期経営計画に掲げる当年度目標の100億円を上回り、前年度に比べて72億円の増益となりました。

当年度の取組み

<送配電>

関西電力送配電株式会社においては、高経年化設備の計画的更新やネットワークの次世代化を着実に推進し、電力の安全・安定供給に取り組んでまいりました。

また、託送料金制度のもと、効率化等における業界トップランナーとなるべく、DXの活用等によって、さらなるコスト構造改革の推進とカイゼンを通じた生産性向上に取り組んでいるほか、需給調整市場の課題解決や託送料金制度の改善について、意見提起等を行いました。

託送事業以外では、大阪・関西万博において、通信基地局やWi-Fi、カメラ、街路灯等を搭載した多機能型スマートポールを会場で実証展示するなどの取組みを行いました。また、国際事業では、同社初となる海外事業者への出資として、インドのオーエムシー・パワー・プライベート・リミテッド社へ出資参画するなど、事業領域の拡大を図りました。

点検の様子

情報通信事業

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業績

収入面では、株式会社オプテージにおける法人サービス等の増加による増収があったものの、連結子会社を連結範囲から除外したことなどから、売上高は2,221億円と、前年度に比べて13億円の減収となりました。一方、内部売上高を含めた売上高は3,187億円と、前年度に比べて60億円の増収となりました。支出面では、株式会社オプテージにおいて、人件費、販売手数料等の販売管理費が増加したことなどから、経常費用は増加しました。この結果、経常利益は470億円と、中期経営計画に掲げる当年度目標の450億円を上回り、前年度に比べて1億円の増益となりました。

当年度の取組み

<情報通信>

中核会社の株式会社オプテージにおいては、個人向け事業で、FTTHサービス「eo光」が近畿圏の顧客満足度調査で19年連続第1位を受賞するなど高い評価をいただいており、約170万件のお客さまに選ばれております。

MVNO事業では、「mineo」のサービス強化を進め、約141万件のお客さまに選ばれております。今後、音声フルMVNO事業へ参入し、かけ放題等のサービスの柔軟な設計、海外ローミング等の付加価値提供により、競争力の強化を目指してまいります。

法人向け事業では、本年1月に都市型データセンター「曽根崎データセンター」を開設したほか、首都圏や海外も含めたデータセンター間を相互接続するサービスの提供開始等、データセンターやインフラ整備等の成長分野での取組みを進めております。

<ハイパースケールデータセンター(HSDC)>

米国CyrusOne社と当社で設立した関西電力サイラスワン株式会社においては、HSDC事業の第1号案件について、2027年度中の営業開始を目指し、昨年8月に京都府精華町で建設工事を開始いたしました。

OSK1

生活・ビジネスソリューション事業

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業績

収入面では、関電不動産開発株式会社の賃貸事業において、住宅やビルの賃貸収入が増加したことなどから、売上高は1,868億円と、前年度に比べて32億円の増収となりました。支出面では、関電不動産開発株式会社の住宅分譲事業において、商品原価等の売上原価が減少したことなどから、経常費用は減少しました。この結果、経常利益は390億円と、中期経営計画に掲げる当年度目標の300億円を上回り、前年度に比べて128億円の増益となりました。

当年度の取組み

<不動産>

中核会社の関電不動産開発株式会社においては、住宅分譲事業で、関西圏や首都圏を中心にマンション販売が好調に推移するとともに、本年2月にはオール電化に加えてCO2フリー電気を高圧一括受電方式で供給することで「マンション全体におけるCO2排出量の実質ゼロ」を実現した「シエリアタワー中之島」が竣工いたしました。

賃貸事業では、「多様なつながりでチームビルディングを後押しするオフィス」をコンセプトに、初のコンパクトオフィス「関電不動産茅場町ビル」が昨年10月に竣工いたしました。また、堂島浜や難波等の関西圏での再開発プロジェクトの推進や首都圏での複合施設の再開発に取り組んでおります。

海外事業では、日系企業の幹事会社として参画する米国カリフォルニア州におけるプロジェクトにおいて、学生向け賃貸住宅の新築工事に着工するなど、米国や豪州等で様々な住宅開発や賃貸事業に参画しております。

シエリアタワー中之島

対処すべき課題

昨今、世界では、地政学的な緊張や保護主義の台頭、サプライチェーンの分断等により不確実性が高まるとともに、国内においても、金利や物価の上昇が進行するなど、先行きの不透明さが一段と増しております。一方、DX・AI等の技術革新に伴い、産業構造の変革が進み、電力需要は中長期的に増加していくことが見込まれます。

こうした中、当社グループは、本年4月、2040年の目指す姿や向こう3年間の取組方針を掲げた「関西電力グループ 経営計画2026」を新たに策定いたしました。2040年においても、社会基盤を担う企業グループとして、日本の産業とともに成長し、お客さまや社会のお役に立ち続けてまいりたいと考えております。取り巻く経営環境の変化にも機動的かつ柔軟に対応しながら、「KX」をより深化させた「KX toward 2040」を推進いたします。これからの3年間は、目指す姿の実現に向けた歩みを加速する期間と位置づけております。強靭な社会基盤を提供し続けるため、将来を見据え、規律のある投資を足元から着実に進めながら、多様なステークホルダーのみなさまとともに新たな価値を創り、共感と成長を分かち合ってまいります。

当社グループは、エネルギーの安全・安定供給の確保に万全を期しながら、みなさまのご期待にお応えできるよう、企業価値の向上に全力を尽くしてまいります。
株主のみなさまにおかれましては、引き続き、ご理解とご支援を賜わりますようお願い申しあげます。

関西電力グループ 経営計画2026の概要

(ご参考)
業務改善計画の進捗状況について
  • ・当社は、新電力顧客情報の不適切な取扱い、独占禁止法違反行為を踏まえ、2023年5月、8月に業務改善計画を提出し、「公正な競争の実現に向けたトップコミットメント」のもと、再発防止策に掲げた各取組みについて、計画どおり、確実に実施してまいりました。
  • ・これらの取組みは、電力・ガス取引監視等委員会から、実効的に進めていると評価を受けました。
  • ・また、2025年度までの取組みについては、外部人材が過半数を占める取締役会、監査委員会およびコンプライアンス委員会で、個別の再発防止対策にとどまることなく、組織風土改革や内部統制強化の取組みの浸透・定着が進んでいることを確認いたしました。
  • ・今後も、グループ全体で、ガバナンス強化とコンプライアンスの徹底に取り組んでまいります。

新電力顧客情報の不適切な取扱いによる電気事業法違反の再発防止策

  • 託送情報に係る情報システムの物理的分割等
  • 情報システム開発・運用プロセスにおける対策
  • ソリューション本部において同様の事案を起こさないために速やかに行った措置
    (業務運用・情報システムの総点検、コンプライアンス研修と継続して研修を行う仕組みの整備、従業員の声を拾い上げるための対話活動の強化、業務の適切性を確保するためのチェック体制の強化および委託先への対応)

特別高圧電力および高圧電力の取引に関する独占禁止法違反の再発防止策

  • 社内規程等の整備(独占禁止法遵守のための仕組み整備)
  • 教育・研修等の充実(独占禁止法の理解促進およびコンプライアンス意識の再徹底)
  • 予防機能の強化(独占禁止法違反防止のための支援体制の強化)
  • 監視機能の強化(チェック機能の強化)

通底する発生原因を踏まえた共通の再発防止策 実績は2026年3月末時点の情報を記載

  • 公正な競争の実現に向けたトップコミットメントの発信
  • 内部統制の強化
    • ・コンプライアンス推進本部・チーフコンプライアンスオフィサーの設置、内部監査の強化、内部統制基盤・リスク管理の強化・高度化、企業集団の内部統制強化を実施(内部統制部会を計26回開催:2025年度は7回開催)。
  • 組織風土の改革
    • ・社長を議長とする「組織風土改革会議」を設置(計53回開催:2025年度は16回開催)し、組織風土改革のための各職場の自律的・継続的な取組みのサポート、多様な属性の従業員との対話活動および全社的な啓発活動を順次実践。
  • 外部人材を活用した取組みの実施状況および実効性の検証
    • ・取締役会による特別監督として、執行側から業務改善計画の実施状況の報告を受け、助言・指導。改革の取組状況等を監督するため、社外取締役と従業員との対話を実施。
    • ・監査委員会による特別監査として、一連の改革の取組状況について定期的かつ必要に応じて報告を求め、常勤監査委員がその内容を監査委員会に報告。また、監査の実効性をより高めるため、内部監査部門との連携の更なる強化を実施。
    • ・コンプライアンス委員会が、必要なモニタリングと見直しを継続的に実施。

連結計算書類