事業報告(2023年4月1日から2024年3月31日まで)

企業集団の現況

当事業年度の事業の状況

事業の経過及び成果

【全般的状況】

当連結会計年度におけるわが国の経済は、円安の影響によるインバウンド需要の継続や雇用、所得環境の改善により日経平均株価が平成バブル前の最高値を更新するなど、緩やかな回復傾向が見られました。なお、中国経済の先行き懸念や、ロシア・ウクライナ情勢、中東をめぐる情勢や、ゼロ金利解除など金融市場の変動等の影響が回復基調の下振れリスクとなり、今後の景気の見通しは不透明な状況が続いております。このような経済環境の中ではありますが、当社グループにつきましては、DXや新NISAなどの需要高まりなど、受注環境は全体として好調に推移しました。当連結会計年度における当社グループの受注高は33,671百万円(前連結会計年度比1.1%増)、受注残高は11,425百万円(前連結会計年度比0.8%減)となりました。(注)

なお、マネージメントサービスサービス(BPO)事業については、事業の性格上、複数年にわたる受注を一括して獲得する場合があり、受注高が大きく変動する事があります。

(注)2023年5月にコンサルティング・システム開発事業に含まれる子会社「グローバルセキュリティエキスパート(株)(以下、GSX社)」の株式の一部を売却し、同月から連結対象外として処理しております。また、同月にマネージメントサービス(BPO)事業に含まれる子会社「(株)ミックス(以下、MICS社)」の全株式を売却しており、6月から連結対象外として処理しております。上記の「受注高」「受注残高」では、比較上の有用性を確保するため、2023年3月期、2024年3月期共に、両者社の金額を除き記載しております。
なお、2024年3月期における両社の受注高は1,020百万円になります。

売上収益は、弊社がコンサル・システム開発で伸長し(株)ファイナンシャルブレインシステムズが新NISA対応での特需があった事、新規に連結子会社が2社加わった事などもあり数値を伸ばしたものの、GSX社、MICS社の連結除外の影響が大きく、全体では7.7%の減少となりました。

売上総利益につきましても、売上収益の減少同様に12.8%の減少となりました。

販売費及び一般管理費については、連結除外の影響だけではなくコスト抑制に努めた結果、売上高比で前連結会計年度に比べ0.1%改善しております。

また、子会社の支配喪失による利益としてGSX社及びMICS社の売却益2,053百万円、GSX社が連結子会社から持分法適用関連会社に移行したことによるGSX社株式の時価洗替に伴う株式評価益16,101百万円を合わせて18,154百万円及び、GSX社発行のストックオプションの行使により相対的に当社の持分比率が減少したこと等による持分変動損失516百万を計上しております。

その結果として、当連結会計年度における業績は、売上収益34,218百万円(前連結会計年度比7.7%減)、事業利益2,543百万円(連結会計年度比20.7%減)、営業利益20,697百万円(前連結会計年度比545.2%増)、税引前利益20,582百万円(前連結会計年度比535.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益14,146百万円(前連結会計年度699.4%増)となりました。また、当社グループの目標とする経営指標である連結営業利益率は60.5%(前連結会計年度比51.8ポイント増)、自己資本利益率(ROE)は、64.4%(前連結会計年度比51.4ポイント増)となりました。

なお、当期に連結除外となりましたGSX社と、MICS社の数値を除いた売上収益及び事業利益は、次のとおりです。

事業利益は、営業利益から非経常的な要因により発生した損益を除いて算出しております。

事業区分別の概況

セグメントの経営成績は次のとおりであります。

比較検討するにあたり、当期に連結除外となりましたGSX社(コンサルティング・システム開発事業に含まれる子会社)と、MICS社(マネージメントサービス(BPO)事業に含まれる子会社)の数値を除いたセグメントの経営成績は次のとおりです。

コンサルティング・システム開発事業

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(GSX社の損益を除外したセグメント情報)

コンサルティング・システム開発事業の当連結会計年度は売上収益25,484百万円(前連結会計年度比7.7%増)、セグメント利益1,827百万円(前連結会計年度比1.1%増)となりました。

当連結会計年度の売上収益につきましては、会計システムコンサルティング及びシステム開発事業においては、親会社が順調に伸長した事や、前連結会計年度に取得した(株)BSCがグループシナジー効果等により大きく伸長したため増加しております。また、金融業界向けシステム開発事業において、新NISA特需やファンドラップなどにより大きく増収となりました。PLM支援ソリューション事業では、既存事業で不調プロジェクト発生により減収となりましたが、(株)フレスコの取得による増加181百万円により増収となっております。結果として、全ての事業において前連結会計年度を上回る結果となりました。セグメント利益につきましては、会計システムコンサルティング及びシステム開発事業及びPLM支援ソリューション事業において不調プロジェクト発生したため、全体としては前連結会計年度を若干上回る結果での着地となりました。

マネージメントサービス(BPO)事業

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(MICS社の損益を除外したセグメント情報)

マネージメントサービス(BPO)事業の当連結会計年度の売上収益は、8,640百万円(前連結会計年度比10.7%増)、セグメント利益731百万円(前連結会計年度比12.7%増)となりました。

当連結会計年度の売上収益につきましては、オンサイトBPO事業おいて(株)トゥインクル(以下「TWK社」)の取得による売上収益の増加426百万円が貢献し、前年より大きく伸長することとなりました。

セグメント利益につきましてもTWK社が47百万円と貢献し、全体としても採用コストが増加するなどしている中、前年より大幅な増加で着地することができました。

直前3事業年度の財産及び損益の状況

21/3
(日本基準)
21/3
(IFRS)
22/3
(IFRS)
23/3
(IFRS)
24/3
(IFRS)
28,07628,16333,64739,75133,671

21/3
(日本基準)
21/3
(IFRS)
22/3
(IFRS)
23/3
(IFRS)
24/3
(IFRS)
29,08729,15932,34637,06334,218

21/3
(日本基準)
21/3
(IFRS)
22/3
(IFRS)
23/3
(IFRS)
24/3
(IFRS)
2,4922,3122,7923,24120,582

21/3
(日本基準)
21/3
(IFRS)
22/3
(IFRS)
23/3
(IFRS)
24/3
(IFRS)
1,6501,5541,7821,83814,146

対処すべき課題

BBSグループでは、2024年4月から3年間の新中期経営計画『BBS2026 - Evolving Innovations - 』をスタートします。この中期経営計画により飛躍的な成長への道筋を構築し、Goal2030の達成を確かなものにしたいと考えております。

第58期は、この新中期経営計画の初年度として、『サステナブルな基盤を構築し、DX・人財・品質のイノベーションを進化・連携させる』をテーマと致しました。DXでは、組織内やお客様に対して変革や変化を提供するだけでなく、そこに質と持続可能性を求めていく時期にあると認識しています。また、人財や品質に関しても、組織やグループでの改善、そして各グループ会社が有する技術やノウハウを結集し、グループ全体でイノベーションを行っていく必要があると考えています。そして「進化」「連携」としているのは、これまでに生み出されたイノベーションを惜しむことなく、グループ会社で連携しさらなる価値創造に繋げていくためであります。

Goal2030 売上高1,000億円に向け大きく飛躍するためにもBBSグループ一丸となって取り組んでまいります。

1.重点項目(3つのキーワード)

①デジタルトランスフォーメーション

新サービス及び事業の創造、DXサービスの市場浸透をはかり、BBSグループの新たな成長の柱へ進化・深化させます。またデータドリブン経営の実現を目指し、データに基づいたリアルタイムな意思決定支援の実現をはかります。

②人財強化

BBS2030 売上高1,000億円を実現する体制を構築するために、働きがいの向上や教育研修の充実といった「質」と、人財確保に向けたブランディングの強化や採用チャネル施策等による「量」の両面から人財力を強化してまいります。

③品質の更なる向上

「事前」品質管理をBBSグループにも展開・活用するとともに、社内PMO設置によりPM孤立化の防止と人依存からの脱却をはかり、製品・サービスの品質を向上させます。

2.事業戦略

(1)コンサル/SI事業

①RCN2戦略

BBSグループとして最も重要なお客様であるロイヤルカスタマーとの取引を拡大するとともに、ロイヤルカスタマーの社数を増加させます。また、BPO事業でも適用するとともに業種の拡大をはかってまいります。

②No.1戦略

BBSグループの強みである経営会計を中心に、顧客基盤、エリア、事業領域を拡大します。社会課題や最新テクノロジーをタイムリーに捉え、半歩先行くソリューション展開をはかります。

(2)BPO事業

①High Value BPO × BPaaS戦略

High Value BPOにて業務改善を伴う専門領域への展開を推進するとともに、BBSグループの技術を活用し、業務運用だけではなく業務のDX化も合わせて推進してまいります。業務とシステムの両面を融合し生産性の高いBPOを実現します。

連結計算書類