事業報告(2022年4月1日から2023年3月31日まで)
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企業集団の現況に関する事項
事業の経過及びその成果
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響は残りましたが、感染対策と社会活動の両立をはかり、行動制限が緩和されたことで経済活動は正常化が進みました。一方でロシア・ウクライナ情勢の長期化、エネルギー・原材料価格の高騰、為替相場の不安定な動きなど先行きが不透明な状況となりました。
建設業界におきましては、公共投資、民間設備投資ともに堅調に推移しましたが、建設資材価格の高止まりや建設労働者不足の慢性化など課題は多く、収益確保に厳しい状況が続くことが予想されます。
このような情勢の中、当社グループの受注工事高は、前連結会計年度比12.3%増(226億6千9百万円増)の2,063億3千7百万円となりました。
完成工事高につきましては、前連結会計年度比14.1%増(230億3千2百万円増)の1,859億6千1百万円となりました。この結果、次期への繰越工事高は、前連結会計年度比12.4%増(203億7千5百万円増)の1,841億5千8百万円となりました。
利益面につきましては、営業利益は前連結会計年度比11.1%増(8億4千4百万円増)の84億2千8百万円となりました。経常利益は前連結会計年度比14.7%増(11億9千3百万円増)の92億8千8百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比14.7%増(8億4千8百万円増)の66億2千6百万円となりました。
なお、2023年3月28日および4月26日に公表いたしました元従業員らによる特定の工事下請負業者との間の不適切な取引にかかる不正行為につきまして、株主の皆さまや、数多くのステークホルダーの皆さまには多大なご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、心より深くお詫び申し上げます。当社は、社内調査委員会の調査結果および再発防止に向けた提言を真摯に受け止め、再発防止策を検討・策定し、その概要を5月11日に公表いたしました。
今後、決して不正行為を繰り返さないよう、再発防止策を着実に実行するとともに、コンプライアンス経営の徹底を推進し、皆さまの信頼回復に全力で取り組んでまいります。
■当社グループの業績ハイライト

工事部門別の概況

主な受注工事、完成工事は次のとおりであります。







対処すべき課題
中期経営計画
長期ビジョンで示す3つのフェーズの最初にあたる2022年3月期から2024年3月期までの3年間を、中期経営計画「整えるステージ」としています。長期ビジョンの3つの基本方針を踏まえ、『基幹事業の拡大』『海外事業の強化』『技術力の強化』『新規事業の開拓』『事業基盤の強化』の5つを事業戦略と位置付け、具体的な施策に落とし込んで国内外の基盤整備を目指しています。
「整えるステージ」の数値目標は、最終期の2024年3月期において連結売上高2,000億円・連結営業利益100億円とし、3年累計で200億円の投資計画を設定しています。
また、当社が事業上、経営視点で特に注力すべき社会課題と環境課題を「マテリアリティ(重要課題)」として特定いたしました。SDGs達成に対しても貢献すべく、中期経営計画と一体のものとして取り組んでまいります。
FY2021 – 2023 中期経営計画Stage2030 / Phase1整えるステージ

《整えるステージ》数値目標

「整えるステージ」における施策の進捗状況は次のとおりです。

ESG経営の推進
サステナブルな社会の実現とSDGs達成のためにはESG経営が不可欠となっています。当社は、社会とともに持続的に成長する重要性が増していることを認識しており、事業における社会や環境への影響度を評価した上で、優先的に取り組むマテリアリティ(重要課題)を設定しています。
「ダイダングループサステナビリティ方針」のもと、マテリアリティへの取組みを進めることで、ステークホルダーの皆さまに提供する価値の最大化を目指します。
マテリアリティと主なKPI

TCFD提言に基づく情報開示
当社は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに「TCFDコンソーシアム」へ参画しており、TCFD提言が推奨する4つの項目である「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について開示しています。
気候変動が事業活動に及ぼす影響の分析をさらに進め、気候関連の適切な情報開示に取り組んでいきます。
サステナビリティ推進体制
2022年度は、「サステナビリティ委員会」を7回開催し、取締役会の監督のもと、マテリアリティの進捗管理や、部門横断的に組成した「タスクフォース」を通じたサステナビリティ課題に取り組んでいます。
気候変動をはじめとするサステナビリティ課題は、事業上の重要なリスクであると認識し、事業リスク全般を管理している「リスクマネジメント委員会」と「サステナビリティ委員会」が相互に情報共有を行っています。
※2023年4月1日より「経営企画室」を「経営企画本部」に改称し、また、同年5月1日より営業本部長を委員に追加しております。

時間外労働削減に向けた「SMILE2024 Project」
「サステナビリティ委員会」傘下に「働き方・人権関連タスクフォース」を立ち上げ、時間外労働削減のために「SMILE2024 Project」の取り組みを進めています。
全社を挙げて長時間労働の是正を実現していくために、「全社的な意識の改革」「生産性向上のための施策」「モニタリング」を念頭に置き実施しています。


「ダイダンの森」整備活動
森林は二酸化炭素を吸収し、多様な生物を育み、豊かな水の恵みをもたらします。当社がその育成を支援することは、企業スローガンである『光と空気と水を生かす』との親和性も高く、サステナブルな社会の実現に寄与すると考えています。
本社・支店所在地の内、9ヵ所で各自治体と協定を締結しました。今後は全所在地10ヵ所と協定を結び、森林育成活動を進めていきます。

設置した看板の前にて集合写真
(ダイダンの森 埼玉)

社員とその家族も参加
(ダイダンの森 北海道)
ダイバーシティ推進の取り組み
当社グループ(当社及び連結子会社)の管理職275名のうち、女性管理職は4名です(1.5%)。社員総数に占める女性割合は年々増加しておりますので、女性管理職の育成と登用を図り、女性管理職数の増加を目指してまいります。
当社グループ(当社及び連結子会社)の管理職275名のうち、外国人の管理職は16名です(5.8%)。海外事業の強化を事業戦略の一つとしておりますので、グループ全体での外国人管理職の登用を積極的に図り、その増加を目指してまいります。
当社の管理職244名のうち、中途採用者(新卒採用以外を中途採用者としております)の管理職は29名です(11.9%)。多様な人材を活用すべく、中途採用を積極的に推進したうえで、中途採用者の管理職登用を図り、その増加を目指してまいります。

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(女性活躍推進法)に基づく認定マーク「えるぼし」の認定において、二つ星を取得しました。