事業報告(2023年4月1日から2024年3月31日まで)
1. 企業集団の現況








(1) 事業の経過および成果
当連結会計年度における世界経済は、米国では雇用者数の増加や実質賃金の上昇などを背景として消費が増加するなど景気は堅調に推移いたしました。欧州では、金融引締めを受けて消費者マインドが悪化したことなどから景気に弱さが見られました。日本経済は、原材料価格の上昇などの影響を受けたものの、コロナ禍による社会経済活動の制約が解消に向かうなか、景気は緩やかな回復基調が続きましたが、世界的な金融引締めや中国の不動産市場の停滞の影響が懸念されるなど、先行きは不透明な状況が続いております。
このような経済状況のもと、当社グループは、会社創立100周年となる2025年に向けた長期経営構想「TaKaRa Group Challenge for the 100th」において、「Smiles in Life~笑顔は人生の宝~」をVisionとして掲げ、おいしさを追求する技術と革新的なバイオ技術によって、和酒・日本食とライフサイエンスにおける多様な価値を安全・安心に提供する企業グループとして、世界中の暮らしを、命を、人生を、笑顔で満たすために挑戦し続けております。
また、「TaKaRa Group Challenge for the 100th」の総仕上げに向けて「宝グループ中期経営計画2025」をスタートし、「成長・強化領域への投資を加速させ、企業価値を高める3年間」を経営方針として、社会課題の解決に資するバリューチェーンを強化しながら商品・サービスを通じた社会課題の解決と、長期的かつ持続的に成長原資を生み出す「稼ぐ力」の向上を統合した経営を推進いたしました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高339,372百万円(前期比3.2%減)、売上総利益113,933百万円(同5.0%減)、販売費及び一般管理費91,691百万円(同11.8%増)、営業利益22,242百万円(同41.4%減)、経常利益23,336百万円(同39.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益16,176百万円(同23.7%減)となりました。
セグメントごとの経営成績
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
宝酒造


宝酒造は、食品メーカーとして安全・安心な商品の安定的な供給に最優先に取り組むとともに、消費者の潜在的なニーズを掘り起こし、これまでにない新たな酒質や付加価値を提供する新商品の開発や重点ブランドと位置づけている商品の育成に注力いたしました。また、原材料価格やエネルギー価格の高騰に対しては、全社一体となったコストダウンや効率化に取り組むとともに、商品価格の改定による利益率の改善に取り組みました。
当セグメントのカテゴリー別の売上状況などは次のとおりであります。
焼酎では、甲類焼酎の大容量商品などが減少しましたので、減収となりました。清酒では、“松竹梅「豪快」”や“松竹梅「昴」”は増加しましたが、“松竹梅「天」”などが減少しましたので、減収となりました。ソフトアルコール飲料では、重点ブランドと位置づけている“タカラ「焼酎ハイボール」”が引き続き増加し、“タカラ「辛口ゼロボール」”も増加しましたので、増収となりました。調味料では、本みりんなどの酒類調味料が増加し、食品調味料も増加しましたので、増収となりました。原料用アルコール等も増収となりました。
以上の結果、宝酒造の売上高は123,786百万円(前期比0.7%増)となりました。売上原価は92,057百万円(同1.7%減)となり、売上総利益は31,728百万円(同8.4%増)となりました。販売費及び一般管理費は、戦略的に使用した広告宣伝費などが増加し26,225百万円(同7.5%増)となりましたので、営業利益は5,503百万円(同12.5%増)となりました。
宝酒造インターナショナルグループ


宝酒造インターナショナルグループは、日本からの酒類の輸出や海外各地で酒類の製造・販売を行う海外酒類事業と海外の日本食レストランや小売店などに日本食材などを販売する海外日本食材卸事業を展開しております。
当セグメントの売上状況などは次のとおりであります。
海外酒類事業では、宝酒造との協業を推進し、現地ニーズをとらえた米国限定の缶チューハイ“TaKaRa CHU-HI”や、スパークリング日本酒“松竹梅白壁蔵「澪」<NIGORI>・<CRISP>”を海外専用商品として新発売するなど輸出の拡大に取り組みました。ウイスキーはプレミアムバーボン“Blanton’s”が引き続き好調に推移いたしました。また、清酒など和酒の売上も増加しましたので、海外酒類事業は増収となりました。海外日本食材卸事業では、米国での拠点の拡大に注力するとともに、販売チャネルの多角化の推進や取扱商品の拡充などに取り組みました。新たにグループに迎え入れた企業の業績の上乗せがあったことや、供給体制の整備にも取り組んだことなどにより、海外日本食材卸事業も増収となりました。
以上の結果、宝酒造インターナショナルグループの売上高は160,427百万円(前期比16.7%増)となりました。売上原価は108,711百万円(同14.3%増)となり、売上総利益は51,715百万円(同22.0%増)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費や倉庫の賃借料などが増加し39,423百万円(同24.9%増)となりましたので、営業利益は12,291百万円(同13.6%増)となりました。
タカラバイオグループ


タカラバイオグループは、バイオテクノロジーを利用する研究開発活動がますます広がりを見せる中、こうした研究開発活動を支援する試薬・機器を開発し、世界中のバイオ研究者に提供する事業を展開しております。また、近年、製薬企業などで開発が盛んな再生・細胞医療・遺伝子治療の開発・製造を支援するCDMO事業を展開しております。CDMOとは医薬品の製法開発から製造までの工程を受託する事業を指し、タカラバイオグループでは、遺伝子治療薬等の分野に注力しております。その他、遺伝子医療事業では、遺伝子治療製品製造補助剤の製造・販売、新規モダリティ(治療法)の創出、臨床開発プロジェクトを進め、独自のバイオ創薬基盤技術の価値の最大化に取り組んでおります。
当セグメントの売上状況は、新型コロナウイルス感染症の法令上の位置づけの変更による検査関連製品の販売減少、ライフサイエンス研究市場の低迷等により、減少いたしました。
以上の結果、タカラバイオグループの売上高は43,505百万円(前期比44.3%減)となりました。売上原価は16,597百万円(同50.3%減)となり、売上総利益は26,908百万円(同39.9%減)となりました。販売費及び一般管理費は、研究開発費などが減少し23,905百万円(同1.3%減)となりましたので、営業利益は3,003百万円(同85.4%減)となりました。
その他
その他のセグメントは、貨物運送事業、ワイン輸入販売、不動産賃貸事業などであります。当セグメントの売上高は、ワイン輸入販売は増加しましたが、貨物運送事業などが減少しましたので30,271百万円(前期比2.2%減)となりました。売上原価は26,011百万円(同2.8%減)となり、売上総利益は4,260百万円(同1.9%増)となりました。販売費及び一般管理費は1,897百万円(同0.6%増)となりましたので、営業利益は2,363百万円(同3.0%増)となりました。
(2) 設備投資の状況
当連結会計年度の設備投資は、無形固定資産、建設仮勘定に計上したものを含め総額21,915百万円でありました。
そのうち主要なものは次のとおりであります。
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①当連結会計年度中に完成した主要設備
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宝酒造株式会社
チューハイ製造設備
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宝酒造株式会社
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②当連結会計年度において継続中の主要設備の新設、拡充、改修
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タカラバイオ株式会社
ワクチン関連およびCDMO事業等のデュアルユース製造設備
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タカラバイオ株式会社
-
③重要な固定資産の売却、撤去、滅失
- 該当事項はありません。
(3) 資金調達の状況
当連結会計年度は特記すべき資金調達は行っておりません。
なお、当社は機動的な資金調達を目的として、融資枠10,000百万円のコミットメントラインを設定しておりますが、当連結会計年度中は借入を行っておりません。
(4) 直前3事業年度の企業集団の財産および損益の状況

「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第111期の期首より適用しており、第111期以降に係る財産および損益の状況については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。
(5) 重要な子会社の状況

議決権比率の( )内は間接所有割合であります。
(6) 対処すべき課題
当社グループを取り巻く環境は、国内での高齢化・人口減少や若年層の飲酒離れによる酒類市場の長期的な縮小や、国内外での人材確保難等による人件費や物流費の増加など、今後も厳しさを増してくることが予想されます。また、地政学的要因を背景としたグローバルなサプライチェーンへの影響等により、原材料価格やエネルギー価格の高騰を起点として、国内外での様々なコストアップが懸念され、安定的な調達に対するリスクも高まっています。さらに、現下のライフサイエンス分野の研究開発アクティビティは、米国・欧州におけるインフレの長期化や政策金利の高止まりや中国における景気低迷を原因としたアカデミア向けの研究補助金の削減の影響などにより世界的に低迷しております。
一方で、ノンアルコール飲料も含めた国内のRTD市場では厳しい競争下ながらも市場の拡大が見込まれ、世界的な和酒・日本食市場は引き続き成長が期待されるほか、ライフサイエンス産業の市場規模は、中長期的には再生・細胞医療・遺伝子治療等を中心に拡大が予想されており、当社グループにとって成長を見込める機会も数多く存在しています。また、気候変動、生物多様性保全、資源保全、人権尊重といった多様な課題への対応が世界的規模で求められており、持続可能な社会づくりに向けた企業の責任はますます大きくなっています。そして、持続的な成長や企業価値の向上に向けては、資本効率性の向上による成長・強化領域への投資の強化や、人的資本やITなどの無形資産への投資の強化と活用がこれまで以上に重要になってきています。
このような状況の中で、当社グループは、2026年3月期を最終年度とする長期経営構想「TaKaRa Group Challenge for the 100th」の実行計画の総仕上げに向けた「宝グループ中期経営計画2025」に取り組んでおります。「宝グループ中期経営計画2025」では、独自のビジネスモデルの確立と事業推進によって、事業の「稼ぐ力」を向上させながら、社会課題の解決に貢献することで、「TaKaRa Group Challenge for the 100th」で掲げるVision「Smiles in Life~笑顔は人生の宝~」の実現を目指してまいります。
「宝グループ中期経営計画2025」の概要は以下のとおりであります。
「宝グループ中期経営計画2025」
経営方針
~成長・強化領域への投資を加速させ、企業価値を高める3年間~
成長・強化領域への投資を加速させ、生産性の向上やイノベーションの創出を働きがいを高めることで実現し、グローバルかつサステナブルな宝独自の2つのビジネスモデル※を確立・強化することで、バランスのとれた事業ポートフォリオでの持続的な成長とVisionの実現を達成する。加えて、コーポレートとしての情報発信とコミュニケーションを強化することで、企業価値を高める。
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※宝独自の2つのビジネスモデル
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宝酒造・宝酒造インターナショナルグループ
日本食文化(和酒・日本食)の世界浸透推進 -
タカラバイオグループ
ライフサイエンス産業におけるインフラを担うグローバルプラットフォーマー
-
宝酒造・宝酒造インターナショナルグループ
定量目標
2026年3月期 宝グループ連結
- ●売上高 4,200億円以上
- ●営業利益 380億円以上
- ●海外売上高比率 60.0%以上(タカラバイオグループを除く海外売上高比率60.0%以上)
- ●ROE 9.0%以上
- ●ROIC 7.5%以上
事業方針
〔宝酒造〕
「グローバル和酒No.1」の源泉として、伸長領域を中心に、高い技術力と「NIPPON品質」に基づいた新たな市場を創造する商品の開発・育成やブランド価値の向上に注力するとともに、宝酒造インターナショナルグループとの協業も加速させ、社会課題の解決に貢献しながら、利益額・率を大きく向上させる。
〔宝酒造インターナショナルグループ〕
宝酒造や国内外のグループ会社との協業を加速し、現地のニーズを捉えた輸出・現地生産の商品ポートフォリオ拡充と、和酒に強みを持った日本食材卸としてのプレゼンスの向上によって、和酒と日本食の相乗効果を最大限に発揮した「日本食文化の世界浸透」を推進し、社会課題の解決に貢献しながらグローバル和酒・日本食材No.1企業を目指す。
宝酒造と宝酒造インターナショナルグループにおいては、両社の協業をこれまで以上に推進し、国内外のニーズやトレンドを捉えて、スパークリング日本酒「澪」のグローバルブランド化を中心に、トラディショナル、イノベーティブの両面から和酒の開発とブランド育成を進めることで、世界の市場に和酒を拡大し、グローバル和酒No.1企業としてのプレゼンスを高める。
〔タカラバイオグループ〕
試薬・機器の新製品やCDMOメニューの開発および新モダリティを創出する基盤技術の開発に向けてR&D費用を積極的に投下することで、臨床・創薬分野への事業領域拡大を加速させながら、「ライフサイエンス産業におけるインフラを提供するグローバルプラットフォーマー」としての存在感を高める。
〔コーポレート部門〕
“事業と一体”となって、グローバルでサステナブルなビジネスモデルを強固に支えるグループ経営機能を強化するとともに、グループ全体の生産性の向上やイノベーションの創出の実現に向けた「働きがい」のある環境を構築しながら、コーポレートとしての情報発信とコミュニケーションを強化し、社内外のステークホルダーからの宝グループの評価を向上させる。
財務方針
- ●健全な財務体質の維持をベースとして、成長・強化領域への投資を加速するために、グローバルなキャッシュマネジメントを強化するとともに、資産の効率性の向上や、政策保有株式の売却等によりキャッシュフローを創出する。
- ●利益水準に応じた適切な株主還元(配当性向35%を目途)を実施する。
当社グループは「Smiles in Life~笑顔は人生の宝~」をありたい姿(Vision)として掲げ、世界中の暮らしを、命を、人生を、笑顔で満たすために挑戦し続けることを宣言しています。そして、事業活動を通じた社会的価値の創造を将来にわたって実現し続けていくためには、様々な社会課題の解決にこれまで以上に取り組む必要があるという認識のもと、「宝グループ・サステナビリティ・ポリシー」を策定しています。
「宝グループ・サステナビリティ・ポリシー」では、当社グループを取り巻く社会課題について、「安全・安心」をはじめとする10の重要課題(マテリアリティ)を取り上げ、各々についての取り組み方針を示しており、さらに、その方針に基づく具体的な中長期目標を設定した「宝グループ・サステナビリティ・ビジョン」を策定しています。
当社グループは、これからも事業活動を通じた社会的価値の創造により、ステークホルダーの皆様から信頼される企業グループを目指すとともに、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
株主の皆様におかれましては、何卒一層のご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申しあげます。
(7) 企業集団の主要な事業セグメント
(2024年3月31日現在)
当社は、グループ会社の株式を保有することにより事業活動を支配および管理する持株会社であります。
当社グループが営む事業セグメント別の主要な事業の内容は次のとおりであります。

(8) 企業集団の主要な拠点等
(2024年3月31日現在)
当社
- 京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾町20番地
〔宝酒造〕
宝酒造株式会社
- 本社事務所
- 京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾町20番地
- 東京事務所
- 東京都中央区日本橋二丁目15番10号
- 支社
- 北海道支社(北海道)、東北支社(宮城県)、首都圏支社(東京都)、関信越支社(群馬県)、中部支社(愛知県)、西日本支社(大阪府)、九州支社(福岡県)
- 工場
- 松戸工場(千葉県)、楠工場(三重県)、伏見工場(京都府)、白壁蔵(兵庫県)、黒壁蔵(宮崎県)、島原工場(長崎県)
〔宝酒造インターナショナルグループ〕
宝酒造インターナショナル株式会社(京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾町20番地)
Takara Sake USA Inc.(米国)
Age International, Inc.(米国)
The Tomatin Distillery Co.Ltd(英国)
FOODEX S.A.S.(仏国)
Cominport Distribución S.L.(スペイン)
Tazaki Foods Ltd.(英国)
Mutual Trading Co., Inc.(米国)
Nippon Food Supplies Company Pty Ltd(豪州)
〔タカラバイオグループ〕
タカラバイオ株式会社
- 本社
- 滋賀県草津市野路東七丁目4番38号
- 事業所
- 草津事業所(滋賀県)
Takara Bio USA, Inc.(米国)
宝生物工程(大連)有限公司(中国)
宝日医生物技術(北京)有限公司(中国)
Takara Bio Europe S.A.S.(仏国)
〔その他〕
タカラ物流システム株式会社(京都府)
株式会社ラック・コーポレーション(東京都)
(9) 企業集団の従業員の状況
(2024年3月31日現在)

(10) 主要な借入先の状況
(2024年3月31日現在)

上記のほか、シンジケートローンによる借入金(総額15,000百万円)があります。
(11) その他企業集団の現況に関する重要な事項
特記すべき事項はありません。
2. 会社の株式に関する事項
(2024年3月31日現在)
(1) 発行可能株式総数
870,000,000株
(2) 発行済株式の総数
197,252,043株(自己株式1,995,688株を含む。)
2024年2月29日付で実施した自己株式の消却により、発行済株式の総数は、前期末(2023年3月31日)比2,447,700株減少しております。
(3) 株主数
90,346名
(4) 大株主

- 持株数の千株未満は切り捨てております。
- 持株比率は、自己株式(1,995千株)を控除して計算しております。
(5) その他株式に関する重要な事項
特記すべき事項はありません。
3. 会社の新株予約権等に関する事項
記載すべき事項はありません。
4. 会社役員に関する事項
(1) 取締役および監査役の氏名等
(2024年3月31日現在)

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「重要な兼職の状況」について
当社子会社の役職に関しては、当社の重要な子会社(1.(5)「重要な子会社の状況」に記載)における重要な職務を記載の対象としております。 - 取締役 友常理子、川上智子および本宮孝夫の3氏は、社外取締役であります。
- 常勤監査役 山中俊人および松永 諭ならびに監査役 吉本明子の3氏は、社外監査役であります。
- 取締役 友常理子、川上智子および本宮孝夫ならびに常勤監査役 山中俊人および監査役 吉本明子の5氏については、当社が株式を上場している東京証券取引所に対し、同取引所の規則等に定める「独立役員」としての届出をしております。
- 常勤監査役 三井照明氏は当社の経理部門の責任者としての業務経験等を通じて、また、常勤監査役 山中俊人および松永 諭の両氏はともに金融機関での長年の業務経験その他を通じて、それぞれ財務および会計に関する相当程度の知見を有するものであります。
-
当事業年度中の取締役および監査役の異動
- (1)2023年6月29日開催の第112回定時株主総会において、本宮孝夫氏は取締役に、また、吉本明子氏は監査役に新たに選任され、それぞれ就任しました。
- (2)2023年6月29日付で、監査役 北井久美子氏は任期満了により退任しました。
-
当社は、執行役員制度を導入しております。執行役員の地位、氏名ならびに担当および重要な兼職の状況は次のとおりであります。(2024年4月1日現在)
専務執行役員 村 田 謙 二 宝酒造株式会社代表取締役社長専務執行役員 森 三 典 宝酒造インターナショナル株式会社代表取締役社長常務執行役員 柴 田 佳 弘 品質保証担当執行役員 鈴 木 正 直 人事部長執行役員 川 島 己根雄 総務部長執行役員 佐 藤 敬 事業管理部長
(2) 取締役および監査役の報酬等
①報酬等の内容の決定に関する方針等
イ.取締役および監査役の報酬等の内容の決定に関する基本方針等
当社の取締役および監査役の報酬は、株主総会決議に基づくそれぞれの報酬総額の限度額の範囲内において、取締役会にて承認された「役員報酬内規」に基づき、取締役については代表取締役社長が、指名・報酬委員会の審議を経た上で取締役会決議により委任を受けて決定することとし、また、監査役については監査役の協議により決定することとしております。なお、「役員報酬内規」の条項の改定は、取締役に関する部分は取締役会の決議、監査役に関する部分は監査役の協議を経るものとしております。
当社の業務執行取締役の報酬は、役位および役割に応じた固定報酬とインセンティブの強化を目的とする業績連動報酬とで構成し、社外取締役および監査役の報酬は、その役割に鑑み、固定報酬のみとしております。
ロ.取締役の個人別の報酬等の内容についての決定方針等
当社は、取締役会の決議により、取締役の個人別の報酬等の内容の決定にかかる次の方針を決定しております。
a.固定報酬の額の決定等に関する方針
当社の取締役の固定報酬は、役位および役割に応じて、当社の業績その他経済状況等も考慮しながら総合的に勘案してその額を決定するものとし、毎月一定の時期に支給するものとしております。
b.業績連動報酬の額の決定等に関する方針
当社の業務執行取締役の業績連動報酬は、前事業年度の業績連動報酬の支給額と各々の前事業年度の業績評価点数をもとにその額を決定するものとし、毎月一定の時期に支給するものとしております。前事業年度の業績評価点数は、当社が最も重視すべき経営指標として位置付けている連結営業利益を主たる評価指標として算定することとしております。
c.業務執行取締役の固定報酬の額および業績連動報酬の額の割合の決定に関する方針
当社の業務執行取締役の報酬は、すべての役位において、固定報酬の額と業績連動報酬の標準額との割合を1:1とすることを基本としてそれぞれの額を決定することとしております。
d.取締役の個人別の報酬の内容についての決定に関する事項
取締役会決議により当社の取締役の報酬の決定の委任を受ける代表取締役社長の権限は、本方針に沿って各取締役の個人別の固定報酬および業績連動報酬のそれぞれの額を決定することとし、当該権限が代表取締役社長によって適切に行使されるよう、代表取締役社長によるこれらの決定にあたっては、指名・報酬委員会の審議を経ることとしております。
②当事業年度にかかる報酬等の総額等

- 取締役の報酬等の額には、使用人兼務取締役の使用人分の給与は含まれておりません。
- 当事業年度末現在の取締役は7名(うち社外取締役3名)、監査役は5名(うち社外監査役3名)であります。上記の監査役の人数と相違しておりますのは、上記には当事業年度中に退任した監査役1名(社外監査役)が含まれているためであります。
- 業績連動報酬は、前事業年度の業績連動報酬の支給額と各々の前事業年度の業績評価点数をもとに、代表取締役社長が指名・報酬委員会の審議等を経て決定しております。前事業年度の業績評価点数は、連結営業利益を主たる評価指標として算定しております。これは、連結営業利益を最も重視すべき経営指標として位置付けているためであります。連結営業利益の実績は、前記1.(4)「直前3事業年度の企業集団の財産および損益の状況」に記載のとおりであります。
-
取締役の報酬限度額は、固定報酬額については、2019年6月27日開催の第108回定時株主総会において年額136百万円以内(うち社外取締役分30百万円以内)と決議いただいております。同総会終結時点の取締役の員数は9名(うち社外取締役3名)であります。
また、業績連動報酬額(社外取締役以外の取締役を対象)については、2015年6月26日開催の第104回定時株主総会において年間につき前事業年度の連結営業利益の1%相当額以内と決議いただいております。同総会終結時点の取締役(社外取締役を除く)の員数は8名であります。
なお、これらの額には使用人兼務取締役の使用人分の給与は含みません。 - 監査役の報酬限度額は、2017年6月29日開催の第106回定時株主総会において年額120百万円以内と決議いただいております。同総会終結時点の監査役の員数は5名(うち社外監査役3名)であります。
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当事業年度にかかる各取締役の個人別の固定報酬および業績連動報酬のそれぞれの額に関しては、取締役会は、代表取締役社長 木村 睦氏にその決定を委任しております。委任した理由は、当社全体の業績等を俯瞰しつつ、各取締役の個々の業績の評価を行うには代表取締役社長が最も適していると判断したためであり、委任された権限が適切に行使されるよう、これらの決定にあたっては、指名・報酬委員会の審議等を経ております。
また、当事業年度にかかる取締役の個人別の報酬等の内容については、指名・報酬委員会において、前記①ロ.記載の「取締役の個人別の報酬等の内容についての決定方針等」に沿ったものであると確認したことを含め了承され、同委員会からその旨の助言を得ていることから、取締役会は、当事業年度にかかる取締役の個人別の報酬等の内容が当該方針に沿うものであると判断しております。
(3) 責任限定契約の内容の概要
当社は、社外取締役 友常理子、川上智子および本宮孝夫ならびに社外監査役 山中俊人、松永 諭および吉本明子の6氏との間で、会社法第425条第1項各号の額の合計額を責任限度額とする責任限定契約を締結しております。
(4) 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、保険会社との間で、当社および日本国内の子会社(タカラバイオ株式会社を除く11社)注の取締役、監査役および執行役員等を被保険者とする、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を締結しており、保険料は全額当社が負担しております。当該保険契約の内容の概要は、被保険者がその職務の執行に関し責任を負うことまたは当該責任の追及にかかる請求を受けることによって生ずることのある損害を当該保険契約により保険会社が補償するものであり、1年ごとに契約を更新しております。
2024年4月1日付にて子会社2社が合併したことに伴い、同日以降は「当社および日本国内の子会社(タカラバイオ株式会社を除く10社)」となっております。
(5) 社外役員に関する事項
①他の法人等の業務執行者または社外役員等の兼職の状況

上記各兼職先と当社との間には、いずれも特別な関係はありません。なお、社外取締役 本宮孝夫氏が監事を務める公益財団法人日本醸造協会と当社の子会社との間で取引(酒類製造用の酵母の提供を受けることにかかる対価等の支払い)がありますが、年間取引額は2百万円未満の僅少なものであります。
②当事業年度における主な活動状況
イ.社外取締役

ロ.社外監査役

(6) その他会社役員に関する重要な事項
特記すべき事項はありません。
5. 会計監査人の状況
(1) 会計監査人の名称
有限責任監査法人トーマツ
(2) 当事業年度に係る会計監査人の報酬等の額

- 当社と会計監査人との間の監査契約において、会社法に基づく監査および金融商品取引法に基づく監査の監査報酬等の額を区分しておりませんので、上記当事業年度に係る会計監査人としての報酬等の額にはこれらの合計額を記載しております。
- 監査役会は、日本監査役協会が公表する「会計監査人との連携に関する実務指針」を踏まえ、取締役、社内関係部署および会計監査人から必要な資料を入手し、報告を受けた上で、会計監査人の監査内容、職務執行状況および監査報酬の推移等について確認し、検討した結果、会計監査人の報酬等につき会社法第399条第1項の同意を行っております。
- 当社の重要な子会社のうち海外子会社につきましては、当社の会計監査人以外の監査を受けております。
(3) 会計監査人の解任または不再任の決定の方針
監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当すると認められる場合には、監査役全員の同意に基づき、会計監査人を解任することといたします。
また、そのほか会計監査人が職務を適切に遂行することが困難であると認められる場合、または監査の適正性をより高めるために会計監査人の変更が妥当であると判断される場合には、監査役会は、株主総会に提出する会計監査人の解任または会計監査人を再任しないことに関する議案の内容を決定することといたします。