事業報告(2020年4月1日から2021年3月31日まで)

企業集団の現況

当事業年度の事業の状況

事業の経過及び成果

業績の概況

当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大を受け、感染拡大防止のための緊急事態宣言の発出や各自治体からの要請により、経済活動が停滞する状態となり、個人消費や雇用に大きな影響が出ております。緊急事態宣言解除後に一時的な持ち直しの動きがあったものの、再び感染拡大がみられるなど個人消費におきましては依然として先行き不透明な状況が続きました。

このような環境のもと、当社グループにおきましては、店舗営業時間の短縮対応、従業員のマスク着用、アルコール消毒等を関係機関からの指針に従って実施し、お客様・従業員の安全に十分に配慮しながら商品・サービスの提供を行い、「豊かで楽しい日常の暮らしを提供する」ことを目指し、様々な取り組みを続けてまいりました。

この結果、当連結会計年度における売上高は328,358百万円(前期比7.6%増)、営業利益は4,311百万円(前期比57.0%減)、経常利益は4,795百万円(前期比55.5%減)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は752百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益3,844百万円)となりました。

ゲオショップとして展開しておりますメディア系店舗につきましては、DVD等映像レンタルを主な商材とするレンタル商材について第1四半期に外出自粛からの巣ごもり需要が発生いたしましたが、通期のレンタル売上減少比率は前連結会計年度より悪化しました。一方、ゲーム機本体とゲームソフトを中心とする新品商材につきましては、巣ごもり需要とヒットタイトルもあり、売上を大きく伸ばしました。

セカンドストリートを主力とするリユース系店舗は、外出自粛の影響を受けましたが、リユース商材については、消費者の節約・生活防衛志向もあり底堅い需要があるとの想定のもとに、計画通りの出店を継続いたしました。

当連結会計年度末における当社グループの店舗数の状況は以下のとおりとなりました。

( )内は、前連結会計年度末からの増減数であります。

(注)

  • 屋号毎の店舗数をカウントしています。
  • メディア系店舗はDVDレンタルや家庭用ゲームの買取販売等を行う店舗(屋号:ゲオ、ゲオモバイル、ゲオスピード)をカウントしています。
  • ゲオモバイルはメディア系店舗に併設されていないモバイルショップを指します。なお、店舗数はメディア系店舗の内数として記載しております。
  • リユース系店舗は衣料品や家電製品等の買取販売を行う国内店舗(屋号:セカンドストリート、スーパーセカンドストリート、セカンドアウトドア、ジャンブルストア等)をカウントしています。
  • 前連結会計年度はその他にカウントしておりましたOKURA TOKYOとオフプライス・ストア(屋号:Luck・Rack)を単独表示に変更しております。

また、主要商材の売上高は以下のとおりとなりました。

対処すべき課題

リユース市場規模は、コロナ禍においても環境意識の高まりもあり、成長が継続すると想定しております。一方で、当社グループの祖業であります店舗を利用した映像レンタル市場の下降トレンドは続いております。また家庭用ゲーム市場においては新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う外出自粛による巣ごもり需要の発生もございましたが、ゲームソフトのダウンロード販売も増えてきております。

このような環境のもと、当社グループにおきましては、「豊かで楽しい日常の暮らしを提供する」を企業理念とし、環境の変化に合わせた取り組みを試行しながら、実店舗での販売網及びシェアの拡大とEC併売等シームレスなサービス提供基盤整備に努めてまいりました。当社グループは常に時代の変化を先読みしながら、企業理念である「豊かで楽しい日常の暮らしを提供する」ことを体現すべく、バラエティに富んだ選択肢と、より便利な新しいサービスを生みだし提供していかなければならないという課題意識のもとに、以下の項目について取り組んでまいります。

①リユース市場の深耕

リユース市場の伸長が見込まれる中、お客様との直接接点となる多店舗展開を加速させるとともに買取サービスの拡充といった利便性の向上を図り、リユース市場におけるポジションを高めてまいります。

地域特性に合わせた専門店などの店舗開発や海外出店を含めた販売網の構築を行い、仕入れの強化として出張買取・訪問買取を充実させることによりお客様にリユース商品を身近に感じて頂ける環境づくりを展開してまいります。

また、リユース商材に関わる知識を習得した専門スタッフを配置するなど、リユース商材の深化とリユース市場の深耕を図ってまいります。

②寡占市場でのメディア商材の最大利益化

全国に直営店舗1,000店舗以上を有するゲオショップの店舗網を活かし、実店舗だからこそ体験できる価値の提供を行うことで店舗の魅力向上を図ってまいります。

寡占市場においても店舗網を展開することで顧客接点を重視したプロモーション活動等により商材の市場占有率を高め、メディア商材の最大利益化に努めます。

③新規フォーマット・商材の育成と獲得

「買う」「借りる」「売る」「場の提供」というグループの各事業が持つ機能に多種多様な商材を掛け合わせることにより、新規フォーマットを提案してまいります。

出店を進めておりますオフプライスストア業態以外にも、新たなる店舗・業態の開発を行い、お客様のニーズに即した商材を提供するために、グループの有する店舗網を活かしたマーケティング活動と商材の育成・獲得を図ります。

また新たな柱となる事業領域の獲得については、M&A手法等も有効な手段の1つとして積極的に模索してまいります。

④ITの積極活用とオンラインの強化

スマートフォン使用等オンラインでの情報認知と検索行動がますます一般化する中で、商品情報の検索性を高めることや決済方法の多様化対応により、ECサイトと店舗との併売等お客様への利便性を高め、よりシームレスな購買環境整備を物流体制及びIT・電子商取引対応への投資を行うことにより推進強化してまいります。

⑤人材の獲得と教育投資

各項目で述べてきた戦略を実現するため、人材獲得と教育投資による人材の活用を引き続き推進してまいります。

また、企業の持続的な成長・発展を実現するためには、従業員一人ひとりの個性や価値観を尊重し、その個性や能力を最大限に発揮することが必要となることから、多様な働き手を支援する環境を整備してまいります。

連結計算書類