事業報告(2022年12月1日から2023年11月30日まで)
事業の経過およびその成果
2023年度は、国際的な穀物・エネルギー相場の高止まりや高病原性鳥インフルエンザ感染拡大の影響など厳しい状況となりました。このような環境において、国内では市場担当制を活かしお客様の多様化するニーズに対応するとともに、収益性の高い体質づくり、新たな価値提案の実現に向けて取り組みました。海外では、引き続き中国・東南アジア・北米を中心に、KEWPIEブランドの浸透を加速させ、成長ドライバーとして拡大を進めました。
売上高については、海外の安定成長や、調味料・タマゴ商品の価格改定による単価上昇などにより増収となりました。
営業利益については、主原料およびエネルギー・一般原資材の高騰影響を受けたことにより減益となりました。経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の減少により減益となりました。
主な業績指標

財産および損益の状況
セグメントの概要

セグメント別売上高・営業利益

- 前年度比増減および2023年度の構成比については、百万円未満を切り捨てた金額で計算しています。
市販用
主な変動要因
売上高は、調味料の価格改定による単価上昇等で増収となりました。
利益については、価格改定を進めましたが、主原料高騰等による影響を受け減益となりました。

業務用
主な変動要因
売上高は、価格改定効果や、鶏卵相場の高騰によりタマゴ商品の販売価格が上昇し、増収となりました。
利益については、価格改定を進めましたが、主原料高騰等による影響を受け減益となりました。

海外
主な変動要因
売上高は、中国・東南アジア・北米が堅調に推移し増収となりました。
利益については、北米のキユーピーブランド商品の拡大と、主原料の価格が落ち着いてきたことにより増益となりました。

フルーツ ソリューション
主な変動要因
食品メーカー向けの販売増加や、家庭用のジャム・スプレッドの価格改定効果等により、増収増益となりました。

ファインケミカル
主な変動要因
通信販売・原料販売が好調に推移し増収となりましたが、コスト増の影響を受け減益となりました。

共通
主な変動要因
食品メーカー向け製造機械の販売増加により増収となりましたが、販管費増加の影響を受け減益となりました。

剰余金の配当等の決定に関する方針
当社では、配当金を最優先とした株主還元を基本に、中期経営計画ごとに設定する方針に基づいた株主還元を行っています。
2024年度までの中期経営計画の配当金の決定に際しては、1株当たり年間配当金45円以上を前提に、連結配当性向35%以上を基準とするとともに、4年間累計の総還元性向50%以上を目安としています。
2023年11月期の配当金は、1株当たり年間50円(中間配当金23円、期末配当金27円、連結配当性向52.8%)となります。
2024年11月期の配当金は、1株当たり年間50円(中間配当金23円、期末配当金27円、連結配当性向50.4%)を予想しています。
なお、当社は連結配当規制適用会社です。
1株当たり配当金の推移


対処すべき課題
2021-2024年度 中期経営計画
当社グループは、人が生きていくうえで欠かすことのできない食の分野を受け持つ企業グループとして、「おいしさ・やさしさ・ユニークさ」をもって、世界の食と健康に貢献することをめざし、長期ビジョン「キユーピーグループ 2030ビジョン」を掲げています。
2021-2024年度中期経営計画では、お客様や市場の多様化に対応し、「持続的成長を実現する体質への転換」をテーマに「利益体質の強化と新たな食生活創造」「社会・地球環境への取り組みを強化」「多様な人材が活躍できる仕組みづくり」の3つの方針に基づいて、事業活動を進めています。
グループ経営方針

2021-2024年度 中期経営計画の進捗
2023年度は、国際的な穀物・エネルギー相場の高止まりや高病原性鳥インフルエンザ感染拡大の影響を受け、ROE・営業利益率ともに前年を下回る結果となりました。
海外売上高伸長率については中国・東南アジア・北米を中心に順調に推移しています。
「多様な人材が活躍できる仕組みづくり」では、活発な対話やキャリア支援、多様なスキルを活かす機会の提供などを中心とした人的資本への投資を行い、従業員が挑戦できる仕組みや環境づくりの取り組みも推進してきました。

- 2024年度目標は、「2021-2024年度 中期経営計画」策定時に設定した数値です。
- 人材流動化は、国内グループ会社(アヲハタ株式会社を除く)の入社15年目までの従業員を対象にした育成異動です。
- 女性管理職比率は、当社単体の在籍者を対象にしています。
キャッシュ・フローの配分

2024年度 連結業績計画

