株主の皆さまへ
価値ある豊かさの創造
食の未来を創造し、豊かな生活と社会の発展に貢献する
株主の皆さまにおかれましては、日頃より格別のご理解とご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
2022年度はコロナ第6,7,8波の影響と急激なインフレ影響を受け、また、一過性のコスト約75億円を計上したことにより、売上高は3,037億円と前年を上回りましたが、営業利益は-56億円となりました。
2023年もコストプッシュの厳しい経営環境は続き、生活防衛による外食時の選択的消費も続くと予想されます。このような認識のもと、昨年から進めている「収益構造改革」をより一層深化・加速させる共に、「売上成長」に向けた戦略を着実に実行することで、業績回復とさらなる成長を目指してまいります。
収益構造改革においては、既存店の収益力の大幅改善が最大の課題であると認識しています。モデル店での実験を通じて、抜本店なオペレーションの見直しと徹底を図ることで、店舗段階の営業利益は10%以上の改善効果を得ることができました。この成果を全店舗に展開することでグループの収益基盤の底上げを推し進めます。
また、コロナ禍で短縮していた営業時間を約2,000店舗で拡大します。夜間・早朝の外食ニーズの高い一部の店舗では、24時間営業を含めた深夜営業を再開し、さらなる売上収益の確保に繋げていきます。
売上成長に向けては、メニュー・価格戦略、出店戦略、海外出店・外販/通販事業の拡大に取り組んでおり、着実に実績が出ている状況です。
昨年よりアフターコロナを見据えた新業態の開発を進めてきましたが、今年1月に「八郎そば」、2月に「飲茶TERRACE 桃菜」の2つの新ブランドをオープンしました。いずれの業態も売上実績は大変好調に推移しており、お客様からも高い評価をいただいています。「八郎そば」は「旨いめしを腹いっぱい食べたい」をコンセプトに日常の食を応援する業態として、「飲茶TERRACE 桃菜」は、中国茶を楽しみながら点心を味わう食文化とライフスタイルを提案する業態として、今後の新規出店や業態転換の新たな戦力として店舗数を拡大する計画です。多様なブランドを持つ強みを生かし、マーケットの変化に迅速に対応してブランドポートフォリオを常に進化させながら、新たな時代の成長をけん引する出店戦略を実行していきます。
ESGの取り組みは持続可能な成長に向けた重要な戦略として、また、持続可能な社会の実現に貢献するため、継続的に推進していきます。「食品廃棄物削減」「CO2削減」「人権尊重」など重要課題に対して部門横断で推進する体制の整備や環境配慮の活動など、2020年に設置したサステナビリティ委員会を通じて当社の長期ビジョン「一人ひとりの豊かな生活の実現/豊かな社会づくりへの貢献/環境への配慮」の実現に向けた取り組みを推進しています。その成果として「CDP気候変動」や「FTSE Russell」といったESG関連の外部機関の評価も向上しています。
当社は、約30%の配当性向を目標に、株主の皆さまへ継続的な配当を実施していくことを基本方針としています。2022年度は業績結果を受けて無配とさせていただきましたが、2023年度は1株当たり3円の復配を予定しています。株主優待については、現行の優待制度の内容を継続とさせていただきます。
株主の皆さまへの利益還元は経営上の最重要課題と認識しており、前述の経営戦略を着実に実行し、業績回復と成長に向けて尽力してまいります。
2023年3月30日付で、私は代表取締役会長に就き、代表取締役社長に取締役常務執行役員兼財務本部マネージングディレクターの金谷実が新たに就任する人事を決定しました。会長は、最高経営責任者として経営戦略の立案等、経営管理全般を指揮・統括し、社長は、業務全般を管理・執行を担うツートップの経営体制をとることで、困難で変化の激しい事業環境の中、経営戦略と執行の一層の強化・充実を図り、さらなる企業価値の向上を目指してまいります。
株主の皆さまにおかれましては、今後とも一層のご支援とご指導を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

株式会社すかいらーくホールディングス
代表取締役会長兼社長