第159期事業報告(2024年4月1日から2025年3月31日まで)

帝人グループ(企業集団)の現況に関する事項

(1)事業活動の経過及び成果

1)当期の経営成績

2024年度における世界経済は、ウクライナ情勢の長期化や、イスラエルおよび周辺国における紛争の勃発により不安定となる中、個人消費が底堅い米国を除き、世界的に景気は低調に推移しました。特に中国の不動産市況低迷に起因する景気減速や、インフレや高金利、外需不振に伴う欧州製造業の不調に加え、2025年1月の米国の政権交代に伴う通商政策見直しの動きが影響し、先行き不透明な状況が継続しました。

帝人グループは、2024年5月に「中期経営計画2024-2025」を公表し、「収益性改善の完遂による基礎収益力の回復」と「事業ポートフォリオ変革」を主要課題に掲げ、各種施策を推進しています。2024年度は収益性改善の施策を概ね計画通り達成するとともに、戦略的オプションの実行による事業の絞り込みに目途を付けました。一方、景気減速の影響により、マテリアル事業領域の需要が伸び悩むなど、新たな課題に直面しました。中期経営計画で掲げた中長期的な方針に変更はありませんが、成長軌道への回帰に向けて、短期的には足元の厳しい市場環境に適応すべく、生産体制の見直しを含むコスト削減に取り組むなどレジリエントな対応を進めております。

帝人グループの当期の経営成績は、売上収益が前期比で4.7%増の1兆55億円となり、事業利益(注)は同25.7%増の276億円となりました。また、複合成形材料の北米事業の減損損失の計上等により営業損失は718億円(前期は49億円の営業損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益は283億円(前期は117億円の当期損失)となりました。事業利益に関して、マテリアル事業領域では、収益性改善策の効果の追加発現や、アラミド事業および樹脂事業を中心とした複数の用途での販売量増加により増益となりました。また繊維・製品事業は、販売が好調に推移し増益となりました。ヘルスケア事業においては、薬価改定影響および在宅医療機器の新機台投入によるコスト増などにより減益となりました。

その結果、収益性を示すROEは6.7%、ROICは2.6%となり、キャッシュ創出力を示すEBITDAについては982億円となりました。

(注)事業利益は、営業利益に持分法による投資損益を加算し、非経常的な損益(持分法による投資損益のうち金融損益や減損損失等の非経常的な損益を含む)を除いて算出しています。

なお、当連結会計年度より、システムの運用・開発・メンテナンス及び電子コミック配信サービス等を行うIT事業を非継続事業に分類しています。

事業別業績概況

2024年度における事業別の概況は次のとおりです。

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複合成形材料事業での収益性改善効果の発現と減損処理等に伴う償却費減少影響やアラミド事業および樹脂事業での販売量増加などが収益に貢献。一方、アラミド事業や炭素繊維事業での競争激化による販売価格の低下影響およびアラミド事業での前期に計上した保険金収入剥落の影響を受けました。

売上収益は4,593億円と前期比201億円の増収(4.6%増)、事業利益は60億円と前期比78億円の増益となりました。EBITDAは前期比4億円減の325億円となり、ROICは1%となりました。

アラミド事業

アラミド事業では、原燃料価格の低下や競争激化の影響で一部の用途において販売価格が低下したほか、前期に計上した火災保険金収入分が剥落したことなどが減益要因となりました。一方、自動車用途や防弾・防護用途での販売量の増加や原燃料価格低下によるコスト減などで一部相殺した結果、前期比減収・減益となりました。

樹脂事業

樹脂事業では、主力のポリカーボネート樹脂において、中国での低調な景気継続等により全般的に需要が低迷したものの、一部用途においてサプライチェーン上での在庫調整が緩和し販売量が増加しました。一方、競争激化の影響から販売価格が低下し、スプレッドも若干低下しました。結果、前期比増収・増益となりました。

炭素繊維事業

炭素繊維事業では、汎用品を中心とした競争の激化により産業用途等で販売量が減少し、販売価格も低下しました。一方、航空機向け用途は、サプライチェーン上での調達制約の影響を受けながらも、堅調な旅客需要を背景としてビルドレートが上昇し、販売量は増加しました。結果、前期比減収・減益となりました。

複合成形材料事業

複合成形材料事業では、販売価格改定、コスト削減等の収益性改善施策の発現、固定資産の減損処理に伴う償却費減等により、前期比増収・増益となりました。

アラミド繊維「トワロン」「テクノーラ」「コーネックス」

ロータスのSMC製ドアとテールゲート

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衣料繊維分野、産業資材分野とも販売好調

売上収益は3,519億円と前期比302億円の増収(9.4%増)、事業利益は178億円と前期比49億円の増益(37.5%増)となりました。EBITDAは前期比47億円増の255億円となり、ROICは8%となりました。

衣料繊維分野は、北米や中国向けのテキスタイル・衣料品の販売が好調に推移し、国内向けも衣料品の販売好調が継続しました。産業資材分野では、水処理フィルター向けのポリエステル短繊維、人工皮革、テレビ通販での生活雑貨の販売が好調に推移しました。拡販に伴う経費増や円安による仕入れコスト増がありましたが、販売価格改定や生産性の改善を進めました。

各種テキスタイルと衣料製品

人工皮革「コードレ」を使用したシューズとボール

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医薬品の薬価改定および在宅医療機器の新機台投入によるコスト増が収益に影響。一方、在宅医療機器のレンタルは堅調に推移し、医薬品「ソマチュリン」、「ゼオマイン」、「オスタバロ」も順調に販売量を拡大

売上収益は1,370億円と前期比77億円の減収(5.3%減)、事業利益は57億円と前期比125億円の減益(68.7%減)となりました。EBITDAは前期比107億円減の347億円となり、ROICは2%となりました。

医薬品分野

医薬品分野では、長期収載品を中心とした2024年4月の薬価改定および後発品浸透の加速が収益に影響しました。一方で、「オスタバロ」、「ソマチュリン*1」、「ゼオマイン*2」が順調に販売量を拡大しました。

  • *1 先端巨大症・下垂体性巨人症/甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍/膵・消化管神経内分泌腫瘍治療剤 ソマチュリン®/Somatuline®は、Ipsen Pharma(仏)の登録商標です。
  • *2 上肢・下肢痙縮治療剤 ゼオマイン®/Xeomin®は、Merz Pharma GmbH &Co, KGaA(独)の登録商標です。

在宅医療機器分野

在宅医療機器分野では、在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)市場において、検査数の増加に伴い新規処方件数の拡大が継続し、レンタル台数は順調に増加(前期末対比約7%増)しました。一方、新機台の投入台数や消耗品の使用量の増加に伴うコスト負担が増大しました。また、在宅酸素療法(HOT)市場では、全体としてはレンタル台数が微減となりましたが、2023年7月に上市した携帯型酸素濃縮装置新機種「ハイサンソポータブルαⅢ」のレンタル台数が順調に増加しました。

骨粗鬆症治療剤
「オスタバロ皮下注カートリッジ1.5mg」

携帯型酸素濃縮装置
「ハイサンソポータブルαⅢ」

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売上収益は573億円と前期比24億円の増収(4.4%増)、事業利益は71億円と前期比60億円の増益(554.0%増)となりました。

電池部材・メンブレン分野は、販売好調により収益が伸長しました。

再生医療分野では、帝人リジェネット株式会社の岩国ファクトリーが再生医療等製品の製造業許可を、柏の葉ファシリティーが特定細胞培養加工施設許可をそれぞれ取得するなど、CDMO事業の立ち上げが順調に進捗しました。

人工関節・吸収性骨接合材等の埋込医療機器分野では、帝人メディカルテクノロジー株式会社が2024年6月に発売した心・血管修復パッチ「シンフォリウム」の使用が順調に拡大しています。

  • *Contract Development and Manufacturing Organization 製品の開発・製造を受託する機関

リチウムイオンバッテリー(LIB)用セパレータ
リエルソート

「オキュラル」再生医療(J-TEC)製品

2)財政状態

当期末の資産合計は、前期末に比べ1,653億円減少し、10,613億円となりました。現金及び現金同等物や営業債権及びその他の債権等が減少したほか、償却ならびに減損により有形固定資産や無形資産が減少しました。

負債合計は、主に借入金の返済により前期末に比べて1,671億円減少し、6,227億円となりました。

資本合計(非支配持分を含む)は、多額の減損損失を計上する一方で、インフォコム株式会社の普通株式の譲渡による関係会社株式売却益を計上することで前期末に比べて18億円増加し、4,385億円となりました。

これらの結果、D/Eレシオは0.9倍、親会社所有者帰属持分比率は40.6%となりました。(前期末 D/Eレシオ1.26倍、親会社所有者帰属持分比率33.4%)

なお、当期末のBS換算レートは、150円/米ドル、162円/ユーロ、1.08米ドル/ユーロ(前期末151円/米ドル、163円/ユーロ、1.08米ドル/ユーロ)となっています。

(2)設備投資の状況

2024年度の設備投資は、主に事業所及びアラミド事業の能力維持を目的とした設備投資等により594億円実施しました。なお、設備投資額に非継続事業に分類した事業は含めていません。

(3)資金調達の状況

金融機関からの借入により資金調達を実施しました。有利子負債は2023年度末対比1,118億円減少し、3,871億円となりました。

(4)他の会社の株式その他の持分又は新株予約権等の取得又は処分の状況

当社は、ビー・エックス・ジェイ・シー・ツー・ホールディング株式会社(以下、「公開買付者」といいます。)との間で、①公開買付者が実施する当社の連結子会社であるインフォコム株式会社の普通株式(以下、「インフォコム株式」といいます。)及び新株予約権に対する公開買付け(以下、「本公開買付け」といいます。)に、当社が保有するインフォコム株式の全てを応募しないこと、②本公開買付け成立後に、インフォコム株式会社の株主を当社及び公開買付者のみとするための手続(インフォコム株式の併合を含みます。)を実施すること、並びに③インフォコム株式会社による自己株式取得により、当社がその時点で保有するインフォコム株式の全てをインフォコム株式会社に譲渡すること等に関する取引基本契約を締結し、2024年10月22日を効力発生日として、当社が保有するインフォコム株式の全てをインフォコム株式会社に譲渡いたしました。

また、当社は、持分法適用会社であるEsteve Teijin Healthcare, S.L.の当社保有株式全てをOximesa S.L.U.社へ譲渡する株式譲渡契約を2024年12月19日に締結しました。

また、当社は、100%連結子会社であるTeijin Automotive Technologies NA Holdings Corp.株式の全てをAURELIUS Private Equity Mid-Market Buyout傘下の特別目的会社であるStork BidCo Inc.へ譲渡する株式譲渡契約を2025年3月31日に締結しました。

(5)財産及び損益の状況の推移

経営指標

(6)経営方針及び対処すべき課題

1)帝人グループが目指す姿

帝人グループは、2024年4月に、帝人グループのパーパス(存在意義)を明確化し、実行力を高めることを目的に、帝人グループのパーパス「Pioneering solutions together for a healthy planet」を策定しました。このパーパスは、帝人グループの過去や現在、未来について全社を挙げて議論を重ねた結果洗い出された、帝人グループが大切にしてきた価値観そのものであり、美しい地球に人々がいつまでも暮らし続けるためのソリューションの提供に挑戦する会社でありたいという社員の想いが強く反映されています。

【パーパスに込めた想い】

帝人グループでは、このパーパスに併せて、3つのバリュー「①すべての挑戦をリスペクトします、②多様な仲間と専門性を活かして成長します、③地球とあらゆる生命に寄り添い、守ります」を設定しています。パーパスを軸に、バリューを重視することで、帝人グループの長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」(モビリティ、インフラ&インダストリアル領域:「地球の健康を優先し、環境を守り、循環型社会を支える会社」、ヘルスケア領域:「より支えを必要とする患者、家族、地域社会の課題を解決する会社」)を目指していきます。

2)対処すべき課題
a) 中期経営計画

当社は、2024年5月に「帝人グループ 中期経営計画2024-2025」を公表し、当社の対処すべき課題として、①収益性改善の完遂による基礎収益力の回復、②事業ポートフォリオ変革、③グローバル経営基盤の強化、の3つを掲げ、成長軌道に回帰するため、これらの課題に対して強い決意を持って取り組んでいます。

ⅰ)収益性改善の完遂による基礎収益力の回復
2024年度は、2023年度から進める収益性改善の完遂による基礎収益力の回復に向けて、以下の施策に重点的に取り組み、複合成形材料の北米事業における労働生産性の改善や価格改定効果の発現、アラミド事業における安定供給体制の確立やヘルスケア事業における固定費削減効果の前倒し発現、国内での「ネクストキャリア支援制度」(早期退職優遇制度)を含む固定費削減の実行等、一定の成果を上げました。
一方、欧州や中国を中心としたグローバルでの景気減速による需要低迷や市場競争環境の激化影響を受けたアラミド事業や炭素繊維事業に加え、薬価改定や後発品の浸透加速の影響を受けたヘルスケア事業は基礎収益力を十分に回復することができず、その収益力改善が2025年度の新たな課題として残りました。

【主な施策と進捗状況】

【対処すべき課題】

ⅱ)事業ポートフォリオ変革
2026年度以降の次期中期経営計画期間において、変革後の事業ポートフォリオによる成長を実現していくために、今中期経営計画においては、不採算事業・非注力事業の戦略的オプションを実行し、運営する事業を絞るとともに、重要産業セクターとして設定したモビリティ、インフラ&インダストリアル、ヘルスケアの領域での成長に向けた取り組みを推進しています。具体的には、素材や製品単体を提供する事業から、繊維・製品事業が持つ先端素材開発から生産・販売まで垂直統合した強固なサプライチェーンや在宅医療事業で培ったサービス基盤を活かした顧客に寄り添った提供価値主体の事業へと変革を進めています。2024年度は、不採算事業や非注力事業の事業売却等を強力に推進しました。2024年10月には電子コミックを手掛けるインフォコム株式会社の売却を完了させるとともに、近年業績が低迷していた複合成形材料の北米事業に関しても、2025年3月にTeijin Automotive Technologies NA Holdings Corp.の株式譲渡契約を締結し、譲渡完了に向けた対応を進めています。加えて、コーポレート新事業でもビオリエ・ニュートラシューティカルビジネスからの撤退や帝人ナカシマメディカル株式会社の株式譲渡を決定し、事業の絞り込みを進めています。また、持続的に成長戦略を推進するためにはそれを支える既存事業の収益力の維持・拡大が必要であり、他社との提携を含む様々な選択肢を検討しています。
2025年度は、2026年度以降に大きく羽ばたくための準備期間として、絞り込んだ事業を中心に今後、どの様に成長していくかの具体的な方策を追求していきます。

【対処すべき課題】

ⅲ)グローバル経営基盤の強化
事業ポートフォリオ変革に併せて、グローバル経営基盤を強化し、パーパスを軸とした実行力の向上を目指すため、今中期経営計画においては特に、ガバナンス面で「グローバル企業・多角化企業に最適化されたガバナンス体制の確立」、生産・製造技術面で「国内外の知見・技術の融合による設備・運転・保全レベルの進化」、人的資本の面で「戦略を実装する『適所』の確立と『適材』の確保」の課題に取り組んでいます。
2024年度は、パーパスやバリューをただの標語とせず、社員一人ひとりの具体的な行動に落とし込む「マイアクション」活動を推進しました。全社員へ浸透させることで、パーパスやバリューを確実に体現する体制や組織風土を醸成し、帝人グループならではの価値を社会に提供していきます。ガバナンス体制の強化策としては、意思決定の迅速化や取締役会における経営上の重要課題の議論の一層の充実化を目的に、監査等委員会設置会社への移行を決定しました。また、技術戦略管掌やデジタル・情報システム管掌を新規に設置するなど、経営課題に対応した管掌機能を再編することで、グローバル経営体制の強化を図っています。人的資本戦略としては、グローバルでの「適所適材」の実現のため、海外拠点への異動も可能とする社内公募制度「グローバルジョブポスティング制度」の導入や職務に基づく処遇を実現するため、経営管理職に対するジョブ型制度を導入するなど、計画した施策を着実に実行しました。そのほか、生産・製造技術の向上やサステナビリティへの取り組みも順調に進めております。
2025年度は、2024年度に実施した戦略的オプションや次期中期計画を踏まえた組織体制の最適化をより一層、進めていきます。

【対処すべき課題】

2024年度は複数の戦略的オプションの実行による事業ポートフォリオ変革や機関設計の変更決定などを力強く推し進め、将来の成長に向けた基盤を整備した1年となりました。2025年度も引き続き、マテリアル事業領域では、アラミド事業や炭素繊維事業などで最適生産体制の整備を進め、状況の変化にレジリエントに対応していくとともに、構造改革を進めます。また、ヘルスケア事業では、在宅医療事業の基盤を活かした成長戦略の中で、2023年11月に導入した希少疾患製品(ホルモン治療薬 3剤)を、早期に市場投入できるよう着実に準備を進めます。

2025年度の業績予想は、事業利益350億円、税後事業利益ROIC3%、ROE3%(IFRSベース)となる見込みです。今中期経営計画の目標である2025年度ROE6%以上を下回りますが、2026年度から始まる次期中期経営計画期間における成長、発展のための1年と位置付け、成長基盤整備および施策の完遂を目指します。

また、2025年度は、次期中期経営計画を策定する年となります。基礎収益力の拡大を図るのは自明のこととして、先端素材など、スペシャリティ製品の「品質」を武器に勝負するメーカーから、顧客の課題を深く理解した価値やサービスの提供ができる、「素材やヘルスケア製品の枠を超えた課題解決のパートナー」にもなるべく成長を図り、どの様な製品でも「稼ぐ力」を備える会社へと移行するための計画を策定する予定です。また、我々帝人グループには変革に対するスピードが必要であることを認識しています。計画策定途上であっても我々の目的に合致した戦略については、慎重な判断のもとスピード感を持って実行していきます。

帝人グループは、投資家をはじめとするステークホルダーの期待に応えられる持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現し、早期にROE10%以上、PBR1倍以上の達成を目指していきます。

b) サステナビリティに関する考え方及び取り組み

帝人グループは、パーパス「Pioneering solutions together for a healthy planet」を軸に、地球環境とあらゆる生命が健康である「Healthy Planet」の実現を目指しています。社会・環境問題をはじめとするサステナビリティ(持続可能性)を巡る課題から自社にとっての機会とリスクを整理し、重要課題を特定して、それぞれにKPIを設定し取り組みを推進しています。

サステナビリティに関する活動の責任者として、人事・総務/サステナビリティ管掌を定め、取締役会の指示・監督のもと、事業と一体化したサステナビリティの取り組みを推進しています。サステナビリティに関する方針や重要課題は、取締役会における決議事項であり、それらの方針に沿ったサステナビリティの取り組みは、執行側で管理指標も設定して進め、その対応状況については、適宜CEOまたは人事・総務/サステナビリティ管掌から取締役会に報告され、議論を行っています。

環境関連課題に対しては、次の表の長期的なKPIを設定しています。自社CO2排出量については、長期目標達成のロードマップを設定して、ネット・ゼロの実現に向けて取り組んでいます。

〈環境関連課題 主要KPI〉

人的資本関連でも、「人財が活躍するための施策」の状況を測るため、役員層・管理職層の多様性とエンゲージメントに関する指標を設定し、目標の達成を目指します。具体的には、「多様性に関するKPI」として、女性役員比率は、2030年4月に30%(24年10月実績:20%、26年4月:20%)、外国籍役員比率は、2030年4月に30%(24年10月実績:8%、26年4月:10%)、女性管理職比率(女性部課長)は、2030年4月に20%(24年10月実績:11%、26年4月:12%)の目標値を設定しています。また、「社員エンゲージメントサーベイに関するKPI」として、エンゲージメントスコアが2030年4月に68(24年9月実績:64、26年4月:64)という目標値を設定しています。

(注)役員:取締役、監査役、執行役員

また、知的財産に関する取り組みにおいては、帝人グループでは、知的財産は重要な無形の経営基盤の一つであるとの認識のもと、知的財産に関する基本方針を定め、事業戦略及び技術戦略と一体となって経営戦略に積極的に関与する知的財産戦略を遂行しています。また、中長期的な視点で各事業の知的財産戦略を策定し、これに基づいて知的財産を創造、保護及び活用することで、帝人グループの各事業がグローバル競争において優位に事業活動を展開できるようにしています。さらに、ここ数年で「知財インテリジェンス(意思決定に資する知財情報解析)」を帝人グループの最も重要な知財機能の一つとして強化したことによって、経営や事業における重要な意思決定にIPランドスケープを活用する取り組みが定着しています。

なお、環境及び人的資本に関する重要課題とKPIの詳細については、当社ウェブサイト(https://www.teijin.co.jp/csr/materiality/)をご参照ください。各目標に対する実績についてもご確認いただけます。

3)社会貢献活動

帝人グループ社会貢献基本方針に則り、自然との調和を大切にし、地域コミュニティとともに発展するため、よき企業市民として事業特性や地域性を尊重した適切な社会貢献活動を推進しています。学術・教育、スポーツなどを通じた次世代の育成の支援としては、若き科学技術者の育成を目的に創設した公益財団法人帝人奨学会による帝人久村奨学金制度を通じ、約70年にわたり1,700人以上の理工系学生を支援しています。

また、「全国高校サッカー選手権大会」への協賛や、公益財団法人日本ユニセフ協会「子どもの権利とスポーツの原則」への賛同など、青少年のスポーツ支援に取り組んでいます。

その他、「令和6年能登半島地震・豪雨災害」の被災地に対する復興支援や、社員のボランティア活動を支援する休職制度や社員参加型プログラムなどの様々な仕組みを継続的に運用しています。

全国高校サッカー選手権の出場校へ
「コードレ®」を使用したサッカーボールを寄贈

社員のボランティア活動を支援する
「ボランティアサポートプログラム」

連結計算書類