事業報告(2019年4月1日から2020年3月31日まで)

企業集団の現況に関する事項

企業集団の事業の経過及びその成果

当社グループは、2019年度から2021年度を対象とする中期経営計画において、「国内事業の収益力アップ」、「海外事業の拡充」、「イノベーションの推進」をグループ経営戦略の基本方針に据え、「持続可能な社会への貢献」を通じ、連結営業利益1,000億円以上を安定的に継続するグローバルな企業集団を目指しています。

このような基本方針のもと、国内事業では、需要の構造的な変化に対応すべく、生産体制の再構築を行うことで資本の効率化を進める一方、有望事業には経営資源を集中し、キャッシュを稼ぐ力の強化に取り組みました。また、海外事業では、海外拠点数の拡大に加え、既存のインフラを活用した新事業の展開等、既存拠点からの有機的拡大を図るとともに、事業・拠点間のシナジー創出を進めました。

当期の売上高は、国内事業では価格の修正効果等がありましたが、海外事業でパルプ市況の軟化影響等があり、前期を434億円(△2.8%)下回る15,076億円となりました。なお、当社グループの海外売上高比率は、前期を2.1ポイント下回る29.9%となりました。

営業利益は、国内事業では増益だったものの、海外事業は減益となり、前期を41億円(△3.7%)下回る1,061億円となりました。

営業外損益は、持分法による投資利益の減少等により、前期に対し130億円の減益となり、経常利益は前期を171億円(△14.4%)下回る1,013億円となりました。

特別損益は、減損損失の減少等により、前期に対し244億円の増益となり、税金等調整前当期純利益は前期を73億円(+8.1%)上回る981億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期を62億円(+11.9%)上回る582億円となりました。

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各事業部門の状況

各事業部門の状況は、次のとおりであります。

(注)

1.調整額は、主として内部取引に関わる調整額です。

2.百万円未満は切り捨てて表示しております。

<ご参考>

(注)事業部門別の売上高および営業利益構成比(%)は、調整額(内部取引に関わる調整額等)を除いて計算しております。

生活産業資材

売上高 686,066 百万円
前期比 0.7 %増
営業利益 40,937 百万円
前期比 82.7 %増
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主要な事業

段ボール原紙・加工、白板紙・紙器、包装用紙・製袋、家庭紙、紙おむつ

国内事業では、段ボール原紙・段ボールは、食品・通販向け等が堅調に推移し、販売量が前年に対し増加しました。白板紙は、国内・輸出販売共に、販売量が前年に対し減少しました。包装用紙は、国内販売は、自動車用や輸出関連製品の需要減により、販売量が前年に対して減少しました。輸出販売は、前年に対し減少しました。紙おむつは、子供用おむつは、国内販売が減少しましたが、輸出販売は、販売量が前年に対し増加しました。大人用おむつは、販売量が前年に対し減少しました。家庭紙は、王子製紙株式会社春日井工場の火災による操業停止等の影響により、販売量が前年に対し減少しましたが、売上高は価格修正効果により前年に対し増加しました。

海外事業では、段ボール原紙は、東南アジアにおいて、販売量が前年に対し増加しましたが、売上高は市況軟化の影響により減少しました。オセアニアでは販売量が前年に対し減少しました。段ボールは、東南アジアでは飲料・加工食品関連を中心に堅調に推移しました。オセアニアでは販売量が前年に対し、ほぼ横ばいでした。紙おむつは、中国ではWhitoの拡販およびECサイトでの販売好調、マレーシアでは自社ブランド品の浸透、インドネシアでは拡販の継続により、それぞれ販売量が前年に対し大幅に増加しました。

機能材

売上高 214,669 百万円
前期比 4.2 %減
営業利益 15,354 百万円
前期比 16.4 %減
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主要な事業

特殊紙、感熱紙、粘着、フィルム

国内事業では、特殊紙の国内販売は、新製品開発・新規顧客開拓を進めましたが、電子・工業部門向け等が低調に推移し、販売量が前年に対し減少しました。輸出販売は、中国・韓国経済の減速影響等により、販売量が前年に対し減少しました。感熱紙は、堅調に推移し販売量が前年に対し増加しました。

海外事業では、感熱紙は、欧州・東南アジアにおいて販売量が前年に対し減少しましたが、北米・南米では販売量が前年に対し増加しました。

資源環境ビジネス

売上高 285,551 百万円
前期比 12.5 %減
営業利益 28,847 百万円
前期比 55.4 %減
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主要な事業

パルプ、エネルギー、植林・木材加工

国内事業では、パルプ事業は、販売量が前年並みでした。エネルギー事業は、青森県八戸市においてエム・ピー・エム・王子エコエネルギー株式会社がバイオマス発電設備を稼働したことにより、売電量が前年に対し増加しました。

海外事業では、パルプ事業は、販売量が前年に対し増加しましたが、売上高は市況軟化の影響等により減少しました。

印刷情報メディア

売上高 292,653 百万円
前期比 3.4 %減
営業利益 11,326 百万円
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主要な事業

新聞用紙、印刷・出版・情報用紙

国内事業では、新聞用紙は、発行部数減および頁数減の影響等により、販売量が前年に対し減少しました。印刷・情報用紙は、需要減の影響等により、販売量が前年に対し減少しました。

海外事業では、江蘇王子製紙有限公司が印刷用紙の販売量を伸ばしましたが、売上高は市況軟化の影響等により減少しました。

その他

売上高 289,392 百万円
前期比 1.6 %減
営業利益 8,976 百万円
前期比 8.8 %減
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主要な事業

不動産、エンジニアリング、商事、物流 他

その他につきましては、エンジニアリング事業および不動産事業の減収により減収となりました。

連結計算書類