事業報告(2020年1月1日から2020年12月31日まで)
クボタグループの現況に関する事項
クボタグループの事業の経過およびその成果



クボタグループの全般的状況
当期のクボタグループの業績は、全社を挙げて業績確保に努め、主力の北米ではディーラーから最終顧客への小売が大幅に増加しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う生産の遅れなどによりディーラーへの卸売が翌期にずれ込んだため、売上高、利益ともに減少しました。
当期(2020年1月1日~2020年12月31日)の売上高は、前期比668億円(3.5%)減少して1兆8,532億円となりました。国内では、機械部門が新型コロナウイルスの感染拡大や前期の消費増税の影響などにより減少したほか、水・環境部門も環境関連製品や、合成管などの民需向けの製品が減少しました。海外では、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に巣ごもり需要が伸長する一方で、生産や出荷の遅れなどにより機械部門が大きく減少したほか、水・環境部門も微減となりました。当期の海外売上高比率は前期比0.5ポイント上昇して67.9%となりました。
営業利益は前期比264億円(13.1%)減少して1,753億円となりました。機械部門は値上げ効果や米国の金利低下などの増益要因はありましたが、一時的な生産停止や生産量の低下に伴う生産工場の損益悪化に加え、国内外での減収や円高の影響などもあり、減益となりました。水・環境部門も減収の影響などにより減益となりました。税引前利益は前期比231億円(11.1%)減少して1,859億円となりました。法人所得税は470億円の負担、持分法による投資損益は25億円の利益となり、当期利益は前期比177億円(11.1%)減の1,414億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は前期を205億円(13.8%)下回る1,285億円となりました。
クボタグループの事業部門別状況
機械部門


農機・エンジン
12,188億円
建設機械
2,899億円

主要製品
農業機械、農業関連商品、エンジン、建設機械
当部門の売上高は前期比3.2%減少して1兆5,088億円となり、売上高全体の81.4%を占めました。
国内売上高は前期比4.4%減の2,929億円となりました。消費増税前の駆け込み需要の反動減や、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う販売活動の自粛などにより農業機械が大幅に減少しました。
海外売上高は前期比2.9%減の1兆2,159億円となりました。北米では、4月以降の堅調な需要や新機種効果などにより、ディーラーから最終顧客への小売は極めて好調に推移しました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う生産の遅れなどにより当社からディーラーへの卸売が翌期にずれ込んだため、建設機械やトラクタの売上が減少し、ディーラーの在庫水準も大きく低下しました。また、OEM先の在庫調整などによりエンジンも大幅減となりました。欧州では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いディーラーが一時的に営業を停止した影響や、エンジンのOEM先の減産などによりエンジン、建設機械、トラクタともに前期を下回りました。アジアでは、タイのトラクタが良好な雨季の天候による年後半の回復を受けて小売は微増となったものの、在庫調整の影響により売上は減少しました。一方、経済活動再開後の需要回復を受けて中国のエンジンや農業機械が増加したほか、インドの農業機械なども伸長したためアジア全体では前期を上回りました。
水・環境部門


パイプインフラ関連
1,931億円
環境関連
1,227億円

主要製品
パイプインフラ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、官需向けバルブ、素形材、スパイラル鋼管、空調機器等)、
環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ、民需向けバルブ等)
当部門の売上高は前期比4.3%減少して3,158億円となり、売上高全体の17.0%を占めました。
国内売上高は前期比4.8%減の2,740億円となりました。パイプインフラ関連製品はダクタイル鉄管や工事事業などが伸長しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により合成管、素形材、スパイラル鋼管、空調機器などが民需向けを中心に減少しました。環境関連製品は大型案件である福島県双葉町での廃棄物処理施設の建設に伴う売上が一巡したことにより前期を下回りました。
海外売上高はダクタイル鉄管や素形材が伸長したものの、環境関連製品が減少したため前期比1.0%減の418億円となりました。
その他部門

主要製品
各種サービス事業等
当部門の売上高は前期比9.3%減の287億円となり、売上高全体の1.6%を占めました。
クボタグループの今後の取り組み
当社は、「グローバル・メジャー・ブランド」すなわち「最も多くのお客様から信頼されることによって、最も多くの社会貢献をなしうる企業(ブランド)」となることを長期目標としています。この実現を加速するため、10年後を見据えた長期ビジョン「GMB2030」を策定し、クボタグループのあるべき姿として「豊かな社会と自然の循環にコミットする“命を支えるプラットフォーマー”」を掲げています。食料の生産性・安全性を高めるソリューション、水資源・廃棄物の循環を促進するソリューション、都市環境・生活環境を向上させるソリューションを通じて持続可能な社会へ最大限の貢献をすることにより、長期にわたる持続的発展をめざします。また、2025年までにGMB2030の実現に向けた土台づくりを完了するため、以下の重点施策を推進していきます。
1.ESGを経営の中核に据えた事業運営への転換
企業の社会的責任がますます重くなる中で今後もサステナブルな企業であり続けるため、当社はこれまで以上にESGを意識した取り組みを進めていきます。ただし、「食料・水・環境」分野を事業領域とし、「環境負荷低減・社会問題解決」に事業として取り組む企業として、ESGの一般的な施策に加え、クボタグローバルアイデンティティ(企業理念)に根差した事業関連活動を具現化することによって企業としての存在価値を高めていくことをめざします。
その取り組みを加速・強化するために社長直轄の推進組織を設置し、グループ全体のESGに対する意識を高め、様々な施策を統括していきます。また、社内外のコミュニケーションを拡充・強化することによって、クボタグループの事業に対するあらゆるステークホルダーからの「共感」と「参画」を得て、クボタ独自のESG活動を展開していきます。その中で特に注力すべき重要なテーマとして、2050年のカーボンニュートラルをめざした取り組みを進めます。推進部門を新たに設置し、カーボンニュートラル達成に向けた青写真が5年後の2025年には描けていることをめざします。
2.次世代の成長ドライバー候補の確保に向けた取り組み
GMB2030の実現に向けて、長期を見据えた開発・事業テーマを選定し、組織的・計画的に経営資源を配分します。イノベーションを生み出すため、テーマ選定から事業化までのあるべき運営・組織体制を早期に構築し、2025年までに次世代の成長ドライバーとなるビジネスモデル、製品、サービス、市場候補を複数件確保することをめざします。また、それを次の5年でビジネス展開することにより、変化に対応できるサステナブルな企業へと発展し、飛躍的な成長につなげていきます。
3.成長機会を活かす事業戦略の推進
GMB2030の実現にチャレンジしていくには、既存事業がしっかりと市場で評価され、着実に成長し続けることが必要不可欠です。各事業部門が強化・成長のシナリオを持ち、必要な施策を強力に推進していきます。特に北米の建設機械やアセアンなどの現在未参入・未開拓の地域・製品や、機械のアフターマーケットや環境O&M、管路ソリューションなどの製品販売後の事業を今後の成長ドライバーと位置付け、経営資源を重点的に配分することで、既存事業を着実に成長させていきます。
4.中期事業基盤強化による利益構造の改善
クボタ独自のESGの取り組みやGMB2030の実現には、知的財産、人的資源、DXの推進などの無形資産への積極的な資源投入に加え、様々な災害リスク対応、職場環境改善、安全・品質向上などのESG分野の投資も必要です。利益率の低下を招くことなく、これらの投資を実行するため、利益率の高い分野の着実な伸長、利益の出る体質づくり、事業運営の徹底的な効率化によりその原資を生み出します。
5.持続的成長を支えるインフラ整備
持続的成長を支えるインフラ整備として、事業運営体制の変革、人的資源確保・活用に向けた取り組み、リスクマネジメントの強化を推進します。
事業運営体制の変革では、グローバル化に対応した運営体制への変革をめざし、生産・調達レイアウトの変革や、グローバルに展開する事業を適切に把握・管理する経営管理体制の構築を推進します。
人的資源確保・活用に向けた取り組みでは、事業拡大に伴うグローバル化もにらみ、全従業員がより高いパフォーマンスを発揮するための教育体制を整備するとともに、実際の運用で確実に育成できるよう具体策を講じていきます。また、コロナ禍で見えてきた様々な課題に対応するために新たなプロジェクトを発足し、働き方改革だけではなく、働き甲斐のある改革を進めます。また、現地人財の積極的登用なども進め、グローバル体制で活躍できる人財づくりを推進します。
リスクマネジメントの強化では、近年、事業の継続を揺るがすリスクも多様化している中で、自然災害、パンデミック、地政学リスクなどに対するBCP対応や、コンプライアンスリスク、サイバー・セキュリティリスク、事業リスクなどの様々なリスクに関してより能動的に対応するための組織整備・拡充を図ります。
6.共通テーマとしてのDX推進
ICT技術、ビッグデータ、5GやAIなどのDXの基盤となるプラットフォームを整備・活用することで、「製品・サービス・生産現場」、「ビジネスプロセス」、「コミュニケーション&コラボレーション」に変革を起こし、前述の5つのテーマの推進を確実なものとしていきます。
7.対処すべき課題
石綿問題に関する対応
当社は、過去に石綿を扱ってきた企業としての社会的責任を果たすという観点から、今後とも誠意を持ってこの問題に取り組んでいきます。
【取り組み事項の報告】
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救済金支払いの状況
「旧神崎工場周辺の石綿疾病患者並びにご家族の皆様に対する救済金支払い規程」を2006年4月17日に制定し、2020年12月31日までに355名の方へ救済金をお支払いしました。 -
石綿疾病に関する医療研究支援の実施状況
兵庫医科大学ならびに大手前病院が行う石綿関連疾病の治療・研究に対し、2018年から2022年までの5年間で、総額5億5,000万円の支援を決定し、2020年度分の寄付を実施しました。
昨年は新型コロナウイルスが世界中に広まり、未だ終息の兆候が見えません。誰もがこれまでに経験したことがない環境下に置かれ、事業環境のみならず、個々の生活様式も一変しました。こうした先行きの見えない状況においても、「食料・水・環境」という重要な社会インフラを支える当社の事業は、エッセンシャルビジネスとして世界各地のお客様に必要とされました。こうしたことがクボタグループの強みであるとともに、どのような状況においても社会のニーズに着実に応え続けることが当社の果たすべき重要な使命であることを再認識しました。
新型コロナウイルス感染症を機に社会が大きく変化し、自然環境や社会へ配慮した企業活動が益々重要となる中で、当社はESGを経営の中核に据えた事業運営への転換を図り、クボタグループを取り巻くすべてのステークホルダーの皆様と誠実に向き合うことで、長期的な成長と企業価値の一層の増大をめざしていきます。
株主の皆様におかれましては、今後も変わらぬご支援を賜りますようお願い申しあげます。
ESG(環境・社会・ガバナンス)
KESG経営
クボタグループ独自のESG推進を加速・強化するために、「KESG経営戦略会議」、「KESG推進部」を設置し、グループ全体のESGに対する意識を高め、様々な施策を推進し、また社外への戦略的な発信も含め、クボタ独自のESG活動を展開していきます。

Gガバナンスへの取り組み
コーポレートガバナンスの基本方針
当社は長期安定的な企業価値の向上を経営の最重要課題としており、その実現のために企業を取り巻くステークホルダーの満足を図り、経済価値、社会価値、企業価値のバランスをとりながら企業全体の価値を高めていくことが重要と考えています。とりわけ、当社が企業理念「クボタグローバルアイデンティティ」に基づき、クボタブランドを「グローバル・メジャー・ブランド」として確立するという長期目標を達成するためには、日本だけでなく世界中で信頼される会社でなければなりません。この信頼の獲得に不可欠な企業運営の健全性、効率性、透明性をより向上させるべく、コーポレート・ガバナンスのさらなる強化に向けて取り組みを進めております。
また、株主、投資家や社会からの信頼と共感をより一層高めるため、四半期ごとの決算や経営政策の迅速かつ正確な公表や開示等、企業情報の適切な開示を図り、企業の透明性を今後も高めていきます。
資本政策の基本方針
当社の資本政策の基本方針は、収益力の強化に向けて、資本を十分に活用すること、将来の事業拡大を支えるのに足りる水準の資本を保持すること、株主還元の一層の充実を図ることの3つです。この3つの方針をバランスよく推進することによって株主価値の持続的な向上を図っていきます。
剰余金の配当などの決定に関する方針
当社は、安定的な配当の維持・向上と機動的な自己株式の取得・消却を両輪として株主還元を実施することを基本方針にしています。また、健全な経営の維持と将来の経営環境への対応を勘案しながら、株主還元を適切に実施することは重要な経営課題の一つと考えており、今後もその充実に努めてまいります。
当社はこの基本方針に基づき、配当と自己株式の取得・消却を合わせた連結総還元性向は40%以上を目標に、さらなる向上をめざしてまいります。
なお、期末配当金につきましては、2021年2月15日の取締役会において、1株当たり19円とし、本年3月22日を支払開始日とすることに決定させていただきました。この結果、当期の1株当たり年間配当金は、実施済みの中間配当金17円を含め36円となります。
E環境における取り組み
ブランドステートメントである「For Earth, For Life」の下、環境経営を実践し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
環境ビジョン
環境負荷ゼロに挑戦しながら、「食料・水・環境」分野でカーボンニュートラルでレジリエントな社会の実現に貢献します。
世界は「脱炭素」の動きを加速しています。経済発展や人口増加は水需要を増加させ、資源の枯渇を招きます。これら社会問題の対応遅延は事業活動におけるリスクとなりえます。当社は気候変動をはじめ環境保全活動を重要課題として捉え、2050年に向けて環境面から事業活動の方向性を示す「環境ビジョン」、その実現に向けた環境保全中長期目標を新たに策定しました。
環境保全長期目標2030(抜粋)

環境保全中期目標2025(抜粋)

【環境配慮製品・サービスの拡充】
環境規制対応や使用時の温室効果ガス排出抑制など、製品の環境負荷低減は事業拡大につながると考えています。当社は製品ライフサイクル全体で環境配慮を推進し、排出ガスのクリーン化や作業燃費改善などの取り組みを進めています。

【グローバルでの環境活動・評価】

環境保全活動の詳細は以下をご参照ください。
https://www.kubota.co.jp/
sustainability/environment/index.html

S社会との関わり
■株主との建設的な会話
当社は、持続的成長と中長期的な企業価値の向上をめざし、株主・投資家との建設的な対話を促進しています。国内外の機関投資家に対する決算説明会や個人投資家向け会社説明会、工場見学会などを開催しており、今後も全てのステークホルダーとの対話を積極的に進めていきます。
【個人投資家の皆様との対話】
当期は、中四国クボタ運営の「がっこうのイチゴ園 財田上」でいちご狩りと、お隣の校舎の「なかよしライブラリー」にてお箸づくりを体験いただきました。新型コロナウイルスの感染拡大防止策を徹底し、約60名の株主の皆様にご参加いただきました。持続可能な新しい農業経営モデルで地域再生を実現したいという当社の事業への想いを感じていただくことができました。


【機関投資家やアナリストの皆様との対話】
機関投資家やアナリストの皆様と年間約300件の個別・グループ面談を行っています。また、1月に製品展示見学会・事業説明会、2月に決算説明会、8月に中間決算説明会を開催しているほか、決算資料の和文・英文の同時開示も行っています。さらに、フェアディスクロージャールールの趣旨に則り、各四半期の決算発表日に決算補足説明資料を、中間・期末決算については決算説明会での説明内容や質疑応答要旨を、ウェブサイト上に開示するなど、早期かつ公平な情報開示に努めています。なお、2020年は決算補足説明資料の開示内容を拡充することや、新型コロナウイルスの感染拡大による当社グループへの影響を具体的に開示することなどにより、当社事業への理解促進を図りました。
■地域社会の皆様とのつながり
クボタグループは、事業を展開する世界各国・各地域の文化・習慣を尊重し、現地コミュニティとの信頼関係構築に努めています。また、企業市民としての責任を果たすための活動に取り組んでいます。
【クボタeプロジェクト】

クボタは、「食料・水・環境」分野における社会貢献活動として、「クボタeプロジェクト」に取り組んでいます。
持続可能な社会づくりのため、「美しい地球環境を守りながら、人々の豊かな暮らしを支えていく」ことを約束します。
~次世代育成のために~
◆出前授業(日本)
全国各地の学校やイベントで、「クボタとSDGsの関わり」や「農業の今と未来」等について出前授業を実施しています。
【2020年実績】中学・高校10校(延べ約700名)

◆「クボタ・アクティブ・ラボ2020~朝⽇やさしい科学の教室」(日本)
若い世代に科学・技術分野に興味を持ってもらう機会を提供しようと、教育分野での社会貢献に取り組んでいます。今年は「テクノロジーが変えるスポーツの未来」をテーマに、講師※による講義とトークセッションが行われ、中高生約170名がオンラインで参加し質疑応答で交流を図りました。

※慶應義塾⼤学⼤学院システムデザイン・マネジメント研究科教授の神武直彦さん(写真右)
元ラグビー⽇本代表で㈱HiRAKU代表取締役の廣瀬俊朗さん(写真中央)
◆本の寄付活動(中国)
久保田農業機械(蘇州)有限公司(中国)では、近隣住民の子どもたちに本を読む機会を与えるため、本を贈る活動を実施しています。
【寄付実績】2017年:144冊 2018年:220冊 2019年:399冊

~より良い環境のために~
◆クボタの森(日本)
東京都水道局が、多摩川上流域の森林が抱える喫緊の課題に対応するために策定した、「みんなでつくる水源の森実施計画」に賛同し、「東京水道~企業の森」協定を締結しています。
クボタは協定により提供を受けた水道水源林内の一部(約3ha)を『クボタの森』と名付け、森林保全作業体験などを通じて森づくりを行っています。

◆農村発展のプログラムに協力(インド)
Kubota Agricultural Machinery India Pvt. Ltd.(インド)では、地元のロータリークラブとタイアップして、生活用水の井戸の再生、飲料用の浄水設備の設置を実施しています。

■活気ある職場づくり
グローバルに事業を展開する当社において、異なる価値観・考え方を認め、多様な視点を持つことは、組織の持続的成長にとって不可欠であるため、多様性を創造性に変える取り組みを推進しています。
【障がい者の雇用創出と働く環境づくりをサポート】
クボタグループでは、特例子会社(クボタワークス株式会社、クボタサンベジファーム株式会社)を中心に「自立支援」をめざした障がい者雇用に取り組んでいます。各事業所や関連会社での清掃業務や事務代行業務、水耕栽培による安心・安全な野菜づくりと社内食堂での利用や販売など、障がい者雇用を積極的に行っており、雇用創出を推進しています。

【次世代育成支援に対する取り組み】
当社は性別にかかわらず活用できる育児・介護の両立支援制度について整備を進めております。家族の育児・介護事情に対応するための「ファミリーサポート休暇」や子どもが小学校6年生終了までを対象とした「短時間勤務」「始業・終業時刻の繰り上げ繰り下げ」など従業員が活用しやすい制度となるよう、毎年見直しを行っております。
また、配偶者転勤による離職防止と従業員のリテンションおよび働き続けるためのモチベーション維持へとつなげるため「Iターン・休業・リ・エントリー制度」を導入いたしました。

【働き方改革への取り組み】
2018年から開始された「働き方改革推進プロジェクトチーム(HK-PT)」で、ITの活用により従業員の「業務を可視化」することによって、業務の削減、改善につなげる活動を推進し、2020年6月に活動を終了しました。
その間、本社と堺製造所のコーポレートスタッフ26部門の計409名が活動し、38,397件の業務洗い出しおよび可視化が実施されました。この可視化された業務に対し、2,930件の廃止を含めた業務改善提案を計15,809件考案し改善を実施した結果、一人当たりの年間作業時間を264時間50分、率にして25.7%削減できる見通しとなりました。
各部門の活動期間は1年間ですので、この短期間での25.7%の業務改善は大きな成果と言えます。
改善の主軸として「ペーパーレス」「捺印の廃止・削減」「Googleツールを活用した情報共有やオンライン会議化」を進めていたため、2020年のコロナ禍による出社・出張制限時でも、在宅勤務に比較的スムーズに切り替えることができました。
また、当社では、2020年7月にオフィス部門の生産性向上による「体質強化」 とパフォーマンスを最大に発揮できる環境構築による 「働きやすさ・働きがいの向上」を掲げ、KOX-PT(Kubota Operation Transforming Project Team)を発足しました。コロナ禍が引き金となり、これまでとは異なる働き方が求められる中で、クボタとしてのニューノーマルな働き方を追求していきます。
【LGBTなど性的マイノリティに関する取り組み】
性的指向や性自認に関わらず、多様な人材が活躍できる職場づくりに努め、2020年度には任意団体work with Prideが策定した企業内LGBT関連の取り組み指標「PRIDE指標」において「Silver」を受賞しました。
2020年12月16日より、配偶者の定義に同性パートナー・内縁関係も含める事とし、社内制度および福利厚生制度が利用できるようになりました。
