第6号議案 取締役に対する譲渡制限付株式の付与のための報酬決定の件

1.提案の理由および当該報酬制度を相当とする理由

当社は、取締役に対する当社の中長期的な企業価値の持続的な向上を図るインセンティブ付けおよび株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として、第87期(2017年度)から導入している譲渡制限付株式報酬制度(以下、「株式報酬制度」という。)を改定し、付与株式数を目標業績の達成度合いに連動させる変動報酬型(PSU※1)を追加すること(以下、「本制度」という。)にさせていただきたいと存じます。

今回の株式報酬制度の改定は、役員報酬の業績連動性の強化ならびに株式報酬比率の引き上げにより中期経営ビジョン「STEP」に掲げる重点取り組みの達成、当社グループの業績および中長期的な企業価値の向上にむけた取締役の貢献意欲をより高めることを目的とするものであり、本制度は相当であると考えております。

なお、当社は、今回の株式報酬制度の改定にあたり、2022年3月3日開催の取締役会において、社外取締役が過半数を占める役員報酬会議での審議を経た答申を受け、本株主総会で本議案が原案どおり承認可決されることを条件として、「第92期(2022年度)における当社の取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針(27~28頁)」を決定しております。本議案は、当該方針に沿った取締役の報酬の付与のために必要かつ合理的な内容であることから、本議案の内容は相当であるものと判断しております。

また、本株主総会において第3号議案「取締役9名選任の件」が原案どおり承認可決されますと、株式報酬制度による報酬の支給対象は、社外取締役3名および国内非居住者である取締役1名を除く5名となります。

※1:パフォーマンス・シェア・ユニット

2.株式報酬制度における報酬等の内容等

※2:リストリクテッド・ストック

3.取締役に交付される当社株式に係る譲渡制限契約

株式報酬制度による当社普通株式の発行または処分に当たっては、当社と取締役との間で、概ね以下の内容を含む譲渡制限付株式割当契約(以下、「本割当契約」という。)を締結するものとします。

  • (1) 取締役は、本割当契約により割当てを受けた当社普通株式(以下、「本割当株式」という。)について、当社取締役を退任するまでの期間(以下、「譲渡制限期間」という。)において、譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならない(以下、「譲渡制限」という。)。
  • (2) 原則として、職務執行期間(株式の交付またはユニットの付与を受けた日から当該日の属する事業年度に係る定時株主総会終結の時まで)において継続して取締役の地位にあることを条件として、譲渡制限期間満了時点で譲渡制限を解除する。
  • (3) 職務執行期間の満了前に取締役を退任したときは、死亡による退任および取締役会の決議によって正当と認めた場合を除き、当社が本割当株式を当然に無償で取得する。
  • (4) 譲渡制限期間中に当該役員に非違行為があった場合および株式付与を前提とした業績に重大な誤りがあることが判明したときは、当社は役員報酬会議の決定により本割当株式の全部または一部を無償で取得する。
  • (5) 上記(1)の定めに関わらず、当社は、職務執行期間中に当社が消滅会社となる合併契約、当社が完全子会社となる株式交換契約または株式移転計画その他の組織再編などに関する事項が当社の株主総会などで承認された場合には、当社の取締役会の決議により、職務執行期間の開始日から当該組織再編などの承認の日までの期間を踏まえて合理的に定める数の本割当株式について、当該組織再編などの効力発生日に先立ち、譲渡制限を解除する。
  • (6) 上記(5)に規定する場合においては、当社は、上記(5)の定めに基づき譲渡制限が解除された直後の時点においてなお譲渡制限が解除されていない本割当株式を当然に無償で取得する。

※本議案が原案どおり承認可決された場合、当社執行役員に対しても同様の株式報酬制度を導入する予定であります。

(ご参考)役員報酬制度の改定の概要

1.改定後の報酬構成

代表取締役社長CEOの報酬割合は、中期経営ビジョン「STEP」で掲げる業績指標(KPI)を達成した際に、基本報酬45%、年次業績連動賞与30%、譲渡制限付株式報酬25%(変動報酬型(PSU)15%+定額報酬型(RS)10%)となるように設計します。

なお、社外取締役の報酬は、従前のとおり基本報酬のみとします。

2.年次業績連動賞与(短期インセンティブ)

業績指標(KPI)は当事業年度の連結税引前利益を基礎とし、上位の役位ほど年次業績への連動性を強めた報酬テーブルを設定し、毎年一定の時期に現金報酬として支給します。また、専務執行役員・常務執行役員・執行役員に対しては、年次業績のほか人財育成への貢献度などを勘案した上で、具体的な金額を決定します。なお、社外取締役への支給は行いません。

3.譲渡制限付株式報酬(中長期インセンティブ)

当社は、2017年度より定額報酬型(RS)の譲渡制限付株式報酬を導入しています。

この度、当社グループの中期経営ビジョンの目標達成を後押しするため、変動報酬型(PSU)の譲渡制限付株式報酬を加え、株式報酬のウェイトが高まる報酬構成としました。また、変動報酬型(PSU)の業績指標(KPI)は、中期経営ビジョンや経営指標の更新に連動して見直すものとし、今回の改定では、定量(財務)評価には連結ROEを、定性(非財務)評価には従業員エンゲージメント(従業員満足度評価)を採用します。なお、社外取締役への支給は行いません。

(ご参考)第92期(2022年度)における当社の取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針

1.基本方針

当社の取締役の報酬は、以下に掲げる項目の観点から決定することを基本方針とする。

(1) その役割と責務に相応しい水準とし、適切、公正かつバランスの取れたものとする。

(2) 企業業績と企業価値の持続的な向上に対する動機付けや優秀な人材確保に配慮した体系とする。

具体的には、社外取締役を除く取締役については、基本報酬、年次業績連動賞与、譲渡制限付株式報酬(国内非居住者については譲渡制限付株式に代わりファントムストック)により構成する。社外取締役については、独立した立場から経営の監視・監督機能を担う職務に鑑み、基本報酬のみを支払うこととする。なお、個人別の報酬の総額及び各項目の水準は、外部専門機関等の調査データを活用し、職責や社内社外の別に応じて設定する。

2.業績連動報酬を除く金銭報酬(以下「固定金銭報酬」という)、業績連動報酬及び非金銭報酬の額等の決定に関する方針 (報酬を与える時期または条件の決定に関する方針を含む。)

(1) 固定金銭報酬に関する方針

基本報酬として、月例の固定報酬を支給する。個人別の支給額は、役位を基礎とし経営環境等を勘案して具体的な金額を決定するものとする。

(2) 業績連動報酬に関する方針

社外取締役を除く取締役に対する年次業績連動賞与として、業績指標(以下「KPI」という)として当事業年度の連結税引前利益実績を基礎とする役位に応じた報酬テーブルを設定し、毎年一定の時期に、現金報酬として支給する。

また、当社グループの中長期戦略の目標達成を後押しするため、非金銭報酬として付与する譲渡制限付株式報酬(後記(3))の一部について、付与株式数を目標業績の達成度合いに連動させるパフォーマンス・シェア・ユニット(以下「PSU」という)とする。PSUのKPIは、中期戦略において重視する財務指標である連結株主資本利益率に加え、非財務指標として従業員エンゲージメントを採用する。

なお、年次業績連動賞与及びPSUのKPIは、環境の変化に応じて適宜に、役員報酬会議の答申を踏まえた見直しを行うものとする。

(3) 非金銭報酬に関する方針

企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として、社外取締役を除く取締役を対象に譲渡制限付株式報酬を交付する。

譲渡制限付株式報酬は、その一部を定額報酬型、残りを変動報酬型とし、いずれについても在任中の譲渡を禁止し、退任時に譲渡制限を解除するものとする。

定額報酬型の譲渡制限付株式報酬(RS)は、毎年一定の時期に、当社の業績、各取締役の職責の範囲及び諸般の事情を勘案して決定した基準額に相当する数の当社普通株式を交付する。

変動報酬型の譲渡制限付株式報酬(PSU)は、毎年一定の時期に、当社の業績、各取締役の職責の範囲及び諸般の事情を勘案して決定した基準額に相当する数のユニット(1ユニット=1株換算)を付与し、評価期間後、ユニット数に業績指標の目標達成度合いに連動して定められる支給率(50%〜100%)を乗じて算定された数の当社普通株式を交付する。

なお、譲渡制限付株式報酬として取締役に割り当てる当社の普通株式は、RSとPSUを合わせて、年15万株以内とする。また、当社と取締役との間で、概要、①当社の役員に在任する間は一定期間、割当てを受けた当社の普通株式について、譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならないこと、②一定の事由が生じた場合には当社が当該普通株式を無償で取得すること等を含む内容とする譲渡制限付株式割当契約を締結する。

取締役が株式の交付時において国内非居住者である場合には、譲渡制限付株式報酬の交付に代わり、当該株式報酬と相当分のファントムストックを付与し、その取り扱いは譲渡制限付株式割当契約に準じるものとする。

3.固定金銭報酬の額、業績連動報酬の額及び非金銭報酬の額の取締役の個人別の報酬等の額に対する割合の決定に関する方針

社外取締役を除く取締役の種類別の報酬割合については、外部専門機関を利用して調査した同輩企業ならびに同業他社の報酬水準及び報酬ミックスを参考に、また、当社従業員給与の水準、社会情勢等を考慮し、概ね次の割合を目安とする(業績連動報酬については基準額の割合)。

報酬水準及びミックスは、当社の経営環境、及び同輩企業、同業他社の状況その他の事情を勘案し、適宜、役員報酬会議の答申を踏まえた見直しを行うものとする。

4.取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する事項

個人別の報酬等の決定にあたっては、取締役会決議に基づき、役員報酬会議がその具体的内容について委任を受けるものとし、社外取締役も含めた委員による十分な審議の上で決定する。その権限の内容は、基本報酬、年次業績連動賞与及び譲渡制限付株式報酬等の具体的な額の決定、並びにそれらの支給時期等とする。なお、譲渡制限付株式報酬にかかる個人別の割当株式数は、役員報酬会議の決定を踏まえ、取締役会の決議によって定める。

報酬制度の改定など全体に関わる事項については、役員報酬会議にて承認された案を取締役会にて審議・決定する。

役員報酬会議は、役員報酬決定プロセスに関する透明性や実効性を担保するため、取締役会の決議により社外取締役が過半数となる構成とし、議長は取締役会の決議によって選任する。

以上

(附則)
本方針の効力発生は、第91期定時株主総会において株式報酬議案が承認可決されることを条件に、第91期定時株主総会終結の時とする。なお、本附則は効力発生日をもってこれを削除する。

※1:業績連動報酬45%および非金銭報酬25%には、譲渡制限付株式報酬(PSU)がそれぞれに15%含まれております。

※2:業績連動報酬40%および非金銭報酬20%には、譲渡制限付株式報酬(PSU)がそれぞれに10%含まれております。