事業報告(2022年3月1日から2023年2月28日まで)
会社の現況に関する事項
(1) 当事業年度の事業の状況
事業の経過及び成果
当事業年度における国内及び北海道の経済活動は、新型コロナウイルス感染症の影響がみられたものの、行動規制の緩和や社会行事の再開、外出マインドの高まり、インバウンド需要の回復などで持ち直しの動きがみられました。一方、ロシア・ウクライナ情勢悪化の長期化や為替相場の急激な変動などにより、原材料価格やエネルギーコストが高騰するなど先行き不透明な状況が続き、生活防衛意識はさらに高まっております。
このような環境下、当社は経営ビジョンである「北海道のヘルス&ウエルネスを支える企業」の実現に向け、中期5カ年経営計画の2年目となる2022年度を事業の実験と検証の年度と位置づけ、「商品と店舗の付加価値向上」「顧客化の推進」「収益構造の改革」「地域との連携」に取り組んでまいりました。
当社は、当事業年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)(以下「収益認識会計基準等」という。)を適用しております。
当事業年度における経営成績は、売上高3,172億74百万円(前期比98.7%)となりました。なお、当事業年度において当該収益認識会計基準等を適用しなかった場合の売上高は3,288億46百万円(前期比102.3%)となり、過去最高となりました。営業総利益は、売上高の伸長に加えテナント収入が前期から回復し、1,022億57百万円(前期比102.1%)となりました。販売費及び一般管理費は、水道光熱費の高騰による影響があったものの、省エネの取り組みによりエネルギーの使用量を減らすなど影響を最小限に留めるとともに、人件費や一般費を前期より削減し、939億9百万円(前期比100.5%)となりました。営業利益は営業総利益を改善したことで83億47百万円(前期比125.3%)、経常利益は85億1百万円(前期比127.1%)、当期純利益は47億5百万円(前期比123.0%)といずれも増益となりました。
以下の前期比に関しては、当事業年度に当該収益認識会計基準等を適用しなかった場合の数値との比較になります。
業態別の売上高は、GMS(総合スーパー)は1,800億37百万円(前期比102.2%、既存店前期比104.2%)、SM(スーパーマーケット)は973億52百万円(前期比100.0%、既存店前期比101.7%)、DS(ディスカウントストア)は442億63百万円(前期比107.3%、既存店前期比105.4%)となりました。ライン別の売上高は、衣料は前期比107.6%(既存店前期比108.9%)、食品は前期比101.5%(既存店前期比102.9%)、住居余暇は前期比102.9%(既存店前期比104.1%)となりました。なお、食品においては12期連続の増収となりました。
当事業年度において、当社が実施した取り組みは、次のとおりであります。
「商品と店舗の付加価値向上」については、3店舗新規出店したほか、8店舗の大型活性化を実施し、設備の一新、フローズンの売場拡大、デリカ商品や地場商品を拡充するなど展開強化を図りました。また、3年ぶりに行動制限がなかった年末年始においては、帰省に合わせたごちそうメニューの品揃え拡充や初売りセールを大々的に行い、第4四半期会計期間で既存店前期比106.3%と好調でした。
商品に関する取り組みでは、イオンのプライベートブランド「トップバリュ」において、食料品・日用品の価格維持を継続するとともに、「プロのひと品シリーズ」をはじめとしたこだわりの逸品の展開を強化し、「トップバリュ」の売上高前期比は112.0%と伸長しました。また、食品において、当社ならではのおいしく、価値ある商品の開発を行いました。北海道産食材を使った商品開発に力を入れ、かぼちゃやコーンなど、北海道産の旬の食材を使用したコロッケやスープを開発するなど、独自商品を約800品目開発し、約140億円の売上の嵩上げに貢献しました。衣料、住居余暇においては外出や社会行事関連の需要の高まりにいち早く対応し、当社オリジナル商品のアウター「パーフェクトフーディー +eco」が好調に推移したほか、ビジネス、学校行事関連の商品を拡充しました。また、キャリーケースや、アジアンコスメをはじめとしたビューティーケア商品などの拡販を行い、需要増に応える売場を構築しました。
インターネット販売事業は、ネットスーパーにおいて2店舗拠点を新設したことで受注件数が増え、売上高前期比120.6%となりました。インターネットショップ「eショップ」は、「アスパラガスギフト」「冬ギフト」クリスマスおもちゃを集めた「イオンのおもちゃ」などが好調で、売上高前期比125.5%となりました。
「顧客化の推進」については、2021年9月に開始したイオンのトータルアプリ「iAEON」において、従来のアプリ機能の移管が完了しました。また、電子マネーWAONやイオンカードなど、イオンの各種サービスのポータルとして役割を果たしており、利用者数は前期末と比較し約5倍となりました。
「収益構造の改革」については、生産性の向上を図るべく、当事業年度において6店舗に電子棚札を導入しました。また、セルフレジの導入を推進し、当事業年度において27店舗に新規・追加設置し、導入店舗数は累計で107店舗となりました。さらに、上昇基調にあるエネルギーコストについて、使用電力を削減すべくLED照明の更新や入替、冷蔵冷凍ケースの入替や空調機器の省エネ化など積極的に高効率の省力化機器を導入し、電気使用量は前年より5%以上削減しました。
「地域との連携」については、再生可能エネルギーの活用拡大に向け、新たに2店舗においてPPA「Power Purchase Agreement(電力販売契約)」事業者が太陽光パネルを設置し、自家消費分として購入・活用する取り組みを開始し、合計で4店舗となりました。また、地元北海道の意欲ある若者の海外での挑戦を応援するため、「ほっかいどう未来チャレンジ応援募金」を全店舗・事業所で実施し、北海道が運営する基金へ110万837円寄付しました。さらに、食品廃棄物削減の取り組みとして、「フードドライブ」の取り組みを開始し、今後の実施店舗拡大の足掛かりとなりました。
当社は、これからもヘルス&ウエルネスを推進し、お客さまの健康と安全・安心なくらしを推進するとともに、従業員と家族の健康サポートを行うなど、「イオンのあるまちに住みたい」と思っていただけるような取り組みを進めてまいります。
(2) 設備投資の状況
当事業年度における設備投資額の総額は、72億73百万円であります。主たるものは、新店(ザ・ビッグ永山店・マックスバリュ音更店)の出店及び既存店の維持修繕並びに売場活性化によるものであります。
(3) 資金調達の状況
当事業年度は、主に上記設備投資資金を目的に、長期借入金で60億円を調達いたしました。
(4) 財産及び損益の状況
- 百万円単位の記載金額は、百万円未満を切捨て表示しております。
- 1株当たり当期純利益は、期中平均発行済株式総数(自己株式を除く)に基づき算出しております。
- 1株当たり純資産は、期末発行済株式数(自己株式を除く)に基づき算出しております。
- 第43期の営業収益の増加は、主にマックスバリュ北海道株式会社と合併したことによります。
(5) 重要な親会社及び子会社の状況
- ①
- 親会社の状況
当社の親会社は、イオン株式会社であり、同社は当社の議決権比率67.2%(うち間接保有1.6%)を保有しております。
- ②
- 親会社等との間の取引に関する事項
- イ.
-
当該取引をするにあたり当社の利益を害さないように留意した事項
親会社等の取引をするにあたっては、当該取引の必要性及び取引条件が第三者との通常の取引と著しく相違ないこと等に留意し、合理的な判断に基づき決定しております。
- ロ.
-
当該取引が当社の利益を害さないかどうかについての取締役会の判断及びその理由
親会社等との重要な取引については、独立性確保の観点等も踏まえ、独立社外取締役が出席する取締役会において多面的な議論のうえ、実施の可否を決定しており、当該取引が当社の利益を害するものではないと判断しております。
- ハ.
-
取締役会の判断が社外取締役の意見と異なる場合の当該意見
該当事項はございません。
- ③
- 子会社の状況
該当事項はございません。
(6) 対処すべき課題
当社は、中長期的な経営戦略を推進するために、中期5ヵ年経営計画(2021-2025)の4つの方針に沿って、施策をすすめております。特に、インフレ等当初想定を上回る環境変化が発生している現状を踏まえ、翌事業年度は収益力の向上につながる取り組みを強化してまいります。
- ①
-
商品と店舗の付加価値向上
当社に対してお客さまが期待する価値を実現すべく、事業の核である商品と店舗の付加価値を上げ、地域一番の商品力、地域一番の便利な店の実現を目指します。商品においては、食品の強化を最重点とし、安全・安心、鮮度、美味しさ、バリューを追求すべく、魅力ある自社商品の開発と、産地と連携した地場生鮮品を強化いたします。前事業年度に新設したイオン石狩PC(プロセスセンター)での開発商品の製造・供給によりサプライチェーンの強化を図るとともに、店舗作業の削減による効率化に取り組んでまいります。また、お客さまの生活防衛意識の高まりから、グループのプライベートブランドであるトップバリュ商品の品揃えを強化してまいります。また、翌事業年度は引き続き食品の強化をすすめるとともに、GMS店舗の改装等により衣料及び住居余暇商品の競争力と効率を高め、収益力を高めてまいります。店舗においては、当事業年度にDS、SM、まいばすけっと各1店舗を新規出店いたしましたが、翌事業年度も品揃えや店舗機能を進化させながら新業態の開発もすすめ、SM3店舗を出店いたします。店舗機能ではお客さまの利便性と業務効率の向上を両立すべく、セルフレジをはじめとする店舗のデジタル化を加速してまいります。セルフレジは小型店を除く全店の7割以上に導入し、翌事業年度にはほぼ完了する計画です。Eコマースの店舗受取サービスの拡充などと合わせ、店舗機能を更に高め、引き続き便利でストレスフリーな店づくりをすすめてまいります。また、ネットスーパーでは、急激に高まるお客さまニーズにお応えすべく、引き続き品揃えと受注配送キャパシティ、地域ニーズ対応の店舗型拠点を拡充し、成長市場の取り込みを図ってまいります。
- ②
-
顧客化の推進
お客さまニーズの変化やテクノロジーの進化により、販売チャネルの多様化や広告媒体の新旧交代が急激にすすむ中、お客さまと更なる絆を結ぶための新たな顧客戦略をすすめております。販売チャネルやキャッシュレス決済などの様々な顧客接点を強化するとともに、そこで得られるデータを利活用して一人ひとりのお客さまに最適な商品とサービスを提案・提供するためのOne to Oneマーケティング体制を構築し、イオンファンを増やしてまいります。当事業年度では、重要な顧客接点となるイオンのトータルアプリ「iAEONアプリ」会員の拡大と利用促進を図りましたが、翌事業年度は「iAEONアプリ」スマホ決済機能である「AEON Pay」の機能を拡充するなど、お客さまの利便性の更なる向上を図ってまいります。
- ③
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地域との連携
地域と共に地域課題の解決に取り組み、地域になくてはならない店と住み良いまちを実現するために、地域行政と協働し、防災・福祉・環境保全の推進や、「ご当地WAON」などを活用した商品・観光の振興など、双方が持つ資源を有効に活用するための協定を締結し、様々な取り組みを通じて地域経済の活性化や生活サービスの向上などに取り組んでまいります。また、有事の際も社会インフラの役割を果たし、地域のお客さまのくらしを支えるべく、当社店舗が所在するすべての市町村と防災協定を締結しており、今後も事業継続に備える取り組みを積極的に進めてまいります。環境保全においては、脱炭素の取り組みを最重点に、引き続きCO2排出削減、排出プラスチックの削減、食品廃棄物の削減に取り組んでまいります。
- ④
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収益構造の改革
成長を支える強固な経営基盤づくりとして、収益構造の改革をすすめております。グループのスケールメリットの活用や独自商品の開発・拡販等により値入改善をすすめるとともに、更なる成長が見込める高粗利部門の売上高構成比を高め粗利益率の改善を図ってまいります。また、デジタルテクノロジーを活用した省人省力化施策やプロセスセンターを活用し人時生産性を高めるとともに、先行して実施した省エネ投資や省人・省力化投資の効果を最大化し、喫緊の課題である人件費や光熱費等の経費高騰に耐えうる収益構造を確立し、中期経営計画の実現を目指してまいります。