事業報告(2019年12月1日から2020年11月30日まで)
企業集団の現況に関する事項
事業の経過及びその成果
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、個人消費及び企業による設備投資が大きく落ち込みました。段階的な経済活動の再開とともに景気回復の兆しも見られましたが、回復は鈍く厳しい状況となりました。先行きについては、感染の再拡大が生じており不透明な状況が続いております。
海外の経済においても、新型コロナウイルス感染拡大により急激な減速に転じました。その後中国では経済が緩やかに回復し、米国においてもやや持ち直しの兆しが見えますが、新型コロナウイルス感染症の収束時期の見通しは立っておらず、極めて厳しい状況が続くと見込まれます。
このような状況の中で、当社グループは、「MARUKA UNIQUE SОLUTIОNS '20 新たな挑戦 無限のフィールドへ」を今年度のテーマに、各種施策に取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は新型コロナウイルス感染症の影響による設備投資需要の減少もあり53,216百万円(前期比23.1%減)となりました。利益面につきましては、諸経費の削減等に努めましたが、売上高の減少に伴う売上総利益の減少並びに経営環境の悪化による貸倒引当金繰入額の増加等の影響もあり営業利益は1,459百万円(同46.0%減)、経常利益は1,591百万円(同41.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に計上した固定資産売却益の剥落により891百万円(同66.9%減)となりました。
事業区分別の概況
事業の種類別セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。
(単位:)
産業機械部門では、全般的な景気停滞による収益悪化を受けて製造業を中心とした生産調整が続き設備投資の減少の影響があり、売上が減少いたしました。
国内ではロボット・搬送機械、工作機械、環境設備及び産業機械の販売が減少いたしました。厳しい状況の中、前連結会計年度に子会社化した株式会社ミヤザワが食品機械の売上に寄与いたしました。
米州では、自動車・二輪業界向けに工作機械の販売が減少いたしました。
中国は回復基調にあるものの、アジア地域では自動車部品輸出事業からの撤退及び各国でのロックダウンによる営業活動の制限の影響により売上が減少いたしました。
この結果、当連結会計年度における当部門の経営成績は売上高44,387百万円(前期比24.9%減)、営業利益は2,296百万円(同30.3%減)となりました。
(単位:)
建設機械部門では、災害復旧・防災関連工事やインフラ関連工事等を中心に公共投資は堅調に推移いたしました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症により工事の一時中止や工期延長、発注の延期が生じております。また、インバウンド需要激減による民間建設投資の減少や先行き不透明な状況もあり、顧客の設備投資に対する姿勢は慎重な状況が継続しております。
この結果、当連結会計年度における当部門の経営成績は売上高8,765百万円(前期比12.8%減)、営業利益はレンタル部門においてクレーンの収益の悪化により253百万円(同39.4%減)となりました。
(単位:)
その他の事業は保険部門の業績であります。
当連結会計年度における当部門の経営成績は売上高64百万円(前期比2.8%減)、営業利益は36百万円(同1.0%増)となりました。
対処すべき課題
当社グループは、世界の物づくりに貢献する機械専門商社として、国内はもとより北米・アジア・中国の主要都市において、設備機械の販売を中心とした事業展開を行ってまいりました。
今後、将来の事業環境の変化を見据え、設備投資環境に左右されない安定的に収益が確保できる事業、成長性の高い事業への取組みが重要な経営課題であると考えております。
当社グループは、さらに収益基盤を確固たるものにするため、100年企業に向かって、次の企業像を目指しております。
1)お取引様から最も信頼される、唯一無二のパートナー企業
2)日米中亜の総力結集、経営資源最適化による将来の連結売上高1,000億円企業
3)新規事業へ積極的創出を推進し、起業家精神の溢れる個性的なグローバル企業
これらの経営ビジョンの実現に向け、以下の施策に取組んでおります。引き続き食品関連や部品サービス事業等の成長分野への積極投資を成長戦略として、経営基盤強化のもと株主還元策を強化し、更なる企業価値の向上に努めてまいります。
①UNIQUE SOLUTIONSの探求
②成長分野への進出、新規事業の推進
③海外売上比率40%超を目指す
④経営体質の強化
⑤人材育成の実践
⑥ガバナンス・コンプライアンスの徹底と株主還元策の強化