事業報告(2019年3月1日から2020年2月29日まで)

会社の現況

当事業年度の事業の状況

① 事業の経過及び成果

当期におけるわが国経済は、猛暑・豪雨や台風などの自然災害により当該地域には多大な被害が発生したほか、米中貿易問題や新型コロナウイルスの感染症の世界的流行拡大などにより、先行きは不透明な状況が続いております。

外食産業においては、人手不足による人件費関連コスト等の上昇に加え、1月以降の新型コロナウイルスの影響で大規模イベントや外出を自粛する傾向が続くなど厳しい状況でありました。

このような環境のもとで、当社は首都圏600店舗体制に向けて安定的な新規出店、サービス水準の向上に向けた取組みや季節メニューの投入などを行い、業容拡大を図ってまいりました。

店舗展開については、22店舗出店(東京都8店舗、埼玉県4店舗、神奈川県4店舗、千葉県5店舗、茨城県1店舗)、退店は8店舗となりましたので、2月末の直営店舗数は443店舗となりました。業態別の店舗数は「日高屋」(来来軒含む)が402店舗、「焼鳥日高」(大衆酒場含む)が35店舗、「中華一番」が1店舗、「とんかつ日高」が1店舗、「大衆食堂日高」1店舗、「ちゃんぽん 菜ノ宮」1店舗、「中華そば 神寄」1店舗、「炒爆中華食堂 真心」1店舗となりました。

季節メニューとしては、4月に「大宮担々麺」、「黒酢しょうゆ冷し麺」を投入しました。5月には「ガパオ汁なし麺」、6月に「ごま味噌󠄀冷し」、9月に「モツ野菜ラーメン」を投入し、10月に定番メニューの餃子を8年ぶりにリニューアルを行い、皮・餡とも刷新し新餃子として発売開始しました。11月には毎年好評をいただいている「チゲ味噌󠄀ラーメン」を投入しました。2月には再度「大宮担々麺」の投入を行いました。

キャッシュレス化への対応は、11月末よりQRコード決済の取扱いを開始し、順次ご利用いただけるブランドを拡大し、2月には還元キャンペーンに参加し多くのお客様に利便性を周知、実感していただけました。

今後は交通系ICカード決済、クレジットカード決済についても準備が整い次第順次取扱いを開始する予定で、さらなる利便性向上に向け引き続き取り組んでまいります。

フレンド社員(当社におけるパート・アルバイト社員の呼称)入社時の、研修会場の拡大及びトレーナーの増員により、スムーズな勤務開始とそれによる早期退職抑制を図りました。今後も教育研修に一層注力し、働きやすい環境づくりに取り組んでまいります。

また、禁煙・分煙などの取組みを推進し、喫煙ブースを新設するなど、より多くのお客様に満足いただけるお店づくりに努めました。

新しい業態として、12月にはちゃんぽんの「ちゃんぽん 菜ノ宮(さいのみや)」、2月には「中華そば 神寄(しんき)」「炒爆中華食堂 真心(ちゃおばおちゅうかしょくどう しんしん)」を開店し、従来の日高屋に加え、新たな商品・業態を加え展開しております。

一方、働き方改革の影響で早い時間に帰宅する方の増加により、ディナータイム以降の売上が減少したほか、夏の猛暑及び暖冬で気温が高めで推移したこと、及び関東地方に来襲した台風19号の影響で全店舗で終日休業せざるを得ないなど、天候不順と営業時間短縮の影響などにより、既存店の3月~2月累計の売上高前期比は98.2%となりました。

原価につきましては、10月の消費税改定時に中華そば・生ビールなどの一部メニュー価格(税抜価格)を引下げたこと、リニューアルした餃子キャンペーンを実施したこと等により、原価率27.4%(前期は27.0%)となりました。

販売費及び一般管理費につきましては、人件費の上昇や、賃借料・修繕費の増加に加え、QRコード決済に伴う支払手数料の増加等もあり、売上高比は62.9%(前期は61.8%)となりました。

この結果、当期の売上高は422億9百万円(前期比0.8%増)、営業利益は40億96百万円(前期比13.4%減)、経常利益は41億12百万円(前期比12.4%減)となりました。

特別利益には受取補償金41百万円を計上しました。特別損失として、スクラップアンドビルドに伴う旧店舗閉鎖及び営業不振に伴う減損損失2億25百万円を計上したこと等により、当期純利益は25億78百万円(前期比16.3%減)となりました。

② 設備投資の状況

当期中における設備投資につきましては、当期中に新規開設した22店舗の差入保証金及び内装設備工事費用、既存店の改装費用などにより総額14億26百万円となりました。その内訳は、次期開設店舗分も含めた新規出店10億30百万円、改装費用など3億96百万円であります。

③ 資金調達の状況

特に記載すべき事項はありません。

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対処すべき課題

当社を取り巻く環境は、異業種との競争激化や人手不足に加え、原材料価格や物流費の高騰によるコストの上昇が続き、また、消費増税による消費者の低価格志向が続いており、外食産業を取り巻く環境は厳しい状況が続くものと予想されます。

さらに、新型コロナウイルスの感染拡大により、外出の自粛や複数人での飲食が敬遠されるなど、外食を控える傾向が続き、ご来店いただけるお客様の減少が続いております。

緊急事態宣言により、さらなる自粛要請や社会不安が増大し、不透明感が増すばかりで今後の先行きはまったく読めない状況といえます。本感染症の収束時期によって、業績に与える影響が大きく変動するため、現時点では2021年2月期の業績の見通しにつきましては、適正かつ合理的な算定が困難であるため開示をしておりませんでしたが、2020年2月期の借入金はゼロであり、キャッシュフローの健全性は保たれております。業績に与える影響が合理的に予測可能となった時点で速やかに開示致します。

このような環境の中ではありますが、首都圏600店舗体制を目指し、以下の課題に取組み、事業の拡大と収益基盤の強化を目指してまいります。

① 人財の確保や人財育成、店長育成や次世代の経営者層育成の取組みを継続します。店舗運営においては定着した店長自主管理経営を継続し、各種研修を通じて経営理念や経営ビジョン等の浸透を図ります。研修制度の見直しや研修回数の増加を行ってまいります。フレンド社員(パート・アルバイト社員の当社における呼称)の在籍数増加や定着率向上、営業時間の見直しや有給休暇取得の推進などの各種施策を行い、就労環境の改善を着実に進めてまいります。

② 安定成長を基本として、既存店活性化に注力するとともに、年間25店舗を目処に新規出店を行い、首都圏で600店舗体制の実現を目指します。当社の主力業態である「日高屋」「焼鳥日高」ブランドの維持向上を図るとともに、新業態の出店も行ってまいります。

③ 「Q(味)、S(サービス)、C(清潔・安全)」の向上のための研修や季節限定メニューの投入、既存商品のブラッシュアップを図ります。また、タッチパネル端末によるオーダーシステムの導入拡大による店舗オペレーションの省力化、多様化する支払方法(キャッシュレス化)への更なる対応、テイクアウトの拡充・デリバリーの取組みなどにより、多くのお客様に満足していただけるお店づくりに努めてまいります。

④ 生産・物流の拠点である行田工場では、ISO22000(食の安全・安心マネジメントに関する国際規格)システムを順守し、更に高品質で安全・安心な製品を皆様に提供するよう努めてまいります。また、全社的な品質保証体制の更なる充実も図ってまいります。

株主の皆様におかれましては、当社のこれらの取組みにご理解を賜りますとともに、今後とも一層のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。

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