事業報告(2020年 3 月 1 日から2021年 2 月28日まで)

会社の現況

当事業年度の事業の状況

① 事業の経過及び成果

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、2020年4月に緊急事態宣言が発令された影響で、大きく停滞しましたが、政府や自治体による各種施策の効果もあり、宣言解除後は経済活動に回復の兆しがみられました。しかし、感染の再拡大により2021年1月に再度緊急事態宣言が発令されるなど、先行きは依然として不透明な状態が続いております。

外食産業におきましても、緊急事態宣言に伴う外出自粛や営業時間短縮・酒類の提供自粛、イベント等の中止等により消費活動は急速に減退し、過去と比較できないほどの大きな影響を受けました。当社においては、お客様や店舗スタッフに対する感染防止策を徹底するため、アルコール消毒液の店内設置、店舗スタッフのマスク着用、客席への仕切板設置等の対策を行い、お客様と店舗スタッフの安全を第一に営業を行っております。

このような環境のもとで、当社は首都圏600店舗体制に向けて安定的な新規出店、サービス水準の向上に向けた取組みや季節メニューの投入などを行い、業容拡大を図ってまいりました。

店舗展開については、14店舗出店(東京都6店舗、埼玉県4店舗、神奈川県1店舗、千葉県3店舗)、退店は24店舗、FC転換が1店舗となりましたので、2月末の直営店舗数は432店舗となりました。業態別の店舗数は「日高屋」(来来軒含む)が393店舗(FC5店舗は含まず)、「焼鳥日高」(大衆酒場日高含む)が29店舗、その他の業態が10店舗となりました。ラーメン専門の「中華そば神寄」、本格中華の「中華食堂真心」の出店も進め、従来の日高屋から業態変更した店舗も順調に推移しております。新規出店につきましては、従来からの駅前立地への出店を進める一方、ショッピングモール内や駅商業施設内への出店、ロードサイドへも出店を行いました。

商品展開としては、毎年ご好評を頂いている定番季節メニューを投入したほか、ホーリーバジルと国産鶏肉を使用し、レモン汁でさっぱりとお召し上がりいただける「バジル餃子」を投入しました。従来の餃子と食べ比べて頂いたり、どちらかをお選び頂いたりと、外食ならではの「選ぶ愉しさ」に訴求しました。また、従来の餃子とバジル餃子の両方ともお楽しみいただけるW餃子定食もご用意し、ご好評を得ております。

また、新しい生活様式に基づく消費スタイルの変化に伴うテイクアウト・デリバリーのニーズ増に対応し、事前予約システム対象店舗の増加に努めました。キャッシュレス決済については、各種還元キャンペーンに参加しPR活動を行いました。クレジットカード決済についても順次取扱いを拡大し、お客様の利便性向上に取組みました。

売上高につきましては、営業時間の短縮・酒類の提供自粛等により既存店売上高前年比率は69.7%となりました。生産、原価面につきましては、無洗米等の仕入れ見直しによる購入単価の改善もありましたが、工場の生産高減少に伴う稼働率の低下により、原価率は28.3%(前期は27.4%)となりました。

販売費及び一般管理費につきましては、人気季節メニューの「チゲ味噌󠄀ラーメン」と各種SNSとを連携した販売促進活動を行った他、TVCMを活用したブランドイメージの周知・向上に努めたことによる広告宣伝費の増加、キャッシュレス決済の取扱額の増加による支払手数料等の増加があった一方で、フレンド社員(当社におけるパート・アルバイト社員の呼称)の雇用を維持しつつも適切に人員をコントロールすることで人件費の抑制に努めました。しかし、売上高減少の影響が大きく販管費対売上高比率は81.2%(前期は62.9%)となりました。この結果、当期の売上高は295億63百万円(前期比30.0%減)、営業損失は27億99百万円(前期営業利益40億96百万円)、経常損失は27億78百万円(前期経常利益41億12百万円)となりました。

特別利益には受取補償金50百万円を計上しましたが、特別損失として、スクラップアンドビルドに伴う閉鎖店舗及び新型コロナウイルス感染症拡大により収益性の低下がみられる店舗について減損損失7億11百万円を計上したこと等により、当期純損失は29億46百万円(前期当期純利益25億78百万円)となりました。

② 設備投資の状況

当期中における設備投資につきましては、当期中に新規開設した14店舗の差入保証金及び内装設備工事費用、既存店の改装費用などにより総額12億37百万円となりました。その内訳は、次期開設店舗分も含めた新規出店6億52百万円、改装費用など5億85百万円であります。

③ 資金調達の状況

特に記載すべき事項はありません。

対処すべき課題

新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言の発令と、繰り返される感染拡大の影響により、当社におきましても例年とは全く異なる状況下での経営となりました。

当社を取り巻く環境は、少子高齢化や人口減少が続く中で業種業態を超えた競争の激化や、原材料価格・物流費等の高騰によるコストの上昇が続き、外食産業を取り巻く環境は厳しい状況が続くものと予想されます。

このような環境の中ではありますが、首都圏はさらなる成長が見込める国内最大の消費マーケットであると考えており、引き続き首都圏600店舗体制を目指し、以下の課題に取組み、事業の拡大と収益基盤の強化を目指してまいります。

① 新型コロナウイルス感染症対策

店舗でのアルコール消毒液の設置、間仕切りを設ける等の対策を継続し、非接触のキャッシュレス決済の拡大を行い、お客様と店舗スタッフの安心安全を第一に営業を行ってまいります。

② 売上増加施策・出店

今後も、テイクアウトやデリバリー等を推進し、新しい生活様式においてもご満足いただけるお店づくりに努め、季節商品をタイムリーに投入し、WEBやSNSと連携した販促を強化します。

出店におきましては、従来からの駅前繁華街への出店を進めるとともに、ロードサイドへの出店とスクラップアンドビルドも積極的に行います。

新業態の中華食堂真心、中華そば神寄の出店も進めるとともに、既存商品のブラッシュアップを継続して実施します。

③ 就労環境の改善

年末年始や深夜帯の営業時間を見直し、勤務時間を短縮化し有給休暇取得の推進やインターバル時間の確保に努めます。

④ 人財育成・採用

キャリアアップ意欲を促進させ、長期安定的出店を実現するため、店長育成や次世代の経営者層育成のため人財採用も積極的に行い、2022年春の新卒採用は100名を目標とします。

⑤ 業務効率化・コスト削減

店舗オペレーションについては、タッチパネル式オーダーシステムを推進し省力化を進めます。また、メンテナンス要員の増員や資格取得による内製化を行い、コストダウンに努めます。

株主の皆様におかれましては、当社のこれらの取組みにご理解を賜りますとともに、今後とも一層のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。

計算書類