事業報告(平成29年4月1日から平成30年3月31日まで)

当社グループの現況に関する事項

事業の経過及びその成果

当期の経済環境

 当期における世界経済は、米国では雇用・所得環境の改善を背景に堅調な景気拡大が続き、欧州においては英国のEU離脱交渉の行方に対する懸念はあるものの景気は順調に回復、新興国についても中国やASEAN、インド等アジアを中心に改善が見られ、全体として拡大傾向となりました。原油価格(WTIベース/1バレルあたり)は、5月までの50ドル前後から6月には40ドル台半ばへ下落したものの、好調な世界経済を背景に需要拡大が見込まれる中で、米国市場での在庫減少やOPEC等主要産油国による減産期限再延長を受けて12月末には60ドル台を回復し、その後も概ね60ドル台前半で推移しました。
 日本経済は、個人消費は一進一退を繰返す状況ではあるものの、輸出や企業の設備投資が増加傾向を維持したことから、総じて緩やかな拡大が続きました。円・ドル相場は、北朝鮮を巡る緊張の高まり等から9月上旬には円高が進行、その後は米国経済の成長加速期待から円安方向に戻ったものの、3月にかけて米国の保護主義的な通商政策に対する懸念等から一時105円を割込むまで円高が進行し、3月末には106円台となりました。日経平均株価は、4月の18,000円台から米国株価上昇や円安を背景に1月には24,000円台まで上昇しましたが、その後は米国株価下落や円高により3月末には21,000円台まで下落しました。10年物国債利回りは、9月上旬には一時マイナスとなりましたが、円安や米金利上昇を背景に1月末にかけて0.1%近くまで上昇、その後は円高や株価下落を受けて3月末には0.04%となりました。

当社グループの当期の業績

 当期の収益は、機械においてはヤナセの子会社化に加え、航空関連及びプラント関連事業が好調に推移したこと等により増収、エネルギー・化学品においてはシーアイ化成との経営統合に伴うタキロンの子会社化及びエネルギー関連事業における販売価格上昇等により増収、食料においてはユニー・ファミリーマート向け生鮮食品や食糧関連取引及び食品流通関連事業並びに青果物関連事業における取引の増加等により増収となり、全体としては前期比6,716億円(13.9%)増収の5兆5,101億円となりました。

 売上総利益は、機械においてはヤナセの子会社化に加え、航空関連及びプラント関連事業の好調な推移並びに前期における船舶市況低迷による採算悪化の反動等により増益、金属においては鉄鉱石・石炭価格の上昇及び鉄鉱石事業における販売数量増加により増益、エネルギー・化学品においてはシーアイ化成との経営統合に伴うタキロンの子会社化及び化学品関連取引の好調な推移等により、エネルギートレーディング取引における採算悪化はあったものの増益となり、全体としては前期比1,170億円(10.7%)増益の1兆2,104億円となりました。

 販売費及び一般管理費は、ヤナセの子会社化及びシーアイ化成との経営統合に伴うタキロンの子会社化による影響等により、前期比884億円(11.0%)増加の8,903億円となりました。

 貸倒損失は、前期比ほぼ横ばいの32億円(損失)となりました。

 有価証券損益は、タキロンシーアイ統合に伴う利益及び中国生鮮食品関連事業の一部売却に伴う利益等はあったものの、C.P. Pokphandの減損損失に加え、前期におけるユニー・ファミリーマート統合に伴う当社持分変動による利益及び医療機器関連事業の売却益の反動等により、前期比251億円(78.0%)減少の71億円(利益)となりました。

 固定資産に係る損益は、前期における欧州タイヤ関連事業の減損損失の反動はあったものの、アパレル関連事業及び青果物関連事業の減損損失等により、前期比129億円悪化の296億円(損失)となりました。

 その他の損益は、前期の円高影響による為替損益悪化の反動等により、前期比51億円改善の3億円(損失)となりました。

 受取利息、支払利息の合計である金利収支は、一部借入金の長期化及びUSドル金利率上昇等により前期比31億円悪化の67億円(費用)となり、受取配当金は、石炭関連投資や石油及びLNGプロジェクトからの配当の増加等により、前期比144億円(72.2%)増加の343億円となりました。その結果、金利収支に受取配当金を加えた金融収支は、前期比113億円増加の275億円(利益)となりました。

 持分法による投資損益は、食料においてはユニー・ファミリーマートにおける減損損失はあったものの、経営統合に伴う営業収益の増加及び税金費用の改善等により増加、情報・金融においては海外金融関連事業の復調等により増加、住生活においては海外パルプ関連事業における市況改善等により増加となり、全体としては前期比311億円(16.8%)増加の2,162億円(利益)となりました。

 以上の結果、税引前利益は、前期比380億円(7.6%)増益の5,379億円となりました。法人所得税費用は、米国税制改正の影響及びパルプ関連事業に係る税金費用の減少等により、堅調な収益拡大はあったものの、前期比191億円(15.3%)減少の1,061億円となり、税引前利益5,379億円から法人所得税費用1,061億円を控除した当期純利益は、前期比571億円(15.3%)増益の4,317億円となりました。このうち、非支配持分に帰属する当期純利益314億円(利益)を控除した当社株主に帰属する当期純利益は、前期比481億円(13.7%)増益の4,003億円となりました。

(ご参考)
 日本の会計慣行に基づく営業利益(売上総利益、販売費及び一般管理費、貸倒損失の合計)は、金属においては鉄鉱石・石炭価格の上昇及び鉄鉱石事業における販売数量増加により増益となり、全体としては前期比285億円(9.9%)増益の3,169億円となりました。

見通しに関する注意事項
 本事業報告に記載されているデータや将来予測は、現在入手可能な情報に基づくもので、種々の要因により影響を受けることがありますので、実際の業績は見通しから大きく異なる可能性があります。従って、これらの将来予測に関する記述に全面的に依拠することは差し控えるようお願いいたします。また、当社は新しい情報、将来の出来事等に基づきこれらの将来予測を更新する義務を負うものではありません。

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主要な事業内容

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、国内及び海外におけるネットワークを通じて、繊維、機械、情報・通信関連、金属、石油等エネルギー関連、生活資材、化学品、食糧・食品等の各種商品の国内、輸出入及び海外取引、更には損害保険代理業、金融業、建設業、不動産の売買、倉庫業並びにそれらに付帯または関連する業務及び事業への投資を多角的に行っております。

セグメント別業績

連結財政状態

 総資産は、ヤナセの子会社化及びシーアイ化成との経営統合に伴うタキロンの子会社化並びにイラク油田権益の取得に加え、食品流通関連事業における期末休日要因等による営業債権の増加及び持分法で会計処理されている投資の増加等により、前期末比5,419億円(6.7%)増加の8兆6,639億円となりました。
 有利子負債は、イラク油田権益の取得に加え、ヤナセの子会社化、IPP関連事業への投資実行、ユニー・ファミリーマートホールディングス及び食糧関連事業への追加投資はあったものの、堅調な営業取引収入と着実な資金回収による借入金の返済により、前期末比1,652億円(5.6%)減少の2兆7,795億円となり、現預金控除後のネット有利子負債は、前期末比103億円(0.4%)減少の2兆3,204億円となりました。
 株主資本は、配当金の支払及び自己株式の取得はあったものの、当社株主に帰属する当期純利益の積上げ等により、前期末比2,676億円(11.1%)増加の2兆6,695億円となりました。
 株主資本比率は、前期末比1.2ポイント上昇の30.8%、NET DER(ネット有利子負債対株主資本倍率)は、前期末比改善し0.87倍となりました。

連結キャッシュ・フローの状況

 営業活動によるキャッシュ・フローは、金属、食料、エネルギー、機械及び情報・通信における営業取引収入の堅調な推移等により、3,882億円のネット入金となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、シーアイ化成との経営統合に伴うタキロンの子会社化に係る現金の受入はあったものの、ユニー・ファミリーマートホールディングス及び食糧関連事業への追加投資、イラク油田権益の取得及びIPP関連事業への投資実行に加え、主として食料、エネルギー、金属及び機械における固定資産の取得等により、2,564億円のネット支払となりました。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済に加え、配当金の支払及び自己株式の取得等により、2,961億円のネット支払となりました。
 以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末比1,734億円減少の4,321億円となりました。

中期経営計画「Brand-new Deal 2017」

 当社グループは、中期経営計画「Brand-new Deal 2017」(2015年度(平成27年度)から2017年度(平成29年度)までの3ヵ年計画)において、「財務体質強化」「4,000億円に向けた収益基盤構築」を基本方針としました。
 「Brand-new Deal 2017」の最終年度である当期の具体的成果は次のとおりです。

繊維カンパニー

ブランドビジネスの拡大と強化

 1999年(平成11年)にイタリア・ヴェローナで創設され、使用する原材料や縫製までこだわり抜いたラグジュアリーブランド「ムーレー」の独占輸入販売権を新たに取得しました。主力アイテムのダウンジャケットをはじめとしたイタリア製の最高品質の商品を、2018年春夏シーズンより全国の有名百貨店やセレクトショップを中心に展開します。

 その他、アウターウェアブランド「グレンフェル」、「グローバーオール」(英国)、ジーンズブランド「シマロン」、シューズブランド「パロマ バルセロ」(スペイン)、サーフブランド「ライトニングボルト」(米国)など、様々なブランドの独占輸入販売権やマスターライセンス権、商標権を新規取得し、ブランド展開の更なる強化を実現しました。

 また、創設から50年を超えるNY発のバッグブランド「ハンティング・ワールド」の新しいコンセプトショップのオープンや、世界的な高級紳士服地ブランドである「スキャバル」のオーダーメイドスーツのECビジネス開始等、時代の変化に対応した事業拡大にも取組んでいます。

機械カンパニー

パナマ国でのトヨタ・レクサス販売事業への参画

 当社は、パナマのトヨタ・レクサス独占販売代理店であるRicardo Pérez (リカルド ペレス)社株式の70%を取得し、経営権を獲得することを決定しました。同社は1956年に設立し、20年超にわたりパナマ新車市場におけるシェア1位の座を維持しています。当社の世界各国での自動車販売代理店経営の経験を活かし、同社の更なるシェアの拡大及び企業価値向上を図ります。

セルビア初大型官民連携 廃棄物処理発電事業 契約調印

 セルビア共和国ベオグラード市と、同国で初めての官民連携大型案件となる25年間の廃棄物処理発電事業契約を調印しました。本事業では、廃棄物焼却発電施設の新設・運営を通じ、ベオグラード市で排出される一般廃棄物を焼却処理し、その余熱で発電及び熱供給を行います。環境負荷の低い廃棄物処理の導入を通じて、廃棄物埋立量や温室効果ガスを削減し、同国の環境保全への貢献を目指します。

金属カンパニー

西豪州鉄鉱石事業 Whaleback鉱山が開発50周年に

 当社が参画する西豪州鉄鉱石事業の中核であるWhaleback鉱山は、2017年(平成29年)に開発50周年を迎え、同年9月に日本、中国、韓国等の主要客先を招待し、記念式典を開催しました。同鉱山は1969年の生産開始以来、世界最大の露天掘り鉄鉱石鉱山として、日本・中国を筆頭とするアジア鉄鉱石需要に応えてきました。今後ともこの優良資産を活用し、西豪州経済の発展と鉄鋼業への原料安定供給に貢献していきます。

市原バイオマス発電事業

 当社は、大阪ガス(株)、(株)三井E&Sエンジニアリングと国内最大級のバイオマス発電所を建設することを決定し、3社の共同出資による事業運営会社市原バイオマス発電(株)を設立しました。当社は、今後とも国内外における再生可能エネルギーを活用した事業を積極的に推進し、地球温暖化の防止と循環型社会の形成に貢献していきます。

エネルギー・化学品カンパニー

イラク共和国での石油開発事業

 当社は、イラク南部に位置し、可採埋蔵量が200億バレル超と推定される世界最大規模のイラク西クルナ1油田の権益を19.6%取得しました。本油田は生産中の油田であり、経験豊富なExxonMobil(エクソンモービル)社が操業していることに加えて、油価変動の影響を受けにくい契約形態を確立していることから、中長期にわたり安定した収益貢献が期待できます。

Moixa社(英国)との資本業務提携

 当社は、AI技術を蓄電池に活用したプラットフォーム事業を展開する英国のMoixa(モイクサ)社と資本業務提携し、プラットフォーム技術ソフトウェア「Gridshare Client(グリッドシェアー クライアント)」の国内独占販売権を取得しました。このソフトウェアは、蓄電池に搭載することで、一般需要家、発電事業者、送配電事業者といった各階層に対し、エネルギーの最適制御を行います。次世代型ビジネスとして、蓄電池システム日本市場でのシェアNo.1を目指すとともに、分散型エネルギー社会実現に向けて貢献していきます。

食料カンパニー

ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)が(株)ドンキホーテホールディングスと資本・業務提携

 2017年(平成29年)8月、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)と(株)ドンキホーテホールディングスは両社グループの強みとノウハウを活かした両事業の強化を目的とした資本業務提携契約を締結しました。また、2018年(平成30年)2月には両グループの総力を結集した新業態店舗の1号店「MEGA ドン・キホーテ UNY 大口店」を開店、3月末までに6店舗を展開しています。当社は筆頭株主としてユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の中長期的な企業価値の向上の追求を支援していきます。

不二製油(株)への追加出資

 不二製油グループ本社(株)は、チョコレート・油脂・大豆分野で世界屈指の技術力を有するリーディングカンパニーです。2017年(平成29年)、当社として約33.4%まで株式を追加取得することで、両社の更なる関係強化を図っています。引続き、伊藤忠グループが保有する製造・販売のインフラを最大限活用しながら、同社の積極的な海外展開をサポートすることで、更なる企業価値の向上を目指していきます。

住生活カンパニー

Alta Forest Products(Alta社) の出資持分100%取得

 Alta(アルタ)社はフェンス製造に特化した高い生産性により、北米木製フェンス製造業界No.1の地位を築いています。当社は、米国子会社のMaster-Halco, Inc.(マスター・ハルコ社)を通じ、米国フェンス卸業最大手の地位を確立しており、今回の買収を通じ、アルタ社とマスター・ハルコ社の販売ネットワークの相乗効果を見込むとともに、今後も堅調な推移が見込まれる北米住宅市場において、両社を軸にフェンス事業の更なる強化を実行していきます。

METSA FIBRE社アネコスキ新工場竣工

 2017年(平成29年)8月の新工場竣工による増産で、METSA FIBRE(メッツァ ファイバー)社は世界最大の製紙用の市販針葉樹パルプメーカーとなりました。
 また、今回の増産分80万トンの大部分が当社経由で中国・アジア向けに販売されることになっており、当社のリーディング・グローバル・パルプトレーダーとしての地位が更に強化されることになります。

情報・金融カンパニー

Inagora社への出資

 当社は、中国向け越境EC事業を展開するInagora(インアゴーラ)社の株式を2017年(平成29年)11月に第三者割当増資等を通じて追加取得し、日中越境EC市場への参入を本格化しました。当社グループの有する資産を活用し、東南アジア等中国以外の地域への展開も視野に、Inagora社の成長加速を図るとともに、越境EC事業への取組を強化していきます。

ポケットカード(株)への出資比率引上げ

 当社と(株)ファミリーマートは、ポケットカード(株)の普通株式に対する公開買付けを実施し、同社への出資比率を46%まで引上げました。本取組により、金融ビジネスの更なる強化と同社の企業価値向上を目指すとともに、情報・金融分野でのユニー・ファミリーマートホールディングス(株)との取組を強化し、新たな市場の取込みと拡大を推進していきます。

総本社

伊藤忠中国1,000人集会の開催

 当社では、2015年度(平成27年度)より、CP・CITICとの協業推進並びに中国ビジネス拡大を担う人材を育成する目的で「2017年度末までの3年間で中国語スキルを持つ人材を1,000人育成する」目標を立て、社員の中国語学習環境整備等の施策を展開してきましたが、2018年(平成30年)3月時点で1,043人が中国語社内資格を取得し、計画通り目標を達成しました。
 これを受け、資格取得者を会社として讃えるとともに、中国ビジネスの更なる拡大に繋げるべく、「伊藤忠中国1,000人集会」を開催しました。集会には、約850名の社員が参加、程永華中華人民共和国駐日本国特命全権大使ご夫妻、CP楊小平上級副会長、CITIC蒲堅副総経理等のご来賓をお招きし、日中両国の多数メディアが駆けつける盛大なイベントとなりました。

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対処すべき課題

来期の見通し

 来期の経営環境について展望しますと、米国経済は好調持続、欧州経済は英国のEU離脱に伴う影響は不透明ながら、その悪影響が限定的であれば景気拡大が続くと見込まれます。新興国では、中国は構造改革により成長が抑制されるものの、総じて堅調な資源価格動向や好調な先進国経済の恩恵により良好な状態が見込まれ、世界経済は拡大傾向を維持すると考えられます。
 日本経済は、輸出拡大や、所得増を受けた個人消費の持直しにより緩やかな拡大が続くと見込まれますが、海外情勢の急変による円高進行等が下振れリスクとして懸念されます。

新中期経営計画「Brand-new Deal 2020」の推進

 当社グループは、技術革新により大きく変貌していく新しい時代に機敏に対応するため、新技術を大胆に取込みビジネスモデルを進化させ、新たな商社像を確立することを目指します。同時に、働き方改革の深化により社員の生産性と能力を向上させることで、更なる企業価値の向上を実現し、株主の皆様・社会・社員に成果を還元する次世代の持続的成長モデルの構築を目指すため、次なる中期経営計画として「Brand-new Deal 2020」 (2018年度から2020年度までの3ヵ年計画)を策定しました。

目指す姿

 人々の豊かな営みに根ざした"身近な商人"である伊藤忠は、新技術や新しいパートナーとの取組によってビジネスモデルを進化させる「商いの次世代化」に加え、働き方改革の深化により、一人ひとりの社員がより高い生産性と品質で付加価値を創出する「働き方の次世代化」により、次世代商人へと進化し、新時代"三方よし"による持続的成長を目指します。

基本方針

 「Brand-new Deal 2020」における目指す姿を実現するための基本方針は次の3点を掲げております。

【商いの次世代化】

 全てのカンパニーによる新技術を活用したビジネスモデルの進化を目指すとともに、ユニー・ファミリーマートHDを起点とするグループバリューチェーンの価値向上を図ります。また、戦略的パートナーと積極的な連携を進め、中国・アジアでのビジネス創出を加速します。

【スマート経営】

 伊藤忠が強みとするROEをはじめとした経営効率性の更なる進化を目指します。また、業界をリードする働き方改革と"削る"の深化による労働生産性の向上に向けた取組強化を図ります。

【健康経営No.1企業】

 社員がやりがいを持って存分に働き、家族にとっても一番いい会社を目指します。また、一人ひとりの健康増進策を実施し、当社グループ全体の活力向上による魅力的な企業を目指します。

投資方針

 次世代・新技術分野への投資推進による「次世代"商い"」の創造とキャッシュ・フローを意識した規律ある成長投資の継続により、株主還元後実質フリー・キャッシュ・フロー(注1)の黒字継続を目指します。

(注1)「実質営業CF」-「ネット投資」-「配当・自己株式取得」

株主還元方針

 「Brand-new Deal 2020」における配当方針は、現行の「業績連動・累進型(注2)」の配当フォーミュラを継続します。2018年度(平成30年度)の1株当たりの配当金は74円を下限とし、当中期経営計画期間中は、毎期、当社史上最高となる配当額の更新を目指します。また、株価水準、キャッシュ・フローの状況等を踏まえ、自己株式取得を機動的に実施し、株主還元の充実を図ります。

(注2)当社株主帰属当期純利益が2,000億円/年までの部分に対しては配当性向 20%、2,000億円/年を超える部分に対しては配当性向 30%を目処に実施。

 株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。

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連結計算書類

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