事業報告(2019年4月1日から2020年3月31日まで)

企業集団の現況に関する事項

事業の経過及びその成果

事業の状況

当連結会計年度の世界経済を概観しますと、第3四半期までは米国では底堅さが見られたものの、欧州や中国の景気低迷により、全体として減速基調となりました。また、第4四半期には各国に広がる新型コロナウイルスの影響により、世界的に景気が失速しました。

第3四半期までを振り返りますと、米国経済は、雇用環境や個人消費が堅調に推移するとともに、FRBの利下げ等の金融政策が景気の下支えとなっていました。欧州経済は、個人消費と政府消費が底堅さを維持し、低迷が続いていた製造業に底入れの兆しが見えてきた一方で、英国のEU離脱等により先行き不透明感が増大しました。中国経済は、減税・補助金等の経済政策で景気下支えを図るも、インフラ投資停滞と消費マインド悪化等により減速基調が継続しました。新興国経済は、中国経済減速による輸出減や資源価格の下落等で減速基調となりました。

第4四半期に入り、新型コロナウイルスの影響による各国での経済活動の停止や金融市場の混乱等に伴い、世界的に景気失速傾向が強まりました。

こうした中、わが国経済は、雇用・所得環境は改善したものの、相次ぐ自然災害や消費増税の影響により内需が冷え込み、減速基調となりました。また、新型コロナウイルスの影響によるインバウンド需要の減少や輸出低迷が継続、製造業を中心に景況感が悪化し、消費マインドが一層冷え込み、景気が後退しました。

このような環境のもと、豊田通商グループの当連結会計年度の収益は原油の取り扱い減少及び円高による為替影響等により、前連結会計年度を687億円(1.0%)下回る6兆6,940億円となりました。

利益につきましては、営業活動に係る利益は売上総利益の増加の一方で販売費及び一般管理費の増加等により、前連結会計年度を48億円(2.2%)下回る2,103億円となりました。当期利益(親会社の所有者に帰属)は営業活動に係る利益の減少及び持分法による投資損益の悪化の一方で、法人所得税費用の減少等により、前連結会計年度を29億円(2.2%)上回る1,355億円となりました。

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事業区分別の概況

事業本部別当期利益(親会社所有者帰属)構成比

当期利益(親会社所有者帰属)
前連結会計年度比 %減
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主な取扱品目及び事業

普通鋼、特殊鋼、建設鋼材、非鉄金属地金、貴金属地金、軽圧品、伸銅品、鉄くず、非鉄金属くず、合金鉄、銑鉄、使用済み自動車・部品、廃触媒、レアアース・レアメタル 他

インドでの使用済み車両の不法投棄削減と適正処理等を目的に、Toyota Tsusho India Private Limitedとスズキ株式会社のインド子会社であるMaruti Suzuki India Limitedと共に、使用済み車両の解体とリサイクルを行う合弁会社Maruti Suzuki Toyotsu India Private Limitedを、2019年10月に設立しました。

当期利益(親会社の所有者に帰属)については、自動車生産関連の取り扱い減少及び市況の下落、金属資源事業における減損等により、前連結会計年度を164億円(46.2%)下回る189億円となりました。

当期利益(親会社所有者帰属)
前連結会計年度比 %減
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主な取扱品目及び事業

自動車用構成部品、物流事業、タイヤ組付事業 他

車両検査の効率化と省人化を目的に、AIを活用した画像解析による車両検査サービスを提供するイスラエルのUVeye Ltd.の第三者割当増資を引き受け、2019年6月に同社へ出資し、協業を推進しています。

当期利益(親会社の所有者に帰属)については、受取配当金の減少及び為替影響等により、前連結会計年度を14億円(5.9%)下回る223億円となりました。

当期利益(親会社所有者帰属)
前連結会計年度比 %減
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主な取扱品目及び事業

乗用車、商用車、二輪車、トラック、バス、産業車輛、車両部品、販売周辺事業(小・中規模生産、架装、中古車、販売金融等) 他

新興国におけるモビリティサービスやMaaS領域の事業開発を推進することを目的に、新興国で公共交通データプラットフォーム事業を展開する英国のWhereIsMyTransport Ltd. に対して、2019年12月にシリーズA資金調達ラウンドにおいて出資し、業務提携並びに協業を進めています。

当期利益(親会社の所有者に帰属)については、海外自動車販売会社の取扱台数減少等により、前連結会計年度を30億円(13.0%)下回る197億円となりました。

当期利益(親会社所有者帰属)
前連結会計年度比 %増
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主な取扱品目及び事業

自動車産業を中心とした製造・物流設備、部品・工具類、建設機械等、風力・太陽光、水力、地熱、バイオマス等の再生可能エネルギー発電事業、原油・天然ガス・石油製品、電力・空港・港湾等のインフラ事業 他

エジプトの自動車産業と経済発展への貢献を目的に、フランスのBolloré Africa Logistics及び日本郵船株式会社と共に、エジプトの東ポートサイード港において、同国初となる自動車専用ターミナルの建設と運営を、スエズ運河経済特区庁から2019年12月に受託しました。

当期利益(親会社の所有者に帰属)については、電力事業における関連会社株式売却益及び前期一過性損失の影響等により、前連結会計年度を164億円(87.4%)上回る351億円となりました。

当期利益(親会社所有者帰属)
前連結会計年度比 %増
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主な取扱品目及び事業

自動車用構成部品、半導体・電子部品、モジュール製品、自動車用組込みソフト、ネットワーク構築・保守・運用・ヘルプデスク、情報通信機器、海外ITインフラ輸出、パソコン・周辺機器及び各種ソフトウェア、ITS(インテリジェント トランスポート システムズ)機器、合成樹脂、ゴム、電池・電子材料、精密無機化学品、油脂化学品、添加剤、医薬品及び医薬品原料 他

コネクティッドサービスの実現に向けた技術のR&D推進を目的に、豊田通商アジアパシフィック及びネクスティ エレクトロニクス タイランドと共に、シンガポールにおいてToyota Tsusho Mobility Informatics Pte. Ltd.を、2019年11月に設立し、12月より営業を開始しています。

当期利益(親会社の所有者に帰属)については、エレクトロニクス事業における利益率低下の一方で、前期一過性損失の影響等により、前連結会計年度を43億円(23.3%)上回る227億円となりました。

当期利益(親会社所有者帰属)
前連結会計年度比 %増
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主な取扱品目及び事業

飼料原料、穀物、加工食品、食品原料、農水畜産物、酒類、損害・生命保険、証券仲介、繊維製品、衣料、介護・医療関連用品、建築・住宅資材、オフィス家具、総合病院事業、ホテルレジデンス事業 他

インドネシアにおける単身者・出張者向けサービスアパートメントであるAXIA第1期・第2期が好評であることを受け、増加を続ける在留邦人のさらなる需要に応えることを目的に、ファミリー向けサービスアパートメント開発・運営会社のPT. Toyota Tsusho Real Estate Cikarangが、2019年12月に第3期の建設を開始しました。

当期利益(親会社の所有者に帰属)については、食料事業の採算良化及び高利益率商内の増加等により、前連結会計年度を41億円(234.1%)上回る58億円となりました。

当期利益(親会社所有者帰属)
前連結会計年度比 %増
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主な取扱品目及び事業

アフリカにおける、製造・販売・サービス(自動車、ヘルスケア、消費財・リテール事業等)、電力インフラ、農業、ICT 他

ケニアを中心に東アフリカで物流デジタルプラットフォームサービスを展開するSendy Limitedのサービス活用を目的に、Mobility 54 Investment SASを通じて、Sendy LimitedのシリーズB第三者割当増資を引き受け、2019年12月に同社への出資を決定しました。

当期利益(親会社の所有者に帰属)については、自動車販売の増加等により、前連結会計年度を39億円(38.5%)上回る140億円となりました。

連結計算書類