事業報告(2021年9月1日から2022年8月31日まで)
企業集団の現況に関する事項
事業の経過及び成果
当社グループは、当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。このため、前連結会計年度と収益認識に関する会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において増減額及び前年同期比(%)は記載せずに説明しております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大と鎮静化を背景に経済・社会活動の停滞と正常化を繰り返し、その影響が長期化いたしました。また、上海のロックダウンに伴う物流等の混乱やウクライナ情勢等による資源価格の上昇、更には金融資本市場の変動等、かつてない先行き不透明な状況で推移いたしました。
一方、当アパレル・ファッション業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による雇用・所得環境の悪化や急激な物価上昇により、個人消費がコロナ以前に戻るには時間がかかると想定されますが、各種制限の緩和により回復の兆しも見え始めております。
このような経営環境の中、当社グループは「ものを創り 人を創り お客様と共に心豊かな毎日を創る」という不変のミッションのもと、3年後のあるべき姿を目指した中期ビジョン「Yamato2023」を推進しております。人々のライフスタイルや価値観が様変わりする中で、いつの時代でも どのような環境下でも お客様の不満や問題を解決し 求められるものを提供し 最初に想起される真のブランド「シン・ブランド創り」を目指してまいります。
基幹事業である「クロコダイル」は、1963年の発売以来、半世紀以上にわたり愛され続ける当社のオリジナルブランドです。「〝大人のTPO〟をスマートに演出するブランド」をコンセプトに、改めて原点である顧客起点に立ち返り、既顧客の満足度向上と活性化に繋がる商品の強みや付加価値を戦略的に構築し、また潜在顧客が興味を持ち共感できる新しいスタイルを提案してまいります。更に商品・店舗・コミュニケーション等すべてにおいて一貫性を保ち提供することで、お客様のブランドに対する認知・認識を深め顧客を獲得し、事業の持続的な成長を目指してまいります。
「創造的な移動を続ける都市生活者のための機能服」をコンセプトに、オンラインショップをベースに展開する「CITERA(シテラ)」は、常に快適で洗練された、時代に響くスタイルを創り出しております。ブランドの顔となる商品の開発に引き続き注力することで更なる売上拡大を目指してまいります。また、米国発アウトドアファッションブランド「Penfield(ペンフィールド)」と、ハワイ発カジュアルサーフブランド「Lightning Bolt(ライトニングボルト)」は、ブランド認知度と価値向上に注力し、ライセンス事業の拡大を目指してまいります。
一方、当社グループの物流業務を請負う子会社ヤマト ファッションサービス株式会社は、在庫管理や入出荷業務の精度向上に努めるとともに、これまでの自動ソーターに加え、成長著しいEC事業に向け新たに自動製封函機を導入する等、積極的な投資を行うことで更なる業務の生産性向上を図っております。
以上の結果、当連結会計年度における経営成績は、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の適用により売上高が193億9千8百万円(前年同期は136億9千1百万円)となりました。利益面では、売上総利益率は58.4%(前年同期は44.9%)となり、販売費及び一般管理費は111億9千1百万円(前年同期は65億5百万円)、営業利益は1億4千4百万円(前年同期は営業損失3億6千4百万円)、経常利益は6億4千1百万円(前年同期は9千2百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億5千2百万円(前年同期は3千万円)となりました。
セグメントごとの売上高では、繊維製品製造販売業191億9百万円(前年同期は133億8千5百万円)、不動産賃貸事業2億8千9百万円(前年同期は3億5百万円)となりました。
なお、事業報告に記載されている金額は、消費税等を含んでおりません。
セグメント別売上高
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対処すべき課題
来期の展望としましては、新型コロナウイルス感染症の収束時期が未だ不透明である中で、資源価格の高騰や円安を背景とした急激な物価上昇による個人消費の落ち込みも懸念され、当社を取り巻く環境の先行き不透明感は継続するものと思われます。
このような状況の中、当社グループは、原点である顧客起点に立ち返り「ものを創り 人を創り お客様と共に心豊かな毎日を創る」という不変のミッションのもと、いつの時代でも どのような環境下でも お客様の不満や問題を解決し 求められるものを提供し 最初に想起される真のブランド「シン・ブランド創り」を目指しております。
また、3年後のあるべき姿に向けた中期ビジョン「Yamato2023」にて掲げた3つの分野 ①収益率を高める分野(GMS)②売上を徹底的に伸ばす分野(EC/CITERA)③将来の成長基盤を確立する分野(直営)、これら各分野が目指す指標と活動を連動して実践することで事業構造の転換を図り、企業価値・ブランド価値・提供価値 それぞれの「価値拡大」を目指してまいります。
株主の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。