事業報告(平成28年4月1日から平成29年3月31日まで)


伊藤忠エネクスグループの現況に関する事項
事業の経過及びその成果
当連結会計年度における日本経済は、企業収益や雇用環境の改善等により緩やかな回復基調で推移しました。一方、新興国経済の減速や英国の欧州連合(EU)離脱問題、また米国の政権交代など、世界経済の先行きは不透明な状況が継続しました。石油製品流通業界におきましては、需要減少が継続しており、また原油価格の先行きも不透明な状況が継続しております。電力市場におきましては、原油や液化天然ガス(LNG)、石炭等原料費の上昇を受け、電力価格は上昇しました。
このような環境のもと、当社グループは平成27年4月に2ヵ年の中期経営計画『Moving2016「動く!」~明日にタネを蒔け!~』を公表し、以下3つの基本方針に基づき、事業を推進してまいりました。
(1)収益力の増強 (2)長期成長戦略のためのタネ蒔き (3)組織力と基礎体力の増強
具体的な取り組みの一例 | |
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●平成28年4月 | 家庭向け電力「eコトでんき!」販売スタート |
●平成28年5月 | フィリピンにおけるLPガス販売事業への出資・参画 |
●平成28年9月 | インドネシアの工業ガス充填施設が竣工、本格稼働 |
●平成28年11月 | 働き方改革「ENEX EARLY BIRD」始動 (平成29年2月「健康経営優良法人2017 大規模法人部門(ホワイト500)」認定) |
●平成28年12月 | 株式会社エネクスライフサービス及び日産大阪販売株式会社が「車と電気のコラボレーション事業」開始 |
このような活動の結果、当連結会計年度の業績は昨年度に引き続き、各利益につきまして、いずれも過去最高となりました。


IFRSに基づく過去2期の財産及び損益の状況の推移
事業区分別の概況
企業集団の事業区分別売上状況は次のとおりであります。
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ホームライフ部門
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ベストミックスの
エネルギー提案の実現へ
ホームライフ部門主な取扱商品・サービス
LPガス、都市ガス(大分県中津市)、高圧ガス、電力、灯油、機器(燃焼/厨房/冷暖房/住宅設備等)、スマートエネルギー機器(太陽光発電システム/家庭用燃料電池「エネファーム」)、家庭用リチウムイオン蓄電システム「エネパワボSX」、リフォーム、容器耐圧検査
当期の概況
LPガス販売事業においては、原油減産に伴う石油価格上昇により、LPガス輸入価格は高値で推移しました。家庭用LPガス損益は顧客軒数増加などにより前期を上回りました。また、家庭向けの電力販売(「eコトでんき!」および(株)エコアの「eでんき」)においては、LPガスとのセット販売を推進した結果、累計で約32,000軒を獲得。海外事業では、フィリピンでのLPガス販売を開始したことや、インドネシアでの高圧ガス販売会社・充填施設のフル稼働などにより体制を整え、事業の拡大を目指します。
対処すべき課題
平成29年度のホームライフ部門は顧客基盤の拡大を目指します。CRM(顧客管理システム)の活用により、顧客満足度の向上を図ると同時に潜在ニーズを掘り起こし、新規事業へ広げてまいります。また、都市ガス自由化にあたりましては、ガス販売を含め、様々な商材にて顧客基盤の拡大を行ってまいります。電力販売に関しても引き続き、LPガスとのセット販売によりエネルギーサービスの複層化を推進してまいります。海外事業においては、既定路線の継続と事業の拡大を目指し中長期的な収益の柱を構築してまいります。
トピックス
フィリピン共和国にてLPガス販売事業に参画
平成28年5月よりフィリピンでLPガス事業を展開するIsla Petroleum & GasCorporationに出資・参画、平成29年には現地での実務経験者を増員し、日系企業向けの販売を強化しました。日本国内で培ってきたLPガス販売の知見と、ノウハウを活かし、フィリピンでのLPガス販売事業を拡充してまいります。
-
電力・ユーティリティ部門
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人と社会の役に立つ
PPPS(Prime PPS)
となる
電力・ユーティリティ部門主な取扱商品・サービス
電力(石炭火力発電所、天然ガス火力発電所、風力発電所、水力発電所、太陽光発電所)、蒸気、地域熱供給サービス、電力の需給管理サービス、熱源受託サービス
当期の概況
電力小売全面自由化による家庭向けの電力需要の増加、並びに法人向けの電力販売を推進した結果、当社及び王子・伊藤忠エネクス電力販売株式会社を中心とする電力販売量は前期を大きく上回りました。損益面では風況の良化及び、資産入れ替えを目的とした風力発電設備売却益などにより前期を大きく上回りました。熱供給事業では、熱需要と損益面で前期を上回りました。電力販売分野ではエリアに強い顧客基盤を持つ企業との提携により販売を強化し、自由化された領域では当社他部門との連携を推進してまいります。
対処すべき課題
電力市場は異業種からの新規参入や大手電力会社の巻き返しもあり厳しい環境下、当部門では『社会に必要とされる「Prime PPS」』を目指し、これまでの経験やノウハウと、発電から販売までの一貫体制を強みとして事業拡大を図ってまいりました。今後、金融手法を取り入れた再生可能エネルギー発電事業の強化や新たな収益源の確保、高圧需要家に対する販売の継続拡大や新たな異業種アライアンスパートナーとの取組みを通じ『電気・熱を通じた新たなサービスを提供するオンリーワンな存在へ』を目指します。
トピックス
東京都市サービス(株)が「平成28年度 省エネ大賞」をダブル受賞
当社グループの東京都市サービス(株)が「平成28年度省エネ大賞」(一般財団法人省エネルギーセンター主催)の省エネ事例部門において、「経済産業大臣賞」(箱崎地区)と、「省エネルギーセンター会長賞」(京橋1・2丁目地区)を受賞しました。これからもエネルギーの効率的な使用や省エネルギーなどを推進し、グループ一丸となって持続的な成長の可能な社会作りに貢献してまいります。
-
カーライフ部門
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地域(国内外)の
カーライフにコミットする
カーライフ部門主な取扱商品・サービス
ガソリン、灯油、軽油、重油、自動車用潤滑油、自動車・自動車用品、車検・整備、レンタカーシステム
当期の概況
継続する国内燃料油需要の減少を受け、販売数量は前期を下回りました。一方、損益面におきましては、日産大阪販売株式会社の寄与により前期を若干下回る程度となりました。リテール戦略では業種を跨いだ「楽天ポイントカード」で加盟店同士の相互送客を実現、車関連事業では新サービスブランド「カーライフスタジアム(カースタ)」を立ち上げ、エネクスオート株式会社においてカースタレンタカーを展開。レンタカーネットワークとしての機能の拡充を図るとともに、WEBを活用したプロモーションを行ってまいります。
対処すべき課題
当部門は平成29年度より「カーライフ部門」と「エネルギーイノベーション部門」の一部を再編、「生活エネルギー・流通部門」と名称を変更しました。これは、カーライフ部門のCS※関連事業とエネルギーイノベーション部門の産業用燃料等の販売体制を統合し、さらなるサービスの拡充を目指すものです。「地域社会」「地域でくらす方々」に必要な商品やサービスを提供できるよう、グループ独自の新たな価値や機能を提供してまいります。
※CSとは、カーライフ・ステーションの略であり、当社が提案する複合サービス給油所。
トピックス
車の総合サービス「カースタ」 選ばれるブランドへ
これまで個別に展開してきた車関連事業のサービスブランドを「カースタ」として一新しました。カースタでは全国のガソリンスタンドや専門店を中心に、レンタカー事業や車の販売・買い取りなどを行ってまいります。地域のお客様のカーライフに深く関わり「もっと、いいお出かけを。」をコンセプトに、安全・安心なカーライフと心を満たす最高のサービスをご提供してまいります。
-
エネルギー
イノベーション部門詳細はこちら >
機能を活かした
既存事業拡大と
新規事業取り組み強化
エネルギー
イノベーション部門主な取扱商品・サービス
産業用エネルギー及び資材(ガソリン、灯油、軽油、重油、LNG)、アスファルト、高品位尿素水「AdBlue」、船舶燃料油・潤滑油、石油製品の輸出入及び国内需給調整取引、石油貯蔵施設等のロジスティクス機能、海外事業の開発・推進等、スロップ・再生油、フライアッシュ(石炭灰)
当期の概況
エネルギー利用の効率化などによる構造的な国内石油製品需要の減少や、産油国の需給調整の変化に伴う原油価格の変動も影響がありましたが、既存取引の拡大及び新規取引の獲得や事業ポートフォリオの拡充により前期の損益を上回る結果となりました。当部門では重点施策として、「適切かつ機能的な資産の充実と運用管理」と「新規事業化案件の積極的な推進」を行いながら、引き続き外部環境の変化に柔軟に対応するお客様のニーズに合わせた提案を行い、グループ一体となった事業展開を進めてまいります。
対処すべき課題
当部門はこれまでの「エネルギーイノベーション部門」からアスファルト部・船舶燃料部・需給部が纏められ、「産業エネルギー・流通部門」として平成29年度より始動しました。産業向けエネルギー・資材の販売事業として専門性の高い分野で既存の事業基盤の強化を図るとともに、これまで以上に取引先やパートナー企業と強固な関係を構築し、これまでにない案件を開拓していくことで、外部環境の変化に対応できる事業展開の拡充を目指し、新たな収益基盤の構築を積極的に目指してまいります。
トピックス
燃料油の小口販売事業会社の設立
平成28年2月に設立した「小倉興産ロジサービス株式会社」は、福岡地区から北九州・大分への産業用燃料の販売配送を担う会社であり、石油製品に付随する商品も展開しています。小口需要家への販売展開で物流機能の強化を進めながら、企業・家庭を支えるエネルギー会社として地域に必要とされる会社を目指します。

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ベストミックスのエネルギー提案の実現へ
ホームライフ部門主な取扱商品・サービス
LPガス、都市ガス(大分県中津市)、高圧ガス、電力、灯油、機器(燃焼/厨房/冷暖房/住宅設備等)、スマートエネルギー機器(太陽光発電システム/家庭用燃料電池「エネファーム」)、家庭用リチウムイオン蓄電システム「エネパワボSX」、リフォーム、容器耐圧検査
当期の概況
LPガス販売事業においては、原油減産に伴う石油価格上昇により、LPガス輸入価格は高値で推移しました。家庭用LPガス損益は顧客軒数増加などにより前期を上回りました。また、家庭向けの電力販売(「eコトでんき!」および(株)エコアの「eでんき」)においては、LPガスとのセット販売を推進した結果、累計で約32,000軒を獲得。海外事業では、フィリピンでのLPガス販売を開始したことや、インドネシアでの高圧ガス販売会社・充填施設のフル稼働などにより体制を整え、事業の拡大を目指します。
対処すべき課題
平成29年度のホームライフ部門は顧客基盤の拡大を目指します。CRM(顧客管理システム)の活用により、顧客満足度の向上を図ると同時に潜在ニーズを掘り起こし、新規事業へ広げてまいります。また、都市ガス自由化にあたりましては、ガス販売を含め、様々な商材にて顧客基盤の拡大を行ってまいります。電力販売に関しても引き続き、LPガスとのセット販売によりエネルギーサービスの複層化を推進してまいります。海外事業においては、既定路線の継続と事業の拡大を目指し中長期的な収益の柱を構築してまいります。
トピックス
フィリピン共和国にてLPガス販売事業に参画
平成28年5月よりフィリピンでLPガス事業を展開するIsla Petroleum & GasCorporationに出資・参画、平成29年には現地での実務経験者を増員し、日系企業向けの販売を強化しました。日本国内で培ってきたLPガス販売の知見と、ノウハウを活かし、フィリピンでのLPガス販売事業を拡充してまいります。
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人と社会の役に立つPPPS(Prime PPS)となる
電力・ユーティリティ部門主な取扱商品・サービス
電力(石炭火力発電所、天然ガス火力発電所、風力発電所、水力発電所、太陽光発電所)、蒸気、地域熱供給サービス、電力の需給管理サービス、熱源受託サービス
当期の概況
電力小売全面自由化による家庭向けの電力需要の増加、並びに法人向けの電力販売を推進した結果、当社及び王子・伊藤忠エネクス電力販売株式会社を中心とする電力販売量は前期を大きく上回りました。損益面では風況の良化及び、資産入れ替えを目的とした風力発電設備売却益などにより前期を大きく上回りました。熱供給事業では、熱需要と損益面で前期を上回りました。電力販売分野ではエリアに強い顧客基盤を持つ企業との提携により販売を強化し、自由化された領域では当社他部門との連携を推進してまいります。
対処すべき課題
電力市場は異業種からの新規参入や大手電力会社の巻き返しもあり厳しい環境下、当部門では『社会に必要とされる「Prime PPS」』を目指し、これまでの経験やノウハウと、発電から販売までの一貫体制を強みとして事業拡大を図ってまいりました。今後、金融手法を取り入れた再生可能エネルギー発電事業の強化や新たな収益源の確保、高圧需要家に対する販売の継続拡大や新たな異業種アライアンスパートナーとの取組みを通じ『電気・熱を通じた新たなサービスを提供するオンリーワンな存在へ』を目指します。
トピックス
東京都市サービス(株)が「平成28年度 省エネ大賞」をダブル受賞
当社グループの東京都市サービス(株)が「平成28年度省エネ大賞」(一般財団法人省エネルギーセンター主催)の省エネ事例部門において、「経済産業大臣賞」(箱崎地区)と、「省エネルギーセンター会長賞」(京橋1・2丁目地区)を受賞しました。これからもエネルギーの効率的な使用や省エネルギーなどを推進し、グループ一丸となって持続的な成長の可能な社会作りに貢献してまいります。
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地域(国内外)のカーライフにコミットする
カーライフ部門主な取扱商品・サービス
ガソリン、灯油、軽油、重油、自動車用潤滑油、自動車・自動車用品、車検・整備、レンタカーシステム
当期の概況
継続する国内燃料油需要の減少を受け、販売数量は前期を下回りました。一方、損益面におきましては、日産大阪販売株式会社の寄与により前期を若干下回る程度となりました。リテール戦略では業種を跨いだ「楽天ポイントカード」で加盟店同士の相互送客を実現、車関連事業では新サービスブランド「カーライフスタジアム(カースタ)」を立ち上げ、エネクスオート株式会社においてカースタレンタカーを展開。レンタカーネットワークとしての機能の拡充を図るとともに、WEBを活用したプロモーションを行ってまいります。
対処すべき課題
当部門は平成29年度より「カーライフ部門」と「エネルギーイノベーション部門」の一部を再編、「生活エネルギー・流通部門」と名称を変更しました。これは、カーライフ部門のCS※関連事業とエネルギーイノベーション部門の産業用燃料等の販売体制を統合し、さらなるサービスの拡充を目指すものです。「地域社会」「地域でくらす方々」に必要な商品やサービスを提供できるよう、グループ独自の新たな価値や機能を提供してまいります。
※CSとは、カーライフ・ステーションの略であり、当社が提案する複合サービス給油所。
トピックス
車の総合サービス「カースタ」 選ばれるブランドへ
これまで個別に展開してきた車関連事業のサービスブランドを「カースタ」として一新しました。カースタでは全国のガソリンスタンドや専門店を中心に、レンタカー事業や車の販売・買い取りなどを行ってまいります。地域のお客様のカーライフに深く関わり「もっと、いいお出かけを。」をコンセプトに、安全・安心なカーライフと心を満たす最高のサービスをご提供してまいります。
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機能を活かした既存事業拡大と新規事業取り組み強化
エネルギーイノベーション部門主な取扱商品・サービス
産業用エネルギー及び資材(ガソリン、灯油、軽油、重油、LNG)、アスファルト、高品位尿素水「AdBlue」、船舶燃料油・潤滑油、石油製品の輸出入及び国内需給調整取引、石油貯蔵施設等のロジスティクス機能、海外事業の開発・推進等、スロップ・再生油、フライアッシュ(石炭灰)
当期の概況
エネルギー利用の効率化などによる構造的な国内石油製品需要の減少や、産油国の需給調整の変化に伴う原油価格の変動も影響がありましたが、既存取引の拡大及び新規取引の獲得や事業ポートフォリオの拡充により前期の損益を上回る結果となりました。当部門では重点施策として、「適切かつ機能的な資産の充実と運用管理」と「新規事業化案件の積極的な推進」を行いながら、引き続き外部環境の変化に柔軟に対応するお客様のニーズに合わせた提案を行い、グループ一体となった事業展開を進めてまいります。
対処すべき課題
当部門はこれまでの「エネルギーイノベーション部門」からアスファルト部・船舶燃料部・需給部が纏められ、「産業エネルギー・流通部門」として平成29年度より始動しました。産業向けエネルギー・資材の販売事業として専門性の高い分野で既存の事業基盤の強化を図るとともに、これまで以上に取引先やパートナー企業と強固な関係を構築し、これまでにない案件を開拓していくことで、外部環境の変化に対応できる事業展開の拡充を目指し、新たな収益基盤の構築を積極的に目指してまいります。
トピックス
燃料油の小口販売事業会社の設立
平成28年2月に設立した「小倉興産ロジサービス株式会社」は、福岡地区から北九州・大分への産業用燃料の販売配送を担う会社であり、石油製品に付随する商品も展開しています。小口需要家への販売展開で物流機能の強化を進めながら、企業・家庭を支えるエネルギー会社として地域に必要とされる会社を目指します。
連結計算書類
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連結財政状態計算書
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連結包括利益計算書
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