事業報告(2022年4月1日から2023年3月31日まで)

伊藤忠エネクスグループの現況に関する事項

事業の経過及びその成果

当社グループは、2021年4月に中期経営計画『SHIFT!2022』を策定し、「基盤」、「環境・エネルギー」、「人材」を基本方針として2年間取り組んでまいりました。

本中期経営計画に基づく2022年度の結果及び取組み内容をご報告いたします。

各セグメント別の取組みについてはP24~27をご覧ください。

対処すべき課題

現状並びに今後の経営環境を踏まえ、当社グループが対処すべき課題は以下のとおりです。

1)現場力の強化

2)投資実行体制の進化

3)組織・人材の強化

当社グループは、「くらしの原動力を創る」をコンセプトとした2030年の目指す姿の実現に向け、現場力を強化し、新たな案件の発掘・開発を進めるとともに、投資体制の強化・向上を図り、積極的に投資を推進することで、生活や産業へ多様なエネルギー・サービスを提供し、更なる成長・変革へ挑戦してまいります。

事業区分別の概況

ホームライフ事業

詳細はこちらを閉じる

主な取扱商品・サービス

LPガス、灯油、都市ガス、電力、生活関連機器、スマートエネルギー機器、リフォーム、家庭用リチウムイオン蓄電システム

当期の概況

1. 実施施策

  • ❶基盤の拡大・効率化
    • ・M&AによりLPガス直売顧客軒数の拡大(前期末比約8千軒増の約565千軒)
    • ・ゴールド保安認定事業者※取得による保安高度化と販売エリアの拡大
  • ❷基盤のデジタル化
    • ・IOセンター(統合オペレーションセンター)、SFA(営業管理システム)の実装による業務と顧客接点の“見える化”実施

2. 業績

LPガス販売事業は利幅の圧縮や顧客の節約志向等による販売数量の減少で苦戦したものの、LPガス元売事業でのスポット取引による収益増大等が奏功し、当社株主に帰属する当期純利益は前期比増益。

参考 今後の注力分野

  • ❶LPガス事業
    • ・M&A・営業獲得・既存収益基盤の強化
    • ・データベース活用による顧客満足度の向上
    • ・保安品質の更なる向上
  • ❷新事業、新サービス
    • ・新規ビジネスの創造(住環境・災害対策等)
    • ・他部門との協働・シナジーによる施策推進
  • ❸IT&デジタル
    • ・DX活用による業務効率化
    • ・保安業務のデジタル化
    • ・Webマーケティング等の展開

※第一号認定LPガス販売事業者。集中監視システムの導入など、消費者の安全を確保するための高度な保安体制整備に取組んでいると認定を受けたLPガス販売事業者。

カーライフ事業

詳細はこちらを閉じる

主な取扱商品・サービス

ガソリン、灯油、軽油、電力、自動車、生活・車関連商品サービス

当期の概況

  • 1. 実施施策
    • ❶顧客基盤の維持・拡大
    • ・連結子会社3社統合によるエネクスフリート㈱新体制
    • ・カー用品ECサイト「Ene Store」開始
    • ❷自動車周辺事業の拡大
    • ・ディーラー事業推進により過去最高益
    • ・自動車オークション事業への参画
      (㈱アイ・エー・エーへの資本参画)

2. 業績

CS小売事業が堅調に推移したことや、自動車ディーラー事業の台当たりの粗利益が向上したことにより当社株主に帰属する当期純利益は前期比増益。

参考 今後の注力分野

  • ❶石油卸事業
    • ・顧客基盤の拡大
    • ・カー用品販売事業の規模拡大

    ❷石油小売事業

    • ・フリート給油ネットワークの拡大
    • ・各エリアに特化したサービス展開

    ❸モビリティ事業

    • ・モビリティ事業の領域拡大
    • ・自動車ディーラーの店舗ネットワーク再構築

産業ビジネス事業

詳細はこちらを閉じる

主な取扱商品・サービス

ガソリン、灯油、軽油、重油、LPガス、産業用ガス、AdBlue®、GTL燃料、リニューアブル燃料、法人向け給油カード、アスファルト、船舶用燃料、ガス容器耐圧検査、溶接用資材の販売及びサービスの提供、燃焼灰リサイクル、スロップ回収・リサイクル事業、 石油製品輸出入、ターミナルタンク賃貸

当期の概況

  • 1. 実施施策
    • ❶環境関連ビジネスの深掘り
    • ・AdBlue®供給拠点の拡充(全国供給拠点26カ所)
    • ・リニューアブル燃料の供給体制整備と大阪万博に向けての実証試験
    • ❷既存事業の基盤強化

    • ・アスファルトタンク増設、産業ガス容器検査設備の投資決定
    • ・船舶燃料配給船の建造による基盤強化

2. 業績

各事業が好調に推移したことや、流通ターミナル機能を駆使し、内外格差や市況変動を効果的に捉え採算を向上させたことにより当社株主に帰属する当期純利益は前期比増益。

参考 今後の注力分野

  • ❶既存事業のさらなる強化
    • ・アスファルト販売事業、ターミナル運営事業、環境商材販売事業、法人給油カード事業、船舶燃料販売事業強化による収益拡大
  • ❷新規事業の開発
    • ・既存事業周辺分野への進出
    • ・CO2排出削減貢献商材・サービスの開発
    • ・規事業を推進できる人材の育成

電力・ユーティリティ事業

詳細はこちらを閉じる

主な取扱商品・サービス

電力発電(水力、太陽光、石炭火力、天然ガス火力)、蒸気、地域熱供給サービス、総合エネルギーサービス、電熱供給サービス、電力需給管理サービス、アセットマネジメント事業、レンタカー

当期の概況

  • 1. 実施施策
    • ❶電力で基盤をつなぐ~「人とデジタルで50万件」
    • ・グループ電力顧客数約34万件到達
    • ・TERASELシリーズのサービス展開
      (電力小売、法人向け太陽光発電、EVカーシェアリング)
    • ❷環境で未来をひらく~「脱炭素と経済性の両立」
    • ・新たな水力発電所(上越)、バイオマス発電所(徳島)の運転開始
    • ・防府の発電所にてバイオマス混焼試験実施
    • ・自家消費型太陽光発電サービスの設置推進

2. 業績

資源価格の高騰による調達価格の上昇に伴う電力小売利幅の縮小と前期における大規模太陽光発電所(メガソーラー)の子会社化に伴う評価益の反動により当社株主に帰属する当期純利益は前期比減益。

参考 今後の注力分野

  • ❶電力・DX活用による顧客基盤拡大
    • ・電力を石油・ガス・モビリティの顧客基盤を束ねる商材として活用
    • ・DXの推進によるグループ基盤の更なる拡大
  • ❷脱炭素と経済性の両立
    • ・よりサステナブルな発電事業(太陽光、蓄電池等)への取組み
    • ・需給調整力を強化しつつ、「電力調達・供給コストの低減」と「環境価値向上の実現」を両立
  • ❸新たな付加価値サービスの提供
    • ・節電・電力コストの低減を楽しく便利にする仕組み作り
    • ・TERASEL商材との組合せによる新たなサービスの創出

直前3事業年度の財産及び損益の状況

    (注)

  • 当社グループの連結計算書類は、会社計算規則第120条第1項の規定に基づきIFRSに準拠して作成しております。
  • 金額は百万円未満を四捨五入して表示しております。

連結計算書類