事業報告

1. 企業集団の事業の概要

当社ならびに連結子会社287社の連結営業収益は10期連続で過去最高となる8兆6,042億円(前期比101.0%)、連結営業利益は2,155億円(同101.5%)、連結経常利益は2,058億円(同95.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は268億円(同113.5%)となりました。当期の国内経済は、緩やかな景気回復基調で推移したものの、年間を通した天候不順、10月の消費税率引き上げによる消費マインドの冷え込みなど取り巻く環境は厳しいものとなりました。加えて、1月以降は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、先行き不透明な状況が続いています。このような状況のなか、当社グループは“絶えず革新し続ける企業集団”として、それぞれの地域と領域においてナンバーワンになるべく、グループ構造改革を着実に実行しました。

【グループ構造改革】

地域での競争力を圧倒的に高めるため、子会社の経営統合を実施し事業基盤の強化を図りました。2019年3月、中国・四国地域においてマックスバリュ西日本株式会社が株式会社マルナカと株式会社山陽マルナカを子会社化、同年9月には東海・中部地域においてマックスバリュ東海株式会社とマックスバリュ中部株式会社が、2020年3月には北海道でイオン北海道株式会社とマックスバリュ北海道株式会社が合併しました。また東北地域では、マックスバリュ東北株式会社とイオンリテール株式会社の東北カンパニーの食品事業等が2020年3月に経営統合しイオン東北株式会社として新たにスタートしました。各地域の統合会社は、低価格志向、健康志向、ローカル志向等の食の多様化や時短ニーズの高まり、食の市場を巡る競争の激化、労働環境の変化等に対応し、地域ナンバーワン企業を目指してまいります。

【成長領域における新たな取り組み】

2019年4月、最先端のITの導入が進む中国にグループのデジタルシフトの拠点となる新会社を設立しました。AI技術等を活用したリアル店舗とデジタルの融合を通じた新たなビジネスモデルを構築しお客さまに新たな顧客体験を提供するとともに、後方業務の生産性向上やIT人材の育成の取り組みを進めています。また、付加価値の高い商品の提供に向けて、フランスの人気コスメブランド「イヴ・ロシェ」の日本国内での独占販売を開始しました。天然由来の原料にこだわった高品質で毎日使える手ごろな価格帯のブランドで、2025年度までに全国約2,000店舗での販売を目指しています。さらに同年11月には、英国ネットスーパー業界で最も早い成長スピードを誇るOcado Group plcの子会社と国内における独占パートナーシップ契約を締結しました。2023年には、AIやロボティクス機能を駆使した次世代ネットスーパーを立ち上げるべく事業の構築に取り組んでまいります。これからも国内外問わず最先端のノウハウや技術を取り入れ、更なる成長を実現してまいります。

■連結営業成績および財産の状況の推移
■事業の種類別セグメントの状況
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(1)各事業の成果

小売・サービス

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・GMS事業では、イオンリテール株式会社が地域のお客さまの多様化するニーズに対応し、33店舗の既存店活性化と9店舗の新規出店を実施しました。店舗の特性に合わせて、買って、食べて帰るイオンの新しい食のスタイルである「ここde デリ」、こだわりの惣菜を対面形式で提供する「リワードキッチン」、美と健康の専門ショップ「グラムビューティーク」などを導入し競争力を強化しました。また、10月の消費増税前には家電、ビューティケア関連商品等の増税前のお客さまニーズの高い商品を拡販、増税後の11月には大型販促企画ブラックフライデーを行うなど、消費を喚起する取り組みに注力しました。

・SM事業では、マックスバリュ東海株式会社が経営統合による規模の拡大を活かした商品提供ならびに販促強化を図るとともに、統合後の新店舗では統合両社の特徴的な品揃えを融合した新たな売場を展開しました。また、首都圏を中心に展開するユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社は、商品部門の仕入れ機能の統合や共同調達領域を拡大する等、コスト低減に努めるとともに、お客さまの利便性向上や消費増税への対応等の取り組みを強化しました。小型SMを展開する、まいばすけっと株式会社は都市部のお客さまのニーズに合わせた商品・品揃えを拡充するとともに、ドミナント形成に向けて出店を強化し、営業収益、営業利益、当期純利益がともに過去最高となりました。

・ヘルス&ウエルネス事業では、ウエルシアホールディングス株式会社および同社連結子会社が129店舗を出店する等、同グループの店舗数は2,012店舗になりました。同グループでは、調剤併設店舗の増加による調剤売上の伸長等により、既存店の売上高は総じて順調に推移しました。また、都市部における事業基盤を強固なものとするため子会社の再編を行いました。

・サービス・専門店事業では、イオンディライト株式会社が、安全・安心、人手不足、環境への対応の3つを成長戦略の柱に社会課題を解決する環境価値創造企業を目指した取り組みに注力し、9月に発生した台風15号、10月の台風19号に際しては、被災地の早期復旧に向けた支援活動に迅速に取り組みました。

金融

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・総合金融事業では、国内において新規提携カードの発行や新規会員限定の大型販促企画によりカード会員数の拡大を図るとともに、継続してご利用いただけるよう各種キャンペーンを実施し収益基盤の強化を図りました。イオン銀行ではお客さまに最適なご提案が可能なサービスを提供すべく、資産運用シミュレーションツールを全店舗に導入し利便性の向上に努めました。また海外では、中・高所得者向けクレジットカードの発行やローン提供を強化しカード会員数ならびに取扱高の拡大に注力したほか、デジタルの活用による顧客基盤の拡大や営業・審査・回収における業務の効率化に努めました。

ディベロッパー

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・ディベロッパー事業では、イオンモール株式会社が、国内では4モールの増床、11モールのリニューアルを実施しました。積極的な増床やリニューアルに加え、地域のお客さまの健やかな暮らしや心の豊かさをサポートする「ハピネスモール」の取り組みを通じた新たな顧客層の取り込み、ローカリゼーションの推進を目的とした営業施策の実施等、集客力の強化に注力しました。また、海外では、新規出店とともに既存モールのリニューアルや計画的な増床、ジャパンクオリティでのモールオペレーション等の競争力強化により、集客力向上とドミナント出店の進展に伴うブランディングメリットの享受が進み、同社の業績は堅調に推移しました。

国際

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・マレーシアでは、旧正月商戦において衣料における低価格商品の積極投入や年初からの均一価格セールが成功し、売上高増加に寄与しました。イオンマレーシア(AEON CO.(M)BHD.)ではプロモーション開始時期の変更やカード会員への販促施策を強化するとともに、効率的な経費運用に努めました。ベトナムでは、同国1号店を増床リニューアル、カンボジアでは1号店・2号店の周年祭を実施し集客力向上に努めました。

・中国においては、春節への対応など需要のピークに合わせた販促が奏功し、北京イオン(BEIJING AEON CO.,LTD.)、青島イオン(QINGDAO AEON DONGTAI CO.,LTD.)の売上が堅調に推移しました。また、スマートフォンにクーポンやセール情報を配信するデジタル販促への切り替えを推進しました。
これらの営業強化策に加え、効率的な経費運用の推進により、中国事業は損益改善となりました。

●営業収益 構成比
●営業利益 構成比

数字でみるイオン

イオンは、強い競争力を有する小売、金融、ディベロッパー、サービス等、グループ各事業・企業が有機的に結びつき、高いシナジーを創出する総合グループへの進化を目指し、革新に挑戦し続けています。

日本・中国・アセアンで2万店舗を展開しています。

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(2)環境・社会への取り組み

「持続可能な社会の実現」と「グループの成長」の両立を目指す「イオン サステナビリティ基本方針」のもと、環境面では3つの中長期的な目標を定め、達成に向けて取り組んでいます。

中長期の環境目標の進捗状況

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・「イオン 脱炭素ビジョン2050」の達成に向けて、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーへの転換を進めています。2019年度は、太陽光発電の導入を加速するPPAモデルの導入を開始しました。また、電力会社3社(中部・中国・四国)と協働で、住宅用太陽光発電の固定価格買取制度の終了を迎えるお客さまを対象に、電力会社による余剰電力の買い取り量に応じてWAONポイントを提供するサービスを開始しました。さらに、気候変動による影響に関してTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に沿ったシナリオ分析を行い、リスク想定と事業継続のための対応策の検討を実施しました。このような取り組みが評価され、国際的な環境調査・情報開示を行う非営利団体CDPより「気候変動Aリスト」(最高評価)企業に選出されました。

・「イオン持続可能な調達2020年目標」の達成に向けて、ASC認証商品(養殖水産物)やMSC認証商品(天然水産物)、FSC認証商品(林産物)など、グローバル基準に基づいて生産された商品の調達を推進しています。

・食品廃棄物削減に向けた取り組みでは、サプライチェーン全体での削減に向け、2019年12月に地球環境と開発に関する政策研究・技術開発を行う米国の非営利団体WRIの食品廃棄物削減イニシアティブにアジア唯一の小売企業として参画、日本でのプロジェクトを国内の食品メーカー等21社とともに開始しました。

継続した環境・社会貢献活動

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・資源を使い捨てにしないライフスタイルの定着を目指しお客さまとともに様々な取り組みを行っています。1991年より買物袋持参運動を展開し、2007年からはレジ袋の無料配布中止に取り組んできました。2020年2月には、同年7月のレジ袋有料化義務の法施行に先立ち、プラスチック製レジ袋の無料配布を終了する業態・企業を拡大することを発表しました。

・1990年に設立された公益財団法人イオン環境財団は、世界各地における植樹をはじめ、環境活動に取り組む団体への助成、生物多様性の保全などに貢献した団体・個人への顕彰、環境人材育成のための教育、世界各地の大学、行政、学術研究機関ならびに国際専門機関との連携事業などに積極的に取り組んでいます。

・「お客さまから頂いた利益を社会のために役立てたい」という想いを込め、グループ主要企業が税引き前利益の1%を公益財団法人イオンワンパーセントクラブに拠出し、次代を担う青少年の健全な育成、諸外国との友好親善の促進、地域社会の持続的発展を目指す活動を支援しています。1989年に設立し、2019年に30周年を迎えた同財団への累計支援金額は約290億円となりました。

被災地支援の活動

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・広域に甚大な被害をもたらした台風15号、台風19号における対応では、被災地域の一日も早い復旧を願い、支援物資のお届けや支援募金の実施、従業員のボランティア活動、被災地域を応援するセールを実施しました。被災地域10県に対して、お客さま募金と公益財団法人イオンワンパーセントクラブの拠出金をあわせて、1億7,500万円超を寄付しました。また、大規模な自然災害が発生した際に、地域の社会インフラとしての機能を果たすための事業継続に備える取り組みとして、2019年7月に内閣府と「災害対応に関する連携協定」を締結、各地域の電力会社とは「災害時における相互支援に関する協定」の締結を進めました。台風15号被害への対応では、同協定に基づき、電力網の復旧拠点設営用のスペースとして店舗駐車場を貸与するなど、復旧活動を支援しました。

・東日本大震災後の復興支援では、東北の復興・創生、にぎわい創出に向け「にぎわい東北-つなげよう、ふるさとのチカラ」のスローガンのもと、地域産品の拡販、交流型の支援活動や植樹、商業施設における防災対策の強化など様々な取り組みを推進しています。2019年7月には、福島県浪江町との商業環境整備に関する覚書に基づき浪江町に戻り生活を再開された方や帰還を願いながらも離れた地域で生活を続ける方々が同町での生活を取り戻すための一助となるべくイオン浪江店をオープンしました。

ダイバーシティと健康経営の推進

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当社は、創業以来、人材こそが最大の経営資源であるとの信念に基づき、多様な人材が健康で能力を発揮し続けられる企業を目指し、ダイバーシティ経営を推進しています。

グループ各社の優れた取組事例の共有や、管理職の意識改革、事業所内保育施設の拡大等に継続的に取り組んでいます。こうした取り組みが評価され、2020年3月には4年連続で、「健康経営優良法人2020」の認定を受けたほか、女性活躍推進に優れた上場企業として「なでしこ銘柄」に3年連続で選定されました。

(3)コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンス体制

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当社は、グループ全体を視野に入れた基本理念に基づく経営、透明かつ持続性と安定性を持った経営、お客さまを原点とした絶えざる革新を追求し、これらを実践するための最適な企業統治体制として、指名委員会等設置会社を選択しています。

これにより、経営の監督と業務執行を分離して、執行役に大幅な権限移譲を行い迅速な経営の意思決定を実現する体制を整える一方、社外取締役を過半数とする指名委員会・監査委員会・報酬委員会の3委員会を設置して、経営の透明性と客観性を担保しています。さらに当社では「指名」「報酬」「監査」の各委員会の議長をすべて社外取締役とすることで経営の透明性と公平性をより一層高めています。

また、純粋持株会社としてグループの事業や個社の枠組みを越え、グループが目指すべき経営方針の策定や、経営資源配分の最適化、事業を越えたシナジーの創出に取り組んでいます。

コーポレート・ガバナンス体制
取締役会&3委員会の構成

※社外取締役5名全員は、東京証券取引所の定める独立役員の要件を満たしており、独立役員として同取引所に届け出ています。

各機関の主な役割と開催状況

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※当期は、上記の取締役会、各委員会での活動のほか、社外取締役ミーティング、政策審議ミーティングの開催、海外事業の視察等を行っています。

取締役会の活動報告

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取締役会では、決算報告といった定例議案だけでなく、イオンの中長期的課題をはじめとした経営上の重要テーマを取り上げた議論を行っています。特に2019年度は成長戦略や事業ポートフォリオについてフォーカスした議論がなされました。とりわけ、デジタルシフトを進める上での重要案件であるネットスーパー事業については同プロジェクトの潜在的成長力と革新的ビジネスモデルについて十分な討議と評価を行い、その成長戦略を推進する役割を果たしました。また、取締役会に加えて政策審議ミーティングを実施していますが、その場においては将来的なマーケットの変化や様々な技術革新を踏まえ、今後のイオンの目指すべき方向性について重要な討議を行っています。取締役会および政策審議ミーティングでは、社外取締役の多様なバックグラウンドに基づく幅広い角度から有益な意見提案がなされ、積極的で活発な議論が行われています。また、社外取締役とCEOとの定期ミーティングでは、社長後継者の計画という極めて重要なテーマについて話し合いがなされ、後継者候補選定に関する客観性・透明性の高い議論を十分な時間をかけて行いました。さらに、当社の中長期的な企業価値の向上に資するサステナブル経営を推進するべく環境・社会・ガバナンスを意識したESG視点にたった議論も活発になされています。

これらのことから取締役会は、グループ全体の企業価値向上を目指した議論が充実し、イオンの持続的な成長を促す監督機能が、実質的に機能していることを確認しました。

今後も、コーポレート・ガバナンスの一層の強化に努めてまいります。

2. 企業集団の対処すべき課題

近年、人口動態の変化、ITをはじめとする技術革新や、災害多発・気候変動といった環境変化に伴い、お客さまのライフスタイルや価値観は、加速度的に多様化が進んでいます。また、Eコマース事業を主とする企業の急成長など、従来の業種・業態を超えたボーダレスな競争が激化しています。

当社グループでは、これらの事業環境変化に対応するため、“絶えず革新し続ける企業集団”として、2017年12月の中期経営方針(2018年~2020年)において、変革の方向性として掲げたリージョナルシフト、デジタルシフト、アジアシフトと、それらを支える投資のシフトを推進し、それぞれの地域と領域においてナンバーワン企業を目指して革新を続けてまいります。

(1)グループ構造改革に向けた主要取り組み

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① リージョナルシフト

食を取り巻く大きな環境変化に対応し、更なる飛躍を果たすために、国内6地域においてスーパーマーケット事業の経営統合を進めています。2019年度には中四国、東海・中部地域で新体制に移行、2020年度には全ての地域で新たな体制への移行完了を計画しています。

今後は、各地域の事業会社が地域商品の開発、物流、デジタル化などへの投資を強化し、従来のスーパーマーケットのビジネスモデルからの変革に取り組んでまいります。これにより、お客さまに食を通じて豊かな暮らしを提供し、地域に最も貢献するスーパーマーケット事業として、シェアNo.1の実現を目指してまいります。

② デジタルシフト

Eコマースビジネス強化のため、米国Boxed、ドイツSIGNA Sports United GmbHへの出資、英国Ocadoとの連携を通じて最先端のノウハウやテクノロジーの獲得を進めています。それらに加え、当社グループが保有する店舗、商品、顧客データ、決済、インフラ等の強みと融合させることで、国内外のお客さまへ、より快適なオンラインでのお買物体験を提供してまいります。

また、最先端ITの開発・導入が進む中国にグループのデジタルシフトの拠点となる新会社(Aeon Digital Management Center)を設立しました。中国で開発したデジタルシステムのアセアンや日本への導入を視野に入れ、デジタルを活用した新たな顧客体験の提供や、業務の生産性向上、IT人材の育成を進めてまいります。

③ アジアシフト

アジアでは、日本同様にモールビジネスの確立やEコマースなどのデジタルシフトを推進するとともに、特に成長著しいベトナムへの経営資源の集中投下を進めています。今後もエリア最大規模となるショッピングモールの出店、既存店舗の増床・リニューアル、ネットスーパーの推進などを通じ、事業成長を加速してまいります。

更に、人口増加が予測される都市部での成長機会を獲得すべく、都市生活者のニーズに合わせた小型店フォーマット開発、オンラインと融合した新たなサービス提供など、新たな成長業態の開発を推進してまいります。これらにより、早期に海外での事業の比率を営業収益・営業利益で50%とすることを目指してまいります。

(2)組織体制の改革

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2020年3月、上記の主要取り組みの実行を更に推し進め、グループの更なる成長を図るため組織体制の改革を断行しました。

① 会長、社長の経営体制に移行し、戦略の策定と実行力を向上

・中長期のグループ戦略の決定とイオンらしさの醸成を職責とする会長と、戦略の実行を推進する社長の両輪による経営に移行し戦略の策定と実行力の向上を図ります。

② 少人数体制と組織のフラット化による意思決定スピードの向上

・組織のフラット化を図るため、GMS、ディベロッパー、総合金融、国際、ネット、コスメティックの各事業担当を廃止しました。また、執行役を14名から9名の少人数体制とし意思決定の迅速化を図る体制に刷新しました。

③ 社長の直接管掌によりグループ一体となったビジネスモデルの進化

・主要な子会社であるイオンリテール、イオンモール、イオンフィナンシャルサービス等を社長の直接管掌会社としました。また、「デジタル・中国」「アセアン」「サービス・専門店」「ヘルス&ウエルネス」の各事業を社長直下の組織に置き、事業間の連携を強化しながらグループ一体となったビジネスモデルを進化させ、更なる企業価値向上を図る体制としました。

3. 会社の体制および方針

当社のコーポレートガバナンスの基本的な考え方

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イオンは「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」という基本理念を全ての企業活動の指針とした経営を追求してきました。

このような価値観に基づき、当社のコーポレートガバナンスのあり方を、以下の5つの基本姿勢を中核とした「コーポレートガバナンス基本方針」として定めています。

ⅰ お客さま基点、現場主義による価値創造

お客さまの幸福感の実現を最大の企業使命として、お客さまとの接点である現場主義を貫き、常にお客さま基点で考えることで、変化するお客さまのニーズに対応した最適な価値創造を追求します。

ⅱ 最大の経営資源である人間の尊重

人間こそが最大の経営資源であるとの信念に基づき、従業員を尊重し、多様性を重視し、教育機会を積極的に提供することで従業員が自己成長に努め、強い絆で結ばれ、お客さまへの貢献を至上の喜びとする従業員で構成された企業を目指します。

ⅲ 地域社会とともに発展する姿勢

地域社会の一員、心を持った企業市民として、同じ地域社会の参加者であるお客さま、従業員、株主、取引先とともに発展し、地域社会の豊かさ、自然環境の持続性、平和に貢献することを目指します。

ⅳ 長期的な視野と絶えざる革新に基づく持続的な成長

お客さま、地域社会の期待に応え続けるために、変化する経営環境に対応するための絶えざる革新に挑戦することで、長期的な視野に立った価値創造を伴う持続的な成長と、グループ全体の継続的な価値向上を志向する経営に努めます。

ⅴ 透明性があり、規律ある経営の追求

お客さま、ステークホルダーとの積極的な対話に努め、評価を真摯に受け止め、常に自らを律することで、透明性と規律がある経営を追求します。

配当金について

当社の株主還元政策は、中長期的な成長による企業価値向上と利益還元のバランスの最適化を図ることを重点施策と位置付け、株主の皆さまからお預かりした資本に対していかに報いるかという視点に立ち、連結業績を勘案した配当政策を行ってまいります。

1株当たり年間配当金につきましては、前年以上を維持しつつ、連結配当性向30%を目標として定め、さらなる利益成長ならびに株主還元に努めていきます。

また、当社は株主の皆さまの利益還元の機会を充実させる目的で、剰余金の配当を年2回実施することとし、会社法第459条の規定に基づき取締役会の決議によって剰余金の期末配当を行うことができる旨を定めています。

年間配当金の推移(1株当たり)
【当期の剰余金の配当について】

当期の剰余金の期末配当は、2020年4月10日開催の取締役会決議により、1株当たり18円(普通配当17円、記念配当1円)とさせていただきます。これにより、中間配当18円(普通配当17円、記念配当1円)と合わせた当期の年間配当金は1株当たり2円増配の36円となります。なお、期末配当金の支払開始日(効力発生日)は2020年4月30日(木曜日)とさせていただきます。

連結計算書類