事業報告(2018年4月1日から2019年3月31日まで)
企業集団の現況に関する事項
当期における当社グループの事業の状況
事業の経過及び成果
当連結会計年度におけるわが国経済は、中国を始め海外経済の減速による輸出の減少などから、先行きに対する不透明感が増す結果となりました。しかしながら、企業の設備投資は、人手不足を補う省力化に向けた投資を中心に堅調に推移しました。
リース業界において、2018年度のリース取扱高は、前期比3.3%増加の4兆9,894億円となりました。(公益社団法人リース事業協会統計)
このような状況のなか、当社グループにおいては、前期よりスタートさせた3ヵ年中期経営計画(中計)の2年目として、中計で定めた事業成長戦略及び組織能力強化戦略を遂行してまいりました。事業成長戦略のもと、既存事業領域に対する営業強化に加えて新規事業領域の開拓を進め、営業資産の積み上げと同時に営業資産利回りの改善を図りました。組織能力強化戦略では更なる成長を見据え、人員とITインフラの強化や働き方改革の推進を図ってまいりました。
好調な契約獲得による取扱高の増加に加えて太陽光発電事業などへの事業投資も積極的に取り組み、当連結会計年度における営業資産残高は、大幅に増加しました。
その結果、売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも増加しました。売上高、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新しました。
事業区分別の概況
当期における報告セグメント別の概況は次のとおりです。
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リース・割賦事業
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リース・割賦事業
主な事業内容
事務用機器・情報関連機器、医療機器、産業工作機械、計測器等のファイナンス・リース、オペレーティング・リース及び割賦・クレジット(リース取引の満了・中途解約に伴う物件売却等を含む)
リース・割賦事業は、収益性重視の方針のもと、新規契約獲得利回りを改善させつつ営業資産残高を増加させました。取扱高は、事務用機器・情報関連機器、商業及びサービス業用機器、車両及び輸送用機器、再生可能エネルギー発電設備が好調に推移しました。その結果、売上高、セグメント利益ともに増加しました。
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金融サービス事業
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金融サービス事業
主な事業内容
法人向け融資・業界特化型融資・住宅ローン・マンションローン等の貸付、請求書発行・売掛金回収等の代行サービス、介護報酬ファクタリングサービス及び住宅賃貸事業等
金融サービス事業は、法人や医療機関向けを中心に融資の取扱いが好調に推移したことに加え、住宅賃貸資産への投資を進め、営業資産残高を大幅に増加させました。また、集金代行サービスや介護報酬ファクタリングサービスが順調に推移していることから受取手数料も増加しました。その結果、売上高、セグメント利益ともに増加しました。
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リース・割賦事業
主な事業内容
事務用機器・情報関連機器、医療機器、産業工作機械、計測器等のファイナンス・リース、オペレーティング・リース及び割賦・クレジット(リース取引の満了・中途解約に伴う物件売却等を含む)
リース・割賦事業は、収益性重視の方針のもと、新規契約獲得利回りを改善させつつ営業資産残高を増加させました。取扱高は、事務用機器・情報関連機器、商業及びサービス業用機器、車両及び輸送用機器、再生可能エネルギー発電設備が好調に推移しました。その結果、売上高、セグメント利益ともに増加しました。
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金融サービス事業
主な事業内容
法人向け融資・業界特化型融資・住宅ローン・マンションローン等の貸付、請求書発行・売掛金回収等の代行サービス、介護報酬ファクタリングサービス及び住宅賃貸事業等
金融サービス事業は、法人や医療機関向けを中心に融資の取扱いが好調に推移したことに加え、住宅賃貸資産への投資を進め、営業資産残高を大幅に増加させました。また、集金代行サービスや介護報酬ファクタリングサービスが順調に推移していることから受取手数料も増加しました。その結果、売上高、セグメント利益ともに増加しました。
報告セグメントに含まれない「その他」を加えた全体の概況は以下のとおりです。
【財務目標】
当社では、中期経営計画の最終年度である2020年3月期におきまして、以下の財務目標を目指しております。
本中計期間では、事業成長を目的としているため、稼ぐ力を表す「営業利益」とストックビジネスの将来の利益の源泉である「営業資産残高」を目標においております。
本中計策定時のそれぞれの目標は以下の通りです。
- イ.営業利益 183億円
- ロ.営業資産残高(リース債権流動化控除前) 9,000億円
また、投下資本全体の運用効率・収益性を測る指標である「ROA」を中期的目標として、以下を目指しております。
- ハ.ROA(総資産当期純利益率) 1.30%
対処すべき課題
わが国の経済は、貿易摩擦による世界経済の減速に加えて、消費増税を控え国内景気に対する減速懸念が強まっており、先行きに対する不透明感が増しております。しかしながら、人手不足などを背景に省力化や生産性の向上に向けた設備投資やサービスに対する需要及びインバウンド関連への投資が底堅く推移すると予想されます。当社の収益環境においては、米国の利上げ観測後退により、歴史的な金融緩和策の当面維持が見込まれ、リース会社のみならず金融機関との競争の激化が継続することで、厳しい状況が続くものと認識しております。
さらに少子高齢化や生産年齢人口割合の低下など人口動態の変化や新技術(AI、IoT、フィンテックなど)を活用した新しいビジネスの発展により、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化することが予想されます。
こうした環境下、当社グループは、2017年度にスタートした3ヵ年の中期経営計画のもと、事業基盤の強化と新しい成長領域の創出を図るとともに、働き方改革の推進、人員とITインフラの強化の推進により組織能力を高め、更なる成長に向けた基盤作りを進めてまいります。
①中期経営計画ビジョン:「リース」の先へ
今中期経営計画期間である2017年度から2019年度を、“「リース」の先へ”に向かう成長期として位置づけ、基盤事業周辺の新事業へ進出し、これまで取り組んでいない事業領域やリスクにチャレンジしながらお客様の期待を先取りした事業・商品を研究・開発することで、更なる成長の基盤を築いてまいります。そして、次の中期経営計画期間で“「リース」の先へ”に到達し、リースや金融だけでなく、環境・社会・お客様の発展に役立つサービス・商品を提供できる企業へと進化することを目指します。
②中期経営計画の戦略
Ⅰ.事業成長戦略
- イ.ベンダーとのアライアンス強化と顧客網の最大活用による揺るぎない営業基盤づくり
当社が保有する40万社の顧客網に対する接点活動を強化しながら、ベンダーに対する有効なオファリングモデルの提供と戦略的な提携による関係強化を図ります。 - ロ.リース以外の提供価値の創造
お客様、市場、時代が求める事業・商品を開発し、新たなリスクテイクによって事業領域を拡大します。 - ハ.リコーグループ各社との協業によるリース+サービスビジネスの展開
製造、販売、物流などグループ各社が持つ強みを組み合わせた新たなサービスやビジネスモデルを創造します。 - ニ.創エネ・省エネを軸とした新たな環境分野への挑戦
環境・再生可能エネルギー設備に対する取り組みを強化します。 - ホ.社会の変化に対する課題を解決するための金融サービスの開発と提供
多様化する決済手段への対応を強化するとともに、人口動態の変化に対応した金融サービスの開発と提供を進めます。
Ⅱ.組織能力強化戦略
- イ.多様化するニーズ・サービスに対応し、更なる商品力・業務効率化を追求する新プラットフォームの構築
新しい事業・サービス・商品の開発・提供を支えるため、またAI等の新しいテクノロジーを活用した業務効率化を推進するためのITインフラの整備を進めます。 - ロ.社会、市場、働き方の変化に対応した人財マネジメント
時間、場所にとらわれない柔軟な働き方の実現による生産性の向上と、事業成長に向けた人員のシフトを進めます。また業績貢献に報いるための報酬制度を改定し、社員の成長意欲・チャレンジ精神を育みます。
Ⅲ.CSRの更なる推進
- イ.事業活動を通じた環境負荷低減
環境貢献度の増大を目指した環境関連事業の拡大を図ります。 - ロ.持続的な成長を実現するための各ステークホルダーへの貢献
社会的課題解決に向けて優先順位をつけた活動を推進します。 - ハ.コーポレートガバナンスの継続的な強化
PDCAの強化による企業価値向上を目指します。
連結業績予想、中期経営計画の財務目標は、以下のとおりです。
連結計算書類
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