事業報告(2020年4月1日から2021年3月31日まで)
企業集団の現況に関する事項
当期における当社グループの事業の状況
事業の経過及び成果
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、深刻な状況が継続しました。企業の設備投資においては、緊急事態宣言の解除による緩やかな経済持ち直しの動きはあったものの、断続的に感染拡大が発生し、先行き不安から抑制傾向が継続しました。
リース業界において、2020年度のリース取扱高は、前期比14.1%減少し、4兆5,517億円となりました。(公益社団法人リース事業協会統計)
このような状況のなか、当社グループにおいては、2020年度よりスタートさせた3ヵ年中期経営計画(中計)の初年度として、中計で定めた事業成長戦略及び組織能力強化戦略を遂行してまいりました。事業成長戦略の下、コロナ禍における、より効率的な営業活動の模索と、新規事業領域の拡大を進めると同時に、組織能力強化戦略では今中計目標の達成、及び中長期的な成長を見据えた基盤づくりのための人員とITインフラの強化を推進してまいりました。
契約活動においては、経済活動が制限される中においても、電話やWEB会議を利用した効率的な営業活動を取り入れてまいりました。
その結果、売上高は減少しましたが、資産利回りの改善やインベストメント事業の資産増加等により、売上総利益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも増加しました。
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事業区分別の概況
当期における報告セグメント別の概況は次のとおりです。
なお、当期より、報告セグメントを「リース・割賦事業」及び「金融サービス事業」から、「リース&ファイナンス事業」、「サービス事業」及び「インベストメント事業」に変更しております。
前期の数値については、変更後の報告セグメントの区分により組み替えて作成したものを記載しております。
リース&ファイナンス事業
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- 主な事業内容
事務用・情報関連機器、医療機器、産業工作機械、計測器等のファイナンス・リース、オペレーティング・リース、割賦・クレジット(賃貸取引の満了・中途解約に伴う物件売却等を含む)
法人向け融資・業界特化型融資・住宅ローン・マンションローン等の貸付等
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リース&ファイナンス事業は、収益性重視の方針の下、新規契約獲得利回りを改善させました。一方、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う設備投資の抑制傾向が継続したこと等から、取扱高と営業資産残高はともに減少し、新型コロナウイルス感染症の影響等により貸倒費用は増加しました。その結果、売上高、セグメント利益ともに減少しました。
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サービス事業
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- 主な事業内容
請求書発行・売掛金回収等の代行サービス、医療・介護報酬ファクタリングサービス
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サービス事業は、集金代行サービスにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響により一時的に取扱件数が減少したものの、非接触ニーズの高まりから請求件数は増加に転じました。医療・介護報酬ファクタリングサービスにおいては、公的支援等の充実による解約申請が発生しました。その結果、売上高は増加しましたが、セグメント利益は減少しました。
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インベストメント事業
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- 主な事業内容
太陽光発電、住宅賃貸・不動産関連
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インベストメント事業は、太陽光発電においては、新型コロナウイルス感染症による工事遅延の影響を受けたものの、前期に比べ事業投資額を伸ばしました。住宅賃貸・不動産関連においては、不動産市況を鑑み、慎重なスタンスを維持しました。その結果、売上高、セグメント利益ともに増加しました。
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【財務目標】
当社では、中期経営計画の最終年度である2023年3月期において、以下の財務目標を目指しております。
本中計期間では、事業成長を目的としているため、稼ぐ力を表す「営業利益」とストックビジネスの将来の利益の源泉である「営業資産残高」を目標に置いております。これに加え、投下資本全体、及び株主資本の運用効率・収益性を測る指標である「ROA」及び「ROE」を中長期目標として置いております。
それぞれの指標の目標は以下のとおりです。
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イ.営業利益
200億円 -
ロ.営業資産残高(リース債権流動化控除前)
12,000億円 -
ハ.ROA(総資産当期純利益率)
1.1%以上 -
ニ.ROE(自己資本利益率)
6.7%以上
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直前3事業年度の財産及び損益の状況
企業集団の財産及び損益の状況の推移
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対処すべき課題
わが国の経済は、2020年初頭からの新型コロナウイルス感染症の断続的な感染拡大により深刻な影響を受けており、ワクチンの普及に伴う感染収束への期待はあるものの、依然として先行きは不透明な状況が続くものと見込まれます。当社の収益環境も、設備投資の抑制による取扱高の減少や企業倒産の増加懸念により、厳しい状況が続くものと認識しております。
さらに少子高齢化や生産年齢人口割合の低下など人口動態の変化に加え、既に変化しつつある新型コロナウイルス感染症の影響による生活様式の変化、またAI、IoT、5G、フィンテックなどの技術革新の進展により、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化することが予想されます。
こうした環境下、当社グループは、2020年度より3ヵ年の中期経営計画をスタートさせました。「循環創造企業へ」という中長期ビジョンのもと、「E:環境循環」、「S:ソーシャル&コミュニティ」、「G:ビジネス&ガバナンス」の3つの事業ドメインにおいて、事業成長戦略を推進し、組織能力強化戦略により事業基盤を強化することで更なる企業価値の向上を目指します。
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① 中長期ビジョン:循環創造企業へ
「個を中心に据えた経営」で環境・社会・経済における良い循環を創造し豊かな未来への架け橋となる -
② 中期経営計画の戦略
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Ⅰ.事業成長戦略
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1.ベンダーリースの更なる進化と顧客提供価値の強化
ベンダー支援機能の更なる充実とお客様向けポータル構築による提供価値を強化します。また、資産の更なる優良化のための施策を展開します。 -
2.安心・安全・快適な「住まう」、「暮らす」環境の創造
住宅賃貸事業プラス周辺サービスによる地域社会再生への貢献、外部環境に合わせた多様なローンの提供及びヘルスケア&ウェルネス分野のソリューション営業を強化します。 -
3.環境循環に根ざしたクリーンな地球環境への貢献
再生可能エネルギー分野へのファイナンス提供と発電事業投資を行い、環境循環・環境負荷低減に資する3R(リデュース、リユース、リサイクル)を進めます。 -
4.新たな事業領域の開拓とビジネスモデルの創造
ファイナンス手法の多様化による新分野の開拓、出資先・提携先との協働による新規ビジネスの創出を進めます。また、「E・S・G」にフォーカスした事業投資や海外へのチャレンジに取り組みます。 -
5.レンタル事業の再構築
リコーグループとの協業によるレンタル事業とICT分野の取り組みを拡大し、新しいレンタルサービスを展開します。 -
6.アセットに拠らないビジネスの拡大
既存商品での新分野開拓を強化するとともに、社会・お客様の期待や要望に応えるサービスを開発していきます。 -
7.みずほリースとの提携による事業拡大
既存事業の強化及び新たな事業機会を創出します。
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1.ベンダーリースの更なる進化と顧客提供価値の強化
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Ⅱ.組織能力強化戦略
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1.高品質・高効率化を追求する基幹システム及び業務体制の構築
新基幹システムを構築し、審査・与信機能改革(仕組みとAI活用)を行なうとともに、標準化・自動化による業務効率の推進と品質の改善を進めます。 -
2.社員の幸福を会社業績拡大につなげる人財マネジメント
社員の幸福(ハピネス)向上のための施策の展開やダイバーシティ&インクルージョンの継続を推進し、事業成長実現のための人材獲得と育成を行います。 -
3.ガバナンス強化
企業価値向上のための施策を展開し、内部統制・内部監査の充実を図ります。
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1.高品質・高効率化を追求する基幹システム及び業務体制の構築
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Ⅰ.事業成長戦略
連結業績予想、中期経営計画の財務目標は、以下のとおりです。
連結業績予想
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中期経営計画の財務目標
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